どうも、夏蜜柑です。
日テレ月曜深夜のドラマ「ブラック校則」のあらすじと感想、登場人物(キャスト)の詳細をまとめました。
生徒を必要以上に縛り付ける理不尽な“ブラック校則”と戦う高校生2人の姿を描いた恋と友情の青春ストーリー。
タイトルから「激しいバトル」を想像してしまい、見るのを躊躇していましたが、実際に見てみると想像とは全く違っていました。緩やかなテンポのまったりしたドラマ。
雰囲気はユルいけれど、扱っている問題はシビアで大人にも刺さる鋭さがあります。
脚本は、「セトウツミ」で知られる漫画家・此元和津也さん。
映画、ドラマ、Huluオリジナルストーリーと、3作品すべて完全新作のストーリーです。
ざっくり説明すると、
- 映画
メインストーリー - ドラマ
映画の裏エピソード - Huluオリジナルストーリー
映画とドラマ、両方の謎と伏線に触れる内容
「セトウツミ」が大好きで、映画もドラマも見て原作も全巻買ったワタシ。
今回のドラマも「セトウツミ」っぽいです。この雰囲気がたまらない。
現在上映中の映画も観に行きます。
▼映画の感想はこちら
映画「ブラック校則」あらすじと感想|笑わない人がいれば前を向ける
この記事の目次
番組概要
- 動画配信:Hulu
- 放送局:日本テレビ系
- 放送時間:2019年10月14日(月)から毎週月曜夜0:59~
- 脚本:此元和津也
- 演出:菅原伸太郎/茂山佳則/岡本充史
- 音楽:井筒昭雄
- 主題歌:「麒麟の子」Sexy Zone
あらすじ
さえない青春を過ごす高校生創楽 (そら)(佐藤勝利) と中弥 (ちゅうや)(髙橋海人)。彼らが通う高校には理不尽なルール=“ブラック校則”がはびこっていた。ある日、恋するあの子 (モトーラ世理奈) が生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に。『こんなルールは、もうたくさんだ』…果たしてブラック校則は変えられるのか? 創楽と中弥が巻き起こす、奇想天外な戦いがいま始まる―。(Hulu公式サイトより)
登場人物(キャスト)
光津高校の生徒
小野田創楽(佐藤勝利~Sexy Zone~)
高校2年生の男子。クラスの中でも特に目立たない空気のような存在。クラスメイトの町田希央を助けるため、理不尽な“ブラック校則”に立ち向かう。〈コーツ高校レジスタンス部〉では“S・ラモーン”。
月岡中弥(髙橋海人~King & Prince~)
高校2年生の男子。創楽の中学時代からの友人。空気を読まず、いつも周囲を驚かせる。高校入学前に父親を過労死で亡くし、パン屋でアルバイトをして生活費の足しにしている。〈コーツ高校レジスタンス部〉では“あまおう”。
町田希央(モトーラ世理奈)
創楽が恋に落ちた女子。不思議な雰囲気をまとう。父親がアメリカ人のため生まれつき栗色の髪をしているが、校則で黒く染めるよう強要される。不登校で出席日数が足りず、退学寸前。
東詩音(達磨)
吃音症の生徒。思っていることを話そうとするとうまく言葉が出てこない。中弥に話しかけられたことをきっかけに、工場の労働者たちとラップを介して仲良くなる。密かにラップの作曲をしている。
松本ミチロウ(田中樹~SixTONES/ジャニーズJr.~)
不良グループのボス。生徒会の副会長。柔道部。手代木の弱みを握っており、特別扱いされている。校則を利用して現ポジションを維持しているため、校則を変えようとする創楽に敵対心を持つ。実は樹羅凛に好意を持っている。
上坂樹羅凛(箭内夢菜)
生徒会会長。陸上部。真面目すぎる性格で、校則がないと不安。生活の全てを親に決められていたが、希央と仲良くなるうちに変わり始める。かつては3000mのタイムは9分台だったが、現在は10分台に落ちている。
三池ことね(堀田真由)
創楽の同級生。学校内ではカースト上位に位置。校則に従って賢く立ち回ろうとする。希央に対抗心を燃やす。
七浦啓太(葵揚)
ミチロウの手下。流暢な関西弁を話す。野球部だが野球が下手。校則で自転車通学が禁止されているため、徒歩40分かけて通学している。校則で定められているローファーが苦手で靴擦れに悩まされている。
漆戸丈士(水沢林太郎)
ミチロウの手下。バスケ部。
光津高校の教師
田母神美南(成海璃子)
国語教師。10年前に死んだ元カレを引きずっており、思い出のかんざしを大切にしている。
大多和美那子(片山友希)
