海外ドラマ「イエローストーン」シーズン5(全14話)についてまとめました。
モンタナ州の広大な牧場を舞台に、ダットン家が土地と家族を守ろうとする姿を描いたネオ・ウェスタンドラマの第5シーズンにして最終章。
2018年に放送が始まり、ケヴィン・コスナー演じる牧場主ジョン・ダットンを中心に、政治、経済、文化、そして先住民との歴史的な対立が複雑に絡み合う物語が展開されます。
シーズン4で州知事選への出馬を決意したジョン・ダットン。見事当選を果たした彼は、空港建設の中止に動き出します。
しかし、開発業者マーケット・エクイティーズは新たな刺客を送り込み、物語はさらに波乱の展開へと突き進んでいきます。
シーズン4はこちら↓

作品概要
- 放送局:WOWOW
- 放送時間:2025年5月1日(木)から毎週22:45~ほか
- 製作国:アメリカ(2024年)
- 原題:Yellowstone
- 企画:テイラー・シェリダン/ジョン・リンソン
- 製作総指揮:テイラー・シェリダン/ジョン・リンソンほか
あらすじ
自然が豊かなモンタナ州のイエローストーン一帯。広大なダットン牧場を持つジョンには、次男ジェイミー、長女ベス、先住民のモニカと結婚した三男ケイシーという3人の子どもがいるが、牧場の土地を狙う開発業者と激しい争いを繰り広げていた。前シーズン、ダットン家は謎の一味に襲われるが、ついに襲撃の黒幕を突き止めた。一方、ジェイミーがモンタナ州知事の座を目指す中、意外にもジョンが州知事選挙に立候補することに。
WOWOW公式サイトより
新シーズン、ジョンは州知事選挙で当選し、就任式で空港建設や宅地開発の中止を宣言するが、ダットン家ではある悲劇的な事故が起きてしまう。また土地を狙う開発業者マーケット・エクイティーズはジェイミーの不満を利用しようと、新たな刺客を呼び寄せる……。
予告動画
登場人物(キャスト)一覧
※シーズン4までのネタバレを含みます
ダットン家

ジョン・ダットン(ケヴィン・コスナー/声:原康義)
モンタナ州のイエローストーン国立公園に隣接する広大な牧場の経営者。普段は理性的だが怒らせると常識が通用せず、誰にも止められなくなる。先祖代々の土地を守るため先住民や開発業者と戦う一方で、子供たちとの関係に悩んでもいる。シーズン4で州知事選に出馬することを決断した。

ジェイミー・ダットン(ウェス・ベントリー/声:赤坂柾之)
ダットン家の次男。弁護士。ジョンの不正を暴く記事を出そうとした記者サラを殺してしまい、リップとともに隠蔽した。
シーズン3で司法長官に就任。自分が養子であることを知り、実父で殺人犯のギャレット・ランドルと新たな家族を築こうとしたが、ベスに脅されて自らの手で実父を葬ってしまう。

ベス・ダットン(ケリー・ライリー/声:加藤美佐)
ダットン家の長女。気が強く、仕事ができ、毒舌をふるう金融家。ジョンの土地を守るために投資会社〈シュワルツ&マイヤー〉を立ち上げたが、マーケット・エクイティーズに買収されてしまう。
リップとは子供の頃から深い絆で結ばれ、シーズン4で結婚した。少女時代に不妊手術を受けさせたジェイミーを憎悪しており、彼の弱みを握って支配しようとする。

ケイシー・ダットン(ルーク・グライムス/声:清水裕亮)
ダットン家の三男。元軍人。ジョンの反対を押し切って先住民のモニカと結婚した。以来ジョンとは疎遠になっていたが、牧場に戻ってジョンの後を継ぐことに。シーズン3で家畜協会の理事に就任した。
シーズン4の襲撃事件をきっかけに牧場を離れることを決め、モニカ、テイトとともに居留地近くの新しい家に引っ越した。

