ネタバレ有「闇の伴走者」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)

WOWOW「闇の伴走者」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ闇の伴走者」全5話についてまとめました。

面白かったです! 漫画好きな人、特に手塚治虫つげ義春が好きな人は、すごく楽しめると思います。ミステリとしても極上で、最後まで先が読めないスリリングなドラマでした。

シーズン2はこちら↓

闇の伴走者~編集長の条件 「闇の伴走者~編集長の条件」全話あらすじ感想・登場人物(キャスト)

各話のあらすじ(ネタバレ有)

漫画家の巨匠・阿島文哉(ベンガル)の一周忌に未発表の画稿が発見される。35年前の未解決連続女性失踪事件に酷似する不気味な内容に、阿島の妻・淑子(真野響子)は元警察官で調査員の水野優希(松下奈緒)を雇い、調査を依頼する。
優希は英人社の元社員で変人と名高い漫画編集者・醍醐真司(古田新太)に協力を仰ぐ。画稿を見た醍醐は、作者は阿島ではないアシスタントの誰かだと推理する。
優希は、35年前に失踪した園田貴美子(藤井美菜)のアパートを訪ね、貴美子が漫画に登場する女性だと気づく。また、作品中に描かれる公園は、彼女のアパート近くの公園だった。
漫画の中に登場する“少年”が重大な意味を持つことに気づいた醍醐は、この作品には続編があると推測する。

醍醐はアジマプロの小澤(要潤)と管理室で画稿の続きを探すが、見つからない。一方優希は、阿島の元編集者から森田というアシスタントの話を聞き出す。
小澤は、謎の漫画家(平田満)を自力で探し当て、再び35年前と同じ犯罪に導いていく。小澤は室谷祥子(藤井美菜)を拉致・監禁し、漫画家にスケッチさせる。
優希は父の同僚だった元刑事・矢島(森本レオ)から、35年前に失踪した女性のひとり、辰巳晶子がインチキ宗教の教祖だったという話を聞く。
優希と醍醐は森田の住所を突き止めるが、森田は10年前に亡くなっていた。森田の写真を手に入れた醍醐は、画稿を描いた漫画家は別人だと考える。

醍醐は、画稿の中に“少年”の母親と辰巳晶子が描かれていることに気づく。優希は矢島から、当時辰巳晶子の信者のひとりがお布施の払いすぎで餓死したことを聞かされる。
小澤は、自殺した森田を画稿の作者に仕立てようと画策するが、自宅で不審死を遂げる。漫画家は監禁していた室谷祥子を逃がし、「このことは誰にも言うな」と命じる。
小澤の死を知った優希は、小澤が住んでいた社宅を調べ謎の地下室を発見する。その直後、優希は何者かに拉致される。
醍醐は、漫画家・斑目虹太の遺作に例の画稿との共通点を見つける。この絵は斑目本人のものではないと推測した醍醐は、元編集者に確認するが、完全否定されてしまう。

優希が拉致されたことを知った醍醐は、再び斑目虹太の元編集者に会いに行く。遺作を描き上げたのは、貝原章彦というアシスタントだった。
優希を拉致した漫画家は、自分の過去を語り始める。漫画家は最初に自分の絵を褒めてくれた年上の少女を“天使”と呼び、優希に重ね合わせていた。
矢島の計らいで室谷祥子と会った醍醐は、彼女が最近まで監禁されており、犯人は若い男と痩せた老人だったことを知る。
醍醐は貝原こそ探している謎の漫画家だと考え、貝原の自宅を突き止める。優希が監禁されている場所へ向かった醍醐は、そこで自ら死を選んだ貝原の死体を発見する。

