WOWOW「贖罪の奏鳴曲」登場人物(キャスト)・全話あらすじ・感想

WOWOW連続ドラマ「贖罪の奏鳴曲」

2015年に放送されたWOWOWの連続ドラマ「贖罪の奏鳴曲」(全4話)についてまとめました。

その弁護士はある殺人事件の犯人だった。原作・中山七里、監督・青山真治による法廷ミステリー。三上博史、染谷将太、リリー・フランキー共演で「贖罪」の意味を問う。

WOWOW公式サイトより

生きる意味、贖罪の意味を問う法廷ミステリー。

フジテレビ系で同じ原作をドラマ化した「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~」が始まるので、参考までに視聴しました。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 初回放送:2015年1月24日~2月14日
  • 原作:中山七里『贖罪の奏鳴曲』
  • 脚本:西岡琢也
  • 監督:青山真治
  • 音楽:山田勳生/青山真治

あらすじ

孤高の弁護士・御子柴礼司(三上博史)は世間を騒がす殺人事件の国選弁護人を買って出る。保険金目的で夫を殺したとされる東條美津子(とよた真帆)は圧倒的不利に立たされながらも無罪を主張。御子柴は車いす生活の息子・東條幹也(染谷将太)の協力を得て事件を再調査する。そんな中、あるフリーライターの水死事件を追う刑事・渡瀬(リリー・フランキー)は被害者の遺留品から御子柴の知られざる過去を知る。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、中山七里さんの推理小説『贖罪の奏鳴曲』(2011年刊)です。

『追憶の夜想曲』 『恩讐の鎮魂曲』 『悪徳の輪舞曲』と続く、御子柴礼司シリーズの第1弾。

過去に重大な罪を犯した主人公・御子柴礼司が莫大な弁護料を請求する悪名高き 辣腕弁護士となって活躍する法廷ミステリーです。

登場人物(キャスト)

御子柴法律事務所

御子柴礼司(三上博史)
どんな罪名でも必ず減刑を勝ち取る辣腕弁護士。たまたま東條美津子の保険金殺人事件の裁判を傍聴し、その後、国選弁護人を買って出る。
14歳の時に5歳の女の子を日本刀で斬り殺し、関東医療少年院に5年間入っていた。事件後に父親は自殺、母と妹は消息不明に。被害者遺族に慰謝料8000万円を支払うことで和解している。本名は園部信一郎。

日下部洋子(川添野愛)
御子柴法律事務所の事務員。何事にも動じず飄々と対応する。

東條製材所

東條美津子(とよた真帆)
御子柴が担当する事件の被告。保険金目的で夫を殺害した疑いをかけられ、無期懲役を言い渡される。故意に人工呼吸器の電源を切って夫を死なせたとされているが、本人は無実を主張している。

東條幹也(染谷将太)
美津子の息子。交通事故で半身不随になり、車いす生活を送るようになった。父親がオートメーション化した工場で働いている。母親の無実を信じ、御子柴に協力する。

東條彰一(中脇樹人)
美津子の再婚相手で、幹也の継父。東條製材所社長。作業中に事故に遭い、意識不明の重体となっていたが、集中治療室で息を引き取る。生前、幹也のためと称して工場をオートメーション化し、社員6人をリストラした。

高城清助(菅田俊)
元社員。美津子に気があり、東條にリストラされたことを恨んでいる。

警察

渡瀬(リリー・フランキー)
埼玉県警捜査一課のベテラン刑事。元殺人犯の御子柴を嫌悪し、加賀谷殺しの犯人としてしつこく追い回す。

古手川和也(白石隼也)
埼玉県警捜査一課の刑事。渡瀬とコンビを組んでいる。

関東医療少年院

園部信一郎(谷藤力紀)
14歳。「誰でもいいから殺してみたかった」という理由で、通りすがりの5歳の女の子を日本刀で斬り殺した。一度も面会に来ない母親のことを気にしている。

嘘崎雷也(百瀬朔)
16歳。信一郎が最初に仲良くなった父親殺しの少年。母親との面会を楽しみにしていたが、ある事件によって母親から見放され、自殺を図る。

島津さゆり(平祐奈/中村明日美)
ピアノが得意な少女。医療少年院の合唱会で「ベートーヴェン・ピアノソナタ第23番ヘ短調〈熱情〉」を披露し、御子柴に大きな影響を与える。現在は有名なピアニストとして活躍している。

稲見武男(中原丈雄)
少年院時代の御子柴の教育担当教官。現在は老人ホームに入所している。御子柴に「生きろ」と言い続けた。

柿里恒春(川瀬陽太)
雷也の担当教官。雷也を目の敵にし、公然と暴言や体罰を振るう。

そのほか

加賀谷竜次(本田大輔)
フリーライター。東條美津子の事件を追っていた。御子柴の過去を知った直後、何者かに殺害される。

額田順次(堀部圭亮)
東條の事件を担当する検事。クラシックの趣味があり、島津さゆりのコンサート会場で御子柴と鉢合わせる。

門前隆弘(野間口徹)
ガーランド医療機器製造の社員。東條彰一の病室に設置されていた人工呼吸器「ガーランド820型」の開発に携わった人物。

都築雅彦(斉藤陽一郎)
東條彰一の担当医。過去に医療過誤を起こしている。

塚本由香利(山下容莉枝)
生命保険会社の外交員。過去に彰一と付き合っていたことがあり、自分をないがしろにした美津子を憎んでいる。

安武里美(黒沢あすか)
イジメによる自殺で息子を亡くした母親。加害者を弁護した御子柴を憎み、数々の嫌がらせ行為を行う。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

