NHK放送「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」全話あらすじ解説・感想・登場人物(キャスト)

BBCドラマ「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」あらすじキャスト

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海外ドラマ「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」(全3話)についてまとめました。

アガサ・クリスティーの同名推理小説を、「ドクター・ハウス/Dr.HOUSE」で主人公を演じたヒュー・ローリーが脚本・監督・出演の3役をこなし映像化。

ボビイ役には、「レヴェナント:蘇えりし者」や「ミッドサマー」などに出演する若手俳優ウィル・ポールター。フランシス役は映画「ボヘミアン・ラプソディ」や「オリエント急行殺人事件」などに出演したルーシー・ボーイントン。

BBCサラ・フェルプス版とはだいぶ雰囲気が違って、軽快なタッチの明るいミステリードラマになっています。

作品概要

  • 放送局:ミステリーチャンネル
  • 製作国:英国(2022年)
  • 原題:Why Didn’t They Ask Evans?
  • 原作:アガサ・クリスティ「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」
  • 脚本・監督:ヒュー・ローリー
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2024年3月10日(日)から毎週日曜23:00~、NHK総合で放送予定です。全3回。

あらすじ

ボビイ・ジョーンズが崖の下で倒れている男を見つける。男は「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」と言って息絶える。ボビイに外国から仕事の誘いが来たりビールにモルヒネが入っていたりと不思議なことが続き、ボビイの幼なじみで伯爵令嬢のフランシス・ダーウェントは謎を追いたがるが、ボビイは親友ノッカー・ビードンと中古車店を開く約束をしており、断る。そんな時、トーマス医師が首をつった状態で見つかる。

ミステリーチャンネル公式サイトより

予告動画

原作について

このドラマの原作は、アガサ・クリスティの長編小説『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』(1934年刊行)です。日本では1936年に初めて翻訳されました。

人のいい牧師の息子ボビイと、快活な伯爵令嬢フランキーが、謎めいた言葉の意味を追う冒険ミステリー。巧妙なプロットと謎解きの要素が詰まった、楽しい作品でした。

▼原作についてはこちらの記事に詳しくまとめています。

小説「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」ネタバレ解説 ネタバレ有「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」原作あらすじ解説|謎の言葉の意味を追う冒険ミステリー

登場人物(キャスト)

主要人物

ロバート“ボビイ”・ジョーンズ(ウィル・ポールター)
マーチボルドの牧師館に住む元海軍大尉。ゴルフ場でキャディをしている最中に、断崖から落ちて倒れている男を発見。その男が最期に言った「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という言葉を聞いてしまったがために、事件に巻き込まれる。

フランシス“フランキー”・ダーウェント(ルーシー・ボイントン)
伯爵令嬢。ボビイの幼なじみ。久しぶりにロンドンから戻り、ボビイと再会する。ボビイが遭遇した事件に興味を持ち、調査に乗り出す。

事件の被害者と家族

アレックス・プリチャード(レオン・オッケンドン)
崖から落ちて死んだ男。ボビイに「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という言葉を残して息絶える。美しい女性の写真と、赤いインクの万年筆、魚の飾りがついた鍵を持っていた。

アメリヤ・ケイマン(モーウェナ・バンクス)
アレックスの妹。パディントン在住。アレックスが彼女の写真を持っていたことから、身元が判明。遺体を確認するためマーチボルトを訪れる。

