Netflixで配信中の韓国ドラマ「あなたが殺した」(全8話)についてまとめました。
DVに立ち向かう2人の女性の勇気と絆を描いたサスペンスヒューマンドラマ。
原作は奥田英朗さんの小説『ナオミとカナコ』で、物語の舞台を韓国に置き換え、現代の社会問題に向き合う内容として新しく作り直されています。
夫からの暴力に耐えるヒスと、彼女を救いたいと願うウンス。2人はついに「夫を殺す」という決断を下します。しかし、計画は思い通りには進まず、次々と予期せぬ出来事が2人を追い詰めていきます。息をのむ展開と、心に残る人間ドラマが魅力。
※この記事は随時更新中です。各話視聴後、加筆修正します
Contents
作品概要
- 製作国:韓国(2025年)
- 配信開始日:2025年11月7日(Netflix)
- 原題:당신이 죽였다/As You Stood By
- 原作:奥田英朗『ナオミとカナコ』
- 脚本:キム・ヒョジョン
- 監督:イ・ジョンイム
あらすじ
幼少期に家庭内暴力を経験した百貨店勤務のチョ・ウンス(チョン・ソニ)と、夫ジンピョ(チャン・スンジョ)からの凄惨なDVに苦しむ元童話作家チョ・ヒス(イ・ユミ)。
ヒスの苦しみに気づいたウンスは、彼女を守るために「夫を殺そう」と提案します。2人は慎重に計画を立て、不法滞在中の中国人青年チャン・ガン(イ・ムセン)にも協力を依頼。
ところが、思いがけないトラブルが次々と起こり、計画は少しずつ崩れていきます。2人はそれでも前に進もうと、必死に行動を続けていきます。
予告動画
原作について
このドラマの原作は、奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』(2014年刊行)です。
百貨店に勤めるキャリアウーマンの直美と、DV被害に苦しむ親友・加奈子が、加奈子の夫を殺して自由を手に入れようと“完全犯罪”を企てるサスペンス。
2人は綿密な計画を立てて実行に移しますが、思わぬ綻びが生じ、次第に追い詰められていきます。女性同士のつながりと葛藤、暴力と正義の境界、そして罪を犯す者の心理が緊張感のある描写で描かれています。家庭内暴力という社会問題を背景に、「本当の正しさとは何か?」を問いかける作品。
2016年にフジテレビでドラマ化され、広末涼子さんと内田有紀さんが主演を務めました。
登場人物(キャスト)一覧
チョ・ウンス(チョン・ソニ)
ラビエ百貨店の外商部に勤務する従業員。高校時代からの親友ヒスが夫の暴力に苦しんでいることを知り、彼女を救うために共に殺害計画を立てる。ウンス自身も、幼少期から父親による家庭内暴力を目の当たりにしており、高校生のときには母を助けられなかった罪悪感から自殺を図ろうとした過去を持つ。そのとき、彼女を救ったのがヒスだった。
チョ・ヒス(イ・ユミ)
ウンスの高校時代からの親友。美術の才能に恵まれ、絵本作家として活躍していたが、ジンピョとの結婚を機に創作の道を絶たれる。ジンピョから日常的に暴力を受けながらも、誰にも助けを求めることができず苦しみ続けていた。暴力の支配から抜け出すための、ウンスと共に夫を殺すという決断を下す。
ノ・ジンピョ(チャン・スンジョ)
ヒスの夫。アルファ投資証券の副支店長。表面的には真面目で優しい好人物だが、完璧主義で暴力的な本性を持つ。ヒスを監視し、暴力で支配する。
チン·ソベク(イ・ムセン)
陳剛商会の社長。ウンスが勤務する百貨店で高価な時計を盗み、取り戻しに来たウンスと対峙して以来、親交を持つようになる。
チャン・ガン(チャン・スンジョ)
陳剛商会の従業員。ジンピョにうりふたつの中国人。密入国でパスポートがなく、不法滞在している。ウンスから提案を持ちかけられ、大金と引き換えにジンピョのパスポートを使って中国に帰国する。
パク・ケスン(キム・ミギョン)
ウンスの母。夫からの暴力に長年苦しんでいる。ウンスが高校生のとき、ベランダから飛び降りようとしたことがある。
チョ・ジョンナム(キム・ウォネ)
ウンスの父。公務員。昔からケスンに暴力を振るっている。
チョ・ウニョク(イ・ヒョンジュン)
ウンスの弟。子どもの頃はウンスに守られていたため、父のDVに気づいていない。
コ・ジョンスク(キム・ミスク)
ジンピョの母。
ノ・ジニョン(イ・ホジョン)
