どうも、夏蜜柑です。
24時間テレビドラマスペシャル「ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語」。
夏蜜柑
ふぐ丸
石ノ森章太郎さんは、「仮面ライダー」「秘密戦隊ゴレンジャー」「さるとびエッちゃん」「星の子チョビン」など、わたしが小さい頃に親しんだ特撮&アニメの生みの親です。
10代の頃は、「サイボーグ009」の漫画を夢中になって読みました。
そんなワケで、今回のドラマを見ていたら、いろいろ思い出してアレもコレも語りたくなってしまいました。
その“熱き心”をグッとおさえて、ほどほどに、感想&解説を書きました。
夏蜜柑
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
この記事の目次
あらすじ
- 1956年4月。高校を卒業した章太郎(中島健人)は、姉・由恵(木村文乃)に見送られて故郷・宮城県の石森駅から東京へ向かう汽車に乗る。父の反対を押し切って、東京で漫画家としての生活を送るためだった。
- 章太郎に漫画を描き始めるきっかけをくれたのは、由恵だった。章太郎は、病弱でいつも家の中にいる由恵を楽しませるために漫画を描き続け、やがてその才能は手塚治虫も認めるほどになる。
- 東京の「トキワ荘」に引っ越した章太郎は、赤塚不二夫(林遣都)や寺田ヒロオ(大野拓朗)ら漫画家仲間たちと切磋琢磨しながら充実した毎日を送る。
- 由恵はそんな章太郎を支えようとたびたび東京を訪れ、やがて正式にトキワ荘に引っ越してくる。由恵はトキワ荘のマドンナ的存在になり、章太郎は由恵や仲間たちと共に楽しい青春時代を送る。
- だが、ある日突然、由恵が発作を起こして倒れる。章太郎は病院に運ばれた由恵を置いて赤塚らと映画を見に行くが、その間に由恵の容態が急変。由恵は23歳の誕生日を前に亡くなってしまう。
- 章太郎は後悔と喪失感から立ち直れず、逃げるように海外へ旅立つ。3ヶ月の間世界各地をめぐるが、やはり姉を失った傷は癒えず、帰国した章太郎は漫画家を辞めて実家に帰ると言い出す。
- 「悲しい気持ちのまま、楽しんだり喜んだりすればいい」という赤塚の言葉に背中を押され、章太郎は心機一転、トキワ荘を出て新しい仕事場に移る。そして「サイボーグ009」の構想中に、初めて読者が楽しんでいるところを想像し、姉のために描いていた漫画を読者のために描くようになる。
- 章太郎は、テレビ局から「ウルトラマンに負けないヒーローを作ってほしい」と頼まれる。悩んだ末に生み出したのが、悪の手先として誕生し、自分の力で自分を正義の味方にしていく「仮面ライダー」だった。
- その後も、章太郎は子供たちのために弱点を持った不完全なヒーローを描き続けた。そして、姉に言われた通り「好きなことを全部やる」人生を全うする。
感想
あーーー楽しかった。至福の時間でした。
手塚治虫さんはじめ、この時代の漫画家を描いたドラマは何度も見ていますが、これはかなり満足度が高かったです。過度な演出もなく、全体的に「石ノ森作品」と「漫画」への愛情が感じられました。
こんなすごい人の人生を2時間足らずで描くなんて、ほとんど無理に近いと思う。
でも無理を感じさせず、しかも物語としてもちゃんと面白かった。終わり方も明るくてよかった。
夏蜜柑
ふぐ丸
うん。確かに、わたしが覚えてるのは「仮面ライダーV3」からなんですけどね。
ちなみにわたしの初恋の人も「仮面ライダーV3」(宮内洋さん)なんですけどね。
でも、本郷猛も一文字隼人も再放送で見たような気がするなー。
ドラマでは、当時本郷猛を演じていた藤岡弘、さんが本人役で、仮面ライダーのスーツアクターをしていた唐沢寿明さんがショッカー役で、それぞれスペシャル出演されていたのも嬉しかったです。
トキワ荘時代
わたしの好きなトキワ荘時代。
ドラマでは、今はもう存在しない「トキワ荘」がしっかり再現されていました。
つのだじろう氏の抗議文事件とか、このへんのネタはたくさんあるんだけど、赤塚氏との仲良しエピソードが特に好き。漫画では何度も読んだけど、実写で見るとまた違った雰囲気で新鮮でした。
夏蜜柑
トキワ荘時代の時間を多くとったのは、ここがお姉さんと暮らした思い出の場所でもあり、お姉さんが旅立った場所でもあるからでしょう。
