「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」各話あらすじ・登場人物(キャスト)一覧

英国ドラマ「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」あらすじキャスト

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英国ドラマ「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」(全5話)についてまとめました。

英国史上最悪と言われる1988年のテロ攻撃「ロッカビー事件」をもとにしたドラマ。この惨事で娘を失った実在の医師ジム・スワイアが真実を追い求める姿を描いています。IMDbの評価は7.5。

主人公ジムを演じるのは、映画「英国王のスピーチ」で知られるコリン・ファース。

第1話の墜落シーンが衝撃的。事件後の英国政府の動きや社会背景などが当時の映像をまじえて描かれ、緊迫感あふれる作品になっています。

※この記事は随時更新中です。各話視聴後、加筆修正します

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2025年5月3日(土)から毎週土曜23:00~ほか
  • オンデマンド配信: 5月3日(土)0:00から全5話一挙配信
  • 製作国:英国(2025年)
  • 原題:Lockerbie: A Search for Truth
  • 原作:ジム・スワイア/ピーター・ビダルフ『The Lockerbie Bombing: A Father’s Search for Justice』
  • 監督:オットー・バサースト/ジム・ローチ

あらすじ

1988年12月21日。医師ジム・スワイアの娘フローラが乗ったパンナム航空103便はヒースロー空港を離陸して米国のニューヨークに向かうが、その直後、スコットランド・ロッカビーの上空で爆発・墜落し、すべての乗員乗客と地上で巻き添えとなった住民11人が亡くなる。墜落現場に行ったジムは娘の遺体と対面して強いショックを受けるが、遺族の会に潜り込んでいたある記者から、ドイツでテロ組織に動きがあると知った英政府は、運輸省にヒースロー空港へ警告を送らせていたことを教えられる。ジムと妻のジェーンはこの墜落には英政府にも責任があると考え、他の遺族たちとともに行動を起こす。
一方、各国の捜査機関は、爆発の原因が爆弾によるものだとして、2人のリビア人を容疑者として特定するが……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

ロッカビー事件」とは

「ロッカビー事件」(正式名称:パンアメリカン航空103便爆破事件)は、1988年12月21日に発生した航空機テロ事件です。

パンアメリカン航空103便がスコットランドのロッカビー上空で爆破され、乗客243名、乗員16名、さらに地上の住民11名の計270名が犠牲となりました。

事件の概要

パンアメリカン航空103便は、西ドイツのフランクフルトからイギリスのロンドンとニューヨークを経由し、デトロイトへ向かうフライトプランで運航されていました。

103便がヒースロー空港を離陸してから40分後、スコットランド地方のロッカビーを飛行中に爆発が発生。爆弾は貨物室に隠されており、プラスチック爆薬「セムテックス」を使用した時限爆弾がスーツケースに仕込まれていました。

爆発により機体は空中分解し、両翼と中央胴体部分がロッカビー村の居住区に落下。民家を巻き込んで大爆発し、長さ47m、深さ9mの大きな陥没跡を残しました。

犠牲となった乗客のうち10人と住民11人は発見されていません。

リビアの関与

この事件はリビア政府が関与したテロ行為とされ、長年にわたる国際的な捜査と法廷闘争が行われました。

2001年には、リビア人のアブデルバセト・アル・メグラヒが大量殺人罪で有罪判決を受けましたが、事件の背景や関与者については今も議論が続いています。

時代背景(年表)

西暦出来事
1979英、サッチャー保守党内閣成立
1980イラン・イラク戦争勃発
1981ロナルド・レーガンが米大統領に就任
英チャールズ王子がダイアナ妃と結婚
1986チェルノブイリ原発事故
1988イラン・イラク戦争の停戦が成立
パンアメリカン航空103便爆破事件(ロッカビー事件)
1989ジョージ・H・W・ブッシュが米大統領に就任
ベルリンの壁崩壊
米・ソ冷戦の終結を宣言(マルタ会談)
1990東西ドイツ統一
イラク軍、クウェート制圧
1991湾岸戦争勃発
ソビエト連邦解体
1993ビル・クリントンが米大統領に就任
1999欧州連合単一通貨「ユーロ」導入
2001ジョージ・W・ブッシュが米大統領に就任
米、9.11同時多発テロ