英語教師。気が強く嫌味な性格で、常に高飛車。手代木と共に、毎朝登校時の生徒の身なりを厳しくチェックしている。森に好意を持っている。
手代木豊(星田英利)
体育教師。ブラック校則を武器に生徒の自由を奪い、反抗する生徒には暴力も辞さない。ミチロウに暴力動画を盗撮され、特別扱いしている。
森有人(吉田靖直~トリプルファイヤー~)
数学教師。創楽たちの担任。剣道部の顧問だが剣道の経験はない。普段は頼りないが、ブラック校則を変えようとする創楽たちの思いを汲み、協力を買って出る。
法月士郎(でんでん)
光津高校の校長。学校をブラック校則で縛りつけ、風紀を乱すものに対しては容赦ない。10年前に新任教師を死なせてしまったことに責任を感じている。
そのほか
月岡文弥(戸塚純貴)
中弥の兄。一人暮らしをしているが、寂しがり屋でしょっちゅう家に帰ってくる。
町田マリ(坂井真紀)
希央の母。自由奔放な性格で、不登校の希央にも寛容。常に「学校なんか行かなくてもいい」と言っている。
井上外志雄(光石研)
町工場の作業労働員。ラップが得意でノリの良いおじさん。希央のことを気にかけ、同じ工場で働く外国人労働者と共に優しく見守る。
ヴァージニア・ウルフ(薬師丸ひろ子)
創楽達が通う高校の掃除婦。きれい好きで仕事熱心という以外、謎に包まれている人物。「ヴァージニア・ウルフ」というニックネームは、イギリスの小説家ヴァージニア・ウルフに横顔が似ているという理由で中弥が命名した。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
彼らが通う高校には理不尽な“ブラック校則”がはびこっていた。ある日、創楽はまわりとは雰囲気が異なる女子生徒・町田希央(モトーラ世理奈)を見て恋に落ちる。希央は生まれつき栗色の髪を黒く染めるよう強要され、不登校になってしまう。
希央を助けるため、校則を変えようと動き出す創楽。しかしルールに何の疑問も持っていない生徒会長の上坂樹羅凛(箭内夢菜)や、校則を利用して現ポジションを維持する副会長の松本ミチロウ(田中樹)、そして変化を恐れるその他大勢の生徒たちが立ちはだかる。
創楽は署名ボックスを作り、校則に関する署名を募集する。だがボックスは担任教師の森(吉田靖直)に没収されてしまう。後日、創楽は「集え5人の反逆者たち」という言葉とアドレスが書きこまれた用紙を見つける。アクセスすると、〈コーツ高校レジスタンス部〉というサイトに辿り着く。そこに集まったのは、署名をした5人の生徒たちだった。
翌朝、創楽は「髪が黒いと蜂に狙われそうで怖いから」という理由で養蜂帽子を被って登校し、教師の手代木(星田英利)を動揺させる。
次に希央は、親が作ったお弁当を食べるだけという樹羅凛に、「樹羅凛なりの自由な昼食を見せて」と持ちかける。翌日、樹羅凛はそうめんを持参。創楽と中弥のアイデアで、古い雨樋を使って“流しそうめん”をすることに。さっそく手代木が駆けつけるが、希央は「校則に書いてない」と反論。生徒たちは教室で“流しそうめん”を楽しむ。
創楽は中弥から「逆ハロウィンをしないか」と持ちかけられ、乗り気になる。中弥はアルバイト中、パン店を訪ねてきた大多和に「ネットで爆弾予告を見たから駆けつけた」と嘘をつく。信じない大多和だったが、そこへブロッコリーさんの仮装をした創楽がモンブランを手にして現れ、大多和は悲鳴を上げて逃げ出す。偶然通りかかった中弥の兄・文弥(戸塚純貴)をパン屋の店員と勘違いした大多和は、働いていたのは中弥ではなく文弥だと思い込む。
体育の授業で3000m走が行われ、創楽はミチロウから勝負を挑まれる。創楽がミチロウ、七浦、漆戸(水沢林太郎)の3人のうち誰かひとりに勝てば、手代木の暴力動画を渡す。その代わり創楽が負けたときは、署名したメンバーを調べろと言う。創楽は勝負を受けるが、漆戸に突き飛ばされ負傷してしまう。七浦は靴擦れが悪化し、思うように走れなくなっていた。創楽と七浦は同時にゴールする。
中弥は〈コーツ高校レジスタンス部〉のサイトで「明日みんなで自転車通学しないか」と提案する。翌朝、自転車で1時間以上かけて登校する創楽。言い出しっぺの中弥は風邪をひいて休んでいた。ひとりだけかと落胆する創楽だったが、校舎の裏には七浦のものと思われる自転車が停まっていた。
