「離婚なふたり」後編|理想の夫婦の足元にはかっこ悪い時間が積み重なっている

ドラマ「離婚なふたり」

どうも、夏蜜柑です。
テレ朝のスペシャルドラマ「離婚なふたり」後編。

予想を上回る展開で、最後まで面白かったです。
個人的には、隆介がドラマの原稿を徹夜で書き上げるところが最高潮でした。

夏蜜柑

不覚にも泣きそうになったよ。

〝上から目線でええカッコしいの夫〟だった隆介が、ギリギリまで今日子にすがりつこうとする姿が愛おしく感じられ、最後は切ないようなほろ苦いような気持ちに。

結婚や離婚をテーマにしたドラマはあまり好みではないのですが、このドラマは見どころ満載で面白かったです。

番組概要

  • 放送局:テレビ朝日系
  • 放送時間:【前編】2019年4月5日(金)夜11:15~/【後編】2019年4月12日(金)夜11:15~(※一部地域を除く)
  • 原案:『ファミリーラブストーリー』樋口卓治
  • 脚本:樋口卓治
  • 監督:吉田大八(「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」「羊の木」)
  • プロデューサー:服部宣之/関谷正征
  • 主題歌:「君だけになる前に」ジェジュン

後編のあらすじ

  • 妻・今日子(小林聡美)から離婚を迫られた脚本家の野田隆介(リリー・フランキー)は、ひとまず別居に応じ、テレビ局が缶詰用に用意したホテルの一室に居を移す。
  • 隆介が泊まるホテルを訪ねた弁護士の堂島正義(岡田将生)は、隆介が書いた脚本の中に登場する〝理想的な夫〟と、現実の隆介がこれまで取ってきた行動がまるで違うことを並べ立てる。
  • 夫として理想的ではないことを指摘された隆介は、「脚本は妻へのラブレターで、これから理想的な夫になる予定だ」と苦し紛れの嘘をつく。そして映画「東京物語」を見たことがないという堂島をバカにする。
  • 隆介に言われて「東京物語」を見た堂島は、「これからあの夫婦みたいになる」と言う隆介に「あなたは東京物語のような夫婦にはなれない」と断言する。隆介は今日子と向き合ってこなかったことに気づき、今日子に「もう一度チャンスをくれないか」と伝える。
  • 隆介は現在書いているドラマの脚本に現実のリアルさを盛り込んでいく。ドラマの中で、夫は妻から離婚を切り出され、激しくうろたえる。離婚の危機に直面した夫婦は、ベタなセリフでかっこ悪くあがく。
  • 脚本を書き上げた隆介は、今日子と共に「サンクス・ワイフ・ギビング」の副賞でもらった熱海旅行に行く。「東京物語」の笠智衆になりたかったと語る隆介に、今日子は「もう手遅れだったんだよ」と別れを告げる。
  • 隆介は今日子との離婚を受け入れ、協議離婚書に判を押す。堂島は2人を見て「結婚について考えるようになった」と言い、隆介の取材をした雑誌編集者・新海恵(酒井若菜)と付き合っていることを明かす。

後編のキャスト

野田隆介……リリー・フランキー
野田今日子……小林聡美
堂島正義……岡田将生
新海恵……酒井若菜
東山英治……中村有志
平山真紀……渡辺真起子
刈谷エマ……峯岸みなみ
東雲哲郎……小澤征悦
朝比奈はな……松本まりか

後編の感想

前編では「ムカつく夫」でしかなかった隆介。
〝ええカッコ〟をやめてジタバタする隆介を、思わず応援したくなってしまいました。

リリー・フランキーさんの「情けないけど憎めない夫」が絶妙なんですよね。

他人の言葉を借りて弁護士の堂島をやりこめ、映画「東京物語」を見たことがない彼を馬鹿にしていた隆介ですが、「東京物語」を見た堂島に完膚なきまでに叩きのめされてしまいます。

「積み重ねるっていうのは、長い時間をかけてやることです。あなたは、いつか積み重ねる、明日から積み重ねる、今度から積み重ねる、って思いながらしてこなかった」

「夫婦なんかハッピーエンドだから逆算で考えとけばいいって……ドラマじゃないのに。ドラマじゃ描かれない時間を、細かく積み重ねていってできるもんでしょう。できるもんじゃないんですか? 現実の夫婦は」

今日子と向き合ってこなかったことに気づいた隆介は、ドラマの脚本に初めて等身大の夫婦を描きます。

妻から別れを切り出され、激しくうろたえる夫。
ベタなセリフで妻をつなぎ止めようとする夫。

隆介が身を削って書き上げた脚本は、ドラマスタッフの心にも届いたようで。
プロデューサーの「お疲れさん」という一言に、ウルッときてしまいました。

ドラマの中の夫婦は、文字通りヨットで「荒波を乗り越えた」末に抱き合って口づけを交わします。けれど現実は、思いどおりには運びませんでした。

映画「東京物語」をなぞるように、熱海旅行に出かける隆介と今日子。

離婚の理由を見つける、というのが旅の目的なので、どことなく気まずい雰囲気です。
隆介は今日子と会話をしたがっている様子なんだけど、今日子のほうはスマホに夢中。

眠れなくて、夜中に「東京物語」の防波堤を探す2人。

防波堤は見つからず、隆介は笠智衆になれませんでした。
撮影の時、笠智衆は49歳だったと明かす今日子。「もう手遅れだったんだよ」と。

自分が書いたドラマのラストシーンのように、今日子にキスをしようとして拒まれる隆介。

現実の夫婦はカッコ悪い。
〝理想の夫婦〟の足元には、カッコ悪い時間がたくさん積み重なっているのでしょう。

隆介は今日子との別れを受け入れ、2人は離婚しました。

〝夫婦カッター〟の異名を取る堂島弁護士は、2人を見て結婚について考えるようになり、なぜか隆介を取材した編集者・新海と付き合い始めたようですが……うまくいくのかしら。

夏蜜柑

新海さん、かなり食えない人と見た。

あと、ひとつだけ気になることが。
隆介は、なぜここまで評価されてきたんでしょうねぇ。

借り物の言葉や表面的な言葉で埋め尽くされていても、ドラマがヒットすればそこそこ評価されるんだろうか……。

監督が吉田大八さんなので見始めたドラマでしたが、見て正解でした。
最後まで飽きることなく楽しめました。

かなうことならいつか連続ドラマも撮ってほしいですねぇ。

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