「獣になれない私たち」最終話|鐘が鳴っても鳴らなくても

「獣になれない私たち」あらすじ感想

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どうも、夏蜜柑です。
日テレ水曜10時「獣になれない私たち」最終話。

いい最終回だったねぇ。

最初はどうなるかと思ったけど、だんだん面白くなってきて後半は割と楽しめました。

好きなところと嫌いなところが半々くらいあるんだけど、「ここがいい」とか「ここがイヤ」とか簡単に説明できないドラマだったから、よけいにモヤモヤしてしまいました。

でもその「モヤモヤ」は、無視するには惜しい「モヤモヤ」だったりもして。

「モヤモヤ」を言葉にしたくて、意気揚々と書き出したら、いつも以上にグダグダの長文になって途中で諦めました(この記事とはまったく違う内容です)

好きかどうかは別にして、心のざわめき度が非常に高いドラマでした。

以下、ネタバレを含みます。

最終話のあらすじ

  • 晶(新垣結衣)は会社を休み、5tapで恒星(松田龍平)と会う。晶はなりゆきで恒星と関係を持ったことを後悔していた。そこへ晶を心配した松任谷(伊藤沙莉)と上野(犬飼貴丈)が現れ「会社を辞めないでほしい」と言う。
  • さらに京谷(田中圭)も現れ、朱里(黒木華)と連絡が取れずマンションにもいないと言う。警察に捜索願いを出そうとしたとたん、朱里から「生きてます」というメールが入る。朱里は三郎(一ノ瀬ワタル)にウサギを預け、ネットカフェに寝泊まりしていた。
  • 呉羽(菊地凛子)はすべて丸く収めるために、謝罪会見を開く。カイジ(飯尾和樹)と恒星と晶が見守る中、カメラの前で殊勝に頭を下げる呉羽だったが、「お子さんのご予定は?」という質問にキレてしまい、「これからも好きに生きようと思います」と断言して立ち去る。
  • 出社した晶は、社長の九十九(山内圭哉)に「自分を殺して、本当に死んでしまう前に辞めます」と告げて退職願を提出する。晶に影響された社員たちは、社長に言えなかった要望をそれぞれ口にする。
  • 恒星は粉飾決算への加担を終わらせるため、依頼主を裏切る行為に出る。税務署に事実を伝えて脱税調査を促し、依頼主に「もう手は貸しません」と宣言して殴り飛ばす。恒星は誰にも告げずに事務所をたたみ、姿を消す。
  • 京谷は晶との関係を取り戻そうとするが、晶に断られる。晶は部屋の契約を更新し、これからどうしたいのかをゆっくり考えると言う。恒星は晶に電話をして、ある場所に呼び出す。
  • 5tapの開店2周年を祝う日、店には朱里や三郎たち常連が集まる。松任谷と上野も佐久間と九十九を連れてやってくるが、晶と恒星は現れない。その頃2人は、那須高原のブルワリーにいた。
  • 念願のナインテールドキャッツを飲み、近くにあるという教会へ足へ運ぶ。16時に鳴るという鐘を祈るように待つ2人。「鳴らなくても一緒にいることってできるのかな?」という晶に、恒星は「俺たち次第じゃない?」と答える。鐘を見守りながら、手を繋ぐ2人。

キャスト

深海晶……新垣結衣
根元恒星……松田龍平
花井京谷……田中圭
長門朱里……黒木華
橘呉羽……菊地凛子
上野発……犬飼貴丈
松任谷夢子……伊藤沙莉
佐久間久作……近藤公園
九十九剣児……山内圭哉
岡持三郎……一ノ瀬ワタル
タクラマカン斎藤……松尾貴史
花井千春……田中美佐子
橘カイジ……飯尾和樹

最終話の感想

2人の背中を押した呉羽の謝罪会見

窮地に追い込まれてしまった晶と恒星ですが、わたしは晶に関してはそれほど心配していませんでした。

前回の感想でもふれたとおり、晶は第1話と同じことを繰り返しているようで、明らかに違っていたからです。なので、きっと今までと違う方法を見つけるはずだと思っていました。

最終話において、最も大きな代償を払ったのは呉羽ですよね。

夫のカイジを守るために不本意な謝罪会見に臨んだ呉羽。
だけど、記者から「お子さんのご予定は?」と聞かれて言葉に詰まってしまう。

世の中の人は、若い女がみんな子供を産めると信じて疑わない。
結婚した女は、みんな子供を産むものだと誰もが思っている。

でも呉羽は産むことができません。

質問に答えようとすれば、そのことまで話さなきゃいけなくなる。
大勢のマスコミの前で。カメラの前で。

我慢できなくなった呉羽は猫かぶりをやめて、「ここにノコノコ出てきたことを反省しています」「これからも好きに生きようと思います」と言いきり、一方的に会見を終わらせてしまいます。