法外な報酬を受け取る代わりに必ず執行猶予にこぎつける悪名高き弁護士・御子柴礼司は、世間を騒がす保険金殺人事件の被告・東條美津子が無期懲役を言い渡される裁判を傍聴する。美津子は保険金3億円を手に入れるため、脳挫傷で入院していた夫・彰一の人工呼吸器の電源を故意に切って急死させた疑いをもたれていた。
御子柴は国選弁護人として美津子の事件を引き継ぎたいと申し出る。美津子は人工呼吸器が誤作動をしたのでスイッチを切ったと無実を主張し、その場にいた息子の幹也も母親の無実を信じていた。
御子柴は事件を再調査する中で、担当医の都築が過去に医療過誤を起こしていることや、保険外行員の塚本が美津子に強い憎しみを抱いていることを知る。幹也のもとにはフリーライターの加賀谷がしつこく訪ねてきていた。
入間川で加賀谷の死体が発見され、埼玉県警捜査一課の渡瀬と古手川が事件を捜査する。加賀谷の右掌には電流紋が残っており、死因は不明だった。2人は加賀谷のパソコンを調べ、加賀谷が美津子の事件を追う中で担当弁護士の御子柴の過去を調べていたことを突き止める。
渡瀬と古手川は東條製材所を訪ね、幹也と偶然その場に居合わせた御子柴から話を聞く。渡瀬は御子柴が14歳の時に5歳の女の子を殺した“園部信一郎”であることを知り、加賀谷殺しの犯人として疑っていた。

御子柴の本名は園部信一郎。14歳の時に5歳の少女を殺した「福岡県粕葉女児殺害事件」の犯人だった。
御子柴は人工呼吸器の開発者・門前を訪ね、事件で使用された「ガーランド820型」がかなりの旧式で、スイッチングが固いという欠点があったことを知る。御子柴の元には亡くなった東條社長を罵る封書が届き、御子柴は幹也や元社員を訪ね、事故の詳しい状況や美津子との夫婦仲を聞き出す。
東條は工場で事故に遭う前日、社員6人をリストラし恨みを買っていた。酒飲みで美津子や幹也に暴力をふるっていたという噂もあり、主任の高城は美津子に言い寄っていたらしい。
一方、加賀谷殺しの事件を追う渡瀬は、犯罪歴のある御子柴を疑っていたがアリバイを崩せずにいた。渡瀬はかつて関東医療少年院で教官をしていた稲見に会い、当時の御子柴について聞かせてほしいと頼む。
御子柴は少年院で同じ在院者の島津さゆりが弾くベートーベンの「熱情」に強く心を揺さぶられ、稲見に頼み込んで週に一度さゆりが演奏するピアノを聞かせてもらっていた。稲見はピアノが御子柴の心の矯正に役立ったのではないか、と渡瀬に語る。

御子柴は美津子と面会し、夫からのDVと元社員の高城との関係について問いただすが、美津子は根も葉もない噂だと否定する。そして御子柴が母親に恨みを持っており、自分と母親を重ねているのではないかと不信感を抱く。
御子柴は高城が美津子から相談を受け、美津子と共謀して東條彰一を殺そうとしたのではないかと疑っていた。東條を罵る封書を御子柴のもとに届けていたのは高城だった。
御子柴は医療少年院で2つ年上の嘘崎雷也と親しくなる。雷也は担当教官の柿里による暴言と体罰に耐えきれず院内で暴力沙汰を起こし、その事実を柿里からの手紙で知らされた母親は雷也に絶縁状を送る。母親だけが心の支えだった雷也は、絶望して自殺を図る。稲見は御子柴に「ずっと生きて、ずっと償い続けるしかない」と諭す。
御子柴はピアニストとして活躍する島津さゆりのコンサートに足を運び、美津子の事件を担当する検事の額田と鉢合わせる。さゆりはプログラムを変更し、ベートーベンの「熱情」を演奏する。さゆりに「熱情」を演奏させたのは渡瀬だった。
最高裁において美津子の裁判が始まり、稲見と渡瀬も傍聴する。御子柴は証人の門前と共に、事件で使用された「ガーランド820型」を法廷に持ち込む。

