
映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」
どうも、夏蜜柑です。
映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」の感想です。
2009年に、福井県立福井商業高校のチアリーダー部「JETS」が、全米チアダンス選手権大会で優勝した感動実話が元ネタの映画です。
この夏、連続ドラマが始まりますね。主演は土屋太鳳さんです。
映画のほうは広瀬すずさん主演で、中条あやみさんが真面目部長、天海祐希さんが鬼顧問役です。
この手の話には少々食傷気味なので、あまり期待せず、さらっと見てみました。
この記事の目次
作品情報
- 製作国:日本
- 上映時間:121分
- 公開日:2017年3月11日
- 監督:河合勇人(「俺物語!!」「兄に愛されすぎて困ってます」「ニセコイ」)
- 脚本:林民夫(「永遠の0」「予告犯」「空飛ぶタイヤ」)
- 撮影:花村也寸志
- 音楽: やまだ豊
あらすじ
県立福井中央高校に入学した友永ひかり(広瀬すず)は、中学からの同級生の孝介(真剣佑)を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。しかし彼女を待ち受けていたのは、顧問の女教師・早乙女薫子(天海祐希)による「目標は全米大会制覇!おでこ出し絶対!恋愛禁止!」という超キビシイスパルタ指導!!早々に周りが退部していく中、チームメイトの同級生・彩乃(中条あやみ)の存在もあり何とかチアダンスを続けていく決意をするひかり。チアダンス部は“全米大会制覇”に向かって走り出す!!フツーの女子高生たちの夢への挑戦が今、始まる──。(公式サイトより)
感想(ネタバレ有)
最初に言ってしまいますが、「フラガール」や「スウィングガールズ」を越える感動はありませんでした。
タイトルで結末をぶっちゃけている通り、まんまのストーリー展開(実話だからしょうがない)。特に目新しさもなく、よく言えば王道の青春映画、悪く言えばベタなスポ根万歳映画でした。
良かった点
登場人物の役割や、それぞれの個性が立っていたところかな。
広瀬すずさん演じる主人公・ひかりは、向上心に欠ける八方美人キャラ。
みんなで楽しく和気あいあいと部活したいタイプで、ピリピリした空気に耐えられない。
少しでも剣呑な空気になると、すぐに「大丈夫だよ」とニコニコして仲を取り持とうとするのですが、この性格が災いし、天海さん演じる鬼顧問から「あなたがいると仲良しクラブになってしまうの!」と排除されてしまいます。
ちょっと間違えると嫌われキャラにもなるタイプなのですが、そこは広瀬すずさんが上手く演じていて、あまり嫌悪感はありませんでした。
真剣佑さん演じるサッカー部の孝介との微妙な関係も面白かったし、ほわ~んとした福井弁もよかったです。
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中条あやみさん演じる部長・彩乃は、JETSをまとめる超ストイックなリーダー。
唯一のチアダンス経験者ということもあって、みんなから頼りにされています。
彩乃は、ひかりが人気者でみんなから愛されるキャラであることを内心羨んでいるのですが、自分に厳しい性格なので決して表には出しません。
わざと悪役になり(本当はそんなキャラじゃない)、厳しいことをガンガン言ったりして、部員たちの本気を引きだそうとするのですが、あんまりうまくいかない。
わたしは彩乃がいちばん好きだなぁ。真面目でちょいストーカーな眼鏡男子・矢代浩(健太郎さん)とのエピソードがもっとあったらよかったのに。
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山崎紘菜さん演じる唯は、絶対に笑わない元ストリートダンサー。
ダンスはめっちゃ上手いのですが、ずっとひとりで踊っていたので笑い方がわからない。
協調性がないのでチーム内でも孤立し、一匹狼になってしまいます。
でも、本来努力家で真面目な性格なので、ひそかに悩んでいたりするんですよね。
やがて唯は、ひかりや彩乃たちと友情を結び、「大切な人のために笑う」ことを学びます。
後半は、自分とそっくりな「笑えない後輩」を育てるという役目も担いました。
メンバーの中では、彼女がいちばん大きく変身したかもしれないなぁ。
とても魅力的で存在感のある人物でした。
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ほかにも、ぽっちゃり体型なのに渡辺直美ばりのキレキレダンスを披露する多恵子(富田望生さん)や、オタク系アイドルダンスが得意な目立ちたがりのあゆみ(福原遥さん)など、脇役メンバーたちも個性豊か。
惜しむらくは、その個性豊かなメンバーをひとりひとり深く掘り下げることができなかった点です。そこは映画なので仕方がないのですが、もったいないなぁと思いました。
最大の見せ場であるダンスシーンは、良かったと思います。
みんなすっごく頑張ったんだろうなぁ~って伝わってきましたし。
誰であれ、一生懸命に頑張っている姿は文句なしに感動を呼びますよね。
残念だった点
演出が中途半端だった。
「フラガール」のようなシリアス路線の感動物語としては弱く、「スウィングガールズ」のようなコメディ路線の青春物語としてもイマイチでした。
たぶん、作り手はコメディ路線を狙っていたのだと思うのですが…。
でも、ゴメンナサイ。
全然面白くなかったです。
笑いのポイントが素人レベルというか。
いちいちベタで古くてわざとらしい(-_-;)
あえてベタを選んでいるのかもしれないけど、どう見てもスベっていたと思います。この笑えない笑いのシーンが、感動物語に水を差していたような気がしてなりません。
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あと、天海祐希さん演じるJETSの鬼顧問・薫子がとっても残念でした。
JETSの主要メンバーのキャラ立ちには成功しているのに、どうして薫子はこんな魅力のない人物になってしまったんだろう。最後のほうで彼女にスポットが当たるまで、ずーっとなんだかよくわからないキャラでした。
鬼顧問という設定なのに、妙な笑いを優先しているせいか、天海さんが持つ威圧感や上から目線の高慢な雰囲気がちっとも生かされていないんですよね。もったいないことこの上なし。
前半がうまくいっていないので、後半でのネタばらしも成功しているとは言いがたいです。
実は、薫子は自分に自信が持てず、常に悩み迷い続けている涙もろい教師でした。
この展開自体は面白かったし、これにより薫子の人物としての魅力も描けていたと思うのですが、残念ながら、天海さんは人の弱さを演じるのがあまりお得意ではないみたいで……。
正直、わたしの心には響きませんでした。
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深く考えずに見れば、そこそこ楽しめる作品だとは思います。
ちなみに連続ドラマでは、この映画の9年後が描かれるみたいですね。
広瀬すずさんも、ひかり役で登場するみたいです。
主役を演じる土屋太鳳さんはバリバリの体育会系女子だし、石井杏奈さんや佐久間由衣さんなど、注目の若手女優さんが目白押し。さらに顧問役にはオダギリジョーさんが決まりました。
ストーリーにはあまり興味がないけど、連続ドラマもさらっと見てみようかな~と思っています。