希央がスクラップ工場に立ち寄るようになったのは、ガーナ出身のコフィがトマト料理の匂いにつられて希央の家を覗いたことがきっかけだった。外国人好きの希央の母・マリはコフィを家に招き入れて料理をふるまい、コフィ(マーク・ドンコー)を迎えに来た井上(光石研)、ジル(三浦ロディ)、グレイソン(ビーティー)とも意気投合。以来、希央は彼らが働く工場に遊びに行くようになった。
だが、コフィたちは外国人という理由で低賃金で働かされ、工場長(タイソン大屋)からひどいパワハラを受けていた。待遇の改善を求め、井上を筆頭にストライキを計画。創楽と中弥が彼らの代わりに仕事をし、4人はラップで工場長に要求を突き付ける。
その様子を見ていたことね(堀田真由)が動画をネットに投稿。本社の人間の目に留まり、工場長には処分が下されることに。彼らの行動に刺激を受けた創楽は「校則がなくなるまで一歩も動かない」と体育教官室の前で座り込みを決行するが、手代木の逆鱗に触れてあっさり撤退してしまう。
その頃、中弥は想いを寄せる国語教師の田母神(成海璃子)の補習を受けていた。田母神は10年前にひとりの新任教師が生徒のために立ち上がり、理不尽な校則をなくそうとした話をする。新任教師はある女子生徒と恋に落ち、その事実が校内に知れ渡ったことで信頼を失ってしまう。さらに髪の色のせいでいじめられていた生徒が自殺を図り、生徒を助けようと川に飛び込んだ教師は亡くなったという。責任を感じた校長は「もう誰も死なせない」と誓い、ルールを徹底して生徒たちを管理するようになった。中弥は10年前の女子生徒が田母神だと気づく。
学校見学の前日、創楽は〈コーツ高校レジスタンス部〉のサイトで「明日は学校に行かない」と宣言する。中弥も賛同し、「来られるヤツは明日、お台場の海に集合な」とほかのメンバーにも声を掛ける。翌日、学校を休んだ創楽と中弥は、お台場の海でほかのメンバーを待つ。
創楽は5人が“社交数”で結ばれていることに気づき、中弥にその発見を説明する。どうしても希央と婚約数で結ばれたい創楽は、2人の数字の関連性を見つけようとするが思いのほか見つからず、代わりに樹羅凛と強く結びついていることがわかってしまう。
5人は海岸で撮影した写真を学校見学の説明会場にいる田母神のスマホに送る。田母神はその写真を光津高校のSNSに投稿、説明会場でその写真が公開されてしまう。焦った手代木は「こういうクズは世の中に出てもうまくいきません」と発言し、田母神に平手打ちされる。田母神は「よく考えて、調べて入学をお考えください」と来場者に向けて説明する。
夕暮れを迎えた海で、創楽は希央に「あのさ、今度……」と言葉をかける。
感想(ネタバレ有)
どうやってこんな脚本書くんだろう、というくらい巧みに計算されていました。
さすがです。
残念ながらドラマ単体では面白さが半分くらいしか伝わらなくて、映画ありきのストーリーになっているのがもったいない。
けど、映画との繋がりも含めて、本当によくできています。
後半は映画で描かれなかった田母神先生と校長先生の過去を描いた濃いエピソードが展開し、見応えのある内容になっていました。
映画では憎たらしいだけの暴力教師・手代木先生も、ドラマ版ではちょっと笑える存在になっていたのがよかった。
ジャニーズのおふたりもほどよく馴染んでいて、あくまで数多いる生徒の中のひとりという「平凡さ」をうまく醸し出していたと思います。
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管理する側からすれば、「みんな同じ」であることほど楽なことはないのよね。
団体の力を生かすことだけが目的ならそれでいいのかもしれないけど(高度成長期の大量生産のように)、均された状態から新しいものは生まれない。
1985年に臨時教育審議会の答申で「個性重視の原則」が示されてからは、学校でも「子どもの個性を伸ばす」ことが重視されてきたけど、あまり成功しているとは思えません。
学校でそういう教育を受けても、企業に就職したら「均される」ことがほとんどなわけで。教育方針を変えても、社会が変わらなければ意味がないんじゃないかと思います。
子供や若い人たちに未来を背負わせる前に、大人が今やるべきことをやらないとダメですよね(自戒も込めて)。
此元和津也さんは、今後も脚本を書かれるのかな……。
次回作があれば絶対に見たいです。
▼Huluオリジナルストーリーはこちら
「ブラック校則」Huluオリジナルストーリー|映画とドラマを結ぶエピソード