モニカ(ケルシー・アスビル/声:吉元里謹)
ケイシーの妻。先住民。争いを嫌う心優しく聡明な女性。紆余曲折のすえ、ケイシーとともに親子3人で牧場暮らしを始めるが、暴力で問題を解決することが正義と信じているダットン家に嫌悪感を強めていった。シーズン4でケイシーとともに牧場を離れ、新しい家で暮らし始める。現在妊娠中。

テイト(ブレッケン・メリル/声:小林さとみ)
ケイシーとモニカの息子。シーズン4で母モニカを救うために襲撃犯を銃で殺害した。PTSDに苦しむも、新しい家で犬や自然と触れ合い、明るさを取り戻す。
牧場の従業員

リップ・ウィーラー(コール・ハウザー/声:斎藤寛仁)
ジョンの牧場で長年働くカウボーイ。少年時代に母と弟を殺した父親を殺し、逃亡中にジョンと出会って救われた。ジョンに対する忠誠心が厚く、父親のように慕っている。シーズン4で子供の頃から想い続けたベスと結婚したが、彼女が少女時代に不妊手術を受けていることは知らない。

カーター(フィン・リトル)
ベスが病院で出会った少年。父親を亡くし、児童養護施設へ送られるところをベスとリップが引き取った。現在はベス、リップ、ジョンと同居しながら牧場の仕事を手伝っている。

ロイド(フォリー・J・スミス)
リップやジミーと同じく罪人で、「Y」の焼き印を持つ古参のカウボーイ。40年以上ダットン牧場で働いているが、年齢は意外と若い。ベスとリップの結婚式の立会人をつとめた。

ウォーカー(ライアン・ビンガム)
刑務所から仮釈放された日にリップにスカウトされ、「Y」の焼き印を入れられて牧場に雇われた。リップに殺されかけて逃亡するが、シーズン3で捕まり、再び牧場に連れ戻される。シーズン4ではララミーをめぐってロイドと決闘することになったが、最終的に和解した。

ティーター(ジェニファー・ランドン)
シーズン3で雇われたカウガール。口は悪いが乗馬と投げ縄の技術があり、男さながらに働く。同僚のコルビーとはいい雰囲気。シーズン3でリップがウェイド・モローとその息子クリントを殺害するのを手伝い、「Y」の焼き印を受け入れた。シーズン4で一度は解雇されるが、リップとジョンに懇願して再び雇われることに。

コルビー(デニム・リチャーズ)
牧場で働くカウボーイ。アラバマ州バーミンガム出身。シーズン3でリップがウェイド・モローとその息子クリントを殺害するのを手伝い、「Y」の焼き印を受け入れた。ティーターとは深い仲。
リップに命じられて牛を襲ったオオカミを探すが、誤って国立公園のオオカミを撃ってしまう。

ライアン(イアン・ボーエン)
牧場で働くカウボーイ。シーズン3でリップがウェイド・モローとその息子クリントを殺害するのを手伝い、「Y」の焼き印を受け入れた。
コルビーとともにオオカミを始末しに行き、誤って国立公園のオオカミを撃ってしまう。歌手のアビーと惹かれ合う。

ララミー(エデン・ブローリン)
バレルレーサー。牧場に来た当初はロイドにべったりだったが、ウォーカーが現れて彼に乗り換えた。
先住民

トーマス・レインウォーター(ギル・バーミンガム/声:安原義人)
先住民居留地の新首長。ジョンから先祖の土地を奪い返そうとする野心的な男。ジョンの牧場の隣にカジノを建設する計画を進めているが、エクイティーズ社に差し止められてしまう。
空港建設で居留地の先住民の雇用を増やす予定だったが、建設中止により白紙になり、反発を買うことに。

モウ(モーゼス・ブリングス・プレンティ)
トーマスの運転手兼ボディガード。部族警察の警部補でもある。

アンジェラ・ブルー・サンダー(クオリアンカ・キルヒャー)
トーマスに雇われたビジネス・コンサルタント。大統領の下で先住民問題を担当している。予測不能な行動でトーマスを振り回す。
開発業者