登場人物(キャスト)一覧

ジム・スワイア(コリン・ファース)
英国の医師。娘のフローラがパンナム航空103便に乗り、命を落とす。飛行機の墜落には英政府にも責任があると考え、他の遺族たちとともに行動を起こす。

ジェーン・スワイア(キャサリン・マコーマック)
ジムの妻。娘のフローラを失い、悲しみと葛藤を抱えつつも事件に向き合う。事件にのめり込み、暴走するジムを止めようとする。

フローラ・スワイア(ロザンナ・アダムス)
ジムとジェーンの娘。23歳。1988年12月21日、クリスマス休暇をニューヨークにいる恋人と一緒に過ごすため、ヒースロー空港からパンナム航空103便に乗り、墜落事故の犠牲となる。

キャサリン・スワイア(ジェマ・カールトン)
ジムとジェーンの娘。フローラを喪って以降、精神的に不安定な母ジェーンを心配している。

ウィリアム・スワイア(ハリー・レディング)
ジムとジェーンの息子。

マーレイ・ガスリー(サム・トラウトン)
記者。103便の墜落事故当日、すぐさま現場に駆けつけ惨状をまのあたりにする。遺族の集会でジムと出会い、それ以降、事故に関する情報をジムに提供している。

ナビル(ユセフ・カーコア)
カイロの新聞記者。ある日突然ジムを訪ねてきて、カダフィ大佐に会わないかと持ち掛ける。

ロバート・ブラック(ジョン・ウォーク)
エディンバラ大学の教授。法律の専門家。ロッカビー出身。裁判を実現させるため、ある提案をする。

アブデルバセト・アル・メグラヒ(アルダラン・エスマイリ)
チューリヒに拠点を置くリビア企業「ABH」の経営者。事故当時は航空会社の保安責任者で、マルタ空港で働いていた。リビア諜報機関の工作員とされ、103便に爆弾を仕掛けた容疑で起訴される。

アル・アミン・カリファ・フイマ(Mudar Abbara)
メグラヒとともに103便に爆弾を仕掛けた容疑で起訴される。事故当時、航空会社に所属し、マルタ空港で働いていた。

トーマス・ヘイズ(ニコラス・ジェラルド・マーティン)
王立兵器研究所の法科学者。数か月にわたり墜落現場で残骸を調べ、焦げたシャツの襟から爆弾を起爆したタイマーの基板の一部を発見する。

エドウィン・ボリエ(アンディ・ナイマン)
武器商人。表の顔は実業家で、メグラヒが経営するABHと同じビルに入居するMEBO社の経営者。爆弾の起爆装置に接続されたタイマーと同じ物をリビアの諜報機関に売っていた。

トニー・ガウチ(Frank Crudele)
マルタの衣料店「メアリーズハウス」の店主。爆弾と同じスーツケースに入っていたと思われる衣服を販売していた。

エレン・ウォーカー(Claire Brown)
ロッカビーの住人。事故当日、パンナム103便の墜落をまのあたりにする。その後もロッカビーで暮らしながら、遺族に寄り添う活動をする。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1988年12月21日。英国の医師ジム・スワイアと妻のジェーンは、ニューヨークで彼氏とクリスマスを過ごすという娘フローラの出発を見送る。
だがフローラが搭乗したパンナム航空103便は、スコットランド国境地域の小さな町ロッカビーの上空で爆発、機体は空中分解する。機体の残骸は広い範囲に飛散し、胴体部分はロッカビーの住宅地に墜落。民家を巻き込んで大爆発する。
ラジオで墜落の報道を聞いた記者ガスリーは現場へ直行し、過去に類を見ない大惨事をまのあたりにして言葉を失う。ジムとジェーンは、墜落した103便にフローラが乗っていたことを知らされる。
1989年1月4日。遺族の集会に出席したジムは、記者のガスリーと出会う。墜落から14日経っても遺体との面会を許されず、不満を抱くジムに、ガスリーは「あなたは医師だから潜り込める」と助言する。ジムは遺体が安置されているスケート場へ行き、変わり果てたフローラと再会する。
1989年2月。ジムはガスリーから墜落事故に関する重要な情報を得る。去年の10月、ドイツ警察はPFLPーGC(パレスチナ解放人民戦線総司令部派)を対象とする捜査で、民間機に仕掛ける目的で作られた爆発物を発見。運輸省に情報を提供し、イギリスの全空港に警告が出されていた。
さらに事故前の12月5日には、アメリカ大使館に「クリスマスにフランクフルト発のパンナム機が狙われる」という匿名の電話が入っていたという。
ジムは運輸相のポール・チャノンと面会し、警告を無視して市民を危険にさらした責任を問うが、まもなくチャノンは解任されてしまう。ジムは遺族会の代表となり、ほかの遺族たちとともに独自の調査を要求する。
1989年11月。英国政府は数か月にわたる審議の結果、103便の特別調査を行わないことを決定。打ちひしがれるジェーンに、ジムは「答えを知るまで諦めない」と言う。

