「ツバキ文具店」最終話|原作とは違う流れで迎えた結末

NHKドラマ「ツバキ文具店」

どうも、夏蜜柑です。
NHKドラマ「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」最終話です。

先代の手紙にショックを受け、手紙が書けなくなってしまった鳩子。
原作とは違う流れで迎えた結末は……?

今回も、ドラマと原作との違いについて考察します。

最終話「解き放たれた言葉」あらすじ

亡くなった祖母・カシ子の残された手紙によって、自分への深い愛情を知った鳩子。ショックのあまり手紙を書けなくなってしまう。一方、守景さんは、はーたんを連れて鎌倉を去る決意を固めていた。鳩子は思いを伝えられないまま動揺する。そんな折、バーバラ婦人の発案でお花見会を開くことに。桜の花の下に集う一同。そしてある日、守景さんとはーたんと一緒に向かった寺で、亡きカシ子の思い出がよみがえってくる。守景さんと鳩子は…。(NHK公式サイトより)

最終話における原作との違いは?

このドラマの原作は、小川糸さんの小説『ツバキ文具店』です。
2016年4月21日に幻冬舎より刊行され、2017年本屋大賞候補にもなりました。

最終話の原作との主な相違点をあげてみました。
以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

1.ツバキ文具店の休業

ドラマでは、鳩子は先代の手紙を読んでショックを受け、さらに守景さんが鎌倉を去ると聞いて手紙が書けなくなるほど落ち込んでしまいます。何もする気が起きず、お店を休んで周りの人たちから心配されるほどでした。

原作では、鳩子は先代の手紙を読んだ日の夜、最後の手紙を布団の中に入れ、寄り添うように一緒に眠ります。翌日からも今までと変わりなく店を開け、手紙供養や絶縁状の仕事を引き受けています。

2.舞ちゃん

ドラマでは、鳩子が先代を思い出す回想シーンで、高校生の鳩子がふて寝している理由を言い当てた先代が「舞ちゃんから聞いたんだよ」という台詞のみの登場でした。

原作では、鳩子に絶縁状を依頼する2人目の客として登場します。最初、鳩子は彼女が幼なじみの舞ちゃんであることに気づきませんでしたが、彼女に「ポッポちゃん、助けて!」と言われてやっと気づきます。

舞ちゃんは鳩子が書いた名札を今でも大事に持っていて、礼儀正しく、所作がきれいで、難しい言葉をたくさん知っていて、字が上手な鳩子に、憧れを抱いていたことを打ち明けます。

3.バーバラ婦人の告白

ドラマでは、落ち込んでいる鳩子を心配したバーバラ婦人が鳩子の家に上がり、仏壇の前で先代ととても仲が良かったことを明かします。

先代が亡くなる三日前、先代から「鳩子が鎌倉に戻ってきたら温かく迎えてやって」と頼まれていましたが、先代との約束で鳩子には先代の想いを伝えていませんでした。

原作では、先代とバーバラ婦人が親しくお付き合いをしていたという記憶はない、と鳩子は言っています。バーバラ婦人の告白もありません。

4.はーたんの“むぎゅーっ”

ドラマでは、久しぶりに店を開けた鳩子に会ったはーたんが、鳩子を心配して抱きしめていました。

原作では、お花見の日、QPちゃん(はーたん)が自分と同じように母親のいない鳩子を思って「さびしいときはね、こうやって、むぎゅーっするといいの」と自分の体を自分の腕で抱き締めてみせます。

鳩子も真似をして自分で自分を抱き締め、自分の母親を思い、そしてQPちゃんの母親にも思いを馳せます。

5.酔っ払う鳩子

ドラマでは、夜の散歩をしていた鳩子が守景さんと偶然会い、守景さんに誘われてムギカフェでワインを飲みます。

酔っ払った鳩子は、守景さんに「大丈夫なふりをしているだけで大丈夫じゃないんですよ」「話して何になるんですか。守景さんは長野に行っちゃうのに」「どうぞ、おかまいなく長野に行ってください」と愚痴をこぼします。