キャロライン・ワーナー(ジャッキー・ウィーヴァー)
投資会社マーケット・エクイティーズの取締役会長。イエローストーンに空港とスキーリゾートを建設しようとしている。シーズン4でベスをモンタナ支社長として雇い入れたが、彼女の裏工作を知って解雇した。
シーズン5ではジョンが知事に就任したことで開発中止の危機に追い込まれ、サラ・アトウッドを呼び寄せて打開策を探る。

エリス・スティール(ジョン・エメット・トレイシー)
投資会社マーケット・エクイティーズの主任顧問。イエロストーンに空港とスキーリゾートを建設する計画を進めていたが、ジョンが知事に就任したことで州の協力を得られなくなり、計画は頓挫する。

サラ・アトウッド(ドーン・オリヴィエリ)
マーケット・エクイティーズ傘下企業の弁護士。キャロラインがダットン家を潰すために呼び寄せた新たな刺客。ジェイミーに狙いを定め、誘惑する。
そのほか

ライネル・ペリー(ウェンディ・モニツ)
モンタナ州知事。シーズン1ではジョンと関係を持っていたが破局。シーズン4で上院選出馬を決断し、後任の知事にジェイミーを推薦しようとしていたが、ジョンに説得されて彼を支持することに。

サマー・ヒギンズ(キャサリン・カニンガム)
環境活動家。これまでの活動で何度も逮捕されており、多数の前科がある。家畜教会の前で抗議したことがきっかけでジョンと出会い、深い関係に。その後、ベスの罠にはまって空港建設地で抗議活動を行い、警官への暴行罪で数十年の懲役刑を宣告された。

アビー(レイニー・ウィルソン)
カントリー歌手。ジョンの州知事就任パーティーでライアンと出会い、惹かれ合う。

ギャレット・ランドル(ウィル・パットン)
ジェイミーの実父。ジェイミーの母を殺した殺人犯。居場所を失ったジェイミーに「王を殺して帝国を乗っ取れ」と助言していた。シーズン4で、服役囚のテレル・リギンズを雇ってダットン家を襲撃させた黒幕であることが判明。ジェイミーにより射殺された。

クリスティーナ(キャサリン・カニンガム)
シーズン1~2でジェイミーの選挙活動をサポートしていた女性。ジェイミーと恋仲になり彼の子どもを妊娠するが、ジョンと牧場のことをよく思っておらず、ジェイミーとは破局した。シーズン4で、出産した息子を連れてジェイミーの前に現れた。

トラビス(テイラー・シェリダン)
ジョンが信頼を置くテキサスの調教師。リップの20年来の友人でもある。シーズン4でジョンが馬を購入する際に協力した。

ジミー(ジェファーソン・ホワイト/声:藤井雄太)
シーズン4までジョンの牧場で働いていた新米カウボーイ。現在はテキサスのフォー・シックス牧場で働きながら、トラビスのもとで馬のトレーナーを目指している。獣医のエミリーと婚約中。

