どうも、夏蜜柑です。
「みをつくし料理帖スペシャル」後編のあらすじと感想です。
すっっごいよかった!!
前編の慌ただしさが嘘のように丁寧なストーリー運びでした。
いつもの「みをつくし料理帖」が戻ってきてくれた感じ。
そう。この感じが好きだったのよね~。
野江とのエピソードは毎回泣かされていましたが、今回もまた。
次はぜひ、連続ドラマで復活してほしいです。
▼前編はこちら

この記事の目次
後編「桜の宴」のあらすじ
小野寺家用人・多浜重光(徳井優)が「つる家」を訪れ、澪との縁談を白紙にさせてほしいと告げる。種市(小日向文世)は激怒するが、芳(安田成美)は澪(黒木華)と小松原(森山未來)の真意に気づく。
早帆(佐藤めぐみ)は澪の長屋まで足を運び、小松原が今まで耳を貸さなかった上役からの縁談を急に受けると言い出したことを明かす。兄を罵り、澪に申し訳ないと謝る早帆。
澪は早帆に真実を打ち明けようとするが、芳に「小野寺様の気持ちを無駄にしたら罰が当たる」と止められる。澪のために憎まれ役を引き受け、意に沿わぬ縁談を受けた小松原を思い、澪は密かに胸の内で許しを求める。
吉原の大店・翁屋伝右衛門(伊武雅刀)は、登龍楼の采女宗馬(松尾スズキ)の訪問を受ける。吉原にうまい料理屋を出そうと考えていた采女は、伝右衛門が手に入れた江戸町の店を譲ってほしいと慇懃無礼に告げる。
采女は伝右衛門が催す花見の宴の料理がまずいと嘲笑し、そのような料理人しか雇えないのなら登龍楼に店を譲ったほうが賢明だと言い放つ。
カッとなった伝右衛門は「腕のいい料理人くらい知っている」と大見得を切り、采女を花見の宴に招く。後日、伝右衛門は又次(萩原聖人)と一緒に「つる家」を訪れ、澪に花見の宴の料理を作ってほしいと頼み込む。
澪は断り切れずに引き受けるが、どんな料理を出せば吉原の上客たちの肥えた舌を満足させられるのかと悩む。源斉(永山絢斗)は「野江さんに食べてもらうことを想像して作っては」と助言する。
桜の宴当日。澪が作った料理は、店の信用と評判を下げないために、女が作ったと悟られないよう又次が作ったものとして客に出されることに。
澪は「紅一匁(もんめ)金一匁」と言われるほど高価な紅花を料理の食材に使い、宴に集まった摂津屋助五郎(中原丈雄)たちを驚かせる。客たちはみな料理のうまさに感心し、酒を飲むのをやめてしまうほどだった。
だが末席で料理を食べた登龍楼の采女は、ひとめで澪の料理だと見抜く。隠れていた澪を宴の場に引きずり出し、「名だたる豪商の方々に女のこしらえた飯を食わせるとは、笑止千万!」と罵倒する采女。
言葉を詰まらせる伝右衛門に向かい、采女は「江戸町の店は登龍楼が譲り受ける」と言い、さらに「あさひ太夫を一緒に売ってほしい」と要求する。
澪は黙っていられず采女に立ち向かうが、采女は澪の出した料理を「貧乏くさい」と一刀両断。澪が悔しさに拳を握りしめていると、扇子で顔を隠したあさひ太夫(成海璃子)が現れ、采女の前で歌を披露する。
その歌の意味を察した采女は、あさひ太夫の機知に免じて今日のところは身を引く、と告げて宴の場から立ち去る。太夫は宴に出た料理を歌に詠み込み、采女の面目を潰さずに申し出を断ったのだった。
後日、澪は再び翁屋へ行き、伝右衛門から祝儀を受け取る。伝右衛門は澪の才能を買い、江戸町の店を澪に任せたいと告げる。
澪は又次と新造たちの計らいで、野江のいる部屋に通される。野江はふすまを開けることを望まず、ふすま越しに再会を果たす二人。そのふすまには、澪と野江が幼い頃に何度も一緒に渡った天神橋が描かれていた。
野江は辛い目に遭った澪を気遣い、「いつの日かまた、あの橋の真ん中に二人並んで真っ青な天を仰ぐ日が来る」と語る。
