NHKドラマ「ぬけまいる」第5話|遊女に目をつけたお蝶の戦略

NHKドラマ「ぬけまいる」

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どうも、夏蜜柑です。
NHK土曜時代ドラマ「ぬけまいる~女三人伊勢参り~」第5話。

前回からの続きで、島田宿に逗留中の3人。
朝顔好きの伊作さんを江戸の品評会に送り出し、その間に閑古鳥が鳴く伊作の店を繁盛させようともくろみます。

夏蜜柑

お蝶の戦略が大当たり。

お蝶の店とおたつの店では、何が違ったのか?
おたつの店では、なぜ同じ戦略が効かなかったのか?

原作にはそのあたりのことも書かれていたので、解説したいと思います。

第5話のあらすじ

  • お蝶(田中麗奈)は留守を預かった伊作(舘ひろし)の店の屋号を「朝顔屋」にし、伊作が仕入れた朝顔のかんざしを店の目玉にすることを決めるが、伊作の女房・おたつ(渡辺えり)の妨害で客は寄りつかない。
  • そんな時、政(福士誠治)が世話になった遊女屋の主に贈る品を探していると聞き、お蝶は朝顔のかんざしを遊女たちに使ってもらうことを思いつく。遊女たちが使う朝顔のかんざしの噂はあっという間に広まり、店は大繁盛する。
  • 一方江戸へ向かった伊作は、お蝶の店「鳩屋」を訪ね、亭主の次兵衛(三宅弘城)に会う。伊作はお蝶の様子を伝え、なぜ迎えに行かないのかと訊ねる。「決めるのはいつもお蝶だ」と言う治兵衛に、伊作はお蝶が可哀想だと言う。
  • お蝶の真似をして朝顔のかんざしを売ろうと安物を仕入れたおたつの店は、偽物を売りつけられたという客が殺到し一気に評判が落ちる。助三郎(川野太郎)は早々に店を見限り、おたつを置いて去ってしまう。
  • 伊作が江戸から戻ってくる。伊作が育てた黒い朝顔「墨田川」は花競べで賞を取れなかったが、人気番付で関脇になり、種一粒を1両で買い取りたいという人が現れる。伊作は戻ってきたおたつを喜んで受け入れる。

第5話の感想

島田宿は、現在の静岡県島田市にあった宿です。

お蝶たちが「この土地の髪型にしよう」と言って結っていた「島田髷」は、日本髪の代表的な髪形で、江戸初期に島田宿の遊女の髪形から広まったと言われています。

夏蜜柑

花嫁が結う「文金高島田」もその一種。

遊女に目をつけたお蝶の戦略とは

ドラマでは詳しく語られていませんでしたが、お蝶は政に「遊女の間で朝顔のかんざしを流行らせたい」と言ったのでしょう(原作では長五郎に頼んでいましたが)

人気のある遊女だけに朝顔かんざしを贈り、ほかの遊女たちがそのかんざしを欲しがるように仕向けたのです。

遊郭の間で朝顔かんざしの人気が高まれば、客は遊女の関心を買うために朝顔かんざしを(少々高くても)買いにやってくる。

店に来て品物を買うのは男だけど、その品物を使うのは遊女たち。
お蝶はその点をしっかり頭に入れて商売をしていました。

一方、おたきはもともと、女が持つ品の見極めができない男の旅客たちを相手に、二束三文の品を割高で売りつけていました。

客たちが品物の価値に気づくのは、長い旅を終えて家に帰りついたとき。後の祭りです。

だから今度も「どうせわかりっこない」と高をくくって似たような安物のかんざしを仕入れ、男たちに売りつけていたのですが、遊女たちの目はごまかされません。

すぐに偽物であることを見抜き、男たちに文句を言い、恥を掻かされた男たちがおたきの店に殺到することになったのです。

原作にはなかった伊作と治兵衛さんのシーン

江戸に着いた伊作さんが向かったのは、お蝶の店「鳩屋」でした。
そこでお蝶の亭主・治兵衛さんと語り合う伊作さん。

このシーンはドラマオリジナルで、原作にはありませんでした。
どうしてお蝶を迎えに行かないのか、と尋ねる伊作に、治兵衛は「お蝶さんが決めることですから」と言います。

一見、相手の自由を尊重しているように思えるけれど、「決める」って案外ストレスなんですよね。

一人で決めるってことは、一人で物事をすべて背負い込むってことです。
誰にも相談できない。何があっても誰にも泣きつけない。寂しいもんですよ。

夏蜜柑

めちゃくちゃわかるわ。

でも男の人って、「2人で相談して決める」ことが苦手なような気もする。
男の人に限った話じゃないかもしれないけど。

で、治兵衛さん、何を思ったか「お蝶にもうひとり子供を産んでもらう」と宣言。

んんん?
そういうことこそ2人で相談しなきゃいけないんじゃないの……?

原作の伊作は江戸で種苗屋になる

ドラマでは、伊作はかつて江戸で宮大工をしていた、という設定が加えられていました。

足場が崩れて死人を出し、その後あてもなく旅をして、10年前おたつと出会い島田に落ち着いたことになっています。

夏蜜柑

この設定は原作にはありませんでした。

女房と別れて江戸で種苗屋をしたら?と提案するお蝶に、「ここが私の居場所なんです」と答える伊作さん。そして男に捨てられて帰ってきたおたつを受け入れ、もとのさやに収まりました。

原作ではおたつは帰ってきません。

伊作さんは「もう追いかけません」と言って女房に見切りをつけ、子供たちを連れて江戸で種苗屋をする決心をするのです。

お蝶は、伊作の3番目の子供(赤ん坊)は、伊作の子ではないのではないかと密かに思っています。

 

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