「北斗─ある殺人者の回心─」最終回|北斗に下された判決

「北斗─ある殺人者の回心─」

どうも、夏蜜柑です。
「北斗─ある殺人者の回心─」最終回

最初から最後まで、一瞬たりとも目を離すことができませんでした。
後半の北斗の意見陳述の場面では、涙が止まらず……。

中山優馬さんの演技が北斗本人かと思うほど真に迫っていて、「この人、本当にジャニーズのアイドルだったっけ?」と疑ってしまったほど。

最後まで真摯に作られた、本当に素晴らしいドラマでした。

最終回のあらすじ

2人の女性を殺害した端爪北斗の命を懸けた裁判がついに幕を開ける。傍聴席に呆然と座る被害者遺族に向かい、深々と頭を下げる北斗。生きる希望であった里親を亡くし、憎き詐欺師・生田を殺す目的も果たせず、罪のない2人の女性をあやめてしまった自らの運命を呪い、死刑を求め続ける北斗。一方、北斗の死刑回避のために全力で裁判に挑む高井は、ある作戦に出るが、この行為が北斗にとてつもない衝撃を与えることになる。(WOWOW公式サイトより)

最終回のネタバレ

法廷に立った北斗(中山優馬)は、今でも生田友親(矢島健一)を殺したいと思っていること、自分は死刑になって当然の人間であること、控訴するつもりがないことを力強く表明します。

高井弁護士(松尾スズキ)は、北斗が幼い頃から虐待を受けていたことや、里親の綾子(宮本信子)と出会って初めて愛情を知ったこと、綾子を助けたい一心で波洞水を買い続けたことを説明します。

証人として、フリージャーナリストの本橋(利重剛)や、児童相談所の富岡(二階堂智)、明日実(伊藤沙莉)らが証言を行いますが、北斗は心を閉ざしたまま表情を変えません。

高井弁護士は、北斗の実の母・美砂子(中村優子)を証人として呼んでいましたが、再婚相手の子供を身ごもり、幸福な暮らしを送っている美砂子は呼びかけに応じません。
諦めかけた頃、美砂子が法廷に現れます。美砂子の姿を目にした北斗は激しく動揺し、取り乱します。

「ふざけんな!帰れ!」
「何しに来た!お前の来る場所じゃない!」

美砂子に罵声を浴びせかけ、追い返そうとする北斗を、高井弁護士は「最後まで見届けろ。逃げ出すつもりか」と声をかけ落ち着かせます。

美砂子は高井弁護士の問いかけに対し、言いよどむことなく答えます。

「あなたも彼を虐待したんですか?」
「はい。私も夫と一緒になって、何度も何度も。数え切れないくらい」

「針金ハンガー、覚えてますか?」
「北斗を叩くときに使いました」

「どうしてそんなものを使ったんですか?」
「手で直接叩くと、自分の手が痛くなるので」

美砂子は無表情のまま淡々と答え続けます。

「彼の中に暴力の芽を植え付けたのは、あなたがた両親による虐待だとは思いませんか?」
「北斗を人殺しにしてしまったのは私です。私の責任です」

美砂子は前を向き、涙を流しながら、はっきりと言葉にしました。
その言葉を聞いて、驚く北斗。

「あなたは、息子さんを愛していましたか?」
「……」

最後に美砂子は北斗に向かって言います。

「ひとりで生きていきなさい。罪を償いながら、ひとりで、生きていきなさい」

母親の言葉によって、北斗の心は激しく揺さぶられます。

その夜、眠れずに苦しむ北斗の前に、少年だった頃の北斗が現れ、語りかけます。

今すぐ死ねたら楽なのにね。
僕もそうだった。
何度も自殺しようと思ったんだ。
でも死ねなかった。知ってるよね。
お母さん、今さらのこのこ現れるなんて、びっくりしちゃった。
あの人は、あの人なりに、僕たちのこと愛してたんだね。
あんなふうにしか愛せない人だったんだよ。
きっと、お腹の子供には優しくしてあげるよ。
せっかく殻の中に閉じこもってたのに、引きずり出されちゃって。
高井先生が言ってたこと、ほんとだね。
法廷で、丸裸にされるって、辛いよね。
逃げ出したいよね。
でも無理なんだ。
僕があの団地から逃げ出せなかったように、
あなたも、法廷からは逃げられないんだ……。

黙って、自分自身の語る声に耳を傾ける北斗。

公判三日目、被害者遺族の飯岡正志(嶋田久作)が証言を行い、北斗に対して死刑を望んでいると語ります。飯岡の息子・政昭(大和田健介)は、北斗を罵り「今すぐ舌を噛んで死んでくれよ」と言い放ちます。

被害者遺族の関本はるか(山田杏奈)は、殺された姉について静かに語り、泣きながら「お姉ちゃんはきっと、死刑を望まないんだと思います。私も同じ考えです」と言います。

閉廷後、激しく混乱して暴れる北斗に、高井弁護士は「生きるんだ。君の本当の心を見せてくれ」と訴えかけます。

公判四日目、北斗に意見を言う機会が与えられます。

北斗は自分の思いを語り始めます。抱きしめられた記憶がなかったこと、小さい頃から生まれてこなければよかった人間だと思っていたこと、お母さんが生きることの価値を教えてくれたこと、お母さんを騙した生田友親を許せなかったこと。

関係のない二人を殺すつもりはなかったこと、事件を起こしてから死ぬことばかり考えていたこと、死ぬ以外に罪を償うことはできないと思っていること。

北斗は溢れる涙をこらえ、必死に言葉をつなぎます。

食事と排泄を繰り返す自分が許せないのに、どうしてもそうしてしまうこと。死ぬことばかり考えているのに、体が生きようとすること……。

「僕は死刑になって当然だと言いました。今もその気持ちに変わりはありません。でも、もし……もし、許してもらえるなら、本当は、生きたいんです。生きて償いたいんです」

北斗は涙を流し、嗚咽しながら、被害者遺族に頭を下げました。

公判最終日、北斗に判決が言い渡されます。

「被告人を無期懲役に処す」

最終回の感想

ここからまた、北斗の新たな人生が始まるのですね……。
まだ21歳だから、長い長い人生が待っています。

北斗には力を貸してくれる高井弁護士もいるし、富岡さんも、明日実さんもいます。だけど、実の母親が最後に言ったように、これからは「ひとりで」強く生きていかなければ……しっかりと地に足をつけて。

こんなふうに北斗によりそってドラマを見てきたから、つい北斗を応援したくなる気持ちになってしまうけれど、現実にはそんな簡単なことではないと思います。

罪を犯した人や、他人を傷つけたり欺いたり、あるいは家族や自分に酷いことをした人間を「許せない」と思うのは当然だし、自然な気持ちではあるんだけど、許せない人間=死んでもいい人間ではない、と思いました。

北斗は、実の母親の自分に対する本当の気持ちを聞くことができて、やっと、自分自身の胸の奥にしまった本心と向き合うことができました。

私自身もなかなか家族には本音を言えない部分がありますが、親子だからこそ、素直な気持ちを言葉に出して伝えなければいけないことが、たくさんあると思います。

そんなことを、考えたドラマでした。

こんなに重たい大変な役を演じきった中山優馬さん、お疲れさまでした。
これからの活躍が期待されますね。

松尾スズキさんや宮本信子さんほか、脇を固めた俳優陣も素晴らしかったです。
こういう本気ドラマを作ってくれるから、WOWOWは好きなんですよね。

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