レオ・ケイマン(リチャード・ディクソン)
アメリアの夫。アメリヤとともにマーチボルトを訪れる。牧師館にも立ち寄り、ボビイと面会する。

ボビイの周辺人物

ノッカー・ビードン(ジョナサン・ジュールズ)
ボビイの親友。元士官候補生。ボビイと一緒にロンドンで中古車店を開く準備をしている。

トーマス・ジョーンズ牧師(アリスター・ペトリ)
ボビイの父。牧師。息子の将来を心配している。

ロバーツ夫人(ニア・トラスラー・ジョーンズ)
ジョーンズ家の家政婦。

トーマス医師(コンレス・ヒル)
村で診療所を営む医師。元陸軍伍長。戦争で片足を失い、義足をつけている。ゴルフ場でボビイと一緒に遺体を発見した。

フランキーの周辺人物

ジョージ・アーバスノット(ジョシュア・ジェームズ)
医者。フランキーの友人。フランキーの計画に協力する。

マーチャム伯爵(ジム・ブロードベント)
フランキーの父。

マーチャム伯爵夫人(エマ・トンプソン)
フランキーの母。

メロウェイ・コートの住人と周辺人物

ロジャー・バッシントン・フレンチ(ダニエル・イングス)
ボビイが崖の下で男の最期を見取った直後に現れた男性。メロウェイ・コート在住。

ヘンリイ・バッシントン・フレンチ(マイルズ・ジャップ)
ロジャーの兄。メロウェイ・コートの当主。薬物依存症で、いつも機嫌が悪い。

シルヴィア・バッシントン・フレンチ(エイミー・ナトール)
ヘンリイの妻。アメリカ人女性。薬物依存の夫ヘンリイとの生活に限界を感じている。メロウェイ・コートの住人。

ジェームズ・ニコルソン博士(ヒュー・ローリー)
グレインジの院長。精神疾患や依存症が専門。シルヴィアの依頼を受けてヘンリイを入院させようとする。

モイラ・ニコルソン(メイヴ・ダーモディー)
ニコルソン博士の妻。ボビイに助けを求める。

そのほか

ジョン・サヴィッジ
自殺した億万長者。

アラン・カーステアーズ
南アフリカ人。“アングラーズ・アームズ”に泊まっていた。

エンジェル(ニコラス・アズベリー)
山高帽を被った謎の男。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

元海軍軍人で牧師の息子であるボビイ・ジョーンズは、ゴルフ場でトーマス医師のキャディをしている最中、崖の下で倒れている男を発見する。男は「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」と言って息絶える。
男は美しい女性の写真と、赤いインクの万年筆、魚の飾りがついた鍵を持っていた。そこへロジャー・バッシントン・フレンチと名乗る男が現れ、急用があったボビイは彼に後を任せてその場を離れる。
翌日、ボビイは幼なじみの伯爵令嬢フランキー・ダーウェントと再会する。好奇心旺盛なフランキーは昨日の事故に興味を示し、男の最期に立ち会ったボビイに、言葉の謎を解く責任があると告げる。
亡くなった男はアレックス・プリチャード、彼が持っていた写真の女性は妹のアメリア・ケイマンと判明する。死因審問でアメリアを見たボビイは、写真とは印象が違うことに驚く。さらに黒い山高帽を被った男が法廷に入ってくるのを見て怪しむ。
ボビイが牧師館に戻ると、アメリアと夫のレオが待っていた。2人はアレックスが死ぬ前に何か言い残さなかったかと尋ね、ボビイは彼が「なぜエヴァンズに頼まなかった?」と最期に言ったことを伝える。アメリアは“エヴァンズ”という知り合いはいないはずだと言う。
ボビイは親友のノッカー・ビードンと中古車店を開くため、ロンドンへ行くことをフランキーに話す。上流階級のフランキーと自分は釣り合わないと匂わすボビイに、フランキーは怒り出してしまう。
ボビイのもとに、ブエノスアイレスの会社から仕事の誘いの手紙が届く。だがボビイはノッカーとの約束を優先し、断りの電報を打つ。
その夜、カーニバルの遊具係として働いていたボビイは、双子の男の子からビールを手渡される。ビールを飲んだボビイは気分が悪くなり、倒れてしまう。
病院で目を覚ましたボビイは、自分の胃の中からモルヒネの痕跡が出たと聞いて驚く。トーマス医師はブエノスアイレスの会社が存在しないことをボビイに告げ、誰かが君の存在を消そうとしたのだと話す。
ボビイは新聞に載っていたアメリアの写真を見て、自分が事故現場で見た女性の写真とは違うと気づく。後から現場に現れたロジャー・バッシントン・フレンチが写真をすり替えたのではないかと考えたボビイとフランキーは、ロジャーを探し出そうとする。
トーマス医師の診療所へ向かったボビイは、彼が自宅で首を吊って死んだことを知る。

