どうも、夏蜜柑です。
テレ東金曜深夜「フルーツ宅配便」が始まりました。
ひょんなことからデリヘルの店長になってしまった咲田(濱田岳さん)とデリヘルで働く女の子たちの物語。デリヘルが舞台ってことでだいぶ覚悟して見たつもりですが、ズシッときました。
原作は、鈴木良雄さんの同名漫画「フルーツ宅配便」。
第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品です。
監督は、映画「日本で一番悪い奴ら」「彼女がその名を知らない鳥たち」の白石和彌さん。
構想2年半というだけあって、重みのあるいいドラマでした。

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第1話のあらすじとキャスト
あらすじ
- 会社が倒産し社宅を追い出された咲田真一(濱田岳)は、仕方なく故郷に戻ってくる。学生時代に通い詰めたラーメン屋で、店の常連客・ミスジ(松尾スズキ)と再会。話の流れで、ミスジがオーナーを務めるデリヘル「フルーツ宅配便」の雇われ店長になる。
- 個性豊かなデリヘル嬢たちが働く「フルーツ宅配便」で、戸惑いながらも働き始める咲田。そこへシングルマザー(内山理名)が面接に訪れ、デリヘル嬢“ゆず”として働き始めることに。
- ゆずは顔立ちの整った美人だったが、顔半分に大きな火傷を負っており、そのせいで何度もチェンジを余儀なくされる。火傷は元夫からのDVで、その後夫とは離婚したものの、ゆずは夫が作った借金を背負わされ苦しんでいた。
- 固定客を得るため、ゆずは店から禁止されている「本番」を許すようになる。それを知ったミスジはゆずをクビにする。咲田はゆずに自分の退職金100万円を貸そうするが、ゆずから2000万円の借金の保証人になってほしいと言われ、逃げ帰ってしまう。
- 自分にできることは何もないと落ち込む咲田。しかし、咲田のスマホに「お気持ち、とても嬉しかったです」というゆずからのメッセージが届き、先田は辞めようと思っていたデリヘルの仕事を続けることを決める。
キャスト
咲田真一……濱田岳
本橋えみ……仲里依紗
マサカネ……荒川良々
ミスジ……松尾スズキ
みかん……徳永えり
イチゴ……山下リオ
レモン……北原里英
みず子……原扶貴子
ゲスト
ゆず……内山理名
第1話の感想
フラットな目線で描くデリヘルの日常
とても重い話でした。
同情だけでは人は救えないとわかっているけれど、こういうのを見ると辛くなります。
だけど、本当に救われたいのは自分かもしれませんね。
ゆずにも希望があるとわかれば、重い心が軽くなる。自分が救われる。それだけなのかもしれません。
好感が持てたのは、デリヘルという仕事や、その仕事に就く女の子たちをフラットな目線で描いているところ。ごく平凡な職場で働く女の子たちと同じように、彼女たちの日常を淡々と(時にユーモラスに)描いているんですよね。
「可哀想でしょう?」「不幸でしょう?」「泣けるでしょう?」という上から目線や、視聴者への押しつけが一切ない。それがわたしには清々しく自由に見えました。
何をどう感じてもいい
正直なところ、わたし自身、風俗の世界に対する偏見はあります。
嫌悪感がないと言ったら、ウソになります。
でも、この物語を見て特別なことを思う必要はないのかもしれない。
こういう世界があることを学ばなきゃいけないとか、彼女たちを理解しなきゃいけないとか、弱い人には手を差し伸べなきゃいけないとか、そういうことでもないように思う。
別世界だと思ってもいいんじゃないだろうか。
不潔だと感じてもいいんじゃないだろうか。
その気持ちをそのまま受け入れたうえで、もう一歩踏み込んでみたら、「デリヘル嬢」だけではない彼女たちの顔が見えてくる。それは自分と同じ顔かもしれない。
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重ための題材であるにもかかわらず、このドラマからは「こういうふうに見てね」という息苦しさが感じられません。なので、自由に心を解放して見ることをオススメします。
第1話ではチラッとしか登場しませんでしたが、わたしの興味はがぜん仲里依紗さんです。
彼女が今後、どのように物語に絡んでくるのか楽しみです。