【ネタバレ感想】anone最終回:偽物の物語の結末は…中世古が陽人を守ったわけ

ドラマ「anone」

どうも、夏蜜柑です。
水10ドラマ「anone」最終回(第10話)。

少し急ぎ足な最終回でしたが、最後にはハリカや亜乃音さんたちが笑顔になってくれてよかったです。切ないけれど温かいラスト。持本さん、やっぱりセミ柄のパジャマが似合うねー。

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以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

林田印刷所に、家宅捜索が……

火事の記憶を思い出した陽人(守永伊吹)に何も言えないまま、中世古(瑛太)は逃亡。

ハリカ(広瀬すず)は、誰もいない家に帰ります。

ここでハリカは、洗濯物をたたみ、猫に餌をやり、パジャマに着替えて布団に入るんですよね。いつもどおりに。でも、布団の中で声を漏らして泣いてしまう。

灯りの消えた真っ暗な部屋の中。
テーブルに置かれたままの、3人分の苺のショートケーキ。
今回、このシーンがいちばん悲しかったです、わたし……( 。-_-。)

やがて、林田印刷所に家宅捜索が入り……。
警察に連行される途中、玲(江口のりこ)に猫を預けて行くハリカ。

亜乃音さん(田中裕子)の弁護は、万平先生(火野正平)が引き受けます。
何も語ろうとしない彼女に、困り果てる万平先生。

そのころ、青羽さん(小林聡美)持本さん(阿部サダヲ)は温泉旅館にいました。テレビのニュースで亜乃音さんが逮捕されたことを知りますが、青羽さんは自首を拒みます。

なぜなら、持本さんを看取る約束をしたから……。

彦星からの手紙

ハリカは鑑別所へ送られ、そこでネカフェ仲間の有紗(碓井玲菜)と再会。

第1話に登場した彼女。まさかの再登場です。

当初は予定になかったらしいのですが、第1話の熱演が番組スタッフに評価され、再出演となった↓とか。

広瀬すず主演「anone」熱演話題で“予定外”の再オファー 注目の美女・碓井玲菜、初ドラマで評価

たしかにインパクトありましたからね……抜けた前歯(そこかい!)

どうやら無事に差し歯を入れられたようで。良かったですね(笑)
彼女のおかげで、鑑別所での生活はそこそこ楽しそうでした。

ハリカのもとに、彦星(清水尋也)からの手紙が届きます。

彦星は、ハリカの嘘に気づいていました。
ハリカの「心のこもった嘘」に応えるために、茉歩(藤井武美)の父親の援助を受けて、先進医療を受けることを決めます。

「そんなにしてまで生きたいと思わない」と言っていた彦星が……。
きっとハリカの嘘のない思いが、彦星を変えたのでしょう。そう思いたい。

そして、今までハリカがそうしていたように、彦星はハリカに外のことを伝える手紙を送り続けます。

今までと同じように、どうでもいいような話で盛り上がるふたり。
でも、そこはかとなく悲しい。

2人には、いつも未来がなかった。
そして今度もまた、未来はない。
彦星の治療がうまくいけばいくほど、ハリカから遠ざかっていく。

紫陽花の花言葉

青羽さんと持本さんは、アパートに隠れ住んでいました。

パジャマを着て、青白い顔で、押し花アートを作っている持本さん。
病気が相当進行しているらしいことが、一瞬で見て取れます。

その夜、持本さんは青羽さんの膝の上で亡くなります。
「明日、紫陽花の花を摘みに行きたい」と言って……。

2人がこのとき話していた花には、それぞれ意味深い花言葉があって。

紫陽花は、「家族団欒」。

スイカズラは、「献身的な愛」。
アヤメは、「希望」。

ヒトリシズカは、「愛にこたえて」。
桔梗は、「永遠の愛」。

スミレは、「小さな幸せ」。
ハルジオンは、「追想の愛」。

その翌朝。

テレビのニュースで街頭インタビューに答えていた持本さんの映像が流れます。「好きな人を色に例えると?」という質問に、「青羽さんの青です」と照れくさそうに答える持本さん。

あのインタビューをここで使うのか……(T^T)
本人が亡くなった翌朝に、これは泣く。誰だって泣く。

青羽さんは、警察に出頭しました。

ハリカと彦星の切ない別れ

ハリカのいる少年院に、彦星が面会にやってきます。
万平先生(息子さんのほう?)の計らいらしいですが……。

ハリカは、会いたくなかっただろうなぁ。
こんな姿、見られたくなかったよね。
あの時、あの花柄のワンピースを着ていた時に、会いたかったよね。

彦星は、治療のおかげで腫瘍が消え、いったん退院することになったと言います。
彦星の回復を心から喜び、静かに涙をこぼすハリカ。

そこでもまた、ふたりは他愛ない話ばかりしています。
面会時間は30分しかないのに、寿さんの話とか(ホント寿さんって誰?)

