映画「マイ ビューティフル ガーデン」感想|愛すべき風変わりな人たち

映画「マイ ビューティフル ガーデン」感想

「マイ ビューティフル ガーデン」

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どうも、夏蜜柑です。
映画「マイ ビューティフル ガーデン」を観ました。

これは久々に心癒やされる映画でした。
庭づくりが好きな人にはたまらないですね。

でも、ガーデニングがメインの話でもないんです。

ストーリーは単純で、よくある話。
登場人物たちはどこか滑稽で愛おしい。

〝現代のおとぎ話〟と評されているようにファンタジックな趣の映画ですが、余計な装飾はなく、いたってシンプル。それでいて魅力的。

イギリスの雰囲気や童話が好きな人、心が疲れている人におすすめ。

作品概要

  • 動画配信:U-NEXT
  • 製作国:イギリス(2016年)
  • 上映時間:92分
  • 公開日:2017年4月8日(日本)
  • 原題:This Beautiful Fantastic
  • 監督・脚本:サイモン・アバウド
  • 音楽:アン・ニキティン

予告動画


あらすじ

ガーデニング大国の英国では、庭が生活の一部となっている。だが、几帳面過ぎる性格ゆえに無秩序に伸びる植物が大の苦手なベラは、庭を荒れ放題にしていた。するとある日家主から、1カ月以内に庭を元通りにできなければアパートを出ろと言われて…。(U-NEXTより)

キャスト

ベラ・ブラウン(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)
アルフィー・スティーヴンソン(トム・ウィルキンソン)
ヴァーノン(アンドリュー・スコット)
ウィリアム・“ビリー”・トランター(ジェレミー・アーヴァイン)
ブランブル(アナ・チャンセラー)
ミリー(アイリーン・デイヴィーズ)
オブライエン(ポール・ハンター)
修道院長(シーラ・ハンコック)

感想

ちょっと関係ない話

映画が公開された時から見たいと思っていた作品。

上映中は見に行くタイミングを逃し、U-NEXTで配信が始まったのも知っていましたが、なんとなく見るのがもったいなくて先延ばしにしていました。

そういうことって、ないですか?

たとえば大好きなお菓子を、「いま、何よりもこれを欲している!!」という瞬間のために、とっておきたいと思うこと。最高に美味しく味わいたいがために。

で、今回はそういう気持ちになったので、今が絶好の時だと判断し、見ることにしました。

普段はミステリーやサスペンスなどの暗くて重い作品を好むわたしですが、殺伐とした映像ばかり見てると心が疲弊することがあって、そういうときに優しい作品や笑える作品が見たくなるんですよね。

ラブストーリーも基本的には苦手ですが、たまーに無性に見たくなるときがあります。

だから「いろんな作品がある」って、わたしにとってすごく大事なこと。
世の中の売れ筋は決まっているかもしれないけど、いろんな作品があるほうがいいなーと思っています。

孤独な主人公と荒れた庭

この映画の主人公ベラは、赤ん坊のときに公園の木陰に捨てられ、施設で育った天涯孤独の女性。図書館に勤めながら、作家を目指しています。

几帳面で神経質で潔癖症の彼女は、周囲となじめない「ちょっと風変わりな子」。

でも彼女自身はそんなに気にしてはいないみたいで、ひっそりと孤独な生活を楽しんでいます。このへんの扱い方も〝おとぎ話〟なので、あえて深く掘り下げず、ふふっと笑えるような描写になっています。

ベラは庭付きのアパートに住んでいるのですが、彼女は植物が大の苦手。
秩序を重んじる彼女にとって、予測できない植物は恐怖以外のなにものでもないのです。

そんなわけで庭は荒れ放題。
それを見たアパートの管理人は、1か月以内に庭を元通りにしなければ退去させると言います。

焦ったベラは必死に庭の手入れを始めるのですが、何をどうすればいいのかわかりません。

気難しい隣人

そんなベラに救いの手を差し伸べたのが、気難しい隣人アルフィー。
このおじいさん、とにかく口が悪くて横暴で頑固。

なのに、お庭は見事なんですよねー。

園芸家だったというアルフィーは、植物にとても詳しい。
ベラにあれこれと指示を出し、彼女の庭は少しずつ整えられていきます。

「混乱と混沌は違う」と言うアルフィー。

イングリッシュガーデンは自然のままの植物や花を楽しむ庭。
自然は混沌であって混乱ではない、ということなのかな。

最初はベラに文句ばかり言っていたアルフィーですが、徐々に彼女との交流を楽しむようになり、ベラが失恋して部屋にこもった時には慰めたりなんかもするのです。

風変わりな人たち

アルフィーの料理人ヴァーノンや、図書館で出会った発明家ビリーなど、孤独だったベラの庭にはいつしか風変わりな友人たちが集まるように。

人間も植物と同じ自然の一部で、「混沌」を生み出す存在だとしたら。
几帳面な人も、いい加減な人も、気難しい人も、優しい人も、いろんな人がいていい。

ベラの庭が見違えるようにきれいになっていく様子が面白い。
ビリーが作った機械仕掛けの鳥も、作家志望のベラが紡ぐ「おとぎ話」も可愛らしい。

ラストはちょっと切なくて、幸せで、温かい。
イギリスの児童文学のようで、なんだか懐かしかったです。

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