どうも、夏蜜柑です。
「そろばん侍 風の市兵衛」第3回。
今回は第1部の解決編。後半の大立ち回りが見せ場でしたね~。頼之が柳屋の床下で鬼渋と鉢合わせるシーンや、柳屋を討つシーンはドラマオリジナルでした。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
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第3回「春の風(下)」あらすじ
- 市兵衛(向井理)は、柳屋稲左衛門(鶴見辰吾)の陰謀を暴くために協力してほしいという兄・信正(筒井道隆)の依頼を断る。信正は、かつて武芸でも学問でも市兵衛に敵わず、11歳下の弟に屈折した思いを抱いていたことを小料理屋「薄墨」の女将・佐波(橋本マナミ)に打ち明ける。
- 頼之(鈴木福)は、父・道久の仇を討とうと柳屋の床下に潜入し、同心の渋井(原田泰造)と鉢合わせる。そこで稲左衛門が頼之の父・道久を殺したこと、ロシアとの抜け荷のために公儀極秘の樺太・蝦夷地図を持ち出そうとしていることを知る。
- 市兵衛は頼之を探して柳屋に乗り込み、隠れていた頼之と遭遇。渋井が捕らわれ、越後から国外に逃れようとする柳屋一党に連れ去られたことを聞く。市兵衛は「敵を討ちたい」という頼之の思いを叶えようと、信正に協力を申し出る。
- 市兵衛と信正らは、中山道・戸田の渡しで柳屋一党を待ち受ける。頼之は市兵衛の助けで稲左衛門を討ち、市兵衛も青(山本千尋)ら柳屋一党との闘いに勝利する。捕らえられていた渋井も無事に救出され、道久が借りた50両は、道久の心中に信憑性を持たせるために仕組んだ偽手形だったことがわかる。
- 高松家の暮らし向きに筋道が立ち、市兵衛は高松家を去ることに。淋しさを隠せない安曇(村川絵梨)と頼之だが、笑って市兵衛を見送る。
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第3回の感想
第1部「春の風」が終わってしまいました。早い……(ノДT)アゥゥ
ドラマは原作の細かいエピソードを大幅に省き、わかりやすくなっていました。
そのぶんテンポが速く、コンパクトにまとまっていましたね。
柳屋稲左衛門の背景
ドラマでは出番が少なかった、黒幕・柳屋稲左衛門(鶴見辰吾さん)。
背景についても詳しくは語られませんでしたね。
彼は30歳で妻子を同時に失い、商いに没頭するようになりました。
海外で大きな商いをしたいという夢を抱く、ロマンチストでした。
やがて自分の夢を叶えるためなら手段を選ばないという自己中心的な考えに陥り、世の中のどんなことも(殺人や阿片の密輸も)自分の夢と比べれば大したことではない、と思うようになった。
彼の商いに対する激しい執着は、狂気を帯びていました。
ドラマでは、道久を殺したのは稲左衛門ということになっていましたが、原作では石井でした。稲左衛門は自ら手を汚すことはなく、汚れ仕事は他人にやらせていました。
ドラマの長治(星野英利さん)は市兵衛と顔なじみ、という設定に改変されていたので、原作よりも親しみやすい人柄になってましたね。死んじゃったけど。
頼之の仇討ち
原作の頼之は8歳だったので、ラストの捕り物にも参加していません。
ドラマの頼之は、市兵衛が家を出た年齢(13歳)と合わせ、2人を重ねる設定にしたのかな。
市兵衛が頼之の仇討ちを支持するところはちょっと意外な気もしましたが、父親を亡くし、不安を抱きながらも己の足で前へ進もうとする頼之に、市兵衛はかつての自分を重ね合わせたのかもしれません。
そういうのを、感情的に語ったりしないのが市兵衛のいいところですよね。
頼之との距離のとり方も必要以上にベタベタせず、あくまで主従関係にとどめていたのがよかったです。
原作では斬られていた鬼渋
頼之が柳屋の床下で鬼渋と鉢合わせるシーンも原作にはなくて、これは面白かった^^
原作は鬼渋と助弥だったんですよね。
で、見つかった鬼渋は斬られて、長治の死体と一緒に海に捨てられてしまうのですが、助弥が助けて医者の柳井宗秀のところへ運び込む。
ドラマは柳井宗秀というキャラクターがごっそり省かれているので(少し残念)、このシーンも改変されたんですね。斬られなくてよかったねぇ~。
兄・信正の複雑な思い
若かりし頃の信正が、市兵衛に対して複雑な感情を抱いていたことも、しっかり描いてくれました。もしかして省かれるかな~と心配していたので、よかった(´ー`*)
しかも、市兵衛が信正の嫉妬に気づいていたことがわかる見せ方になっていました。
原作ではさらに複雑で、信正は市兵衛の母親に恋をしていて、妻にしたいとまで思っていたんですよね。でも、彼女は父親と結ばれ、市兵衛を産むと同時に亡くなってしまう……。
だから信正は、市兵衛が自分の愛しい女性を奪ったと、かなり屈折した憎しみを抱いていたのです。
もちろんすべて過去の話で、今の信正は佐波(橋本マナミさん)一筋みたいですけどね^^
この2人の醸し出す雰囲気もよかったなぁ~癒やし空間。
安曇との別れ
安曇がそろばんを買ってきて、市兵衛に教えてもらうシーンが好き。
事件が解決して、高松家の心配事もなくなって。
ほんのわずかな時間だったけど、2人の穏やかな心が伝わる素敵なシーンでした。
お互い心の底では惹かれつつも、何も言わずに別れる市兵衛と安曇。
市兵衛が冷静に己をいましめ、そっけないほどにさらっと高松家を出るのは、原作どおり。「胸の中に生まれた物は胸の中に仕舞っておく」というのが市兵衛の信条らしいです。
わたしとしては、この先も安曇や頼之との関係が続いてくれたらいいのにな~と思っているんですけどね。原作の市兵衛さんは、色事にはあまり縁が無いようです。
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来週はお休みで、次回放送は6月16日(土)です。
2週間先かぁ……見られないのは淋しいけど、楽しい時間が長く続くのは嬉しい。
なんだかあっという間なので、見るのがもったいない……というおかしな心境に囚われてます、わたし^^;
大河くらいのペースでじっくりやってほしいよ。