
「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」
どうも、夏蜜柑です。
「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」最終回(第6回)。
あっさりした結末でしたね。30分という時間内で事を収めようとすると、やはりこうなってしまうのかな。前回の田口が素晴らしかっただけに、ほかに落としどころがなかったのかなって思ってしまいます。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
最終回のあらすじ
- 田口(神木隆之介)は、未希(森七菜)の代理人を弁護士仲間の小柴(井上順)に頼み、スクールロイヤーとして訴訟に立ち会うことを決める。校長の倉守(小堺一機)は高城(南果歩)に学校側の代理人を依頼するが、両者の交渉はすぐに決裂する。
- 収め方に悩む田口に、未希は「突き進むなら、田口先生が正しいと思うところまで」と言う。三浦(田辺誠一)は、加害者生徒4人のうち3人は強要されていじめを行っていたと言うが、田口は訴えを取り下げないことを決める。
- 学校側は、生徒と保護者に向けた臨時説明会を開くことに。倉守は例によって表面的な説明で事を済まそうとするが、三浦は「どうすればいいかわからない」と正直に打ち明け、保護者たちに意見を求める。それを聞いた保護者は学校に責任を押しつけ、口々に勝手なことを喚き散らす。
- 田口は、壊れかけている学校になぜ子供を預けられるのか、なぜ真剣に向き合おうしないのか、と保護者に問う。その後、学校の新しいルール作りに向けて話し合いが行われ、加害者生徒4人は別室登校指導という形をとることに。未希は田口と三浦に礼を言い、学校に戻る決意をする。
- 田口は青葉第一中学のスクールロイヤーを解任され、弁護士事務所もクビになるが、新たな学校にスクールロイヤーとして就任する。
最終回の感想
日大アメフト問題のせいで、タイムリーなドラマに。
しかし、現実の方の衝撃が強烈すぎました。
悲しいことに、ドラマの内容が薄く感じられてしまいますね。
▼
田口の目的は、学校を訴えることでマスコミや世間を動かし、学校を変えざるを得ない状況にまで追い込むことだったのでしょうか?
でも、校長は訴訟の前も後も、なーんも変わってませんよね。
教師は相変わらず他人事だし、保護者も学校に責任を押しつけるばかりで、田口の演説を聴くまで問題意識を持っていなかった。
田口が弁護士生命を賭けるほどの覚悟をもって臨んだ訴訟だったはずなのに、これといった策もなく、交渉の中身もほとんどなく、最後は田口が演説して丸く収めてしまった。
演説で保護者や教師たちが考えを変えるのなら、最初からそうすればよかったのでは?
訴訟の中身がなさすぎて、何のための訴訟だったのか疑問です。
まぁ、被害者の女子生徒がそれで救われたとも言えるので、訴えること自体に意味があったのかもしれないけど。
30分で事を収めるには、これが限界だったのかな……。
前回の盛り上がりを考えると、ちょっと残念な終わり方でした。
中盤の2話、3話を1話分にまとめて、いじめ問題に3話分を……いや、いっそ全話費やしてもよかったのでは。いじめの前振りを1話からやって、同時進行でモンペ問題や騒音問題を取り上げる形でもよかったかも。
▼
登場人物の役割についても、モヤモヤが残りました。
井上順さん演じる小柴弁護士は、いったい何だったんでしょう?
わたしはてっきり、田口の用意した「切り札」かと思ってましたよ。
結局、腹話術の人形で終わってしまった(-_-;*)
高城の「世代を超えた友情で繋がっている」という意味深な発言があったので、ラストで関係性が明らかになるのかと思っていましたが、それも最後まで明かされないまま。
セリフも見せ場もほとんどなかったし……本当に何だったの?謎。
南果歩さん演じる高城も、何を考えているのかよくわからなかったなぁ。
田口の成長を望んでいるのかと思ってたけど、実は校長と同じ「事なかれ主義」の人だったのかもね。ラストシーンで校長と一緒に笑ってたし。
▼
わたしは学園ドラマには、かなり目が厳しくなってしまうんですよね。
個人的な感情が絡んでしまうもので。
なのでいろいろ文句を言いましたが、スクールロイヤーという新しい職業を取り上げたこと自体は新鮮でした。中盤はモヤモヤしたけど、後半の胸躍る展開はとても面白かったです。
ただ、弁護士という切り口から描いた学園ドラマとしては、物足りなかった。
学校側の視点に寄りすぎだと思います。NHKだからしょうがないかもしれないけど。
もっと思いきったものを見せてほしかったなぁ。
ほかの記事を読む?