まだ事件は終わっていない、と感じた優希と醍醐は、画稿の調査を続ける。醍醐は、最初からページの順番が間違っていたことを見抜く。そして正しい順番に並べ替えられた漫画の完成度から、漫画家以外のもうひとりの存在──編集者がいたのではないかと推測する。
優希は、英人社の副編集長・一峰(田中哲司)に呼び出される。その頃醍醐は、画稿に登場する少年の母親が「一峰」という名前で、35年前に失踪した辰巳晶子と深く関わっていたことを知る。
画稿に登場する少年は、一峰だった。少年時代に貝原と知り合った一峰は、貝原が犯罪を犯していることに気づいていた。貝原は少年と出会ったことで一旦は犯罪を止めるが、少年のために復讐を代行。少年の母親を死においやった辰巳晶子を殺害する。
大人になった一峰は編集者となり、貝原が描き上げた自伝的漫画を目にして戸惑う。貝原は一峰との友情の証に、前半を自分が、後半を一峰が持つことを提案した。その漫画は、貝原が自分と一峰のためだけに描いた作品だった。
優希と醍醐は一峰に警察に出頭するよう説得するが、一峰は自ら胸にスタンガンを押し当て、橋の上から身を投げて自殺する。
画稿の後半を読んだ優希と醍醐は、漫画家と編集者の絆の強さに改めて思いを馳せる。

感想(ネタバレ有)

発見された未発表作品から、事件の謎を読み解いていくという設定がたまりません!

画稿に残されたわずかな手がかりから過去の事件を紐解き、現在へと繋げていく流れも最高にスリリングで、徐々に謎が解き明かされていく興奮にゾクゾクしました。

残された漫画のストーリー自体も謎めいていて恐ろしいのですが、その漫画の謎解きがとても興味深く、最後まで期待を裏切らない展開で楽しめました。

松下奈緒さんと古田新太さんのコンビも絶妙でしたね。

松下さん演じる優希は、元警察官で不可解なことはトコトン突き止めないと気が済まないタイプ。感情を排除したしゃべり方に、サバサバした男っぽい性格が現れていました。

古田さん演じる醍醐は、ひとことで言うとオタク。
変人だけど漫画(と食べること)が大好きで、作品を見る目は超一流。どんな些細なことも見逃しません。

醍醐が語る漫画のウンチクも面白かったです。

女性を拉致して監禁、殺害するという犯罪自体は見ていて気持ちのいいものではなく、不快感しかありませんが、醍醐と優希の掛け合いが面白く、シリアスな部分とうまくバランスが取れていました。

ちなみに漫画は、謎の未発表作品を含む阿島文哉の作品は田中圭一さんが、斑目虹太の作品は伊藤潤二さんが担当されたそうです。

原作について

このドラマの原作は、長崎尚志さんの小説「闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル」です。

長崎尚志さんは、漫画原作者、編集者としても知られていますね。
有名なのは、「MASTERキートン」「MONSTER」「20世紀少年」など、浦沢直樹さんが作画を担当する作品。

現在はフリーで活動されていますが、出版社勤務時代から様々な漫画作品の編集を担当し、週刊漫画雑誌の編集長も経験されています。

この「闇の伴走者」は、長崎さんの漫画編集者としての経験から生み出された作品なのでしょう。漫画に対する愛情だけでなく、漫画家や、漫画を読む読者への愛情も感じられる内容でした。

手塚治虫の「ペーター・キュルテンの記録」

ドラマの中で、平田満さん演じる漫画家が好きな作品として少年に語っていた漫画です。

実在したドイツの連続殺人犯、ペーター・キュルテン(1883~1932)の事件を題材にした短編漫画で、昭和48年1月10日号の「漫画サンデー」に掲載されました。

現在は、手塚治虫さんの「時計仕掛けのりんご」という短編集に収録されています。
私も昔読んだことがありますが、とてもショッキングで、後味の悪い、恐ろしい作品でした。

主人公・ペーター・キュルテンは強姦、暴行、殺人を繰り返した犯罪者です。少年時代から窃盗や放火などの軽犯罪を繰り返し、青年期には動物虐待を繰り返していました。

1929年には次々と女性(時に少女)を襲い、短期間に数々の凶行を重ねます。「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれ、その犯罪件数は自白したものだけで80件に及びます。

いわゆる性倒錯者と思われますが、今回のドラマの犯人・貝原章彦と非常によく似ています(でも貝原のほうがまだマシです)。

劇中に登場する画稿自体も、この手塚治虫の漫画とどことなく雰囲気が似ています。

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