「昭和元禄落語心中」第3回|鹿芝居で化けた菊比古

ドラマ「昭和元禄落語心中」あらすじ感想

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どうも、夏蜜柑です。

NHK金曜夜10時「昭和元禄落語心中」第3回。

丁寧に作り込まれているので、始まったとたん難なく世界に入り込めますね。

鹿芝居を通じて「自分の落語」を見つけた菊比古。
菊比古への愛情が深まるにつれ、寂しさと疎外感で不安になるみよ吉。

落語家として人気を集め、絶対的な存在になっていく助六。

夏蜜柑

物語がどんどん濃くなっていく。

ふぐ丸

落語も毎回見入っちゃうねぇ。

以下、ネタバレを含みます。

第3回「迷路」のあらすじ

  • 昭和25年。初太郎(山崎育三郎)は助六を名乗り、寄席でも引っ張りだこの人気者になる。一方菊比古(岡田将生)はパッとせず、師匠の八雲(平田満)から「おまえはまだ自分の落語を見つけていない」と言われる。
  • 八雲は菊比古に遊びを覚えさせようとお座敷に連れ出し、みよ吉(大政絢)と会わせる。みよ吉は、八雲が満州で出会った芸者だった。菊比古はみよ吉に誘われるまま、2人で逢い引きを重ねるようになる。
  • 助六は、二ツ目の噺家を集めて「鹿芝居」をやろうと菊比古に持ちかける。気が乗らない菊比古だったが、しぶしぶ参加することに。そこで女装をして弁天小僧を演じた菊比古は、客から注目される快感を覚える。
  • 菊比古は、自分の居場所を作るために落語をやるのだと思い知る。後日、菊比古の「品川心中」は寄席の客を惹きつけ、師匠の八雲(平田満)は菊比古の芸が変わったことを喜ぶ。

第3回の感想

満州で芸に磨きがかかった助六は、あっという間に人気者になってしまう。

昼間は寄席で落語をやり、夜は酒を浴びて女と遊ぶ。
師匠が買ってくれた紋付きも、さっさと売って酒代にしてしまう。

夏蜜柑

絵に描いたような昭和芸人。

一方の菊比古は、真面目に師匠の言うことを聞き、稽古熱心で酒も遊びもしない。
そのうえ昼間は銀座の洋食屋で働いて、助六と自分の生活費を稼いでいる。

稽古する時間は足りないわ、助六はどんどん先へ行ってしまうわ、コンプレックスと焦りで悶々とする日々。

平田満さん演じる八雲師匠が言ってた「完璧なものに色気は差さねえ。隙があるくれえのほうが、愛嬌とか遊びがあっていいんだ」というのは、芸事に限った話ではないですよね。

完璧さを誇る人よりも、弱点を見せる人のほうが好かれるのは世の常。

でも、隙なんて、意識してどうにかなるものじゃない。
菊比古も、自分に愛嬌がないことは、子供のころからわかっていたはず。

八雲師匠は、人の特性を見抜いたり、助言をしたりするのが下手だよねぇ。
最初に菊比古に廓話を勧めたのも、鹿芝居で自信をつけさせたのも、助六でしたから。

そしてそういう師匠の気質は、そのまんま菊比古に受け継がれていくようで……。

ちょっとネタバレになるのですが、八代目八雲を継いだ菊比古もまた、のちに同じような弟子の育て方をしてしまうんです。

ともあれ、鹿芝居で女装した弁天小僧を演じたことが、菊比古が自分の芸風を掴むきっかけとなりました。

ちなみに「鹿芝居」とは、落語家(噺家)がやる芝居のこと。
はなしか芝居→しか芝居→鹿芝居ってことらしいです。

ドラマでは控えめな演出になっていましたが、アニメでは、菊比古の妖艶な演技に観客がクギヅケになる様子がわかりやすく描かれていました。

寄席で「品川心中」をやったときも、菊比古が女の仕草をするたびに客が目を見張る、という場面がありまして。それで菊比古のほうも、客の反応が今までと違う(=自分が変わった)ことに気づくワケです。

なんのために落語をやるのか?

「人のため」という助六の言葉に、うなずくことができなかった菊比古。
菊比古にとっては、自分自身のためだったからです。

てめえの居場所をこさえるため。
ここにいても大丈夫だと思うため。
自分が自分でいるため。
作るんだ。てめえでてめえの居場所を。

子供の頃に母親を亡くし、父親にも捨てられ、ずっと自分の居場所を求めていた菊比古。

最初は好きでもなんでもなかったお仕着せの落語が、いつしか菊比古の居場所になっていたんですね。

次回は早くも菊比古とみよ吉が破局することになりそう。
展開が早いのは気持ちがいいけど、もったいない気もしてしまう。

ここから先は、それぞれの心情が複雑に絡み合う展開になります。
後半で怒濤の伏線回収が待っているので、一瞬も目が離せません。

 

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