どうも、夏蜜柑です。
NHK・BSプレミアム日曜夜10時「歪んだ波紋」のあらすじと感想です。
はぁぁ~~やっとスッキリしました!
政彦と桐野が互いの意見をぶつけあう山場のシーン、すごく面白かったです。ぼんやりしているように見えた政彦にも譲れない正義があったんですね。
見応えのある社会派ドラマでした。
この記事の目次
最終回「波紋の行方」のあらすじ
三反園(松山ケンイチ)の母親が交通事故に遭い危険な状態に。東京を離れることができなくなった三反園は、アンデソン取材のため韓国へ向かう桐野(筒井道隆)にカメラマンの徳田を同行させる。
相賀(長塚京三)は赤西峰子が出入りしていた闇金の元社員・蒔田哲の居所が掴むが、警察が重要参考人として指名手配した直後、蒔田は遺体となって発見される。
三反園は韓国から送られてきたアンデソン単独取材の記事をサイトに公開。瞬く間に大反響を呼ぶが、政彦のもとに美沙(山口紗弥加)が駆け込んでくる。
ファクトジャーナルが公開した記事と写真は、7年前の週刊誌に掲載されたものとそっくりだった。そこへ吾妻(勝矢)が現れ、「ヴァーチャルエステイト」という集団について話す。
政彦と美沙はファクトジャーナルへ行き、「ヴァーチャルエステイト」が新聞、テレビ、雑誌などの信用を落とすために活動を行っている集団であることを三反園に説明する。メンバーには桐野、徳田、安田の名前があった。
アンデソンの記事は、桐野が捏造したものだった。政彦は桐野に呼び出され、2人きりで会う。安田を「ヴァーチャルエステイト」に引き入れたのも、「メイクニュース」を作ったのも、桐野だった。
桐野は捏造記事をばらまくことで、レガシーメディアだけでなくネットメディアも壊し、新しい時代の情報社会を作り上げようとしていた。
政彦は桐野の正義を「歪んでいる」と否定する。桐野が連絡したのは政彦を「ヴァーチャルエステイト」に誘うためだったが、政彦の考えを聞いて断念し、去っていく。
相賀は桐野を〝怪物〟にしたのは自分たちかもしれないと後悔を口にする。政彦が「現場にいたい」という理由でデスク昇進の話を断ったと聞き、喜ぶ相賀。
退院した敦子は政彦と会い、誤報がきっかけで新神奈川日報を読むようになったと語る。初めて地方紙にふれ、新鮮さを感じたと言う敦子。敦子の笑顔を見た政彦は安堵する。
政彦と早百合は小学校を訪れ、息子が作った学級新聞を見に行く。
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最終回の感想
桐野の歪んだ正義
メイクニュースを作ったのは、やっぱり桐野でした。
目的は、レガシーメディアの信用を落とすため。
「正しさよりも面白さ。人の役より自分の役に立つ情報がすべてを支配する。俺たちはそんなネットメディアすらも壊したいんだ。そうして初めて情報はフリーになる」
「一度落ちた人間は、二度と救われないのが今の日本なんだ。こんな仕組みに成り下がった社会なんてな、壊れていいんだ。壊さなきゃいけないんだ」
桐野の頭の中には、理想とする情報社会の絵が出来上がっているのでしょうか。今のメディアや社会を否定するばかりで、その理想を具体的に表現する言葉がなかったのが残念でした。
政彦が「あなたの持ってるひとつひとつの正義感が許せないんです。歪んでると思いませんか?」と言っていたけど、ほんとその通りですね。
でも、桐野の言っていることがわからないわけでもなかった。
壊れればいいとは思わないけど、考えなければならない問題が多いことは確か。
まとまりに欠けたのが残念
扱っている題材は興味深いし、ひとつひとつのエピソードは面白かったのですが、大きなストーリーとしてのまとまりには欠けていました。
桐野のメイクニュース事件がメインストーリーにはなっていたものの、途中で別のエピソードが入ってくるたびに頭を切り替えたり話を思い出したりするのが正直しんどかったです。
それらが最終的にひとつのストーリーとして収束されればいいんだけど、それぞれ別の話で、しかもメインと同じくらい重みがあるから混乱してしまうんですよね。
要するに、
- メイン+軽めのサブストーリー
- 一話完結+メインストーリー
- 複数のストーリーが最終的にひとつになる
いずれかの形になっていたら、もっと物語に入り込めたと思うのです。
最終回も、メイクニュース事件がしばらく放置された後だったので、「あっ、やっぱりまだ終わってなかったんだ」という印象が強くて、今さら感が否めませんでした。
原作は短編集なので、仕方ないんですけどね。結果論になるけど、原作どおり短編を順番に見せていく構成じゃダメだったのかな~。