エミリー(キャスリン・ケリー)
テキサスの獣医。牧場で働くジミーに一目惚れしてデートに誘い、恋人に。その後、婚約した。シーズン4ではジミーと一緒にダットン牧場を訪れている。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
ジョンは接戦を制して選挙に勝ち、モンタナ州知事となる。だがジョンの目的はあくまで牧場の存続であり、モンタナは二の次だった。
就任式のスピーチで、パラダイス・バレーの空港建設と開発への資金提供を取りやめると宣言するジョン。ジェイミーは自分が州知事になれなかった悔しさを口にし、空港建設の中止に異を唱えるが、ジョンに「これからの4年間は俺に従え」と命じられる。
ダットン牧場では就任パーティーが開催され、多くの人が集まる。リップは浮かれ騒ぐ人々を離れた場所から見守り、牧場の未来に不安を抱いていることをベスに明かす。
ミルク・リバーの谷で馬泥棒を捕まえたケイシーは、モニカから陣痛が始まったと聞かされ、急いで彼女のもとへ向かう。モニカは自分で車を運転して息子テイトとともに病院へ向かうが、途中で事故に遭い、ビリングスの病院に搬送される。
翌朝、ジョンとベス、ジェイミーの3人は知らせを受けて病院を訪れる。モニカとテイトは負傷し、お腹の子どもは生まれて1時間で亡くなってしまう。テイトは駆け付けたジョンに、生まれてきた子は弟で、ジョンという名前だったと告げる。
交通事故で負傷したモニカは退院するが、次男を喪った悲しみから立ち直れずにいた。ケイシーは傷ついた彼女に寄り添い、息子を牧場に埋葬することを決める。
ジョンはベスを首席補佐官に任命し、空港建設を阻止するため資金提供や税金還付を中止しようとする。ジェイミーは「訴訟問題に発展する恐れがある」と忠告し、ペリーも政治的解決策を見つけるよう警告する。
しかしジョンとベスは警告を無視して記者会見を開き、パラダイス・バレー開発への資金提供を中止する行政命令を発令させ、その場で署名する。
リップは成長したカーターにカウボーイの仕事を教え始めるが、慣れないカーターは転倒してジョンの馬を負傷させてしまう。リップはその場で馬を撃ち、安楽死させる。
牧場で牛の死骸を見つけたリップは、オオカミの仕業だと推測し、ライアンとコルビーにオオカミを見つけて始末するよう命じる。だが2人は、誤ってイエローストーン国立公園のGPS付きの首輪をしたオオカミを撃ってしまう。
ライアンたちに呼び出されたリップは、首輪を川に流して隠ぺい工作をはかる。
オオカミの件で魚類・野生生物局の役人が牧場を訪ねてくる。川でGPS付きの首輪が見つかったという。オオカミが牧場にいたことはGPSにより明らかだったが、問い詰められたリップは「見ていない」としらを切る。
ケイシーとモニカは亡くなった息子を牧場に埋葬することを決め、先住民の伝統に従うことに。死者の魂をあの世へ運ぶためには馬を一緒に埋める必要があったが、トーマスとモウは「時が来れば神が用意する」と告げる。
ケイシーは家族のために家畜教会の理事を辞めることを決め、ジョンに伝える。
開発中止に追い込まれたM・E社は州を訴え、訴訟問題に発展。エリスとサラはジェイミーのオフィスを訪ねて一芝居うつと、サラは歩み寄る姿勢を見せてジェイミーを誘惑する。
ベスはシュワルツ&マイヤーをM・E社のライバル会社に売却し、土地だけを手元に残して保全地役権を設定する。それによって完全に開発の可能性はなくなり、多額の損失を抱えることになったM・E社は、キャロラインをニューヨークに呼び戻す。激怒したキャロラインは、ダットン家を破滅させるようエリスに言い残す。
ダットン牧場では、ロイドが58歳の誕生日を迎えていた。ベスは観光客が集まるバーにカウボーイたちを連れていき、酒をおごる。だがリップを誘惑する女性が現れ、殴り合いに発展。女性に怪我を負わせたベスは、加重暴行で逮捕される。