澪はふすまの前に一枚の貝殻を置いて部屋を出て行く。貝殻を見た野江は、幼い日に内緒で紅を持ち出して澪の唇にさした日のことを思い出し、ひとり泣き濡れる。
澪は伝右衛門の申し出を断り、「つる家」に残ることを決める。伝右衛門に頼って稼いだお金ではなく、自らの力で天満一兆庵を立て直し、いつか野江を身請けしたいと考えたためだった。
後編の感想
小松原の決断
前編の小松原様エピソードは駆け足で残念でしたが、後編はゆったりとしたテンポで「桜の宴」の様子が丁寧に描かれました。
前編を受ける形での序盤の小松原様の悲しい決断も、澪の苦しみとともにとても繊細に表現されていて、胸を打つものがありました。背景に舞う雪が哀しさを際立たせるんですよね……。
早帆が取った行動も、よかれと思ってしたことなのに、結果的には二人に別れを選ばせ苦しめることに。彼女も辛いはず。
澪を守るために、意に沿わない縁談を受けた小松原様。
切ない。そしてかっこよすぎます。
あさひ太夫の歌の意味
登龍楼の采女宗馬がひさびさに登場。
相変わらずイヤ~な感じです。
今度は翁屋伝右衛門が手に入れた店を奪おうとします。
店だけでなく、なんとあさひ太夫も! あほちゃうか!
采女の申し出を断るために、あさひ太夫こと野江が披露した歌がこちら。
龍宮の 殿の行末 摘む花を 喜ぶなかれ われはめしうど
この歌の中には、澪が作った宴の膳の食べ物が詠み込まれていました。
- 末摘む花……紅花
- 喜ぶなかれ……昆布と鰈
- めしうど……飯とうど
- 龍宮……鯛(龍宮にいる魚)
- 殿の行末……白魚(殿様魚とも呼ばれる)
「龍宮」とは、登龍楼のこと。登龍楼の主(采女)のこの先の命を摘んでしまうような、贅沢三昧の膳を喜ぶことはできない、私はただのめしうど(とらわれびと)だから、という意味でした。
澪の宴の膳には、わらび、ふき、えごま、ぜんまいなど、食べた人の健康を思いやる食材が使われていました。野江は采女がそのことに気づいていると見抜いていたんですね。
澪と野江のふすま越しの再会
澪はついにあさひ太夫=野江と再会を果たします。
と言っても、ふすま越しの再会でした。
野江は、澪には「あさひ太夫」としての姿をどうしても見られたくないようです。昔の高麗橋淡路屋の野江のままでいたいのだと。
ふすまには大坂の天神橋が描かれていて、橋の上には二人の少女の姿がありました。
いつか自分たちの上に垂れ込めている厚い雲が晴れて、二人一緒に橋の上で青い天を仰ぐ日が来る。そう信じて強く生き抜くのだと語る野江。
泣ける……。
野江が気丈に振る舞えば振る舞うほど、泣ける。
澪が「雲外蒼天」の相を持ち、野江が「旭日昇天」の相を持っていることは、連続ドラマ第4回で描かれました。
このとき、野江は「天下を取るような運なら、それに見合う不運も連れてくる」と恐れ、澪の「雲外蒼天」のほうがいいと言っていました。
今でも彼女は、澪の「雲外蒼天」を信じているのだと思います。
記憶に残る名シーンでした。
物語は続きますよね?
澪は「吉原の店を任せたい」という伝右衛門の申し出を断り、つる家に残ることを決めました。
どうあっても自力で天満一兆庵を立て直し、野江を身請けするための四千両を稼ぐつもりのようです。
ガンバレ澪。源斉先生もついてる!
原作はこの先もあるから、もちろん今回が最後じゃないですよね?
また2年半も待たされるのはちょっとアレなので、できれば近いうちに。
続編を見られる日を楽しみにしています。
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