【原作比較】NHKドラマ「ツバキ文具店」第4話|違和感の残る結末

NHKドラマ「ツバキ文具店」

どうも、夏蜜柑です。
NHKドラマ「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」第4話。

今回の話は、原作とは大きく異なる展開になりました。
第4話「最後のラブレター」の、原作との主な相違点について考察します。

第4話「最後のラブレター」あらすじ

鳩子に持ち込まれたのは、かなり前に別れた恋人への手紙の代書の依頼。園田薫(川口覚)は、その女性・桜(桜川博子)に、ただ自分が元気であることを伝えたいのだ、という。園田にはすでに妻子がおり、桜も結婚している。手紙を書けば、不倫の誘いの片棒を担ぐことになる、とパンティーに忠告される鳩子。しかし鳩子にはそうは思えず、ひたすら桜の幸せを願う園田の思いを、手紙にしようとする。一方で、鳩子は守景親子と次第に親しくなっていく。また白川の母の介護など、周囲の人々みんなが何かを抱えて生きていることに思いをはせるように。そして園田の手紙には、思いがけない結末が待っていた…。(NHK公式サイトより)

第4話における原作との違いは?

このドラマの原作は、小川糸さんの小説『ツバキ文具店』です。
2016年4月21日に幻冬舎より刊行され、2017年本屋大賞候補にもなりました。

ドラマ第4話「最後のラブレター」の、原作との主な相違点をあげてみました。
以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

1.園田さん

ドラマでは、鳩子に初恋の相手に送る手紙の代書を依頼します。鳩子は園田さんに案内され、2人の思い出の場所を訪ね歩きます。後に、園田さんが脳の病気を患っていたこと、入院して難しい手術を行ったこと、その結果亡くなったことが判明します。

原作では、入院する予定だということは事前に語りますが、本人が亡くなるという後日談はなく、鳩子がさくらさんを訪ねるという場面もありません(原作のさくらさんは北国で暮らしています)。ふたりが育ったのは鎌倉ではなく、林檎で有名な地方都市でした。

2.パンティーの恋

ドラマでは、パンティーは、初めて男爵に会った直後に、鳩子に男爵への恋心を打ち明けています。そして男爵に会うため、男爵が通う店に押しかけて積極的にアプローチしますが、まったく相手にされず「諦める」と弱音を吐きます。

原作では、パンティーは、ラストまで男爵への恋心を鳩子に打ち明けません。男爵とも自然な流れの中で交流を深めていたようです。

3.守景さんとのデート

ドラマでは、鳩子は守景さんの娘のはーたんから、一緒にカレーのお店に偵察に行こうと誘われます。3人で人気のカレー店に行き、カレーを食べます。

原作では、物語のラストに登場する、とても重要なエピソードです。鳩子は守景さんから一緒にカレーの視察に行って欲しいと頼まれ、夕暮れ時に3人でカレーを食べた後、壽福寺へ行きます。そこで、鳩子は守景さんに祖母との思い出を語ります。帰り道、守景さんから交際を申し込まれます。

4.はーたん

ドラマでは、通称はーたん。本名は守景陽菜(もりかげはるな)。

原作では、通称QPちゃん。見た目がキューピー人形にそっくり。

5.年賀状の宛名

ドラマでは、魚福の奥さんが鳩子に「年賀状」の宛名書きを頼みます。

原作では、魚福の奥さんが頼むのは「暑中見舞い」の宛名書きです。

6.白川さん

ドラマでは、先代と親しかったことから、鳩子のことを気に掛けてくれます。先代の書道教室にも通っていました。ドラマでは、白川さんが先代を語ることで、鳩子が先代を思い出すきっかけを作ります。

原作では、あくまで依頼人の一人で、鳩子や先代や魚福の奥さんとの親しい付き合いはありません。鳩子が白川さんのお母さんを目撃する場面もありません。

第4話の感想

今回は、依頼人が亡くなるという、原作にはない結末が待っていました。

ドラマを見ている時は、鳩子の涙にもらい泣きしてしまったのですが、なんだか心にひっかかるものが……。少し、違和感が残りました。

私はこのドラマが大好きなのでケチをつけるつもりはないのですが、やはり、何度考えてみても、あの園田さんが死を前にして、20年以上も会っていない“初恋の人”に手紙を残すとは、考えられないんです。

普通、人生の最後に想う人は、愛する人ではないでしょうか……。

園田さんは奥さんと子供を心から愛し、家族を気遣える人なのだから、死ぬことがわかっていたなら、”初恋の人”に手紙を出したりはしないと思うんです。

生きていたら、たとえ奥さんにバレても、いくらでも言い訳できます。これからも長い人生が続くなら、ちょっと過去を振り返って“初恋の人”に手紙を送ってみたくなる、という気持ちも理解できます。

だけど死んでしまったら……死ぬ前に送った手紙は、特別な人への手紙になってしまいます。

ドラマの演出は涙を誘ったけれど、初恋の人が“奥さんよりも特別な人”と受け取れるような演出だったと思います。そこに違和感を感じてしまいました。

奥さんの視点に立てば、夫が死ぬ前に自分以外の女性に手紙を送っていたなんて知ったら、ものすごく傷つくと思います。

そして園田さんは、そんな奥さんの気持ちを推し量ることができないような、無神経な人ではないと思うのです。


ほかの記事を読む?

NHKドラマ「ツバキ文具店」 「ツバキ文具店」第4話で鳩子が使用したガラスペンと紙は? NHKドラマ「ツバキ文具店」 【原作比較】NHKドラマ「ツバキ文具店」第5話|義母への手紙