「テセウスの船」第4話|タイムスリップによって変わり果てた世界

ドラマ「テセウスの船」キャストあらすじ原作ネタバレ

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どうも、夏蜜柑です。
TBS日曜9時「テセウスの船」第4話のあらすじと感想です。

今回から再び現代パート。
タイムスリップによって変わり果てた世界で、奔走する心。

原作にあったシーンが大幅に省かれていて、だいぶ駆け足でした。由紀の設定も若干違っているけど、ラストの演説シーンが素晴らしかったので文句なし。

上野樹里さん演じる由紀がカッコよすぎて、心が頼りなく見えますね…ガンバレ~。

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第4話のあらすじ

令和2年2月18日。現代に戻った心(竹内涼真)は、妻の由紀(上野樹里)が生きていることを知るが、由紀は心と結婚していないばかりか出会ってすらおらず、週刊誌記者となっていた。

心は宮城拘置支所を訪れ、年老いた佐野(鈴木亮平)と会う。佐野にとっては31年ぶりの再会だった。佐野は心が会いに来るのを待っていたと言い、心が去った後のことを話す。

金丸(ユースケ・サンタマリア)は音臼岳の崖下で遺体で発見され、佐野は事件を阻止しようとしたができなかったと言う。お楽しみ会当日、青酸カリはオレンジジュースではなく“はっと汁”に入っていたのだった。

冤罪を晴らすと約束する心だったが、佐野は再審を諦めていた。「自分の人生を大切に生きていってほしい」と語る佐野。

心は佐野から姉の鈴(貫地谷しほり)の住所を聞き、会いに行く。再会した姉は整形によって顔を変え「村田藍」と名乗り、別の人生を送っていた。

心は鈴の結婚相手が、かつての同級生で「音臼小無差別殺人事件」の被害者でもある加藤みきお(安藤政信)と知って衝撃を受ける。さらにみきおの養母は元音臼小教師の木村さつき(麻生祐未)だった。

鈴は素性を隠したまま2人と再会し、贖罪の気持ちからみきおと結婚したと語る。みきおは事件の後遺症で下半身不随になり、車いす生活を強いられていた。

今の生活を壊したくない鈴は、心や佐野とはもう二度と会わないと言う。心はネットで〈音臼小事件被害者の集い〉があることを知り、由紀を呼び出して情報を得る。

佐野の冤罪の証拠を見つけるため、〈集い〉に集まった村人たちから情報を募ろうとする心。だが心と鈴の会話を盗み聞きしていた木村さつきが〈集い〉に現れ、心は鈴のために名乗り出ることを諦める。

父親の冤罪を信じて必死に証拠を探そうとする心を見て、由紀は心を動かされる。〈集い〉の壇上に立った由紀は、佐野が無実である可能性を訴え、村人たちから罵声を浴びながらも情報提供を呼びかける。

後日、佐野の弁護士のもとにある人物から重要な証拠があると連絡が入り、心と由紀は喜び合う。その頃、鈴の様子を監視カメラで監視していたさつきは、「話がある」と鈴を呼び出す。

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第4話の感想

タイムスリップによって変わり果てた世界

原作では、現代に戻ってきた心は真っ先に「佐野家」へ向かい、変わり果てた駐在所(誹謗中傷の落書きだらけ)を見てショックを受けます。

このシーン、ドラマでは省かれてたんですよね。よく考えたら第1話で心が音臼村を訪れたときも、実家を訪ねていません。まずは自分が住んでいた「佐野家」に向かうのが自然だと思うんだけど、どうしてだろう?

現代に戻ってきたことを悟った心。原作では、心はさまざまな方法で「元の世界と何がどう変わったのか」を調べています。

大きく変わったのは、心の母・和子と兄・慎吾が心中で亡くなっていたこと。心は、自分と姉の鈴が預けられていた児童養護施設を訪ね、そこで鈴と幼い心がどんな辛い目に遭ったのかを聞いています。

また、週刊誌やネットの記事で「音臼小無差別殺人事件」の被害者21人の名前を調べ、事件で死ぬはずだった人が生きていて、代わりに別の人が死んでいることを知りました。

ドラマ版の新聞記事をよく見ると、もともとは火事で死ぬはずだった田中義男氏が21人の犠牲者の中に含まれています。これは原作にはないんですよね。どういうことだろう?

もうひとつ。木村さつきの設定も、原作とは異なります。原作での彼女は21人の被害者に含まれていて、事件で死ぬ運命だったのですが、心がタイムスリップ後に戻ってきた世界では生きていました。

ドラマ版の木村さつきは、「事件に巻き込まれるも生き残った」設定に変えられているので、これは真犯人に繋がる改変なのかもしれません。

今の段階では木村さつきがどこから見ても怪しいのですが、まだ前半だし、彼女が真犯人だとは思えないんですけどね。

31年ぶりに再会した親子

原作を読んだとき、いちばん泣いたのが拘置所での心と佐野の再会シーン。
ずっと父親を否定し続けていた心が、初めて「父さん」と呼ぶ場面です。

心にとっては数日ぶりだけど、佐野にとっては31年ぶりの再会なんですよね。31年もの間、佐野がどんな思いで冤罪を訴え続け、息子であり友人でもある心を待ち続けたのかと思うと……もうね、たまらないですよ。泣けます。

自分にとっての数日が相手にとっては数十年というパターン、SF映画などでもよく見かけますが、わたしこの設定に弱くて、いつもグッときちゃうんです。

ドラマでは意外とあっさりで、時間配分的にも序盤のシーンだったのでさほど盛り上がりませんでしたね。なぜだろう?と思ってましたが、ラストシーンを見て納得。やはりオリジナルのシーンを重視しているようです。

鈴木亮平さんの老けメイク、とても自然で違和感なかったなぁ~。年老いて疲れ果てて人生を諦めながらも、彼の人柄を表す愛情深い感じが、滲み出ていました。

変わっていなかった由紀

由紀が週刊誌記者になっているという設定は原作通りですが、ドラマでは完全に被害者側に立っていて、佐野の冤罪を疑うそぶりは見られませんでした。

原作の由紀は、事件の真相を知ろうと拘置所にいる佐野と何度も手紙のやりとりをしています。そして最後に佐野から「田村心という男を捜してほしい」という手紙を受け取っています。

そういう事情もあって、原作での由紀は最初から「冤罪の証拠を探す」心に対して協力的でした。

ドラマの最後に描かれていた〈音臼小事件被害者の集い〉は、ドラマオリジナルのシーン。そこで由紀が演説をするシーンも原作にはありません。

最初は非協力的だった由紀が、冤罪を晴らそうと奔走する心の姿に心を動かされ、協力を買って出る……という流れに変えたんですね。

心がタイムスリップしたことで時間軸が変わり、由紀は心が知っている由紀とは別人になってしまったかのように思われましたが、彼女の本質は何も変わっていなかった、とわかる感動的なシーンでした。

実は、ひそかに心配していることがありまして。

第2話で描かれた心の母・和子の場合もそうでしたが、ドラマ版は「状況が変わっても人は本質的には変わらない」という描き方をしています。

この物語が問いかけている“テセウスの船”という深淵なテーマに、安易に答えを出しすぎていやしないかと、ちょっと不安。

そこは、わかりやすい答えを出さないでほしい……お願い。