「テセウスの船」最終話(第10話)原作とは違う共犯者に違和感

ドラマ「テセウスの船」キャストあらすじ原作ネタバレ

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どうも、夏蜜柑です。
「テセウスの船」最終話(第10話)のあらすじと感想です。

共犯者、原作とは別人でした。

がんばって原作とは違う展開を用意して、考察を盛り上げようとしたのでしょうね。原作を読んでいなければ、楽しめたのかなぁ。

いろいろ腑に落ちないことが多すぎて、スッキリしない最終回でした。

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最終話(第10話)のあらすじ

逮捕された佐野(鈴木亮平)は「共犯者を見つけてくれ」と馬淵(小籔千豊)に訴えるが、佐野が監禁された小屋にはそんな形跡はなかったという。

心(竹内涼真)は佐野の無実を証明するため、意識が戻った加藤みきお(柴崎楓雅)に会いに行く。だがさつき(麻生祐未)は記憶を失ったみきおを守ろうとし、心に掴みかかって追い返す。

留置所の佐野に差し入れの本が届き、本の中身を見た佐野は顔色を変える。翌日、心と和子(榮倉奈々)が面会に行くと、佐野は「俺が犯人だ」と犯行を認める供述をする。

再び佐野家にマスコミが殺到し、鈴(白鳥玉季)と慎吾(番家天嵩)は学校でいじめられる。佐野を疑い始める和子に対し、「お父さんを信じる」と言い切る子供たち。

心は佐野の真意を掴もうと、庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こす。そこには30年後の家族へあてた佐野の手紙が入っていた。手紙を読んだ和子たちは佐野の無実を信じる。

心はみきおからのメッセージを受け取り、音臼小学校へ向かう。みきおが記憶を失ったというのは嘘だった。みきおは心にこれまでの犯行の動機と経緯を語る。

みきおの目的は鈴のヒーローになることだった。転校生でいじめられていたみきおは、ただひとり味方になってくれた鈴に特別な思いを抱いていた。

しかし鈴は「お父さんみたいな人が好き」だと言い、佐野を「正義の味方」だと言った。みきおが“鈴にとっての唯一のヒーロー”になるためには、佐野が邪魔だったのだ。

佐野を排除するために音臼小事件を計画したというみきお。本番のために千夏に薬を飲ませて実験し、鈴をいじめた明音を翼に殺させようとしたが失敗。田中義男を殺したことも告白する。

そして鈴を喜ばせるためには「佐野文吾を無罪にしてあげる」ことだと言い、自らの告白をICレコーダーに録音、青酸カリを飲んで自殺しようとする。

みきおは病院に運ばれ、心はICレコーダーを持って警察へ行く。みきおの犯行を認めた警察は佐野を釈放する。佐野が自白したのは、差し入れられた本に仕込まれた「罪を認めろ、家族皆殺し」という犯人からのメッセージを受け取ったためだった。

佐野は1977年の村祭りで、きのこ汁に間違って毒キノコを入れたのは田中義男(仲本工事)の妻であり、正志(せいや)の母親だったことを思い出す。

さらに、12年前の駐在日誌を調べると石沢校長(笹野高史)の息子が祭に来ており、喧嘩に巻き込まれて軽い怪我を負っていたことも判明する。

病室でみきおを心配するさつきに、校長は12年前のことを語る。当時高校1年生だったさつきは子供を妊娠し、中学の担任だった校長に相談。小さな村で後ろ指さされることを懸念した校長は、子供を堕ろすようさつきを説得していた。

心と佐野は音臼小の校長室を訪れ、机の上に校長が描いたと思われる親子の絵が何枚も置かれているのを見つける。校長を探すが見つからず、佐野は心を帰宅させて捜索を続ける。

帰宅した心は、玄関に佐野文吾宛の封筒が挟まっているのを見つける。中には未来に起こる音臼小事件の記事と、ワープロで作られた「警官家族3人惨殺される」という見出しの架空の記事が入っていた。

「皆殺しが嫌なら1人で来い」「音臼神社 明朝8時」という犯人からの呼び出しに、心は佐野と家族の命を守るため、ひとりで行くことを決意。翌朝、置き手紙を残して佐野家を出る。