留置所に入れられたベスはジェイミーを呼び、被害女性を説得して事件をもみ消すよう命じる。告訴を免れたベスは釈放されるが、留置所からの帰りにジェイミーの車に乗り、彼に子どもがいると知って激高、「子どもを奪ってやる」と宣言する。
ジョンのいる州議事堂に、魚類・野生生物局の担当者と公園のレンジャーが訪ねてくる。彼らはGPSのデータから、ダットン牧場のカウボーイが誤ってオオカミを撃ち、首輪だけ川に流したのではないかと推測していた。
前知事のペリーに環境専門のアドバイザーを雇うべきだと助言されたジョンは、服役中のサマーを知事の権限で出所させ、牧場に住まわせることに。
ケイシーとモニカはトーマスたちの手を借りて、亡くなった息子を牧場に埋葬する。伝統的な儀式により、リップが数日前に安楽死させたジョンの馬が隣に埋められることになった。馬が子どもを天国まで運ぶと気づいたリップは、穴を掘るのを手伝う。葬儀に立ち会ったジョンは、自分の弟が早産で亡くなったことを語り、モニカを慰める。
ジェイミーはサラと2人きりで会い、彼女の誘いに乗って性的な関係を結ぶ。ジェイミーを監視していたベスは、隙を見てサラの免許証をスマホで撮影し、彼女の素性を突き止めようとするが、免許証の名前は偽名だった。
子牛に焼き印を押す季節がやってくる。ジョンは焼き印の際に牧場で行う恒例のパーティーを大々的に催し、現代のカウボーイの姿を世間に知らしめようと考える。
ジョンは環境活動家のサマーを家に招いた理由をベスに説明するが、ベスは「最悪の敵を招き入れた」とジョンを非難する。
ジェイミーのオフィスにサラが現れる。ジェイミーはバーでの行為を「不適切だった」と告げるが、サラはいっこうに気にせず、再びジェイミーを誘惑する。
ダットン家の食堂に家族が集まるが、サマーは出された肉料理に皮肉を言い、ベスと険悪になる。2人は母屋の外で殴り合いのケンカをし、ベスが勝利する。ベスは自分たちに敬意を払うよう命じ、同じ分だけサマーに敬意を返すと約束する。
ジョンたちは山中に放牧している牛たちを牧場に連れ帰るため、数日間山へ入ることに。ジョンはサマーを誘うが断られ、秘書のクララを同行させる。ベスとカーター、誘いを受けたケイシーとテイトも加わり、一行は夜明け前に出発する。
ジョンとカウボーイたちは、広大なイエローストーン牧場を横断し、牛の群れを集める。仕事を終えたカウボーイたちは、それぞれの時間を自由に過ごす。リップは結婚式を挙げるために探し出した特別な場所へベスを案内し、2人きりの時間を過ごす。
居留地に軍の特殊部隊が到着し、ある“催し”のために警備を開始する。駆け付けたトーマスとモウは、大統領が国民の支持を得るために、予期せず居留地を訪問することを知る。
ジェイミーはサラとの関係を深め、彼女にのめり込んでいく。サラはジョンを知事の座から引きずり降ろして代わりにジェイミーを就任させ、イエローストーン近郊の開発事業を再開させたいと明かす。ジェイミーは「知事にしてくれたら空港建設を認める」と言い、彼女と手を組むことを決める。
牧場に残ったサマーとモニカは、ジョンたちが帰ってきた日に行うパーティーの準備をする。サマーは牧場の一角にあるダットン家の墓を見て、一族が古くからこの土地に住んでいることを知る。
翌朝、ジョンは古い友人でカウボーイ仲間のエメットが静かに息を引き取っていることに気づく。ヘリを呼んで遺体を運ばせた後、ジョンたちは牛を連れて牧場へ戻る。ジョンはエメットの妻に訃報を伝え、彼女を慰める。テレビ局は撮影した映像を、感動的なシーンとしてニュースで流す。
ニュースを見たジェイミーは「勝ち目はない」とつぶやくが、サラは「正面から戦う必要なんてない」と答える。
過去。若いリップはベスを侮辱したカウボーイを石で殴り、死なせてしまう。ジョンは遺体を「駅」に捨てることを決め、罪を隠す代わりに、牧場に生涯を捧げるようリップに命じる。