マスコミ(と世間)を完全に敵に回してしまった呉羽は、劇中では描かれませんでしたが、さらにバッシングを浴びただろうと思います。

呉羽が「自分を貫いた」結果払うことになった代償は、5人の中では最大です。

呉羽の取った勇気ある行動が、晶と恒星の背中を強く押すことになりました。

鐘が鳴っても鳴らなくても

晶は会社に行き、九十九に対して思っていることを言い、退職願を出します。
恒星は粉飾に加担するのをやめ、税務署に告発しに行きます(ついでに粉飾を強要した依頼主を一発ぶん殴った)

呉羽の次に大きな代償を払ったのは、恒星でしょうね……。

会計士生命を絶たれてしまうことも承知のうえで、恒星は告発に踏み切りました。
第8話であれほど「壊す」ことを怖がっていた恒星が、自ら「壊す」ことを決めたんです。

本当に守りたいものを守るために、これまで必死に守ってきたもの、築いてきたものを壊し、何もなくなってしまった晶と恒星。

でも、明るい光に包まれてビールを飲む2人の表情は清々しくて、希望を感じさせるものでした。

夏蜜柑

長い道のりでしたね。

2人が鐘を聞きに行くラストシーンは、なんとも言えない温かい気持ちになりました。
第2話で「恋に落ちる瞬間の鐘の音」を聞こうとして、聞けなかった2人。

鐘が鳴らなくても、聞こえなくても、一緒にいるかどうかは自分たち次第。
そう思えるようになった2人は、ちょっとだけ変わったのでしょう。

夏蜜柑

わたしには鳴ったように見えたけど、どうだったのかな。

ふぐ丸

余韻が素晴らしい。

それぞれの結末

朱里
三郎のラーメン屋で働き始め、四畳半の社宅に引っ越したようです。
あんな居心地よさそうなマンションを出るの、勇気がいっただろうなぁ。

三郎といい感じになっているのが面白かったです(笑)
5tapの周年記念パーティーでは、最後、なぜか九十九と肩を組んで楽しそうに笑い合ってましたねー。

京谷
未だに晶に未練タラタラの京谷は、晶とヨリを戻そうとしますがフラれました。
合コンで「海のような男になりたい」って言ってるあたり、なぜフラれたか全然わかってないっぽい(笑)

この人、いちばん可哀想かも?

千春
今でも時々晶にお酢を送っているようです。
で、晶もお返しにビールを送ったりして、楽しく付き合っているみたいです。

三郎
恒星がいなくなって寂しがってましたね。
でも朱里と仲よくなってうれしそうでした。

最初は変態そのもので不快だったけど、後半は普通の人になってよかったです。

ツクモ・クリエイト・ジャパンの人々
晶がきっかけとなり、今まで社長に対して何も言えなかった社員たちが、要望を口にするようになりました。
九十九社長は最後まで自分の正しさを主張してましたけどね(若干ビビりながら)

最後は松任谷さんと上野くんと佐久間さんと九十九社長(と朱里)が5tapで楽しそうに飲んでたけど、九十九社長が5tapに通うようになったら、キツイなー。

最後にひとこと

男女が出会って恋が始まる(かもしれない)までを描く、今どき珍しい恋愛ドラマでした。

わたしは昭和世代なので、実はこのくらいの淡い恋愛物語がいちばん心地よくて好きなんです。
昔の少女漫画はそういうのが多かったのよ。最近のはついていけないけど。

なので晶と恒星の恋愛に関しては、最後まで楽しめました。

最初から「ラブコメ」ではなく「やっかいな恋愛を描いたスローテンポな大人のドラマ」という観点で見始めていたら、もっとすんなり受け入れられたかもしれません。

一方で、晶の会社のゴタゴタと、京谷との恋愛事情は、インパクトが強すぎました。
わたしが神経過敏なのもあるけど、もう少しマイルドだったら見やすかったのにと思う。

パワハラにしても、「あれ……これってパワハラなんじゃないの……?」くらいの、当事者にしかわからないジワジワくる感じの陰湿なやつ(人に話してもわかってもらえなさそうな)のほうが、リアルだったんじゃないかなぁ。

「仕事帰りのビール=癒やし」というのも、飲めないわたしには当てはまらず(お酒には嫌な思い出しかない)

人間って、「心地いいこと」と「不快なこと」の割合が同じでも、「不快」という印象のほうが強く残ってしまいますよね。

正直に言って、心から楽しめたとは言えないドラマでした。

だけど、作り手が「作りたい」ものを「面白い」と思って作ったのであれば、そこは支持したい。作り手が「作りたい」ものを作れなくなることは、面白いドラマから遠ざかることですから。

今回は少し好みから外れたので残念だったけど、野木さんの次回作も楽しみにしています。

このドラマは、Huluで視聴可能です。※最新の配信状況と料金はHuluサイトにてご確認ください

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