どうも、夏蜜柑です。
WOWOW連続ドラマW「孤高のメス」第2話。
今回はかなりハラハラさせられました。
野本先生のポンコツぶり、ひどいなぁ。
野本先生に代わって実川先生と当麻先生がリオペをするシーンは、今回一番のカタルシスでした。
まだ2話目なのに、もうクライマックスのような展開。
この先どうなるんだろ。

この記事の目次
第2話のあらすじ
- 当麻(滝沢秀明)は症例報告の場で近江大の実川(仲村トオル)と会い、日本で肝移植を定着させたいという実川と意気投合する。
- 野本(宮川一朗太)は胆のう炎の患者を胃炎だと診断したうえ、オペでも重篤なミスをし、再手術が必要となる。島田(石丸幹二)は野本の顔を立てて、近江大の実川(仲村トオル)に再手術を依頼する。
- 手術中、野本はまたしてもミス。実川は野本の代わりに当麻を指名し、手術は無事に終わる。当麻の技術の高さに驚いた実川は、当麻を肝移植チームに引き入れるため、近江大の非常勤講師になってほしいと頼む。
- 食堂で働くキヨ(鷲尾真知子)がバイクで帰宅中に事故に遭い、病院に運ばれてくる。キヨは肝臓の5分の1を切除し危篤状態に陥る。肝移植をすれば助かると考えた当麻は島田の説得を試みるが、島田は時期尚早だと言う。キヨは肝移植手術を受けられず亡くなってしまう。
- 一方、実川は先天性胆道閉鎖症である7歳の少年・空也の両親に、親の肝臓の一部を移植する「生体肝移植」を勧めていた。
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第2話の感想
圧巻の手術シーン
どのシーンもひとつひとつがリアルで、ごまかそうとしていないことがわかります。
オペのシーンも治療のシーンも、どんな作業をしているのか具体的に見せてくれるんですよね。わたしは素人なので何をしているのかサッパリわからないんですけど、緊張感が伝わってきて画面に引きつけられます。
近江大から応援にきた実川先生が、当麻先生を指名して一緒にオペをするシーンが圧巻でした。
医師の手元を見せるだけでなく、実川先生やオペ室にいる看護師たちの表情を順番に映すことで、オペが順調に進んでいることや、みんなが当麻先生の技術の高さに感動していることが静かに伝わってきました。
その前に野本先生のポンコツぶりをさんざん見せられていたから、余計に溜飲が下がったというのもあるんですけどね。宮川一朗太さんの演技があったからこそ、かもしれないですね。
ただお茶を飲んで待つしかない家族と、手術室の中で血まみれになって奮闘する医師たちを交互に映し、静と動の対比を見せるところもよかった。
こういうとき、家族は祈ることしかできないんだよなぁ。
手術室の中で何が起こっているかも、知りようがないし。

なぜ日本では肝移植が行われなかったのか
実川先生と当麻先生が実現させようとしている「肝移植」について、軽く調べてみました。
冒頭、当麻先生がスターツル先生のもとで、実川先生がロイ・カーン先生のもので修行したことをお互いに語り合うシーンがありましたね。この先生方、実在の人物です。
「スターツル先生」とは、1967年に世界で初めて肝移植を成功させたトーマス・スターツル氏のこと。「ロイ・カーン先生」とは、その翌年、1968年にイギリスで初めての肝移植を行ったロイ・カーン氏のこと。

諸外国では脳死移植から移植医療が始まったのですが、日本では脳死の倫理問題が大きな壁となり、脳死状態の人の肝臓を移植する「脳死肝移植」が難しい状況でした。
そのため、脳死問題を迂回する形で、まず「生体肝移植」が始められました。
日本で初の生体肝移植が行われたのは、1989年。ちょうど、このドラマで設定されている年です。
今回のラストで実川先生が男の子の両親に説明していたのが、その「生体肝移植」。
はたして、実川先生は生体肝移植を成功させることができるのでしょうか……。
というより、オペができるかどうかが問題ですね。
島田院長も卜部教授も、肝移植には消極的ですから。
なお、日本で「脳死肝移植」が行われるのはずっと先のことで、1997年の臓器移植法施行を待たねばなりません。
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キヨさんを助けられなかった当麻先生は、どれほど無念だったことだろう。
その思いが、報われる日がくるのでしょうか。