どうも、夏蜜柑です。
連続ドラマW「春が来た」第1話。
完全にオリジナルストーリーですね。向田邦子さんが描く物語からは、“華やかなラブロマンス”の香りは全くしないです。ただ、このままでは終わらなそう。
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください
この記事の目次
第1話のあらすじ
- 31歳独身、デパートの下着売り場で働く岸川直子(倉科カナ)は、下着を届けた撮影現場で韓国人カメラマンのイ・ジウォン(カイ(EXO))と出会う。
- 撮影後、直子はジウォンから食事に誘われる。舞い上がった直子は年齢を26歳と偽り、商社勤めの父と料理が得意な母、かわいい妹と3人で暮らしていると嘘をついてしまう。
- 帰り道で怪我をした直子を送るついでに、ジウォンは直子の家に立ち寄ることに。汚くみすぼらしい家とだらしない家族の様子を目の当たりにし、ジウォンは無言で帰って行く。
- 数日後、ジウォンは直子の家を訪ねてくる。手作りの韓国料理を振る舞い、直子の家を「温かい」と話すジウォン。直子は恋の予感に浮かれる。
- ジウォンが撮影したカタログが発行中止となる。直子はジウォンを慰めるが、その帰り、ひとりになったジウォンは借金取りに襲われる。
第1話の感想
原作は、昭和の平凡な家族を書かせたら天下一品の向田邦子さんです。
その向田作品を平成の現代に置き換えてリメイクする時点で、ほぼ彼女の持ち味はなくなっています。
第1話を見ての結論。
オリジナルストーリーとして見よう!
だって、私が望む向田邦子さんの香りは、この画面からはしないんだもの。
恋人はカメラマン
韓国人のカイさんをキャスティングするための措置でしょうが、直子の恋人の職業がカメラマンというのがまず違う。
そんなカッコいい職業じゃダメなんですよ。
この物語は、普通の平凡なサラリーマンじゃないとダメなんですよ。
だからこそ、あの結末なんですよ。
でも、ドラマは完全に原作とは違う方向にシフトしましたね。
ジウォンの仕事がうまくいかなかったり、借金を抱えていたり。どういう結末になるのかわかりませんが、原作とは違う印象になることは確かです。
直子が嘘をついた理由
倉科カナさん演じる主人公・直子が初対面のジウォンに嘘をつく場面も、少し違和感が残りました。
直子がついた嘘は、悪気のない“無邪気な嘘”でした。
だけど、原作の直子には女性特有の“あざとさ”があるんです。
たとえば、原作にはこんな描写があります。
直子はゆったりとうなずいた。やましさを忘れるためには、酔いに溺れるほかない。喫茶店を出るとき、ごく自然に風見の腕につかまった。背骨のあたりが、甘だるく溶けそうになった。
向田作品からこの手の毒を抜いてしまったら、なんの楽しみもないです。
直子の家の荒みっぷり
これも原作だと強烈なのですが、ドラマではそれほどでした。
たとえば、わたしがいちばん記憶に焼きついているこの描写とか。
玄関の屋根の上に、飴色になった若布のようなものがぶら下がっている。父親のアンダー・シャツらしい。二階の物干から洗濯物が飛んだのがそのままになって雨風にさらされたのだ。
これだけで、この家の外観のみすぼらしさが一気に浮かんできます。
母親の須江がだらしないことや、誰もそれを指摘しない家族の荒んだ関係が見えてきます。
ほかにも、歩くとキュウキュウ鳴く畳とか、ドン引きするような描写が続きます。
まあ時代が平成なので、ここまでやるとかえって時代錯誤になるでしょうね。
でも、こういう細かい描写のひとつひとつが、直子と家族を鮮明に語っていたんです。
ラブロマンスなのか、家族の絆なのか
ドラマは、第1話を見た時点ではラブロマンスの要素が濃い内容でした。
ただ、今後は直子の家族に問題が発生しそうなので、徐々に家族の話に変わっていくのかも。
まだ初回なので何とも評価できませんが、少し設定が雑な印象を受けました。
今後のオリジナルストーリーで、どこまで楽しませてくれるかに期待したいです。
あと、カイさんのシャワーシーンは必要ないですね。
そういうあざとさは要らないです。
役者としてこの仕事に臨んでいるカイさんにも失礼なのでは。
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