心に似た男が音臼岳の山小屋で倒れている、という通報が駐在所に入り、佐野は音臼岳へ向かう。入れ違いに姿を消していた石沢校長が駐在所に現れ、長年疎遠だった息子と孫に会いに行ってきたと和子に語る。

心は和子に電話して佐野が音臼岳に行ったことを聞き、急いで音臼岳へ向かう。佐野は音臼岳の山小屋で、背後から正志に刺される。みきおの共犯者は正志だった。

正志の母親は佐野のせいで捕まり、田中義男に捨てられてさんざん苦労した末に、体を壊して死んだという。小学生だった正志の妹は殺人犯の子だといじめられ、自殺していた。

父親が病気になり、仕方なく村に戻ってきた正志に、佐野は「家族は大事にしねえとな」と声を掛けた。このとき、正志は佐野の家族に同じ地獄を見せてやると決めたのだった。

正志は心を殺したと嘘をつき、激怒した佐野は正志からナイフを奪って正志を殺そうとするが、思いとどまる。正志は佐野を殺人犯にするため、自分を殺させようとしていた。

そこへ心が駆けつけ、正志と佐野と揉み合いになる。ナイフが胸に刺さり、倒れる心。「死ぬな」と叫ぶ佐野の腕の中で、心は息を引き取る。

2020年。佐野、和子、鈴(貫地谷しほり)、慎吾(澤部佑)が待つ店に、心と由紀(上野樹里)がやってくる。和子は由紀が妊娠していることに気づき、喜ぶ。

生まれてくる子供が女の子だと知った佐野は、「未来」という名前を提案する。その名前は心が考えていたものと同じだった。佐野のポケットには、心がタイムカプセルに入れた結婚指輪が入っていた。

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ドラマ「テセウスの船」キャストあらすじ原作ネタバレ「テセウスの船」登場人物(キャスト)・全話あらすじ感想・原作

最終話の感想(ネタバレ有)

「家族っていいね」を乱用しすぎ

長かったなぁ~。後半の間延びが著しかった。

特に第8話以降はほとんど同じことの繰り返しで話が先に進まず、毎回繰り広げられるベッタベタな「家族っていいね」シーンにお腹いっぱい状態。

地上波で本格的なミステリーやサスペンスドラマは期待できない、と最初からわかっていましたよ。ええ。日曜劇場ですし。だから序盤~中盤はだいぶ目をつぶりました。

でもね、緊張感あふれる(はず)のクライマックスにまで「家族っていいね」シーンをぶち込む神経がわたしにはわからない。

わたしの感覚では、第8話のお楽しみ会前日の夜が「家族っていいね」シーンのピークでした。

何も知らない和子や子供たちと(最後になるかもしれない)楽しい夜を過ごし、事件当日の朝を迎える心と佐野。和子たちを送り出し(村から避難させ)、決死の覚悟でお楽しみ会に出かけていく。最高に緊張感が高まる場面です。

その時点で、もう「ほのぼの」シーンはないと思ってました。

このときの緊張感を保ったまま、クライマックスに向けて一気に突っ走ってほしかった。原作はそうなってたんですけどね。

ドラマではお楽しみ会がクライマックスにならなかったため、心と佐野は帰宅してまた「家族っていいね」シーンになり、佐野が犯人に捕まって緊張感が高まり、解放されて戻ってきてまた「家族っていいね」シーンになり……。

緊張したと思ったら、すぐほのぼの。緊張、ほのぼの、緊張。う~~~っ。ミステリーやサスペンスのクライマックスに「ほのぼの」は要らんのじゃ!!ヾ(`д´*)ノ

原作とは違う共犯者に違和感

さて、問題の共犯者です。

最終回になってもまだミスリードを繰り広げるしつこさで、最後の最後まで「犯人は誰?」を引っ張り続け、ようやく明かされた犯人の正体は田中義男の息子・正志でした。意外でしたねー。

