フジ月9「シャーロック」第6話|未来へ進むために過去を忘れるのだとしたら

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どうも、夏蜜柑です。
フジ月曜9時「シャーロック」第6話。

今回は個人的にとても興味深い題材を扱っていたので、いつも以上にのめり込んでしまいました。

和田正人さんのネクラな役、けっこう好きかも。

第6話のあらすじ

  • 17歳の女子高生・高遠綾香(吉川愛)が「ジュンちゃんを殺した」ことを告白。捜査すると遺体が発見されるが、死後20年以上が経過していた。テレビやネットは前世殺人のニュースで持ちきりとなる。
  • 江藤(佐々木蔵之介)は獅子雄(ディーン・フジオカ)に捜査を依頼。獅子雄は若宮(岩田剛典)と共に綾香の家に行き、綾香とその母・美樹(霧島れいか)から話を聞く。
  • 綾香は塾の帰りに男に襲われそうになったことがあり、PTSD治療の権威である平田教授のカウンセリングを受けていた。だが教授は3か月前に退任しており、准教授の宇井宗司(和田正人)が患者を引き継いでいた。
  • 獅子雄は研究室のカナリアが、宇井が近づくと鳴きやむことに気づく。宇井は島根出身で父親が岩見銀山で働いていたことから、炭鉱の毒ガス検知に用いられたカナリアに子供の頃から慣れ親しんでいたという。
  • 平田教授が自宅で遺体となって発見される。死因は心筋梗塞だったが、室内は練炭が炊かれており遺書も残されていた。遺書に添えてあったビデオテープには、ある女性がカウンセリングで殺人の告白をする様子が記録されていた。
  • 平田教授の遺書には、女性の殺人告白を秘匿した罪悪感から「記憶操作」の研究にのめり込み、これまでの精査を試すために綾香に記憶を植える実験を施したと書かれていたが、獅子雄は遺書が偽造されたものだと見抜く。
  • 遺書を書いたのは宇井だった。教授に記憶操作を咎められた宇井は、心筋梗塞で苦しむ教授を見殺しにし、自殺に見せかけるための偽装工作を行ったのだった。カナリアが泣きやんだのは、一酸化炭素を感知したためだ。
  • 綾香の母・美樹は、高校時代、宇井と同じ島根に住んでいた。美樹に一目惚れした宇井はラブレターを渡して告白するが、美樹は嘲笑してその場で手紙を破り捨て、警察を呼んだのだった。
  • 警察沙汰になったことで、宇井は高校を中退するはめに。宇井はその時の傷を未だに忘れられずにいたが、再会した美樹は全く覚えていなかった。宇井は自分に感謝する美樹を見て優越感に浸るため、そして記憶操作の実験台にするために娘の綾香を利用したのだった。
  • 実験の成功を喜ぶ宇井だったが、綾香は記憶を操作されたふりをしていただけだった。家族が自分を見てくれないことに腹が立った、と綾香は若宮に打ち明ける。
  • ビデオテープの女性に殺人を命じた人物が「守谷壬三」であることを宇井から聞き出した獅子雄は、若宮の前で苛立ちを露わにする。
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第6話の感想

傷つけられた者は忘れない

オープニングの若宮のモノローグ、毎回興味深いです。
今回はこちら。

「昨日がなければ今日はない。嬉しい過去も辛い過去も人生の大事な一部だ。でも時に人間の脳は不可解ないたずらをする。ひょっとしたら今この瞬間の記憶だって、明日には跡形もなく消えているかもしれない」

記憶に関する研究が(昔に比べると)かなり進んでいるとはいえ、やはり人間が人間の記憶を自由自在に操作する方法は見つかっていません。

今回の犯人・宇井は、高校生のときに綾香の母・美樹に酷いフラれ方をして、しかも警察沙汰になったために高校を中退していました。

このときの彼には何の落ち度もないので(美樹の被害妄想だった)、今となっては災難だったとしか言いようがありません。

「傷つけられた者は記憶を引きずり苦しんでるのに、傷つけた方は記憶にすら残らず幸せに暮らしてる」

全員がそうだとは思いませんが、相手を恨みたくなる気持ちはわかります。

彼はずっとこの時の記憶に苦しめられながら人生を過ごしてきたのに、美樹のほうはまるっきり忘れていたのですから。

不幸にも美樹と再会してしまったために、さらに当時の記憶が何度も脳内再生されることになって、よりいっそう鮮明になってしまったとも考えられます。

記憶が色あせるスピード

ここからは、ドラマとは関係ない個人的な話。

もし記憶を消すお手軽な方法が見つかって、わたしがもう少し若かったら、人生を楽しむために辛い記憶を消したいと思うかもしれない。

でも、今はそれよりも「普通に年老いて」ほしいと思ってます、記憶に。
消えなくてもいいから、年を取ってほしい。

わたしの場合は、記憶が年を取るスピードがどうも人より遅いような気がします。記憶って、時間が経つとだんだん色あせていくでしょう? その「色あせるスピード」が遅い。

むかし、友人と共通の過去「A」について話していたときのこと。

その時は、「A」が起こった日から2週間ほど経過していましたが、友人も私もハッキリと覚えていて、会話はとても盛り上がりました(この日を「B」とします)。

ところが、それからさらに1か月ほど経ってから「A」の話を持ち出すと、友人はまったく覚えていませんでした。「A」のことも、「A」の話をした「B」のことも。

この時の淋しさ、置いてけぼり感をどう形容したらいいものか。

未来へ進むために過去を忘れるのだとしたら

もちろん人によって「色あせる」スピードはそれぞれ違うと思います。
「A」が友人にとってさほど重要ではない些末な事柄だった、とも言えます。

でも、日頃から何かと「記憶年齢」の違いを感じてしまうんですよね。

「あぁ…もうみんな忘れたんだな」「わたしにとっては昨日のことのように新しい記憶だけど、みんなにとっては昔のことになったんだな」と、置いてけぼり感を味わう。

楽しい記憶も、ひとりで覚えてたってつまらないんですよね。

未来へ進むために過去を忘れるのだとしたら、いつまでも「過去の記憶」が居座る私は、未来へ進むスピードが遅いということになるのかも。

あぁ、だから「置いてけぼり感」なのか。納得。

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