彦星と別れて部屋にもどったハリカは、もう会わないことを決めます。

ハリカの想像の世界では、学生服を着た2人が、かつて流れ星を見たあの風車の下で、楽しそうにお弁当を食べていました。

彦星は、もう孤独ではなくなったんだよね。家族ともうまくいって。
きっとこれから、今までやりたくてもできなかったことを、たくさんするんだろう。大切な人たちに支えられて、いっぱい愛情をもらって。

でもそこに、ハリカはいないような気がする。

ハリカの性格を考えても、きっと会いには行かないだろうと思う。

カラスのキーホルダーと弟の存在

少年院を出たハリカは、指名手配中の中世古と会います。
中世古は各地でニセ札を使いながら、逃亡していました。

亜乃音のために自首してほしい、と訴えるハリカ。

中世古がなぜそこまで金(ニセ札)にこだわるのか、ずっと動機がわかりませんでした。最終回で明かされるのかと思いましたが、結局、はっきりとは語りませんでしたね……。

ただ、ヒントとなるセリフはありました。

親に捨てられたハリカと似たような境遇だったらしいこと。
辛い目に遭った人間は、世の中を恨む権利があると思っていること。

そして中世古は、「弟はもっと痛かった。俺は逃げて転んだけ」と言いました。
おそらく今は生きていない弟の存在が、中世古の抱える闇に繋がっているようです。

その弟について、中世古はその直後の陽人との会話の中でも、触れています。

自首する前に陽人に会わせてくれと言う中世古の願いを聞き入れ、ハリカは海岸で2人を会わせます。そのころ陽人は、火事の記憶のせいで一日中部屋にこもり、学校に行かなくなっていました。

中世古は、「人間の記憶って、嘘をつくことがあるんだよ」と陽人の記憶を否定し、火事になったのは自分が火をつけたせいだと言います。

ここで思い出されるのが、第1話のハリカの記憶。

ハリカもまた、幼少時の嘘の記憶を、ずっと本物だと信じ込んでいました。この中世古のセリフを聞いたときのハリカの表情が、痛々しかったですね……。

そしてこの時、中世古はこうも言っていました。

「隣のお父さん、悪い人だったろ。子供を殴ったりしてさ、酷いことしてたろ。ああいう人は、いなくなればいいから、俺がいなくした。ずっとそうしたかったんだよ」

このセリフには、嘘と本当が混じっているような気がしてならないです。

中世古(と弟)は、親から虐待を受けていたのかもしれない。
弟は、虐待のせいで亡くなったのかもしれない。
自分は逃げて、弟を助けられなかったのかもしれない……。

中世古は、弟の形見であるカラスのキーホルダーを、陽人に渡します。
第3話にも登場したこのキーホルダー、やはり鍵を握っていたんですね。

中世古の弟は、陽人と同じ8歳だったようです。
中世古は、最後に「心のこもった嘘」をついて、陽人(弟)を守ったのでしょう。

3年後…赤い服を着て

玲が亜乃音の刑務所を訪ね、2人はガラス越しに面会します。
ようやく「お母さん」と呼ぶ玲。

玲の襟の後ろにクリーニングのタグがついたままになっていて、それを教えてあげる亜乃音さん。「バカねえ」と言って笑う2人は、やっと昔の親子にもどれたようです。

ハリカは、亜乃音さんの家に帰ってきます。

テーブルの上に置かれた新聞には、中世古に懲役8年、亜乃音に懲役3年の判決が下った記事が。

そして月日が経ち、亜乃音さんが刑期を終えて刑務所から出てきます。花柄のワンピースと赤いカーデガンを着て、亜乃音さんを迎えに行くハリカは、22歳になっています。

ずっと淋しい青い服を着ていたハリカ。

赤い服を着た彼女からは、孤独の影が消えています。話し方もすっかり変わって。もうオドオドしてません。

手を繋いで歩くふたり。

家に帰ると、青羽さんがエプロン姿で待っています。
家の柱には、持本さんの作った押し花アートが飾られています。

そして、持本さんがセミ柄のパジャマを着て笑っています。
持本さんが見えるのは、青羽さんだけ。

そうだった。青羽さんには幽霊が見えるんだった。

第4話で、亡くなった娘の幽霊が見えていた青羽さん。
素敵な伏線回収です。

いつか本物になる日が

「おいしいのかなぁ?」と半信半疑でみかん鍋(持本さんがしつこく美味しいと言ってた)の用意をする亜乃音さんと、青羽さんとハリカ。

鍋の具材の「かにかまぼこ」があまりにも本物そっくりなのを見て、信じられない様子の亜乃音さん。

「メロンパンもいつかメロンになるかも」
「鯛焼きも鯛になったり」
「それ言うとウグイスパンなんてパンが……」

ニセモノが、いつか本物になる日がくるかもしれない。

ハリカたちの長い旅を通して、この作品が伝え続けたメッセージ。
思わず胸が熱くなりました。

ハリカは亜乃音さんに「ひとり暮らしをしたい」と言い出します。
今までひとりになりたいと思ってなったことはない。でも、今度は自分で決めてひとりになるのだと。

「帰れる場所があるから。もう淋しくないから。自分の力で頑張ってみたい」

あぁ、なんて力強い言葉を……。
ハリカの成長を感じて、嬉しくなっちゃいましたね。

物干し場に出て、流れ星にお願いごとをする3人と持本さんの幽霊。

優しいまなざし

辛いことのほうが多いドラマでしたが、ラストシーンは心が温かくなりました。
4人が再びあの家に戻ってきてくれて、本当によかったです。

彦星と一緒に流れ星を見ることはできなかったけれど、ハリカには新しい居場所ができました。あの思い出だけが、唯一の居場所ではなくなりました。

ハリカにとっては、良かったんじゃないかな。
あの思い出は辛すぎるもの。

結果的に4人とも前科者になってしまったけど、そうなってでも守りたかった大切な居場所。きっと、とっくに覚悟の上だったのでしょうね。

第7話で「初めから道を外してる」という持本さんのセリフがあったけど、ずっと道を外して、世の中から落ちこぼれて生きてきた人たちだから。

これからも、外れた道の上を、どうにか歩いて生きていくんだと思う。そこに注がれる作り手のまなざしがこのうえなく優しいことに、救われます。

素晴らしいドラマでした。

https://twitter.com/anone_ntv/status/976435570942533634

▼ロケ地はこちらで書いています

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