1990年。103便の墜落から1年5か月が経った。一向に調査が行われない現状に苛立ったジムは、偽のラジカセ爆弾を作ってスーツケースに入れ、ボストン行きの飛行機に乗る。
空港のセキュリティーの脆弱さを世に知らしめるためだったが、ジムの行き過ぎた行為は世間から批判を浴び、ジェーンたち家族もマスコミに追及される。
ジェーンに諭されたジムは一度事件から離れ、家族とともにスカイ島を訪れて穏やかな時間を過ごす。だがそこに、容疑者が特定されたというニュースが飛び込んでくる。リビア国籍のメグラヒとフイマだった。
起訴状に目を通したジムは2人が爆破事件を起こした犯人だと確信するが、欧米との対立を深めるリビアの最高実力者カダフィ大佐は2人の容疑者の引き渡しを拒む。
ジムはカイロの新聞記者ナビルの手引きでリビアを訪問し、カダフィと面会を果たすものの、説得は失敗に終わる。
ジムは法律の専門家であるロバート・ブラック教授と会い、彼とともに再びリビアを訪れカダフィと面会する。カダフィは「中立な国で裁判を実施する」というブラック教授の提案を受け入れ、容疑者2人を差し出すことに同意する。
裁判は中立国であるオランダのファルケンブルグ空軍基地で行われることになり、メグラヒとフイマはオランダへ連行される。
ジムは、裁判が終わったら判決を受け入れ、父親に戻るとジェーンに約束する。

2000年5月3日。ロッカビー事件から11年を経て、ついにメグラヒとフイマの裁判が始まる。場所はオランダ、ユトレヒト郊外のザイスト基地。ジムはユトレヒトに部屋を借り、長期間に及ぶ裁判を傍聴し続ける。
証人尋問には、事故を目撃したロッカビーの住人たちのほか、がれきの中から爆弾のタイマーの破片を見つけた王立兵器研究所の法科学者、リビアの諜報機関に起爆装置のタイマーを売った武器商人、爆弾と同じスーツケースに入っていたと思われる衣服の販売店店主などが召喚される。
ジェーンは裁判で証言をしたロッカビーの住人たちを見て、フローラの死と向き合う決意をする。ロッカビーを訪れたジェーンは地元の住人エレンの案内で、フローラの遺体が発見された場所へ行く。
裁判が始まって144日目。リビアの元航空職員で、現在は情報源としてアメリカCIAに所属するマジッド・ジアカが証言台に立つ。ジアカは事故当時、メグラヒとフイマの部下だった。
ジアカはメグラヒが持ち込んだ爆薬や、103便の墜落前夜にメグラヒとフイマが荷物を運んでいる姿を目撃したと証言する。
ところが弁護人により、ジアカがアメリカ司法省のマータフと通じていることが判明。アメリカ政府はジアカに高額報酬を提示し、メグラヒとフイマを有罪に追い込む証言をさせていたことが明らかになる。
150日目。ヒースロー空港の荷物係ジョン・ベッドフォードは、103便に積んだスーツケースは、フランクフルトからの便が到着する前にすでにあったと証言。ジムは爆弾入りのスーツケースがフランクフルトから運ばれてきたのではない可能性を考え始める。
171日目。検察側はドイツの爆薬専門家で、PFLPーGC(パレスチナ解放人民戦線総司令部派)が作った爆発装置を分析したライナー・ゲーベルを召喚。ゲーベルは「彼らが使っていたタイマーでは、爆弾をヒースロー空港で仕掛けない限り、103便を爆破するのは不可能だ」と証言し、PFLPーGCの関与を否定する。
しかし、ジムは集めたすべての資料を見なおした結果、メグラヒとフイマは無実であり、嵌められたのだという結論に達する。

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