原作では、この場面はありません。

6.お花見パーティー

ドラマでは、すでに顔見知りのメンバーが集い、バーバラ婦人の庭の桜の下でお花見をします。男爵とパンティーの婚約発表、白川さんのゲストハウスの計画などで盛り上がりました。遅れてきた守景さんから「長野に戻るの、やめます」と告げられ、鳩子はほっとします。

原作では、バーバラ婦人、男爵、パンティー、QPちゃん(はーたん)のほか、鎌倉の住人が十数人ほど集まります。守景さんは参加していません。

自己紹介の場で、パンティーが男爵との婚約を発表し、初対面の時から惹かれていたことを初めて鳩子に告白します。庭の桜は、バーバラ婦人が生まれたときに父親が植えてくれた枝垂桜です。

7.サッカー

ドラマでは、お花見の次の週の日曜日に、鳩子は友達とサッカーをするはーたんを見に行きます。その帰りに、先代との思い出が残るお寺に立ちよります。

原作では、サッカーの場面はありません。

8.思い出の寺

ドラマでは、サッカーの帰りに偶然先代との思い出が残るお寺を見つけ、守景さんに「寄り道しましょう」と言われて立ち寄ります。そして守景さんから「これからも僕らのそばにいてくれませんか」と告げられます。

原作では、守景さんとの初デート(カレーの偵察)の帰り道、QPちゃんをおんぶして歩く守景さんを見ていて何かを思い出しかけ、鳩子のほうから「行きたい場所があるんですけど」と誘っています。場所は壽福寺です。

鳩子は幼い頃に先代におんぶされて壽福寺の庭を見たことを思い出し、泣き出してしまいます。守景さんから渡されたハンカチには、「QP」と刺繍がしてあり、その文字は鏡文字になっていて、鳩子は守景さんのことを「すごくすごく優しいお父さんだ」と実感します。

9.先代への手紙

ドラマでは、高校生になった時に先代がプレゼントしてくれた万年筆、先代のお気に入りの便箋と封筒を使いました。

原作では、高校生になったときに先代からお祝いにもらった万年筆を使いますが、鳩子はずっとこの万年筆を使うことを避けていました。

しかし、キャップを開けたとき、そのペン先が金色に輝いているのを見て、先代がきれいにしてくれたことを知ります。

手紙の中で、鳩子は先代の病気を聞かされ一度は鎌倉の駅まで駆けつけながら、怖くてそこから先に進めなかったことを告白します。守景さんから交際を申し込まれたことも明かしています。

鳩子は「私もまた、あなたと同じように、自分が産んでいない子どもを育てるという道を選ぶかもしれません」と先代に伝えています。

最終話「解き放たれた言葉」感想

心の落ち着ける、とてもいいドラマでした。

最終話は、守景さんと鳩子の関係が少しぐずついてしまったところが残念だったかな~。
できれば、すんなりいってほしかった!

原作よりドラマのほうが主人公の性格が幼いし、ドラマだとどうしても最終話より前にクライマックスをもってくる感じになるので、しょうがないかもしれませんね。

最後の壽福寺の場面は、原作だと守景さんの告白(奥さんが殺されたこと)のすぐ後なので、守景さんの言葉のひとつひとつが、すごく胸に響くんですよね。

それまで淡々と日常が描かれてきて、最後に鳩子と守景さんの心が触れあうのが、よけい染みるんです……。

個人的に、ドラマで特に良かったと思ったのは、白川さんと守景さんですね!

白川さんを演じた高橋克典さんも、守景さんを演じた上地雄輔さんも、今までの私のお二人に対するイメージをガラッと変える、素敵な演技でした。

高橋克典さんは二枚目ヒーローのイメージだったけど、こういう弱い役……悩みや問題を抱えて人生に迷う役も、よかったです。

上地雄輔さんも、今まではヤンキーとかヤクザとかの怖いイメージが強かったけど、優しいお父さん役、すごく似合っていました(路線変更すればいいのになぁ)。

あと、もちろん主人公の鳩子を演じた多部未華子さんも、原作よりも若さと情熱の溢れる鳩子でしたが、ナチュラルな雰囲気がとてもよかったです。


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