「陸王」トンボマーク(勝ち虫)の意味は?

ドラマ「陸王」

役所広司さん主演のドラマ「陸王」が10月15日(日)からTBS系日曜劇場枠でスタートします。

足袋作り100年の老舗業者が、会社の存続をかけてランニングシューズ【陸王】の開発に挑む、企業再生ストーリー。原作は、「半沢直樹」「下町ロケット」などのベストセラー作家、池井戸潤さんです。

今回は、“トンボ”や“こはぜ”など、原作に登場する「気になるもの」について、調べてみました。

【陸王】にトンボが使われる理由

この物語の主人公・宮沢は、老舗足袋業者「こはぜ屋」の社長。
年々先細る足袋の需要から、新規事業としてランニングシューズの開発を思いつきます。

そのランニングシューズが【陸王】です。
【陸王】のデザインは、縫製課の最高齢・冨久子さんが担当しました。
原作では、濃紺に白い“勝虫”の模様を絡ませたデザインになっています。

“勝虫”は、「こはぜ屋」の足袋にも様々な形で登場している馴染みの模様。
冨久子さんは、この“勝虫”をデザインに取り入れることで「こはぜ屋」のオリジナリティーを出したのでしょうね。

「勝虫」とは?

とんぼ(勝ち虫)
“勝虫”とは、トンボのことです。

トンボは、空中を素早く飛び回りますが、バックできない昆虫で、前にしか進みません。

そのことから、戦国時代の武将たちはトンボを“勝虫”と呼び、不退転(信念を持ち、何事にも屈しないこと)の精神を表すものとして、兜の前立てや武具の装飾に用いたり、着物の柄に好んで使ったりしたそうです。

現代でも、トンボは勝負運のある虫、勝利を呼び込む縁起の良い虫として、着物や和物の装飾品などでよく使われています。

決して諦めない「こはぜ屋」の精神にも、通じるところがありますね。

こはぜ屋の“こはぜ”とは?

役所広司さん演じる主人公・宮沢紘一が社長を務める零細企業「こはぜ屋」。
会社名になっている「こはぜ」って、聞き慣れない言葉ですよね。私も初耳でした。

調べてみたところ、小鉤(こはぜ)とは、足袋の後ろについている爪型の金具のことだそうです。
通常の足袋は、足首の後ろの部分に4枚の小鉤がついています。

いい足袋は、この小鉤が金属であることを忘れるくらい異物感がなく、足にフィットすると言われているそうですよ。

原作では、こはぜ屋の「こはぜ」が何を意味するのか言及する場面はなかったのですが、足袋屋さんなので、おそらくこの「小鉤」を意味しているものと思われます。

行田の足袋について

足袋のミシン

この物語の舞台となる埼玉県行田市は、足袋の産地として有名なことを知っていましたか?
私は関西出身ということもあり、恥ずかしながら知りませんでした。
そこで、行田市について調べてみました。

なぜ、行田が足袋の産地となったのか?

行田が木綿の産地で、近くに中山道が通っていたことが大きな理由のようです。

江戸時代の「木曽東海両道中懐宝図鑑」という本には、「忍のさし足袋名産なり」とあり、行田の足袋が名産品だったことが記されています。

明治時代になるとミシンが使われるようになり、足袋の生産量は増大。名実ともに行田の足袋は日本一となりました。昭和13年(1938)の行田の足袋生産量は、全国生産の約80%を占めていました。

その後、日本人の生活様式の変化から足袋を履く機会が減り、需要は少なくなりましたが、現在も行田の足袋は全国のトップシェアを誇っています。

日本遺産に選定

忍城

2017年4月28日、文化庁が地域の文化財などで構成するストーリーを認定する「日本遺産」に、行田市の「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」が選ばれました。埼玉県内での認定は初めてだそうです。

認定されたのは、同市に残る約80棟の足袋蔵など歴史的建造物のほか、埼玉(さきたま)古墳群、忍城跡、郷土料理「ゼリーフライ」などで構成された、市内の文化・伝統を語るストーリー。

ちなみに「日本遺産」とは、文化庁によって平成27年度に創設された文化財制度。現在、54件が認定されています。

ひとこと

「陸王」は、昔ながらの小さな会社が、逆境にもめげず様々な試練に立ち向かい、最後は成功を手にするという、池井戸潤さんらしい爽快なストーリーです。

ドラマは原作の設定どおり、行田が舞台になるようですね。
主人公・宮沢のもとに集まっていく、魅力溢れる登場人物も見どころです。

個人的には、小原の腰巾着・佐山を演じる小籔千豊さんが、どんな嫌らしい演技を見せてくれるのか楽しみです。関西弁なのかなー?


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