「宮沢賢治の食卓」第2話感想|今までにない新しい賢治

連続ドラマW 宮沢賢治の食卓

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「宮沢賢治の食卓」第2話が放送されました。

今回の賢治は、教師になって嬉しくてしょうがない、という感じ。
やる気や喜びが全身から溢れていましたね!
それにしても、この時代に「テーブルがない」というのは驚きでした(笑)

第2話「夢のシチュウビーフ」ネタバレ

大正10年12月。稗貫農学校の教師になった宮沢賢治(鈴木亮平)は、陣羽織を仕立て直した鹿革のジャンパーと長靴という格好で出勤します。

張り切る賢治でしたが、勘助(犬飼直紀)をリーダーとする生徒たちは「東京帰りの質屋の息子」である賢治を受け入れず、反発します。

賢治は、生徒たちに「人は、楽しんで面白がって初めて知識を自分のものにできるんです」と伝え、「トマトを作ることから始めましょう」と提案します。

しかし、裏の畑には誰もやってきません。それどころか、勘助たちによって、せっかく耕した畑を荒らされてしまいます。生徒を叱らず、笑ってすませる賢治。

賢治は、妹・トシ(石橋杏奈)の同僚で花巻高等学校の音楽教師、藤原嘉藤治(山崎育三郎)と知り合い、生徒とうまくやっていくためには、ひとりひとりの事情を知っておくことだと助言を受けます。さっそく、「生徒学籍簿」を借りてきて読みふける賢治。

生徒たちに西洋料理の食事のマナーを教えようとする賢治でしたが、当時、テーブルはまだ普及しておらず、賢治の家にもありませんでした。

賢治は自作のテーブル=ちゃぶ台を作り、「これを囲んで食事をすれば、わが家の食事の時間も楽しくなる」と提案しますが、父・政次郎(平田満)に「楽しくする必要などない。食事の時間は食事に専念すればいい」と一蹴されてしまいます。

勘助が銭湯で盗みを働き、警察に突き出されます。賢治は土下座して「私が誓って正しい道を歩かせて、立ち直らせて見せますから」と謝罪します。

帰り道、賢治は勘助に「今日から君と僕は、兄弟になりませんか」と言います。「困ったことがあったら何でも言いなさい。悪い心が生まれそうになったら、兄貴の僕を思い出して、必ずねだりに来なさい」

賢治の思いに触れた勘助は、泣きながら「すみませんでした」と謝ります。勘助を抱き締める賢治。

賢治は西洋料理のマナー実習として「花巻精養軒」へ行き、生徒たち全員にシチュービーフを食べさせます。「うめえ、うめえ」と喜んで食べる生徒たち。デミグラスソースの決め手はトマトだと、賢治は生徒たちに教えます。

しかし、賢治の風変わりな授業は、小作農が多い生徒たちの親からは「金持ちの道楽」と見られ、政次郎からも「贅沢な味なんか覚えさせてどうする。おまえがやっていることは偽善だ」と言われてしまいます。

落ち込んだ賢治は「畑を休む」と言います。トシは「生徒は、先生のそういういい加減な態度をちゃんと見てますよ。もっとがむしゃらになってくださいよ。それができないなら、教師やめてしまったらいかがですか」と賢治を怒ります。

賢治は母・イチ(神野三鈴)から、トシが病気のために復職を諦めたこと、賢治に自分の夢を託そうと、稗貫農学校の教師になれるよう計らったことを聞きます。

トシの思いを知った賢治は、「医者の言うことなんて信じなくていい。トシさんは治るんです。丈夫になって、教師に戻るんです。トシさんは必ず、自分で夢を叶えるんです」とトシに言います。

涙を流すトシに、「元気になるまでの間は、僕がトシさんの夢を預かります」と笑う賢治。

賢治は、生徒たちの前で「収穫祭」の計画を話して聞かせます。「強制はしません。でもせっかくこの世に生まれたんです。楽しんだり、面白がったりしないと、もったいないじゃないですか」

今日もまた、ひとりで裏の畑を耕す賢治。すると、鍬や道具を手にした勘助や生徒たちが現れます。「赤いしゃっぽのトマト、おらも作ってみてえからさ」
それは、賢治が夢見ていたユートピアを築くための、最初の一歩でした。

嘉藤治に収穫祭の話をしようと花巻高等学校を訪ねた賢治は、女学生たちに見つかり、大騒ぎに。不審者と間違われた賢治は、小学校教員のヤス(市川実日子)に「ここは関係者以外男子禁制ですよ!」と箒で殴られてしまいます。

賢治が生涯にただひとり、本当の恋をした人との出会いでした。

原作では?

生徒たちにトマト作りを提案する場面、嘉藤治先生との出会いの場面、銭湯で盗みを働いた生徒に「兄弟になりませんか」と語りかける場面などが、原作のエピソードから使われていました。

第2話「夢のシチュウビーフ」感想

今回も、笑ったり泣いたり、あっという間の1時間でした。
教師になってテンション高めの賢治を、鈴木亮平さんが力一杯演じていたのが良かったです。

これまでの宮沢賢治は、白黒写真の静かなイメージ──教科書に載る物語を書いた“偉人”という、崇高な堅いイメージが多かったのですが、このドラマの賢治はまったく違いますね。
好奇心旺盛で、落ち着きがなくて(笑)
色で例えると、ものすごくカラフル。

原作者の魚乃目三太さんは、実際に岩手に取材に行き、賢治の孫の宮沢和樹さんと会って話を聞かれたそうです。和樹さん曰く、賢治は「皆さんが思っているような聖人ではなく、もっと気さくでちょっと変わった人だった」そうです。
それを聞いて、「フーテンの寅さんのイメージができて」と、魚乃目さんはインタビューで語っています。

賢治が亡くなってから80年以上も経ち、残された作品や手紙を繰り返し読んで想像するしかなかったのですが、このドラマでまた新しい賢治に出会えたような気がします。
これを機に、賢治の隠れた一面が取り上げられ、新たな賢治像が世界中に広まるといいなあ……と思います。

今回は、賢治の甘いところ、世間知らずの“お坊ちゃん”な部分が少し出ていましたね。
賢治にとって父・政次郎さんは、怖い父親であると同時に、人生の先輩であり、適わない存在であり、甘えたい人でもあったのではないでしょうか。

賢治が思い描く“理想郷”を実現するのは、現実にはとても難しいのだけど、それでも「せっかくこの世に生まれたんだから、楽しんだり面白がったりしないともったいない」という意見には賛成です!

新しい賢治の喜びや悲しみを、私も一緒に感じたいと思います。


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