映画「リメンバー・ミー」感想:カラフルな死者の世界。2度目の死が泣ける

ディズニー / ピクサー映画「リメンバー・ミー」

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

どうも、夏蜜柑です。
映画「リメンバー・ミー」の感想です(ネタバレなし)。

とーっても面白かったです!午前中に見に行って、午後にこれ書いてるんですけど、今も頭の中に「リメンバー・ミー」が流れてます。ミュージカルとしても、冒険物語としても、ミステリーとしても、充分大人が楽しめる満足度の高い作品でした。

基本情報

  • 制作国:アメリカ
  • 上映時間:109分
  • 公開日:2017年11月22日(アメリカ)、2018年3月16日(日本)
  • 原題:Coco
  • 監督:リー・アンクリッチ
  • 共同監督:エイドリアン・モリーナ
  • 脚本:エイドリアン・モリーナ
  • 製作:ダーラ・K・アンダーソン
  • 製作総指揮:ジョン・ラセター
  • 音楽:マイケル・ジアッキーノ
  • 歌曲:ロバート&クリステン・アンダーソン・ロペス
  • 日本版エンドソング:「リメンバー・ミー」シシド・カフカfeat.東京スカパラダイスオーケストラ

あらすじ

主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう…。唯一の頼りは、家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター。だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という運命が待ち受けていた…。絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲、“リメンバー・ミー”。不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!(公式サイトより)

登場人物(吹き替え)

ミゲル
アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩

ヘクター
ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人

エルネスト・デラクルス
ベンジャミン・ブラット/橋本さとし

イメルダ(ひいひいおばあちゃん)
アラナ・ユーバック/松雪泰子

エレナ(おばあちゃん)
レニー・ヴィクター/磯辺万沙子

ココ(ひいおばあちゃん)
アナ・オフェリア・ムルギア/大方斐紗子

エンリケ(お父さん)
ハイメ・カミーユ/横山だいすけ

フリオ(ひいおじいちゃん)
アルフォンソ・アラウ/多田野曜平

フリーダ・カーロ
ナタリア・コルドバ=バックリー/渡辺直美

オスカル&フェリペ
ハーバート・シグエンサ/佐々木睦

事務官
ガブリエル・イグレシアス/チョー

広場のマリアッチ
ロンバルド・ボイヤー/坂口候一

ロス・チャチャラコス女性メンバー
シシド・カフカ

ロス・チャチャラコス男性メンバー
茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)

感想

映画「リメンバー・ミー」

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

テーマは王道中の王道「家族の絆」です。
「またこれか、もうええわ」と思わないでください。この作品で描かれるのは、生きている家族だけではないんです。そして今まで見たことのない家族の描き方に挑戦した映画です。

今日公開したばかりだし、ぜひ映画館で観て驚いてほしいので、今回はネタバレを控えます。知らないまま見たほうが、絶対に面白いです!

とにかくカラフルな“死者の日”を見て!

ネタバレしない範囲で、ストーリーをざっと説明しますね。

舞台はメキシコの小さな町。
年に一度、先祖の魂を迎えるお祭り“死者の日”がやってきます。

この“死者の日”というのは、11月にメキシコ各地で祝われる行事。簡単に言うと日本のお盆のようなもので、この期間に先祖の霊が帰ってくると信じられているとか。

しかし日本と違うのは、その色彩感覚なんですよねー。
もうね、とにかくカラフル。で、かわいいの。

一度“死者の日”ってネットでググってみてください。すごい鮮やかな、色彩あふれるガイコツがいっぱい見られます。死者に対するこういう遊び感覚、日本人にはないよね。おどろおどろしさならどこにも負けんけど^^;

ちっとも怖くない“ガイコツ”を見て!

主人公の少年・ミゲルは、音楽が大好き。だけど大昔、ミゲルのひいひいじいちゃんが音楽のために家族を捨てて家を出ていったことから、ミゲルの家では頑なに音楽を禁じています。

ミゲルは家族に内緒でミュージシャンになる夢を抱いていましたが、“死者の日”にそれがバレてしまい、激怒したおばあちゃんに大切なギターを壊されてしまう。

自分の夢を理解してくれない家族なんて──。傷ついたミゲルは伝説の大スター・デラクルスの霊廟に忍び込み、彼のギターを手にします。するとどういうわけか、死者の世界に迷いこんでしまう。ミゲルは生きている人から見えない存在となり、死者からは見えるようになる。

といっても、やっぱり怖くはないです。この映画に出てくる死者(ガイコツ)たちは、陽気で元気でオシャレ。“死者の日”のカラフルな色彩そのものです。

テーマパークみたいな《死者の国》を見て!