ジンピョの妹。警察官。
キム・デチョル(チェ・ヨンジュン)
ウンスが通う「カンチョル柔術道場」のコーチ。
キム・ミギョン(ソ・ジョンヨン)
ジンピョの顧客で、ラビエ百貨店のVIP顧客。画家として活動しており、還暦までに個展を開くのが夢。
ソニョン(イ・ジニ)
ヒスとジンピョが住むマンションの階下(1401号室)の住人。ヒスがDV被害に遭っていることに気づき、手を差し伸べようとする。
ヒョンジ(キム・ジュア)
ソニョンの娘。
クォン・ソンチョル(ミン・ソンウク)
ラビエ百貨店のVIP顧客。中堅企業を経営者で、高級住宅地に住んでいる。
カン・ヒヨン(ハン・スヨン)
ソンチョルの妻。夫から継続的に暴力を受けている。夫婦で百貨店を訪れた際、ウンスに助けを求める。
チェ・ギョング(チョ・ハンジュン)
警察官。ジニョンの後輩。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
ラビエ百貨店の外商部に勤めるチョ・ウンスは、売り場から姿を消した高級腕時計の行方を追い、陳剛商会の社長チン・ソベクのもとを訪ねる。ソベクは時計を持ち去ったことを認めながらも、購入の意思は曖昧なままはぐらかす。ウンスは一歩も引かず交渉を重ね、最終的にソベクに代金を支払わせることに成功する。ソベクは彼女の粘り強さに興味を抱き「うちで働かないか」と誘うが、ウンスは即座に断る。
その後、ウンスは母ケスンの誕生日を祝うため実家を訪ねるが、父ジョンナムの支配的な態度と母の様子に不穏な空気を感じ取る。翌朝、両親の寝室で父が母を殴る現場を目撃したウンスは、父を警察署へ連れて行き自首を促すが、父は暴力を否定し開き直る。ウンスの脳裏には、高校時代に母が自殺を図ったあの日の記憶がよみがえっていた。
親友ヒスの様子が気になったウンスは彼女の家を訪ねるが、ヒスは居留守を使い、電話にも出ようとしない。不審に思ったウンスが暗証番号を押してドアを開けると、ヒスの顔には大きなあざがあり、家庭内暴力の被害が明らかとなる。ウンスはヒスの代わりに警察署を訪れるが、告発には至らず、柔術道場での稽古中に感情を爆発させて出入り禁止を言い渡される。
ウンスは、母の自殺未遂を目の当たりにした直後、自責の念から海で入水自殺を図ったことがあった。そのとき彼女を救ったのが、当時まだ親しくなかったクラスメイトのヒスだった。
そんな中、ウンスが勤務する百貨店のVIP顧客であるカン・ヒヨンが、夫クォン・ソンチョルの車の前に飛び出して命を絶つ。ヒヨンの体には継続的な暴力の痕跡があり、ウンスはその事実を知りながら何もできなかった自分を責める。
ウンスが再びヒスの家を訪ねると、ヒスはベランダから飛び降りようとしていた。ウンスは彼女を引き止め、「あなたの夫を殺しましょう」と言い放つ。
ウンスと半年ぶりに会う約束をしたその日、ヒスは「急な会議が入った」と嘘をつき、空港へ向かう。ついに逃げる決心をしたヒスだったが、ジンピョから母が痛めつけられている映像が送られてきたことで、空港から自宅へと引き返す。
帰宅したヒスを待っていたのは、殺された愛猫と、ジンピョによる容赦ない暴力だった。レコードの音量を最大にし、ヒスを床に叩きつけて蹴り続けるジンピョ。翌朝には何事もなかったかのように振る舞い、リビングに監視カメラを設置して出勤する。
ジンピョの母ジョンスクによる1000回目の記念講演が開催され、ヒスはジンピョと共に会場へ赴く。講演後の食事の席で、ヒスは過去にDVを告発しようと病院で診断書を取得し、警察署へ向かったが、義妹で警察官のジニョンに見つかり、通報を断念したことを思い出す。ジンピョはヒスとジニョンの様子に違和感を抱き、疑念を深めていく。
ジンピョに殴られた翌日、ウンスがヒスの家を訪ねてくる。ヒスの顔のあざを見たウンスはすぐに警察へ行こうと提案するが、ヒスは「何をしても無駄だった」と言い、ウンスを帰らせる。
ヒスはジンピョに同行し、彼の顧客であるキム・ミギョンの展覧会に足を運ぶ。かつて童話作家としてボローニャ・ラガッツィ賞を受賞したヒスは、ジンピョの暴力によって夢を諦めていた。精神的に追い詰められたヒスは会場で酒に酔い、ミギョンの絵を酷評して騒動を起こしてしまう。
