又吉直樹脚本「許さないという暴力について考えろ」感想:もっと考えさせて欲しかった

許さないという暴力について考えろ

どうも、夏蜜柑です。大晦日です。
さて、12月26日にNHKで放送された、又吉直樹さん初脚本ドラマ「許さないという暴力について考えろ」。

雰囲気は、見る前に予想していたとおりでした。わたしは頭が硬い方なので、こういう尖った作品が苦手で全然笑えなかったけど、つまらなくもなかったです。

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感想

主人公のひとり、中村(森岡龍)は、「渋谷」とは何かを取材するテレビディレクター。渋谷でいろんな人に話を聞きますが、どれもピンと来ません。

さあ困った。ドラマの舞台は渋谷なのに、渋谷という場所にまったく興味が湧かない^^;

わたしは1年前に大阪から東京に引っ越してきたので、精神的にはまだ大阪人。渋谷がどういう場所かなんてよく知らない。何を聞いても「ふーん」としか思えないのです。

中村がインタビューする人々は、おかしな人ばかり。嘘の恋愛体験を語り、数十人で追いかけてくるおっさん(でんでん)とか、心の中を言い当てる怪しげな老婆(宮本信子)とか。

後に、中村がおかしな人(理解できない他者)を拒絶してきたことが明らかになり、そこで初めて意図を汲み取ることができました。

しかし、わかりにくい……。もしセリフでの説明がなかったら、束になって追っかけてくるおっさんとか、ぜんぜん意味がわからなかったわ。

もうひとりの主人公は、服飾デザイン専門学校に通うチエ(森川葵)。流行遅れの自分が許せず、常に流行の服を追いかけることに必死な彼女。

漫画家の姉(柴田聡子)は、そんなチエに「いつになったら自分の服を作るの」と問いかけます。「ちゃんと考えてる」と言いつつ、実行できないチエ。

物語としてはどちらも面白かったです。でも、このドラマを見て「渋谷っぽいなぁ」とは、思わなかった。

いちばんもったいなかったのは、「許さないという暴力について考えろ」というタイトルなのに、考えさせてくれなかったこと。

「許さないのはカッコイイ」という答えを押しつけられた時点で、その問いは意味を失ってしまいました。

謎めいたお婆さんも、後半はただ説経するだけの嫌味なお婆さんになってしまって、とても残念。

正しい答えを声高に叫ばれると、白けてしまいます。「許さないという暴力を許さない」って言ってるのと、同じことになるからね。

しかも、それがこのドラマでいちばん伝えたかったことなのかどうかも、ぼんやりしててよくわからない。50分という短い時間に、いろいろ詰め込みすぎですね。

実験的なドラマとして見れば、まあまあ面白かったのですが……。次回作に期待です。