「昭和元禄落語心中」第5回|八雲と助六の因縁

ドラマ「昭和元禄落語心中」あらすじ感想

「昭和元禄落語心中」の記事一覧を見る

どうも、夏蜜柑です。
NHK金曜夜10時「昭和元禄落語心中」第5回。

寂しい。

菊比古も助六も八雲師匠も、寂しい。
この作品は、ずーっとどこか寂しいんですよね。

登場人物が笑ってても、楽しい場面でも。
ゆずの主題歌も。
そこがたまらなくいい。

夏蜜柑

今回は、八雲師匠(平田満さん)がカッコよかった!

以下、ネタバレを含みます。

第5回「決別」のあらすじ

  • 破門された助六(山崎育三郎)は、みよ吉(大政絢)と同棲するようになる。菊比古(岡田将生)は、師匠の八雲(平田満)から「八代目八雲をおまえに継がせたい」と言われ、助六が逆上した理由を知って心を痛める。
  • 菊比古の前に現れた助六は、みよ吉と共に東京を離れるという。みよ吉は助六の子を身ごもっていた。助六は「師匠に可愛がられていたおまえがずっと羨ましかった」と語る。「落語だけは辞めるな」と訴える菊比古。
  • 7年後の昭和38年。八雲が倒れ、病院に運ばれる。病床で、八雲はかつて自分の前に現れた兄弟弟子「助六」の話をする。助六に歯が立たなかった八雲は、息子という立場を利用して、七代目八雲を自分にくれるよう父親に約束させた。
  • その「初代助六」が、助六に落語を教えた男だった。助六の落語を聞いてすぐにそのことに気づいた八雲は、以来、助六の姿に「初代助六」を重ねてしまい、自分の業の深さに悩み苦しんでいたという。
  • 八雲がこの世を去り、また独りになってしまう菊比古。助六の落語が必要だと感じた菊比古は、助六を探し出すため、みよ吉の故郷・四国を訪ねる。助六そっくりの落語を披露する娘・小夏(庄野凜)の案内で助六の家を訪ねた菊比古は、助六と7年ぶりの再会を果たす。

第5回の感想

八代目八雲をめぐって

“八雲になる”ために有楽亭の門を叩き、弟子入りした助六。
子供の頃から“八雲になる”ことが彼の目標であり、夢でした。

助六に落語を教えたおじいさん(初代助六)は、素人芸人で終わった。
どんなにすごい芸を持っていても、名前がなければ世に出ることはかなわない。

だから助六は、どうしても八雲の名前が欲しかったんですね。

でも、それなら師匠を立てないと。
そのへんが、助六のどうしようもなく不器用で頑固なとこ。

一見、菊比古のほうが融通きかなそうに見えるけれど、菊比古は子供の頃から芸事の世界で育ったし、居場所を求めて大人の顔色をうかがってきたから、世渡りは上手なんだろうね。

菊比古がずっと憧れ続けた天才は、“野良犬”であることに引け目に感じ、菊比古に嫉妬していた。
菊比古と助六は、お互い自分にないものを持っている相手に、憧れてたんですね。

八雲の名前をもらえないとわかった助六が、さまようように堕ちていく様が悲しかった。

八雲と助六の因縁

平田満さん演じる八雲師匠の「子別れ」は、グッとくるものがありました。
その後、病床で語った「助六」との因縁も。

若い頃、兄弟弟子だった「助六」と七代目の名跡を争った八雲師匠。

実力では歯が立たない彼を出し抜くために、八雲師匠は自分が六代目の息子であることを利用しました。半ば強引に、父親に自分に跡目を継がせることを約束させたのです。

その後、「助六」は一門を去りました。
そして幼い少年に落語を教え、「助六」の扇子を渡したのです。

その少年が、八雲の名を継いだ自分のもとに「八雲になりたい」と言って弟子入りしてくる。

夏蜜柑

なんという因縁。

八雲師匠が「生きた心地がしなかった」と言うのも理解できます。

師匠はずっと、苦悩していたのかもしれません。
八雲の名前を継ぐべきは、本当に自分だったのか、と。

それを認めたくない自分が、助六に八代目八雲を継がせることを頑なに拒んだ。

八雲師匠は、「この名前にはいわくがありすぎる」と語っていました。
同様に、「助六」という名前にも、底知れない念が宿っているように感じます。

堕ちていく助六とみよ吉

破門を言い渡された助六と、菊比古に捨てられたみよ吉。

このふたりは、一緒にならないほうがいい。
端から見ていると明らかなのに、本人たちは気づかない。

運命に引きずられるように、どんどん転がり落ちていく。

夏蜜柑

哀れ。

助六は、八雲の名前がなくても、充分やっていけたんじゃないかと思うんですけどねぇ(わたしは落語界のことが全然わからない素人です)

みよ吉も、助六に頼るくらいなら、金持ちのお妾さんになって贅沢な暮らしを送ったほうが幸せだったんじゃないかしら。

でも、このどうしようもない2人のどうしようもない人生が、後に切なく愛おしく感じられるんです。
物語ってすごいなぁと、つくづく思います。

 

「昭和元禄落語心中」は、U-NEXTで視聴可能です

「昭和元禄落語心中」の記事一覧を見る

ほかの記事を読む?

ドラマ「昭和元禄落語心中」あらすじ感想 「昭和元禄落語心中」第3回|鹿芝居で化けた菊比古 NHKドラマ「カラスになったおれは地上の世界を見おろした。」 NHKドラマ「カラスになったおれは地上の世界を見おろした。」あらすじ・感想