激怒したジンピョはヒスを家に連れ帰って脅し、自分だけ会場に戻る。絶望したヒスはベランダから飛び降りようとするが、駆けつけたウンスが彼女を引き止め、「あなたの夫を殺しましょう」と告げる。
ヒスがベランダから飛び降りようとした瞬間、ウンスが駆けつけて彼女を抱きとめる。しかしその直後、帰宅したジンピョはヒスを容赦なく殴り、「しつけ直しが必要だ」と言い放つ。ウンスはクローゼットに隠れながら、ジンピョの暴力と冷酷な言動を目の当たりにする。
ヒスは夜中に首を吊って自殺を図るが、ジンピョが心肺蘇生を施し、命を取り留める。ヒスは「監視カメラを外して」と懇願し、ジンピョはしぶしぶそれに応じる。ヒスから「私、できる。やってみる」というメッセージを受け取ったウンスは、「やろう、私たちで」と返信し、ジンピョを殺す計画を本格的に始動させる。
ウンスは陳剛商会を訪ね、ジンピョに瓜二つの従業員チャン・ガンに目をつける。ガンは不法滞在者でパスポートを持たず、祖国にいる息子との再会を願っていた。ウンスは彼に大金と帰国の手配を提示し、「堂々と飛行機で帰れる」と説得する。ガンは協力を承諾し、ジンピョに成りすますため髪を短くし、スーツを仕立てる。ウンスとガンを見かけたジニョンは、兄ジンピョの浮気を疑い、忠告のメッセージを送る。
一方、ジンピョはキム・ミギョンとの関係修復を試みるが連絡がつかず、彼女がラビエ百貨店の顧客であることを知ってウンスに仲介を依頼する。ジンピョは監視カメラの映像から、ウンスがクローゼットに隠れていたことを把握しており、「余計なことをすれば、ヒスがもっと辛い目に遭うぞ」と脅しをかける。ミギョンはウンスの尽力によって謝罪を受け入れる。
ウンスとヒスは、ジンピョが泥酔する支店の会食の日、10月30日木曜日に計画を実行することを決める。ガンには「金曜には出国するように」と指示し、前金を渡す。
そして迎えた10月30日、ウンスとヒスは車で山へ向かい、遺体を埋めるための穴を掘る。ジンピョはウンスのGPSが山中を示していることに不審を抱き、疑念を募らせる。その夜、会食中のジンピョの携帯に「まもなく出国日です」というメッセージが届き、自分の知らぬ間に航空券が手配されていることに気づいたジンピョは、急いで帰宅する。
2人はジンピョの首にロープをかけて殺害する練習をしていたが、予定より早く帰宅したジンピョに見つかり、計画は崩壊する。ジンピョは2人が自分を殺そうとしていたことを知って激昂し、激しい暴力を振るった末にウンスの首にロープをかけて殺そうとする。
絶体絶命の瞬間、ヒスがスノードームでジンピョの頭を殴り、ウンスも加勢してジンピョを殺害する。ヒスは自分ひとりで罪をかぶろうとするが、ウンスは「2人でやった」と言い、計画通りに進めることを宣言する。
その直後、階下の住人ソニョンが訪ねてくる。ヒスは血まみれの顔を洗い、風邪を理由にドア越しで応対する。ソニョンはヒスの服の血や部屋の様子に違和感を覚えつつも、何も言わずに帰っていく。
2人は遺体をスーツケースに詰め、血の跡を拭き取り、部屋を掃除する。一方、ジンピョに成りすます役割を担うチャン・ガンは、ソベクの疑念をかわしながら送別会に出席する。
翌朝、ガンはヒスの家を訪れ、ジンピョそっくりの姿に変身する。ウンスは彼にジンピョの時計を渡し、遺体入りのスーツケースを運ばせる。2人は別々に部屋を出て合流し、空港へ向かう。
その頃、ジニョンが「シャワーを借りたい」と言ってヒスの家を訪ねてくる。ジニョンはスノードームのひびや、壁から消えた写真に気づき、違和感を覚える。
ウンスはガンから遺体の入ったスーツケースを受け取り、代わりに同じデザインのスーツケースを渡す。ガンはジンピョのパスポートで搭乗手続きを済ませ、無事に中国へ出国。ウンスはジンピョのスマホを操作し、ジニョンからのメッセージを削除する。
その夜、ウンスとヒスは車で山へ向かい、掘っておいた穴にスーツケースごと遺体を埋める。ヒスは凶器のスノードームを湖に投げ捨て、号泣する。2人は静かな港町で食事と花火を楽しみ、車中泊をする。翌朝、ウンスが携帯の電源を入れると、ガンから家族と再会した写真が届いており、2人は安堵する。
帰路、事故による渋滞に巻き込まれた2人は、警察官に車のバンパーの血痕を指摘され、「トランクを見せて」と言われる。そこには、遺体を埋めるために使ったシャベルが入っていた。
Netflixの記事


