「弟の夫」第1回|静かな時間の心地よさと気まずさ

プレミアムドラマ「弟の夫」

「弟の夫」(C)NHK

どうも、夏蜜柑です。
プレミアムドラマ「弟の夫」第1回。

いいドラマでした。把瑠都さんのマイク役がぴったり。全身から“いい人”オーラが溢れ出ていて、子供に懐かれるのも納得です。主人公・弥一の仕事の主婦業や、別れた妻との関係性も興味深いです。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

第1回あらすじ

  • 小学生の娘・夏菜(根本真陽)を男手ひとつで育てる折口弥一(佐藤隆太)の元に、カナダに移住し亡くなった双子の弟・涼二の同性婚の相手、マイク(把瑠都)がやってくる。
  • 涼二は14歳の時にゲイであることを告白して以来、弥一に対して距離を置くようになり、いつしか2人は絶縁状態となっていた。
  • マイクに対し、どう接していいかわからず戸惑う弥一。しかし夏菜はすぐに“叔父さん”であるマイクに懐き、母の夏樹(中村ゆり)に会えなくて淋しいことを打ち明ける。
  • マイクはしばらく弥一の家に滞在することになり、当初はゲイに対する偏見がぬぐえなかった弥一も徐々にマイクに対して心を開くようになる。マイクが日本にやってきたのは、涼二との約束を果たすためだった。

第1回感想

自分の中にある、無自覚な偏見や差別や先入観に気づかされる作品です。

主人公の弥一は決して声高に差別発言をする人ではないし、態度にも出さない。どちらかというと必死に「理解しよう」としている人。

それでも、ふと被害妄想にとらわれたり、過剰に神経をとがらせて娘の夏菜がマイクに触れるのを嫌がったり、近所の人に「弟の友人」と言ってしまったりします。

そして、そういう自分の何気ない言動の中に差別が潜んでいることに気づき、恥じることができる人。

原作では心の声として書きこまれていたものを、ドラマでは佐藤隆太さんが微妙な表情や態度、違和感の残る“間”で表していたのがよかったです。

BGMが控えめなのも、わたし好みでした。

その静けさの中に、時に緊張感、時に優しさ、時に悲しみ、時に温もりなどが感じられ、その場所に自分が溶けこんでいるかのよう。

古い家の中に流れるゆったりとした時間も、いろいろなことを感じる余裕を与えてくれました(最近のドラマはテンポが速すぎてねぇ……おばちゃんついていけんのよ)

弥一が自分の中の偏見に気づくたびに、わたしも気まずい心地になりました。

人と人の関係も、家族のあり方も、働き方や生き方も、千差万別だとわかっています。
わかっていても、誰かが決めた常識の壁に自分が囲われていることには、気づかない。

その壁が壊れていく様子を淡々と描くこの作品が、どんな結末を迎えるのかとても楽しみです。


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