原作と違う犯人を用意すること自体はいいと思うのですが、ミスリードがしつこすぎて犯人の告白が一瞬で終わってしまい、「は?」という感じ。とってつけた感がすごい。

動機は佐野への逆恨み。彼の母親(田中義男の妻)は、12年前の村祭りできのこ汁に誤って毒きのこを入れてしまい、佐野に逮捕されていました。

彼女はそのせいで夫に捨てられ、苦労して身体を壊して亡くなり、小学生だった正志の妹は「殺人犯の子」といじめられて自殺。そのことに何の罪悪感も持っていない佐野を許せず、同じ目に遭わせてやろうとしたのです。

うーーーーーーん。厳しい。

お節介な佐野の性格からして、自分が逮捕した犯罪者や、その家族のことをまるっきり忘れるというのは、ありえないんじゃないかなぁ。彼ならずっと気にしたと思う。

っていうか、12年前の佐野はまだ警察学校にいるはずなのよね。

いちばん「ありえない」と思ったのは、みきおが正志を「共犯者に選んだ」こと。

ないわ。

みきおが正志を利用するならともかく、正志がみきおを利用するとか、2人が共謀して犯行に及ぶというのは、どう考えてもしっくりこない。接点がなさすぎて繋がらないのよ。だいたい、みきおは正志なんか相手にしないでしょ。

逆に言うと、「計画的で頭がいい」犯人像と正志が結びつかないんですよ。

でもって正志が共犯者ってことになると、どれが正志の犯行で、どれがみきおの犯行なのかもわからなくなってくる。

2人が犯した犯罪の数々

整理するために、音臼村で起きた事件や、心のまわりで起きた不審な出来事をまとめてみました。

年代 出来事 犯人
1989年 ワープロで犯行日記をつける 加藤みきお
  千夏にパラコートを飲ませて殺害 加藤みきお
  学校のウサギを毒殺 加藤みきお
  翼に明音を殺させる 加藤みきお
  木村メッキ工場から青酸カリを盗む 佐々木紀子
  明音を拉致して殺す(未遂) 長谷川翼
  心が崖下に捨てたノートを拾う 加藤みきお
  教室にオレンジジュースを届ける 加藤みきお?
  音臼神社に心を呼び出して階段から突き落とす 加藤みきお?
  金丸を音臼岳で殺害 加藤みきお?
2020年 佐々木紀子を毒殺 木村さつき
  田中正志を毒殺 木村みきお
1989年 心のICレコーダーを盗む 加藤みきお
  田中義男を毒殺 加藤みきお
  和子と鈴、慎吾を拉致 田中正志
  キャンプ場に佐野をおびき出す 加藤みきお
  みきおに青酸カリを飲ませる 田中正志
  佐野を小屋に監禁し、その後解放 田中正志
  心に由紀のノートを届ける 田中正志
  路上にフロッピーディスクを捨てる 田中正志
  佐野のワープロに犯行日記を仕込む 田中正志
  佐野家の庭に青酸カリを埋める 田中正志
  佐野にメッセージ入りの本を差し入れする 田中正志
  佐野宛の封筒を届ける 田中正志
  警察に偽の通報をし、パトカーをパンクさせる 田中正志

前半と後半のバランスの悪さが一目瞭然ですね…。
正志に関しては、後半になって突如現れた感じ。

正志はいつから共犯者になったんだろう。2人がいつどこで出会い、意気投合し、どのように犯行計画を立て実行したのか、そのあたりの経緯がまったくわからない。

これはみきおにも言えることだけど、告白だけで済ませるんじゃなくて、もっと回想シーンを入れて犯行の状況を再現してほしかった。物足りないです、全然。

なぜ翼はみきおの言いなりになっていたのか、とか。
なぜ木村さつきは佐々木紀子を殺さねばならなかったのか、とか。

原作で描かれている犯行の動機や回想シーンもほとんど省かれていて、これじゃあわけがわからない。

あと、金丸刑事は明音ちゃんの首に残っていた痣を見て「子供の手によるもの」だと気づいたんですよね。でも、明音ちゃんを殺そうとしたのは翼ですよね?