もとの世界に戻るため、ミゲルは《死者の国》で出会ったイメルダひいひいばあちゃんから“許し”を得ようとするのですが、イメルダはその条件に「音楽を諦めること」を提示します。

この《死者の国》が、と~ってもよく出来てるんですよね!

高い塔が埋め尽くすように立ち並び、無数の窓から色とりどりの窓の灯がもれていて。死の国らしく青い霧に包まれているんだけど全然不気味じゃなくて、無限に広がるテーマパークのよう。ディズニーランドのエレクトリカルパレードを彷彿とさせる美しさです。

アンクリッチ監督は、この世界を創造するのに水に囲まれたアステカの都市をイメージしたようで。死んだ人が次々と到着する《死者の国》には、水の中から現れる珊瑚礁のように成長し続ける塔がふさわしいと考えたらしいです。

だから、塔の底辺は古代のピラミッドになっている。そこからスペイン植民地時代の大聖堂やビクトリア朝の建物に。上にいくほど近代的な建物に変化しています。

《死者の国》で暮らすガイコツたちも、みんな楽しそう。でも、そこにはひとつだけ条件がありました。

ヘクターが向き合う“2度目の死”を見て!

ミゲルは《死者の国》で、ヘクターと名乗るガイコツと出会います。
陽気で調子のいいヘクターですが、彼には“2度目の死”という運命が待ち受けていました。

家族に忘れられると、《死者の国》からも永遠に消えてしまうのです。

家族に忘れ去られようとしているヘクターには、もうあまり時間が残っていません。それは見た目にも現れていて。ほかのガイコツたちに比べて艶がなく、みすぼらしいヘクター。すぐガタガタと骨が落ちたり、まっすぐ歩けなかったりもする。

反対に、今も生きている人たちから崇拝されている大スターのデラクルスは、見るからに骨がつやっつやで、ピシッとしてるんです。

死んだ後にもう一度訪れる死という概念が切ないのと同時に、死の先を描いたことに驚きました。死は特別じゃなくて、誰もが行き着く場所。本当に悲しいのは、“2度目の死”のほうなんだと。

家族に思い出して欲しいと必死に願うヘクターの姿を見ていると、生きている自分たちが先祖や亡くなった人たちを思い出す“死者の日”や“お盆”という行事にも意味があるのだと思わずにはいられませんでした。今までは、あんまり深く考えたことなかったんだけど。

ミゲルが歌う「リメンバー・ミー」を聴いて!

どうしても音楽を諦めたくないミゲルは、イメルダから逃れ、大好きなデラクルスに会いに行こうと決めます。ここから物語は大きく動き出します。あとは、ぜひ映画を見てください。わたしは泣きました(これ書いてても泣きそう)。

メキシコ伝統の切り絵細工で、死者の国とこの世を繋ぐパペル・ピカド。死者の魂が迷わず戻ってこられるようにとの願いがこめられた、色と香りが強いマリーゴールドの花びら

邪悪な魂から家を守り、亡くなった人をあの世に導くとされるメキシカン・ヘアレス・ドッグ。写真や好きな物を備えて、故人を迎えるオフレンダ(祭壇)

そして、いつまでも忘れないでほしいという願いがこめられた曲「リメンバー・ミー」

どれも美しく印象深く、記憶に残る映像と音楽でした。わたしは日本語吹替版を見たのですが、ミゲルの声を担当した石橋陽彩くんの歌声が素晴らしい!聞き惚れました(そして泣きました)。藤木直人さんのヘクターと松雪泰子さんのイメルダもよかったです。

余談ですが、アニメ作品を映画館で見ることには消極的な夫がこの映画を絶賛し、帰り際にミゲルとヘクターのイラストが入ったクリアファイルを買って帰りました。グッズもかわいくてオススメです^^