トキワ荘でのお姉さんのエピソードは、当時の住人だった漫画家さんたちも描いているのですが、みんな彼女に恋していて、マドンナ的存在だったようです。
ドラマの中で赤塚氏が「大変だぁーッ!」って叫んでたけど、彼女がトキワ荘に現れた時は本当にそんな感じだったらしい^^
22歳は早すぎますよね。
今の医療にかかれば、長生きできたのかなぁ。
サイボーグ009
石ノ森章太郎さんの作品の中で、わたしがいちばん好きなのが「サイボーグ009」です。
高校1年の夏休みに幼なじみの親戚の家に遊びに行って、そこのおばさんが持っていた漫画をなにげなく手に取って読んだのが最初の出会い。衝撃でした。
夏蜜柑
特に後期は、SF、神話、古代文明などを題材にした哲学的要素の強いエピソードが多く、これがことごとく私のツボにヒットしました。今だに読み出すと止まらなくなりますね。
シリーズは未完で、石ノ森さんは完結編のプロットだけを残して亡くなりました。
続きが読めないことを、心から残念に思います。
ちなみにこの作品も「仮面ライダー」と同じテーマを持っています。
ジュン
雑誌「COM」に連載され、話題になった漫画「ジュン」。
第13回(1967年)小学館漫画賞を受賞しています。
この作品自体も評価が高いのですが、何よりあの手塚治虫が嫉妬した、というエピソードで有名。
ドラマでは、バカリズムさんが手塚さんを演じていました。
実はこの作品が連載されていた雑誌「COM」というのは、手塚さんが立ち上げた雑誌なんですね。
夏蜜柑
自分が作った雑誌で、10歳も年下の石ノ森さんの漫画が絶賛され、ちょっと面白くないと思ったのかもしれません。「あれは漫画ではない」と発言したそうです。
手塚さんのこの発言を、石ノ森さんはファンからの手紙で知らされます。ショックのあまり、編集部に連載の打ち切りを申し出たそうです。
だけどその直後に、手塚さん本人が石ノ森さんの部屋を訪れ、直接謝罪されたとか。
これは石ノ森さん自身が語っているので、おそらく事実なのだと思います。
その後、2人は仲直りして、連載は完結まで続いたそうです。
わたしはこのエピソードを、石ノ森さん自身が描いた漫画で知りました。
その漫画は、手塚治虫さんが亡くなった年に発表された「風のように…」です。
短編ですがとてもいい作品なので、興味のある方はご一読を。
「漫画家が見た手塚治虫」に収録されています。
キカイダーとかゴレンジャーとか
「人造人間キカイダー」「がんばれロボコン」「秘密戦隊ゴレンジャー」。
子供の頃、ぜんぶ見てましたねぇ。懐かしい。
小さい頃、ヒーローものが大好きだったわたしが、どうして「ウルトラマン」を見なかったのか。ずっと不思議だったのですが、今日、その理由がなんとなくわかりました。
悩みを抱えて戦う、完璧じゃないヒーローが好きだったんですね。
夏蜜柑
キャスト
石森(小野寺) 章太郎……中島健人(Sexy Zone)
小野寺由恵……木村文乃
赤塚不二夫……林遣都
寺田ヒロオ……大野拓朗
手塚治虫……バカリズム
藤本弘(藤子・F・不二雄)……中田圭祐
安孫子素雄(藤子不二雄Ⓐ)……佐久本宝
つのだじろう……松川尚瑠輝
鈴木伸一……宮崎秋人
森安なおや……楠元健一(ラフメイカー)
水野英子……誠子(尼神インター)
小野寺康太郎……杉本哲太
小野寺カシク……水野真紀
医師……梅沢富美男
藤岡弘……藤岡弘、
ショッカー……唐沢寿明
【余談】石ノ森萬画館
2016年に、宮城県石巻市にある「石ノ森萬画館」へ行きました。
石巻市は、石ノ森さんが中高生時代に映画館に通い詰めたことから「第2の故郷」としていた場所です。
街の中にはキャラクターのモニュメントが設置されていましたが、震災の爪痕がそこかしこに残っていました。
「石ノ森萬画館」も津波の被害を受けたそうですが、館内に入ると被害を受けたとは思えないほど綺麗になっていて。ここまでにするのは大変だったろうと思い、思わず涙(館内に当時の写真が展示されていて、それを見ると茫然としてしまいます)。
建物の見た目からして遊び心満載なのですが、館内もカラフルで遊園地みたいでした。
マンガ家の先生方がオープン記念に描いたという色紙60枚が圧巻。
夏蜜柑
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