そういえば明音ちゃん、その後どうなったんだろう。回復したのかな。

原作の共犯者は…

以下、原作のネタバレになるのでご注意を。

原作の共犯者は、未来からタイムスリップしてきた木村みきおでした。心が2度目にタイムスリップしたとき、みきおも一緒に過去に来ちゃったんですね。

大人みきおは子供みきおに接触し、彼に未来の話をして計画を変更させるんです。なぜって、大人みきおの目的は「子供の頃のまま変わらない鈴を手に入れる」ことだったから。

佐野を無差別殺人犯に仕立てあげ、望みどおり彼女を手に入れたみきおでしたが、鈴は昔の鈴ではなくなっていました。彼はかつて自分が憧れた明るい鈴が手に入らないことに絶望し、自殺しようとしていました。

そこへ心が現れ、一緒に過去へタイムスリップした。そして「鈴の過去を不幸にすればするほど、未来の鈴は変わってしまう」ことに気づく。

子供みきおは「ただ鈴が手に入ればいい」と思っているので、ごちゃごちゃ言う大人みきおのことが、だんだんうっとうしくなってくる。やがて大人みきおのことも「殺したい」と思うようになります。

それを知った大人みきおは、自分が殺人犯となって子供みきおが犯したすべての罪を背負い、死刑となって死ぬことを思いつきます。

このあたりの2人のみきおの描き分けが、素晴らしいなと思うんですよ。どちらもサイコパスであることに変わりはないのだけど、思いつきで殺人行為を繰り返す無邪気な子供みきおと、未来を変えるために悩み抜く大人みきおとでは、鈴への想いの深さも含めて、明らかな違いがあります。

心は、佐野を刺そうとした大人みきおの前に立ち塞がり、佐野の代わりに殺されました。佐野は大人みきおを射殺し、子供みきおは未来の自分が殺されるところをまのあたりにします(この出来事が彼に影響を与えたかどうかも考えさせられる)。

この悩める大人みきおを安藤政信さんが演じるところ、めちゃくちゃ見たかったんですけどね~。

駆け足だったラストシーン

ギリギリまで怪しいそぶりをみせていた校長先生は、シロでした。彼はただ疎遠になった息子のことが気がかりだっただけ。たまたま心さんと息子の年齢が同じだったために、自分と息子の関係と、佐野と心さんの関係を重ねて見ていたのでした。

さつき先生もシロ。高校生のときに子供を中絶した過去があり(このとき相談に乗ったのが校長先生)、それ以来「子供を傷つける」ことに人一倍敏感になっていたのです。

正直、この2人の事情に関しては蛇足だったのでは。ここに時間を割くくらいなら、犯人の自供や伏線回収のほうに使って欲しかった。

心の命がけの行為によって過去は代わり、新たな未来が生まれ、2020年には佐野家が集まって幸せな場面を見せてくれました。心が望んだ未来だけど、そこにわたしたちが知る「心さん」はいない。

この場面も駆け足だったなぁ~。鈴木亮平さん演じる佐野が「テセウスの船」を語るモノローグはめっちゃ染みたし、彼が息子に「心さん」の面影を探すまなざしもよかったけど、もうちょっと余韻を味わわせてほしかった。

原作では、佐野家の4人が「心さん」の墓参りをするところから始まりまります。タイムカプセルを掘り起こし、「心さん」が埋めた家系図と指輪を見た佐野は、「岸田由紀」なる女性を探そうと決意するんです。そこへ、心が由紀を伴って実家に帰ってくる……という流れ。ラストはみきおの意味深なカットでした。

連続ドラマは「最終回まで視聴者を引っ張る」ことを優先するから、終わり方なんてどうでもいいと思ってるんだろうか。もうちょっと丁寧な幕の閉じ方をしてくれてもいいのに…と思いました。

最終回の「物足りなさ」を解消したい人は有料コンテンツへどうぞ!という流れもお約束になってきましたね。最終回放送後、Paravi「完全ネタバレ!犯人の日記大公開(前編)」が配信されました。

なんだかなぁ。これが当たり前になったら、地上波のドラマがどんどんつまらなくなってく気がする。正直、わたしはかなり地上波のドラマを見る気が失せています。

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