現在。トーマスはペリーに呼び出され、居留地の地下に天然ガスと二酸化炭素回収用のパイプラインを通す計画が持ち上がっていることを知らされる。計画に反対の2人は手を組み、会見を開いて意思表示することを決める。
ブルセラ症のバイソンが牧場内に入り込んでいたことが発覚し、南の牧草地が使えなくなってしまう。ジョンは多額の借金を抱えることになるのを承知のうえで、土地を借りて牛を移動させることを決断。
ベスは猛反対するが、ジョンはテキサス北部の土地を借り、リップやライアンらを行かせることに。ライアンが1年も牧場を離れると聞き、恋人のアビーは怒ってしまう。リップと離れたくないベスは、一緒に行くことを決める。
ジェイミーはサラとエリスから、ジョンが自分の土地に安全地役権を設定したことを知らされる。ジョンとベスから何も聞かされていなかったジェイミーは動揺する。
M・E社に訴えられれば、州は40億ドルもの賠償金を背負うことになる。だがサラは、そうなれば知事は弾劾される、とジェイミーにささやく。そしてジョンが辞任した後は、ジェイミーが後任に就けるよう支援する、という。
ジェイミーは、ジョンの弾劾裁判を求める演説の原稿を準備する。
過去。ジョンとリップは死んだカウボーイの遺体を「駅」に遺棄する。ジョンはリップがベスと深い関係にあることを知る。リップは生涯牧場に尽くすことを誓い、「Y」の焼き印を受け入れる。
現在。リップ、ウォーカー、ライアン、ティーター、ジェイクの5人は、牛とともにイエローストーンを発ち、テキサスへ向かう。ジョンは牧場の経営をケイシーに託し、州知事の仕事に戻る。
ペリーとトーマスはパイプラインの建設計画に反対するため、居留地で会見を開く。ジョンも会見に出席するが、その最中にジェイミーが緊急議会を招集し、ジョンの弾劾裁判を州議会に提案。議案は可決されてしまう。
激怒したベスはジェイミーの家に乗り込み、司法長官を辞任しなければ例の写真を保安官に見せると脅す。ジェイミーは、ダットン家がこれまで土地を守るために数多くの敵を葬り、その遺体を「駅」と呼ばれる辺境の場所に遺棄してきたことをベスに教える。ジェイミーが実父を殺害し、その遺体を遺棄してベスに写真を撮られた場所こそ、「駅」だった。
ショックを受けたベスはジョンのもとを訪ね、「駅」について問い詰める。ジョンは「土地を守るためにやってきた。今後も同じだ」と言う。ベスはジェイミーを「駅」に葬るべきだと話す。
ベスの報復を恐れたジェイミーは、“プロ”に仕事を頼みたいとサラに相談する。サラは事故死に見せかけて殺害する“組織”を知っていると言い、仲介を買って出る。
公聴会当日の朝、警察によって知事公邸が封鎖される。駆け付けたベスとケイシーは、ジョンの身に何かが起こったと察し、制止を振り切って公邸に入る。そしてジョンの遺体をまのあたりにする。
ジェイミーは記者会見を開き、ジョンの死が自殺だったことを報告する。ベスはジェイミーの仕業だとケイシーに告げ、テキサスの牧場にいるリップに電話する。ベスから事情を聞いたリップはすぐにモンタナへ向かう。
6週間前。ケイシーとモニカ、テイトの3人は、イースト・キャンプの古い家を見に行く。家を気に入った3人は、そこに住むことを決める。
サラは殺しを請け負う「組織」に接触し、ジョンを殺害する方法について話し合う。組織は自殺を装うのが自然だとサラに説明し、すでに手配済みだと告げる。
リップたちはテキサスのフォー・シックス牧場に到着し、かつての仲間ジミーと再会する。リップは年老いた伝説の職人に会い、彼が作った貴重な拍車を譲り受ける。
現在。帰宅したジェイミーは、ジョンの死を嘆き悲しむ。サラは彼の反応に驚き、「あなたが望んだことよ」と告げる。何も知らされていなかったジェイミーは、サラの仕業だと知って動揺する。