最高裁の法廷に人工呼吸器を持ち込んだ御子柴に、検事の額田は「法廷を侮辱している」と激しく非難。御子柴の前科にも触れる。
御子柴は事件当時の状況を再現するため、美津子に人工呼吸器のスイッチを押させるが、電源は消えなかった。「ガーランド820型」はスイッチングが固いという欠点があり、電源を消すには強い圧力を必要とする。だがそうなるとスイッチ部分に残っていた美津子の指紋の大きさとは一致しなくなる……ということを証明してみせたのだった。御子柴は美津子の無罪を主張し、法廷内は騒然となる。
裁判を終えた御子柴のもとに、額田がやってくる。額田は御子柴と島津さゆりの過去を調べたと言い、もう二度と同じ法廷には立ちたくない、と告げて立ち去る。
御子柴は製材所で幹也と会い、死んだフリーライター加賀谷について語り始める。加賀谷は工場内で心筋梗塞を起こして死んだと幹也から聞かされ、幹也の頼みで御子柴が遺体を川に遺棄したのだ。だが加賀谷を殺したのは幹也だった。
幹也は携帯の電磁波で人工呼吸器に誤作動を起こし、アルコール依存症の継父・東條彰一を殺したことを加賀谷に突き止められ、殺害を計画。だが「なぜ殺したのか自分でもよくわからない」と答え、もしも母・美津子が釈放されて帰ってきたら「母のことも殺したかもしれない」と話す。幹也は御子柴の前で加賀谷を殺した状況を再現し、自殺する。
元社員の高城は警察に出頭し、製材所で事故を装って東條を殺そうとしたことを自白する。御子柴は美津子と面会し、幹也が2件の殺人について告白したことを伝える。御子柴は「人殺しの母親の気持ちが知りたい」と美津子の本心を暴こうとするが、美津子は最後まで幹也をかばおうとする。御子柴は幹也が死んだことを冷酷に告げて立ち去る。
御子柴は渡瀬から、幹也が半身不在になった事故の原因は東條彰一の酔っ払い運転だったことを知らされる。美津子は家族のためにとっさに自分が運転していたと嘘をついたのだった。母と息子が互いに憎しみ合っていると思い込んでいた御子柴は、大きな読み違いをしていたことを認める。
渡瀬は御子柴が殺害した女の子の月命日に、多額の金を振り込んでいたことを調知る。罪の重さに苦しみ、「私はどうすればいいのか」と打ち明ける御子柴に、渡瀬は「これからも生きて、誰かを救うことを繰り返すしかない」と告げる。
御子柴は事務所の前で御子柴に恨みを抱く安武里美に刺され、入院する。稲見が見舞いに来て「忘れるな。お前の道は果てがないぞ」と御子柴に言葉をかける。
御子柴は渡瀬から手渡された母親の連絡先に電話するが、何も言えずに切る。

感想(ネタバレ有)

事件の真相は意外と……

犯人は美津子の息子・幹也でした。
第1話の段階でバレバレだったので、驚きませんでしたけれども。

あの病室の映像がね~(-_-;*)

幹也の手の動きがどうにも怪しすぎた。もうちょっとやりようがあったんじゃないかな~と思ってしまいました。

幹也が父親を殺害した動機は、結局なんだったんだろう。

父親の酔っ払い運転が原因で交通事故に遭い、半身不随になってしまったことへの恨みを晴らすためなのか。

家庭内暴力から逃れ、平穏な生活を手に入れるためか。
保険金を手に入れて、工場の借金を返すためか。

それとも、ただ殺してみたかっただけ、なのか。

母と息子の関係にこだわる御子柴

御子柴がなぜこの裁判にこだわっていたのか、ずっと謎でした。
彼は幹也と美津子の関係に、自分と母親を重ねて見ていたんですね。

御子柴の母親は、彼が事件を起こした直後に妹を連れて失踪しています。
御子柴が少年院に収容された後も、一度も面会に来ませんでした。

事件以来、未だに母親とは会えていない御子柴。
母親の気持ちを、知ることができないまま。

人殺しの息子を愛せなくて当たり前、いなくなって当たり前だと思い込もうとしたのかな。母親を憎むことで、淋しさを紛らわせてきたのかな。

御子柴がこれまで過ごしてきた時間の中で、どんなふうに母親との別れを受け入れたのかはわからないけど、彼が美津子と幹也の“親子愛”を望んでいなかったことだけは確かですね。

そんなものは存在しないと法廷で証明して、自分自身を慰めたかったのかもしれない。それなのに、子供を思う母親に刺されてしまうという皮肉……。

ベートーベンの「熱情」

劇中で何度も流れるクラシック音楽。
ベートーベンのピアノソナタ第23番ヘ短調「熱情」です。

御子柴は医療少年院で島津さゆりが奏でるピアノを聴き、激しく心を揺さぶられます。

この曲を聴いているとき、御子柴は心の奥深くで自分自身の罪と向き合うことができる。喜びと苦しみが混在するような状態なのかもしれません。

ドラマではさゆりの事情についてはまったく触れられなかったけど、原作ではそのあたりも詳しく書き込まれているのかな。

御子柴に大きな影響を与えた人物だけに、彼女の描写が「ピアノを弾く」だけだったのが少し物足りなく感じてしまいました。

「私は死ぬまで救われない!」と訴える御子柴に、渡瀬は「当たり前だろ」と言い、稲見は「お前の道は果てがない」と言いました。

原作には続きがあるので、この先の御子柴がどんな道を辿るのか気になります。

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