どうも、夏蜜柑です。
「ブランケット・キャッツ」最終回(第7話)。
今回のゲストは、先週に引き続き富田靖子さんです。
生きる意味を見失ったたえ子に、椎名は自分の思いをぶつけます。
クロの名演技も光りました!
この記事の目次
最終回「さよならのブランケット・キャット」あらすじ
クロを預かったたえ子(富田靖子)がガンを患い、自殺を考えているかもしれないと悟った俊亮(西島秀俊)は、美咲(吉瀬美智子)とともにたえ子を探しに行く。その頃、たえ子は、離婚した母親に会いたいという小学生の兄妹の願いを叶えようと、必死で子どもたちの母親の家を探していた。しかし、その最中にクロがいなくなってしまう。さらに、たえ子は、勤めていた会社の金を持ち去っていたことが発覚するのだが…。(番組公式サイトより)
最終回の原作との違い
このドラマの原作は、重松清さんの連作短編小説「ブランケット・キャッツ」です。
2泊3日・毛布付きで、猫を貸し出すペットショップがある──。
ちょっと人生に躓いた人たちの、猫と過ごす数日を描いた7つの物語です。
原作とドラマの大きな違いは、猫たちの設定です。
原作では、ペットショップが貸し出す「レンタル猫」として登場します。
最終回の原作との違い
最終回「さよならのブランケット・キャット」は、第6話同様、原作の第2話「助手席に座るブランケット・キャット」と第6話「旅に出たブランケット・キャット」を組み合わせた内容になっていました。
原作との主な相違点をあげてみました。
以下、原作のネタバレになりますのでご注意ください。
1.サトルとエミ
ドラマでは、たえ子が子供たちと一緒に母親を探します。途中でサトルが「お母さんには新しい家族がいる」ことを告白し、その後、合流した美咲によって警察に預けられ、父親と新しい母親が迎えに来ます。
原作では、子供たちは猫のタビーと一緒に母親の家へ向かいます。途中でサトルが「お母さんの家は遠くて行けないこと」「お母さんは再婚して一緒には暮らせないこと」をエミに話します。ふたりは通りすがりのおばさんによって警察に預けられ、父親と新しい母親が迎えに来ます。エミはタビーを飼おうとしますが、タビーはふたりのもとを離れ、新たな旅に出ます。
2.クロの失踪
ドラマでは、途中で元気がなくなり、心配したたえ子が椎名に連絡します。しかし、椎名が来る前に、サトルはクロを河原に置き去りにして隠してしまいます。
原作では、クロが元気をなくす場面はありません。クロは旅の途中で一瞬すがたを消し、たえ子に不思議な幻想を見せます。幻想の中で、たえ子は金を横領した会社の人たちが、ちっとも自分を恨んでいないことを知ります。
3.たえ子の自殺
ドラマでは、椎名と合流したたえ子は、椎名に子供たちを預け、ひとりで車を運転して去ってしまいます。椎名はたえ子を追いかけ、海で入水自殺をしようとしたたえ子を助けます。
原作では、波打ち際を歩いていたたえ子の後ろを追いかけてきたクロが、引き波にさらわれてしまい、たえ子はクロを助けようと海に入ります。沖に運ばれ沈みかかったクロを必死に助けたたえ子は、「また、ドライブ行こう。何年たてば迎えに行けるかわからないけど」と言い、ガンと共に生きる決意をします。
4.永島文具の社長夫婦
ドラマでは、たえ子が自殺を図ったと聞いて駆けつけます。会社のお金を盗んだことを謝るたえ子に、「元気になって、働いて、使った金返してくれ」と言います。その後、社長の奥さんが入院したたえ子の面倒を見ていました。
原作では、実際に社長夫婦が登場する場面はありません。
5.結末
ドラマでは、たえ子は入院して「生きる」決意をします。
原作では、たえ子が入院する場面はありません。海でクロを助けた直後、パトカーがたえ子の車の前に停まり、警察官がナンバープレートを見て無線のマイクで報告するのを見て、たえ子が目を閉じたところで終わります。
6.椎名の再生
ドラマでは、妻を亡くして傷ついた椎名が、傷を抱えたまま再び生きようとする場面が描かれていました。幼なじみの美咲が自分にとって大切な存在だったことにも気づいたようです。
原作では、ペットショップの店長のプライベートは最後まで謎のままです。最後に登場することもありませんでした。
最終話に登場した猫は?
【きょうの#ブランケット・キャッツ】
ついに最終回!クロを預かったたえ子さん(富田靖子)の秘密とは?!
総合テレビ 4日(金)今夜10:00~ #西島秀俊 #吉瀬美智子 #猫 #NHKhttps://t.co/55Iwg6bOBN pic.twitter.com/k8xdTUIVUk— NHK編成センター (@nhk_hensei) August 4, 2017
前回同様、「クロ」でした。
おとなしくて優しい性格で、争うのが嫌い。
妻を亡くした椎名をじっと見つめる瞳が切なかったですね。
ちなみに「クロ」を演じている猫は、「ジャック」さんです。
最終回の感想
孤独で悲しい女性・たえ子を演じた富田靖子さんの演技に引きこまれました。
原作では、たえ子は誰とも出会えずに終わってしまうので、ドラマでは子供たちや椎名や永島夫妻に出会えて、本当に良かったです。
生まれる時も死ぬ時もひとり。
絶望から立ち直るのも、自分の気持ちしだい。
そういう面ももちろんあると思いますが、やっぱり、人間は自分以外の誰か(何か)に救われてる部分が多いと思います。
ドラマでは、原作の2つのお話を合体させた形になっていましたが、これは大正解だったのではないでしょうか。
最終回にふさわしい、とてもいい内容でした。
富田靖子さんの演技はもちろんですが、クロも名演技でしたね!
飼い主の陽子が亡くなった現場で、ひとり取り残されたときの表情。
陽子を失って悲しみに暮れる椎名を、少し離れて見つめる表情。
いろいろなものを抱えて最後の旅をするたえ子を、心配そうに見上げる表情。
どれも、胸に染みました……。
ラストは「前を向く」結末で良かったです。
猫たちが、たくさんの温もりを残してくれました。
椎名さんは、結局、猫好きのお父さんになりそうですね(笑)
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