どうも、夏蜜柑です。
中井貴一さん主演のドラマ「記憶」全12話を見終わりました。
面白かった。
とても見応えのある、よきドラマでした。
突然アルツハイマーを宣告された主人公の戸惑いと苦悩を、ベテラン俳優の中井貴一さんが繊細に演じ、物語の行方と共に最後まで引き込まれました。
主人公が真犯人を追い詰めていくサスペンス要素も面白く、毎回どうなるのかとハラハラしました。事件の真相が徐々に明らかになっていく過程にはドキドキしましたね。
フジテレビはどうしてこういう見応えのあるドラマを地上波で作らないんだろうねぇ。
キラキラドラマを見たい人ばかりじゃないのに。

この記事の目次
最終回あらすじ
- 15年前に群馬県安中市の「リカーショップピエロ」店主を殺害し、強盗殺人罪で服役中の御厨航平(水橋研二)の再審が始まる。本庄(中井貴一)は、この事件の真犯人が桜庭記念病院の副院長・桜庭孝行(丸山智己)だとして、御厨の無罪を主張する。
- 15年前に本庄の息子・亮介を轢き逃げした片桐直人(三浦貴大)が桜庭記念病院に入院したことから、直人の父・片桐啓介(石丸謙二郎)と、孝行の父で桜庭記念病院の院長・桜庭晃将(大鷹明良)の間に取引が成立したのではないかと推測する。
- 記憶障害に襲われながらも、弁護を続ける本庄。直人は証言台に立ち、15年前の罪を認めて謝罪するが、啓介は「怪我の理由を聞いていなかった」としらばっくれる。
- 啓介や桜庭らと結託している刑事・三上(大西武志)は、孝行が軽井沢の別荘に隠していた凶器を見つけ出し、証拠隠滅を図ろうとするが、警察に取り押さえられる。
- 凶器に使用されたアイスホッケーのスティックからは血痕が採取され、遺体の傷の形状とも一致した。遥香(優香)や佳奈子(松下由樹)、沢島(モロ諸岡)らが見守る中、本庄はその事実を法廷で告げ、御厨の冤罪を断言する。
- 御厨に無罪判決が下される。本庄は裁判に勝利するが、そのことによって記憶は急速に失われていく。沢島は本庄から預かっていた箱を遥香に渡す。中には銀行口座の通帳やカード、そして遥香ら家族に向けたメッセージが録音されたボイスレコーダーが入っていた。
- 本庄は一線を退き、法律事務所は二宮(泉澤祐希)が引き継ぐことに。佳奈子が亡き亮介との思い出の場所に行くと、本庄が家族や友人を連れてやってくる。だが本庄はもう佳奈子を覚えてはいなかった。ふいに家族のことすらも忘れてしまう本庄に、「あなたの子供たちよ」と教える遥香。
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感想
中井貴一さんの演技を堪能した12日間でした。大満足。
ラストの本庄先生は、まるで使命を果たしたかのように安らかな表情でしたね。
記憶が失われても、人生が終わるわけじゃありません。
これから本庄先生の第2の人生が始まるのでしょう。
韓国ドラマならではの面白さ
リメイク元が韓国ドラマなので、登場人物は「わかりやすい二項対立」になっています。

主人公の恩人が実は黒幕という「因縁の関係」や、最後に大逆転する「ドラマティックな展開」も韓国ドラマあるあるですね。
ある程度は予想がつくのですが、複数の事件が複雑に絡み合っていることもあって、毎回先が気になる展開になっています。
何がどう繋がるのか、謎を解いていく面白さもあります。
俳優陣の演技に引き込まれる
濃いドラマを盛り上げる俳優陣の演技も見応えがありました。
主演の中井貴一さんはじめ、出演者は実力派の俳優さんばかり。
主人公・本庄を優しく見守る妻は優香さん。
亡き息子を忘れられずに苦悩する本庄の前妻は松下由樹さん。
15年前に轢き逃げ事故を起こした青年は三浦貴大さん。
本庄の恩人であると同時に黒幕でもある片桐は石丸謙二郎さん。
どの役も複雑な感情や思惑が入り乱れる難しい設定なのですが、それぞれの持ち味を生かしてリアルに表現されていて、見ているうちにぐいぐい引っ張られました。
本庄に協力する新人弁護士の泉澤祐希さん、本庄を慕う事務員の今田美桜さんもよかった。

事件の経緯を時系列で考える
片桐と桜庭たちが隠蔽した事件の経緯を、わかりやすいように時系列でまとめてみました。
ネタバレになっていますのでご注意を。
- 桜庭孝行と桜庭智弘が軽井沢の別荘に行く
- 桜庭孝行が群馬県安中市の「リカーショップピエロ」店主を殺害する
- 御厨航平が強盗殺人容疑で逮捕される(本庄が弁護を担当する)
- 片桐直人がバイクの無免許運転で轢き逃げ事故を起こし、本庄の息子・亮介が死亡
- 片桐直人が桜庭記念病院に入院する
- 片桐啓介(検事)、桜庭晃将(病院長)、三上克彦(刑事)が密約を交わし、殺人事件と轢き逃げ事故を隠蔽する
- 御厨航平の罪が確定する
- 三上が轢き逃げ事故の捜査を打ち切る
弁護士としての使命を全うした主人公
苦労の末に弁護士として名を馳せ、テレビにもレギュラー出演するほど有名人となった本庄先生。でも、残された時間はわずかでした。
「いつかきっと、あなたにも思い知る時がきますよ。不幸は何の前触れもなく訪れる。気づいたときにはもう手遅れだ。いくら後悔したって取り戻せない」
第1話で真山先生が予言したとおり、突然アルツハイマーを宣告されてしまう本庄先生。
残された時間を、彼は息子の死にまつわる真相を解き明かすことに使うと決めます。
それが弁護士としての自分に残された最後の使命だと。
人生においてわたしが全うしたい仕事ってなんだろう、と考えました。

意義や見返りを求めることなく使命を感じられる仕事。
最後にその仕事をやり遂げた本庄先生は、どんな気持ちだったんだろう。
ただ、事務所の看板は「本庄・二宮法律事務所」になっていました。
第一線に立つことはなくても、新人を育てる仕事は残っているようです。
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