アンナチュラル第7話|ソア橋のトリックとは?

ドラマ「アンナチュラル」

どうも、夏蜜柑です。
「アンナチュラル」第7話。

今週は“いじめ問題”がテーマ。親友を助けられず苦しむ少年と、「死んで何になるの?」と訴えるミコトと、「許されるように生きろ」と言う中堂さんが重なって苦しい。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

第7話「殺人遊戯」あらすじ

  • ミコト(石原さとみ)の携帯に、「殺人実況生中継」として遺体をライブ配信するアドレスが届く。「殺人者S」と名乗る学生が、弟・秋彦(小笠原海)の予備校に通う高校1年の白井(望月歩)だと知ったミコトは、白井からの「Yくんの死因は何でしょう?」という挑戦を受ける。
  • ミコトたちUDIラボのメンバーは白井の学校に乗り込み、遺体が白井と同じクラスの横山(神尾楓珠)であることを知る。さらに、殺害現場が校内の備品倉庫であることもわかる。
  • 白井の出したヒントから凶器のトリックを読み解いたミコトは、横山の死因を「刃物による自殺」と断定。だがミコトは個人の見解として「殺されたんだと思う」と白井に伝える。
  • 白井と横山はクラスメイトからいじめられ、白井を助けた横山は日常的に暴力を受けていた。白井がライブ配信したのは、その事実を多くの人に知らせるためだった。横山を助けられなかった自分を責め自殺しようとする白井を、ミコトと中堂が止める。
  • 中堂は、殺された夕希子の口中に“赤い金魚”のような傷が残っていたことをミコトに教え、犯人捜しへの協力を求める。

第7話の感想

今週は非常に重たいテーマでした。暴力を受けていた横山ではなく、白井の視点に立ったところに、脚本の巧さがあったと思います。

今回の登場人物を整理してみました。

  • 白井(殺人者S)…小池たちに恥ずかしいことをやらされていた
  • 横山…遺体の人物。白井を助けたことで小池たちからいじめられ自殺
  • 小池…いじめグループのリーダー
  • 苑乃…白井から横山がいじめられていることを聞くが、何もしなかった
  • X…白井が次に殺すと言った人物(実は白井自身)

主人公は、暴力を受けていた横山でも、いじめていた小池でもない。
横山に救われていながら、横山の自殺を止められなかった白井なんです。

小池たちから暴力を受けていた横山は、遊び半分で連中を殺人犯にするための計画を白井と一緒に考え始めます。

冒頭のシーンで、白井がミコトの弟・秋彦に「法医学者のお姉さんに会いたい」と頼んでいたのは、その計画を完璧にするための情報が欲しかったから。白井にとってはあくまでも遊びの延長でした。

ところが追い詰められた横山は、ひとりで計画を実行してしまう。

「殺された、あいつらに。僕に」

横山が暴力をふるわれていることを知りながら、何もしなかった。殺人計画で遊んでいた。罪悪感と復讐に囚われ死を選ぼうとする彼に、ミコトは「死んで何になるの?」と言います。

「彼らはきっと、転校して名前を変えて、新しい人生を生きていくの、あなたの人生を奪ったことなんてすっかり忘れて生きていくの。あなたが命を差し出しても、あなたの痛みは決して彼らに届かない」

無理心中で家族を失い、ひとりだけ生き残ったミコト。
彼女の心中を思うと、この言葉はとても辛い。

名前を変えて、死んだ家族を忘れて、新しい人生を生きてきたのはミコト自身なのだから。

白井の隠れ家に辿り着いた中堂さんは、「死んだ奴は答えてくれない。この先も。許されるように生きろ」と白井に言います。

中堂さんもまた、大切な人のそばにいながら助けることができなかった人です。白井やミコトと同じ罪悪感を抱えて生きている。

今も多くの人がいじめに苦しみ自殺を考えているかと思うと、その状況を想像しただけで辛くなります。どうかミコトや中堂さんの言葉が届きますように。

死んだ人間は、生きている人間には適わないんです。絶対に。

償いも復讐も、生きてこそ。ラストシーンでおにぎりを頬張るミコトに、何があっても生きようとする彼女の強い思いを感じました。

白井君(殺人者S)を演じた望月歩さんがよかったです。
彼の大粒の涙にもらい泣き。

「明日の約束」の学生さん達もすごくよかったけど、今回の学生さん達も上手かった。みんな将来が楽しみだ。

それから、横山君の遺体に白衣をかけ、その背中にそっと手を置く東海林さん。彼女の優しさが伝わってくるシーンでした。

そして中堂さんも……ようやくミコトに協力要請しましたね。“赤い金魚”探し。

次回は六郎の父・伊武雅刀さん登場。
何やら一波乱ありそうです。

飯尾さん演じる坂本さん、なんだかんだ言いつつ毎回登場して場を和ませてくれますねー。坂本さん×中堂さんのシーン好きです。

余談:ソア橋のトリックとは?

白井と横山は、「ソア橋」という小説の中で使われたトリックをヒントにして計画を企てました。

「ソア橋」は、アーサー・コナン・ドイルの短編小説で、シャーロック・ホームズシリーズののひとつです。

愛する夫と大切な子供を奪われた女性が、殺人に見せかけて自殺し、その罪を夫の浮気相手に着せようとする。そのトリックを、主人公のホームズが解き明かすというストーリーです。

ここでは、凶器に使われたのは2丁のピストルです。

ピストルに紐で重りを結びつけ、その重りでピストルを引っ張り、現場であるソア橋から凶器を移動させて隠すことにより、自殺を他殺に見せかけました。

ドラマでは、ピストルの代わりに3本のサバイバルナイフを上向きに紙粘土に刺したものが凶器として使われました。

その凶器と重りを紐の端にくくりつけ、重りを窓の外に出しておき、凶器の上に倒れこんで自らを刺す。ストッパーを外すと、重りに引っ張られた凶器が体から抜けて窓の外に移動する……という仕掛けでした。

ちなみにこの話には、モデルとなった実際の事件があったそうです。


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