ケイシーは州警察のディラードに連絡し、ジョンが殺されたときの防犯カメラ映像について確認するが、カメラはジョンが殺される3分前に電源が落ち、映像は残っていなかった。
ベスはジェイミーが誰かに依頼してジョンを殺させたのだと確信し、ジェイミーを殺す手段を考えよう、とケイシーに持ち掛ける。
リップはテキサスから戻り、号泣するベスを抱きしめる。
ジョンの死の6週間前。フォー・シックス牧場でテント暮らしをしていたリップたちは、ガラガラヘビの対応に苦慮していた。ベスは車を飛ばしてテキサスへ向かい、リップと再会する。ケイシーとモニカ、テイトの3人は、イースト・キャンプの古い家を修繕し、引っ越しの準備を進める。
現在。リップは塞ぎ込んでいるカーターを慰め、「お前の家はここだ」と告げて元気づける。サマーは自宅軟禁がウソだったことをベスから知らされ、牧場を出ていく。リップは彼女を空港まで送り届ける。ケイシーはテイトに「牧場を継ぎたいか」と聞くが、テイトはわからないと答える。
ベスはジェイミーのオフィスを訪ねて詰め寄るが、ジェイミーは何も言わず、ベスの目を見ることもできなかった。彼のおびえた態度から察したベスは、ケイシーに電話し、ジェイミーがジョンを殺した犯人だと伝える。ケイシーは動揺しつつも行動を起こし、戦友に電話してジョンを暗殺した組織を調べてほしいと依頼する。
ジェイミーとサラ、エリスの3人は、牧場の土地について話し合う。ジェイミーはすぐにリースを復活させると断言し、1年後には空港建設を再開させると約束する。
ジョンの後任として、スティーブン・ローリングスがモンタナ州知事に就任する。スティーブンとジェイミーは、ジョンが行ったリース契約の取り消しを無効とし、開発を再開させることで合意する。
土地を収用して開発の主導権を握ろうとする2人に危機感を覚えたペリーは、モンタナが観光と不動産に頼りきりになる将来を懸念し、「ジャクソンホールの二の舞になる」と警告する。ジョンの秘書クララは新知事に従うことを拒み、秘書の職を辞退する。
ケイシーは検視局を訪れ、監察医に再検査を要請する。検死に立ち会ったケイシーは監察医とともに他殺の可能性を探り、拘束された痕跡や引きずられた傷跡を発見する。また、凶器の銃はケイシーがジョンからもらったもので、家畜教会のオフィスに保管されていたものだった。
ケイシーは依頼人をあぶり出すため、ジョンの死が殺人事件であることと、警察の捜査が再開されることを大々的に発表させる。ケイシーに問い詰められたジェイミーは、事件への関与を完全否定する。
新知事のスティーブンは、土地のリース契約を復活させ、対象の土地を収用することを発表。さらにジェイミーが土地収用に関与することを禁じ、ジョンの捜査からも除外する。
ベスはトーマスと土地の未来について話し合う。牧場と家族の間で揺れるケイシーは、モウから「選ぶのではなく運命に身を任せればいい」と助言される。
捜査が再開されることを知ったサラは焦り、ジェイミーと口論になる。サラが家を出た後、ジェイミーは電話で謝罪するが、サラは車内で通話中に射殺されてしまう。
ダットン牧場のカウボーイたちは、今後の身の振り方について考え始める。リップは牧場を救うために牛と馬を売ることを決め、テキサスで育てた馬を高値で売却するようトラビスに依頼する。トラビスからジョンの死を知らされたジミーはショックを受ける。
サラの死を巡り、警察はジェイミーから事情を聴く。彼の態度に疑念を抱いた刑事たちは、家宅捜索の令状を取得する方針を示す。ジェイミーはサラの荷物から証拠となる書類を探し出し、急いでシュレッダーにかける。
カーターはひとりで馬房に入り、暴れる馬に襲われそうになる。通りがかったコルビーがカーターを救出するが、コルビーは馬に踏みつけられて命を落とす。自分を責めるカーターに「誰も悪くない」と告げるベス。リップは「俺の責任だ」と罪悪感に苦しむ。
