「孤高のメス」最終話|安らかな感動に包まれる屈指の医療ドラマ

連続ドラマW「孤高のメス」

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どうも、夏蜜柑です。
WOWOW連続ドラマW「孤高のメス」最終話。

切なくも心に染みるラストでした。

医療ドラマは苦手なのですが、こういうドラマだったら何度でも見たい。
そう思える素晴らしい作品でした。

とりわけ手術シーンのリアルでスリリングな描写は圧巻。
WOWOWならではのクオリティの高さで、血が苦手なわたしも思わず見入ってしまうほど。

人間ドラマとしても見応えがありました。
当麻先生の静かな、それでいて揺るぎない信念に何度も胸を打たれました。

最終話のあらすじ

  • 当麻(滝沢秀明)は大川の肝移植手術を成功させるが、京阪新聞に脳死肝移植のスクープ記事が出てしまう。面子を潰された徳武(六平直政)は当麻を呼び出して説明と謝罪を求めるが、当麻は実川(仲村トオル)の助言を無視して現在の医療体制を強く批判する。
  • 徳武は当麻を肝移植研究会から除名。大川(長塚京三)の診察すらも禁じ、当麻と甦生記念病院に圧力をかける。対応に窮した院長の島田(石丸幹二)は、やむなく当麻に謹慎を命じる。
  • 当麻は「不正医療を告発する会」から殺人罪で告発され、警察から取り調べを受けることに。警察は当麻と大川の癒着を疑っていた。さらに野本(宮川一朗太)らが院長に抗議文を提出し、当麻の処分を求める。
  • 当麻は病院を辞めることを決意する。当麻の決断を知った実川(仲村トオル)は、近江大に来ないかと助教授のポストを当麻に勧める。青木(工藤阿須加)は当麻と共に病院を辞めようとするが、当麻に説得され残ることを決める。
  • 当麻は「大学は私の性に合わない」という理由で実川からの申し出を断り、「何が正解なのかわからなくなった」と吐露する。実川は「あなたは道を切り開いた。いつか必ず正しく評価される日が来る」「あなたのメスは孤高のメスだ」と当麻を励ます。
  • 拒絶反応が見られた大川は持ち直し、無事に退院の日を迎える。大川と静(キムラ緑子)は当麻の名誉回復のために記者会見を開き、肝移植手術が正しく評価されるようマスコミに訴える。
  • 当麻は翔子(山本美月)に見送られ、湖水町を去る。2019年、当麻はあわじ西病院の院長として、地域医療の現場で医師を続けていた。
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最終話の感想

ちょっと言葉が見当たらないくらい、よかったです。
連続ドラマの最終回でこんなに安らかな感動をもらったのは久しぶり。

ただ目の前で苦しんでいる患者を手術して救っただけなのに、国中から人殺し呼ばわりされ、責任を問われる当麻先生。

そんな状況にあっても常に冷静で取り乱すことなく、信念を貫く姿勢がカッコよくて美しかった。

当麻先生が覚悟を決めた湖畔のシーン

途中まではあまりにも無理解な人々に腹が立ち、どうにもならない悔しさにモヤモヤしていたのですが、湖畔での実川先生とのシーンがすべての負の感情を洗い流してくれました。

「当麻先生は間違ってない。あなたは道を切り開いた。今まで誰もできなかったことを成し遂げた。いつか必ず、正しく評価される日が来ます。私はそう信じています。尊敬します。同じ医者として、心から」

この言葉をほかの誰でもない実川先生に言ってもらえて、当麻先生は本当に嬉しかったと思う。それだけで、救われたんじゃないでしょうか。

「私には野望があります。力を得てこの窮屈な医学界を変えたい。まぁ言ってみれば、私のメスは打算のメスだ。でも……当麻先生は違う。あなたのメスは、孤高のメスだ」

盟友の言葉に力をもらい、当麻先生はどこか吹っ切れたような顔をしていました。
このとき、彼は本当の意味で「地域医療に身を捧げる」覚悟を決めたのかもしれません。

この先なにがあっても、信念を貫いてみせる。
当麻先生の表情から、そんな力強い鋼のような覚悟を感じさせられました。

実川先生の野望

ダークサイドに堕ちるのではないかと心配した実川先生でしたが、杞憂でしたね。

2019年の当麻先生が読んでいた新聞を見ると、実川先生が着々と国内で肝移植を定着させている様子が見て取れます。

実川先生の目的は、窮屈な医学界を変えて肝移植を定着させること。
出世はあくまでも目的を叶えるための手段。

野望を抱き、「打算のメス」で医学界に切り込んだ実川先生も、道は違えど立派でした。

2019年になっても当麻先生との交流は続いているのかなぁ。

年に1回くらい会って酒を飲み交わしながら、昔話や近況報告をする2人をつい想像したくなるけど……そんなことがなくても、2人の気持ちは通じてそうですね。

孤高の人

当麻先生は、誰もが認める才能の持ち主で、人格者でした。
その気になれば、実川先生以上のポストに就くことも可能だったと思います。

こんなにも恵まれている人が誰よりも無欲だということが、当麻先生の魅力のすべてでした。

湖と田んぼしかないところに、ぽつんと一軒だけ立っている家。
家の中は薄暗く、がらんとして、生活感は皆無。
住んでいるのは当麻先生と、一匹の野良猫。

病院では仲間に囲まれている当麻先生が、プライベートでは一転して孤独。
なぜこんな淋しい家に住んでいるのか不思議だったのですが、これも「孤高」を表していたんですね。

そしておそらくこの先も、彼は孤高の道を突き進むことになる。
それが選ばれし者の宿命なのだという暗示だったのでしょう。

ちなみにラストシーンで当麻先生が院長を務めていた病院の名は、「あわじ西病院」でした。原作者・大鐘稔彦さんが所長を務めている「南あわじ市立阿那賀診療所」をもじったんですね。

最後のほうは、滝沢さんの演技が演技ではないのではないかと思ってしまうほど、当麻先生にしか見えなくなりました。

滝沢さんはこの作品が俳優としての最後のお仕事だったんですよね。
最後にいい作品を残してくれました。本当にお疲れさまでした。

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