「陸王」最終回|原作にはないラストシーン

ドラマ「陸王」

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どうも、夏蜜柑です。メリー・クリスマス。
さて、ドラマ「陸王」最終回(第10話)。

やきもきさせた資金問題も、ようやく解決。
茂木が「陸王」を履く理由を小原に語るシーンは、泣けましたね。
原作にはないラストシーンも良かったです。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

最終話のあらすじ

  • フェリックスの御園(松岡修造)との交渉は決裂。宮沢(役所広司)と大地(山﨑賢人)は、また一から支援してくれる企業を探して奔走する。
  • 御園は宮沢にある提案をする。設備資金として3億円を融資し、3年間は発注を保証する。ただし5年以内に全額返済できない時はフェリックスの傘下に入る。宮沢は社員たちに背中を押され、フェリックスの融資を受けることを決める。
  • 宮沢たちの思いを知った村野(市川右團次)は、茂木(竹内涼真)に5代目陸王を渡しに行く。
  • 豊橋国際マラソン当日、こはぜ屋の社員は茂木を応援するため会場へ出向く。大地はメトロ電業の最終面接を受けた後、会場へ駆けつけ茂木を応援する。
  • アトランティスとサポート契約を結んでいた茂木は、レース直前に「陸王」を履いて走ることを選ぶ。ライバル・毛塚(佐野岳)とのデッドヒートの末、茂木は見事優勝を果たす。
  • メトロ電業に受かった大地は、こはぜ屋の仕事を続けるため断ろうとするが、宮沢から「世界を見てこい」と言われメトロ電業で働くことを決める。
  • 1年後。こはぜ屋は30億にまで売り上げを伸ばし、第2工場を設けるまでになっていた。宮沢たちは、オリンピック出場をかけたレースに挑む茂木を応援する。

最終話の感想

ちょっと盛りすぎな部分もありましたが、期待通りの筋書きで、爽やかな最終回でした。茂木と大地の成長が清々しくて、2人の未来を応援したい気持ちになりました。

大々的なロケが行われた豊橋国際マラソンのシーンは、異様な盛り上がり。見ているだけでテンションが上がります。レースの途中、フラッシュバックに襲われる茂木を宮沢と大地が声援で勇気づけるシーンも痺れました。

大地は、やっと父親に「こはぜ屋で働きたい」と言えましたね。でも、宮沢の返事はNOでした。

世界を見てこいと言う宮沢に、「お世話になりました」と深々と頭を下げる大地。感無量。そしてこみ上げる寂寥感。おそらく、演じている山﨑賢人さんの、役所広司さんへの気持ちが込められていたのでしょう。それを受ける役所広司さんも、また。

何より嬉しかったのは、1年後のこはぜ屋の成長ぶり。真新しい第2工場や、店頭にアトランティスと一緒に並ぶ陸王シリーズ。ダイワ食品陸上部は、フェリックスが支援。そして茂木はオリンピックをかけてレースに挑む──。

このあたりは原作では書かれなかった後日談なので、嬉しかったです。

最後にすべて丸く収まるのは、池井戸作品の醍醐味。
そこは文章よりも映像のほうがわかりやすくて、感動もひときわでした。
パーパーパパパーっていう服部隆之さんの音楽も、盛り上げてくれました。

ただ、シューズそのものが第5話で完成してしまったため、「陸王」という製品に対する思い入れが最終回までに若干薄まってしまったのが残念。

わたしが原作を読んだのは、今年の9月です。前半は本当に面白かった。ひとつひとつ問題を解決し、宮沢のもとに人が集まり、「陸王」が生まれ変わっていく過程にとてもワクワクしました。

でも後半は……。楽しかった「陸王」づくりは完全に止まってしまい、宮沢が悶々とするシーンの連続で、ちっとも面白くなかった。今でも読み返さないとわからないくらい、記憶に残っていません。

そのあたりを、ドラマがどうアレンジするのかが楽しみでもありました。ところが蓋を開けてみると、なぜかつまらない後半部分を引き延ばし、宮沢社長が落ち込んではキレる無駄なシーンを繰り返すという、さらにつまらない展開になっていました。その点だけが残念です。

演出が過剰なので長く見ていると疲れてしまいますが、たまにはこういうストレートでわかりやすいドラマを見るのもいいですね。楽しかったです。

原作との違い

アトランティスの妨害

ドラマでは、アトランティスの小原はたびたび手を回してこはぜ屋を妨害していますが、原作では、タチバナラッセルと独占契約を結んだ後は特に何もしていません。フェリックスとも接触していません。

御園からの提案

ドラマでは、御園から提案を受けた宮沢は、すぐに社員たちを集めて話をしていましたが、原作では、まず飯山だけに話し、その後で玄さんに話し、その後で社員に打ち明けています。

原作では、宮沢が社員にフェリックスのことを話したのは、この時だけです。あけみさんや社員たちはこの時初めて、買収されるとどうなるのか、子会社になるとはどういうことなのかを宮沢から聞かされます。その上で、融資を受けることに賛成します。

村野と5代目陸王

ドラマでは、村野が完成した5代目陸王を茂木に届けるシーンがありましたが、原作にはありません。

茂木の決断

ドラマでは、宮沢と村野がレース直前の茂木に声をかけ、茂木は急遽、RⅡから「陸王」に履き替えていました。原作では、茂木は当日を迎える前に「陸王」を履くことを決めていて、レース会場には「陸王」しか持参していません。

また、ドラマでは、「陸王」を選んだ茂木にアトランティスの小原が詰め寄る場面がありましたが、原作では、茂木に詰め寄るのは佐山です。茂木は佐山に対して「もううんざりなんですよ」と言っています。

豊橋国際マラソン

ドラマでは、レースの途中、給水に失敗した毛塚に茂木が自分のボトルを手渡したり、トップを走っていたケニア人選手が転倒したり、フラッシュバックに襲われた茂木に宮沢と大地が声援を送ったり……とドラマチックな展開が山盛りでしたが、原作にはどれもありません。

原作では、ケニア人選手が転倒していないので、おそらくそのまま優勝したはずです。そのため、ドラマにあった茂木の優勝インタビューも原作には登場しません。

小原と佐山

ドラマでは、アトランティスの小原が本社の社長から異動を命じられるシーンがありましたが、原作にはありません。

原作では、サポート選手の離反が相次ぎ、激昂した小原が佐山を叱りつけます。佐山は村野のせいにして言い逃れしようとしますが、小原に「サポート契約を取り返してこい」と言われて終わりです。

ドラマのように、佐山が小原に言い返す場面はありませんでした。

こはぜ屋の成功

ドラマでは、こはぜ屋の売り上げが30億になり、社員数が3倍になり、第2工場を新設し、店頭に「陸王」が並ぶシーンがありましたが、原作にはありません。

原作では、たまたま近くを通りがかった埼玉中央銀行の家長と大橋が、こはぜ屋の敷地内に新しい工場が建っているのを見て驚きます。声をかけられた宮沢は家長を軽くあしらい、メーンバンクを東京中央銀行に変えたことを告げてさっさと立ち去ります。

なお原作では、大橋は自分が紹介したタチバナラッセルがこはぜ屋との契約を打ち切り、バツが悪くなって以来、こはぜ屋とは疎遠になっています。

ラストシーン

ドラマでは、宮沢たちこはぜ屋の面々が、茂木のレースをテレビで応援する場面で終わっていました。原作では、家長と大橋がこはぜ屋から去るシーン(大橋の視点)で終わっています。

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