海外ドラマ「グッド・ドクター」シーズン3第16話のあらすじと感想です。
ショーンとカーリーとリア、クレアとメレンデスとモーガン、2つの真逆の人格を持つ患者、身元不明の女性を巡る極秘捜査、リムと謎の少女…と盛りだくさんだった回。
どれも「心の解剖」というタイトルで繋がっている。面白かった!
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第16話「心の解剖」のあらすじ
ERに搬送されたホームレスの女性は、ショーンに「コリ」と呼びかける。手術中、女性は頸動脈瘤破裂で死亡。ショーンは死因を突き止めるためリムに解剖許可を要求するが却下され、遺族を捜し出そうとする。
元警官のアレックスが協力し、女性の名前がマリベル・ヴォンテインだと判明。離婚して疎遠になっていた息子ジュールズに会いに行くが、彼は「死因などどうでもいい」と解剖を断り、しつこく懇願したショーンは警察に通報されてしまう。
グラスマンはショーンが問題を抱えていることを知り、カーリーとの別れについて聞く。ショーンはリアに愛していると伝えるようカーリーに言われたが、リアに拒まれるのが怖くてできないと打ち明ける。
ショーンは自分の問題に向き合おうとカーリーに頼んで立ち合ってもらい、マリベルを解剖する。カーリーを愛しているが、それ以上にリアを愛していると告げるショーン。カーリーに励まされ、ショーンはリアに気持ちを伝える決意をする。
マリベルの死因は遺伝性の珍しい病気だった。ショーンはジュールズにそのことを伝え、彼女の足にハチドリのタトゥーがあったこと、最後の言葉が「コリ」だったことを話す。「コリ」はフランス語のハチドリ「コリブリ」のことで、彼女が幼いジュールズに付けたあだ名だった。
クレアとモーガンはキャンパスで怪我をした真面目な大学生エイデンを担当する。エイデンはなぜ怪我をしたのか覚えていないと言うが、手術後のエイデンは「マリファナをやってスケボーをした」と言い、まるで別人だった。
脳波を調べた結果、エイデンは夢遊病で睡眠中に遊び人の人格が現われていることが分かる。夢遊病の原因は、視床下部を圧迫している「くも膜嚢胞」だった。だがエイデンはもうひとりの自分を消すのを嫌がり、手術を拒む。
クレアとモーガンは遊び人のエイデンに事情を話し、手術の同意を得る。同意した覚えのない手術から目覚めたエイデンは、もうひとりの自分から送られた動画を見る。
モーガンは苦情を入れたのは自分だとクレアに明かし、メレンデスがクレアに好意を持っているせいでほかのレジデントがないがしろにされていると訴える。メレンデスとクレアはモーガンを納得させるため、わざと喧嘩する。
リムは病院でたびたび自分を見ている少女トリニティに気付く。彼女は8年前ERに置き去りにされた赤ちゃんだった。養母に子供が生まれたことで、母親の愛を失ったと思い込むトリニティ。リムは愛情は限りないものだと教える。
リアを家に呼んだショーンは「愛してる」と告白し、ボーイフレンドになりたいと伝える。だがリアはショーンが自分勝手な私と付き合うのは無理だと告げる。
「君が僕のガールフレンドになりたくないのは、僕が自閉症だから?」というショーンの問いかけを否定できず、リアは黙って立ち去る。
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第16話の感想
カーリーとの別れを受け入れられず…
カーリーと別れたショーンは、周りの人たちが自分を気遣うのが気に入らない。自分は平気だと言ってるのに、誰も信じないと苛立つショーン。
こういうのって、日本ではまず見られない光景だなぁといつも思う。プライベートを仕事場に持ち込むこともそうだけど、感情を表に出すのは恥ずべきこととされているから、「悲しいときは悲しむべき」「痛みを感じるべき」と助言する人はまずいない。少なくともわたしの周りにはひとりもいなかった。
カウンセリングを受けたほうがいい、と助言する上司もいない。メンタルに問題があるとわかったら、白い目で見られたり遠ざけられたりするのが当たり前。
怪我や虫歯を治療するように、心の傷を治療することが普通になればいいのに。健康診断の中に心療科が組み込まれていてもいいんじゃないかと思う。社会の意識が変わってくれることを望む。
患者の死因にこだわるショーン
カーリーとの別れを引きずり、リアに「愛してる」と伝えることもできず、前に進めないショーン。こういうときのアレックスは優しいし、本当に頼りになる。
ショーンが自分の問題を身元不明の患者の死因究明にすり替えていることを知りながら、ショーンのために極秘で捜査するアレックス。
その結果、女性の身元は判明したけど、遠い昔に別れたきりの息子は母親の死因など知りたくないと解剖を拒否します。
この問題、どう着地するのかまったく予想がつきませんでした。
ショーンは解剖によって女性が遺伝性の病気だったことを突き止め、息子にそのことを伝えに行きます。もし母親から遺伝していたら、命に関わるからと。
でもそれだけでは終わらない。女性が死ぬ前に言った「コリ」とは彼女が幼い息子につけたあだ名で、フランス語で“ハチドリ”を意味する「コリブリ」のことでした。
彼女の足には小さなハチドリのタトゥーがあり、最後まで息子のことを思っていたことが示されます。
「あなたを愛していた。だけど……たぶん怖くてそう言えなかっただけだ」
カーリーとの別れは辛い出来事だったけれど、さまざまな経験を通して、他人の気持ちが理解できるようになっていくショーン。このシーンは泣けましたね。
もうひとりの人格
モーガンとクレアは、メレンデスのひいき問題をめぐって険悪に。クレアとメレンデスはモーガンを納得させるため、わざと喧嘩をしてみせて「特別扱いしていない」ことを示します。
モーガンとクレアが担当した患者エイデンは、真面目で堅実な大学生。ところが彼が眠りにつくと、まったく正反対の人格を持つもうひとりのエイデンが現れます。
多重人格障害(解離性同一性障害)かと思ったら、くも膜嚢胞が原因の夢遊病でした。真面目なエイデンは遊び人のエイデンを消したくないと言い、手術を拒みます。
そこで遊び人のエイデンが起きるのを待ち、彼を説得して手術に同意させようとするのですが、このときモーガンが語ったセリフがめちゃくちゃ刺さった。
「私はあなたがただの遊び人じゃないと思ってる。人は複雑。誰だっていい加減で自分勝手なときもあるけど、自分を犠牲にすることもできたりする。あなたたちはたぶん2人で1人なんだと私は思う。あなたがたとえどんな決断をしようとそれは変わらない」
このセリフはモーガン自身にも当てはまりますよね。
遊び人のエイデンが残した動画が泣けました。もし、自分が消されるほうの人格だったら、わたしは自分を犠牲にできるだろうかと考えてしまいました。
リアへの告白
カーリーに背中を押されたショーンは、リアを家に呼んで「愛してる」と告白しました。でも、リアはわがままな自分をショーンに押しつけることはできないと言います。
自閉症のショーンに、わがままな私を扱うことはできない、と言いたかったようです。
やっぱりなぁ…という感じです。リアとうまくいく気はしないのよ。これ以上ショーンに傷ついてほしくないけど、次回も辛い展開になりそう。
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