コルビーの死は、テキサスにいたカウボーイたちにも伝えられる。親友を失ったライアンと恋人を失ったティーターは嘆き悲しむ。カウボーイたちは牛を連れてモンタナへ戻る。
ケイシーはジョンを暗殺した組織を突き止め、黒幕であるグラント・ホートンのもとへ向かう。ホートンの娘に銃を突き付けて脅迫し、ダットン家の安全を約束させて解放する。
ベスは牧場維持のため、馬や設備のオークションを開催することを決意。リップはその決断に戸惑いながらも、ベスの指示に従い準備を進める。カウボーイたちが就職先を探す中、リップはロイドに「残ってほしい」と告げ、ロイドは快く応じる。
テキサスにいる馬をトラビスが売ると知り、ベスはテキサスへ向かう。彼の型破りな手法に呆れつつも、300万ドルという高値で馬を買い取らせる姿に感心し、モンタナでのオークションにも協力してほしいと依頼する。
マーケット・エクイティーズ社に警察が踏み込み、サラ・アトウッドのオフィスを捜索。サラとの関係や土地開発計画への関与をメディアに暴かれたジェイミーは、元恋人であり息子の母でもあるクリスティーナに助けを求める。彼女は全ての罪をサラに押し付け、自身の潔白を主張する記者会見を開くよう助言する。
ライアンやティーターたちが牛を連れてテキサスから帰還する。ロイドからコルビーの帽子を形見として渡されたティーターは、悲しみに暮れる。
ベスはモンタナに戻り、オークションを盛大に開催する。馬、牛、設備などが次々と売られ、約3000万ドルを調達。だが、それでも牧場を維持できるのはわずか1年にすぎない。
ケイシーは、牧場を安く売ることで税金を減らすという、逆転の発想をベスに伝える。
モウと居留地の仲間たちは夜間、馬でパイプラインの建設予定地へと乗り込み、建設資材を川へ投棄する。トーマスは、世間の注目を集めることで土地の破壊を阻止しようと考えていた。
牧場のオークションが終わり、ジミーとトラビスはテキサスへと帰っていく。ティーターはトラヴィスのもとで働くことを決意し、1週間後にテキサスで再会する約束を交わす。
ベスはリップに、街から離れたディロンの牧場を購入したことを告げる。翌朝、彼女は葬儀社からの連絡を受け、父ジョンの埋葬を決意する。リップはカウボーイたちに墓掘りの協力を求め、一族が眠る墓地で静かな準備が始まる。
一方、ケイシーはトーマスを呼び出し、相続税の支払いが困難であることを打ち明ける。そして、牧場を1エーカーにつき1ドル25セントで譲渡する意向を示す。条件は、自分たち家族がイースト・キャンプに住み続ける権利と、土地を決して売却しないこと。トーマスは「神聖に扱う」と誓い、その譲渡を受け入れる。
ジョンの葬儀には、ベスとリップ、ケイシー一家、ペリー、トーマス、そしてカウボーイたちが参列する。ベスは別れの言葉の代わりに「父さんの恨みは晴らす」と誓い、ジェイミーの家へと向かう。その目的に気づいたリップは、急いで後を追う。
ベスはジェイミーと激しく争うが、牧場の土地が居留地に譲渡されたことを知ったジェイミーは激怒し、ベスを押さえつけて首を絞め、殺そうとする。そこへリップが到着し、ベスを救出する。ベスはリップの助けを借りてジェイミーを刺し殺し、父との約束を果たす。
その後、リップとロイドはジェイミーの遺体を“駅”に捨て、彼の車を燃やす。ベスは警察に通報し、ジェイミーとサラがジョン殺害に関与していたことを暴露する。後日、ジェイミーは加重暴行および家庭内暴力の容疑で訴追され、政治生命を失う。
カウボーイたちは牧場を去っていく。ライアンは別れた恋人アビーのライブを訪れ、彼女と再会して関係を取り戻す。ケイシーはイースト・キャンプに残り、家族3人で小さな牧場を営むことを選ぶ。ベスとリップ、そしてカーターの3人も、ディロンの牧場で新たな生活を始める。
140年の歴史を持つダットン牧場は、ブロークンロック居留地へと譲渡され、ついに先住民の手に戻ることとなった。