トーマス医師の葬儀が行われる。ボビイは他殺を疑うが、警察は自殺と判断していた。納得がいかないまま、ロンドンへ向かう汽車に乗るボビイ。するとフランキーが友人の医者ジョージ・アーバスノットを連れて汽車に乗り込んでくる。
フランキーはロジャー・バッシントン・フレンチの居場所がメロウェイ・コートであることを突き止めていた。そしてトーマス医師とアレックスを殺したのは彼だと推測し、証明するための計画を企てる。
ボビイとノッカーの店で中古車を購入したフランキーは、その車をメロウェイ・コートの壁に激突させる。フランキーは怪我をした運転手になりすまし、ジョージの協力でメロウェイ・コートに潜入することに成功。ボビイは館の近くの宿アングラーズ・アームズで彼女を見守ることに。
メロウェイ・コートの住人は、ヘンリイ、ヘンリイの妻シルヴィア、2人の息子トミイ、そしてヘンリイの弟ロジャーだった。ヘンリイはモルヒネ依存症で常に機嫌が悪く、シルヴィアは夫をグレインジという精神科病院に入院させようとしていた。
ボビイはアングラーズ・アームズで、死んだ男がアレックスではなくアラン・カーステアーズという南アフリカ人であることを知る。彼が持っていた魚の飾りの鍵は、アングラーズ・アームズの部屋の鍵だった。
夜、メロウェイ・コートの敷地内に侵入したボビイは、写真の女性と遭遇。助けようとするが、彼女は「もう手遅れよ」と告げて姿を消す。翌日、女性はアングラーズ・アームズに現れ、モイラ・ニコルソンと名乗る。
中古車店に山高帽の男が現れ、「ボビイ・ジョーンズを捜してる」と告げてノッカーに襲いかかる。怪我をしたノッカーは病院に運ばれ、手当を受ける。
フランキーはメロウェイ・コートに滞在し、グレインジの院長であるニコルソン博士と、その妻モイラに会う。ヘンリイは妻のシルヴィアが自分をグレインジに入院させ、電気ショック療法を受けさせようとしていることに怯えていた。
ボビイは運転手の制服を来てメロウェイ・コートへ行き、フランキーと情報交換する。フランキーはロジャーよりもニコルソン博士への疑惑を強めていた。
ニコルソン博士はフランキーが起こした事故について、「事故ではなかったはず」と告げる。

フランキーの事故は故意だったと説明するニコルソン博士。一方、ボビイはモイラから、ニコルソン博士が自分とヘンリイを殺そうとしていること、死んだアランはモイラを守ろうとしていたことを聞く。
フランキーはロジャーと2人でドライブに行き、遺体のポケットの写真をすり替えたのではないかと問い詰める。するとロジャーは、モイラの写真を捨てたのは彼女を守るためで、すり替えてはいない。写真は最初から2枚あったのでは、と語る。
フランキーとロジャーがメロウェイ・コートに戻ると、銃声が鳴り響く。まもなく、拳銃自殺を図ったヘンリイの遺体が室内で見つかる。
ボビイは赤い万年筆のインクと、アングラーズ・アームズに飾られていた2人の男の写真から、死んだアランが億万長者のジョン・サヴィッジと親しかったことを知る。サヴィッジは健康体だったが、なぜかガンに侵されていると思い込んで自殺していた。
ボビイはフランキーに頼んで、陸海軍クラブが引き取ったアランの荷物を入手させる。荷物の中には、サヴィッジがローズ・テンプルトンという女性について綴った手紙が入っていた。フランキーは弁護士のブラッグと会い、サヴィッジの死因が抱水クロラールの過剰摂取だったこと、彼の遺言書が死ぬ直前に書き換えられ、ローズに遺産が渡っていたことを知る。
ボビイはグレインジに忍び込むが、ケイマン夫妻に見つかり拘束されてしまう。フランキーは偽の手紙でミル・ハウスにおびき出され、山高帽の男に襲われる。監禁された2人は殺されそうになるが、フランキーの後を追ってきたノッカーによって救出される。
ボビイとフランキーは、ミル・ハウスがローズ・テンプルトンの住居だったことを知り、サヴィッジの遺言書に署名した料理人チャドリイ夫人を探し出す。彼女はローズに指示されて遺言書に署名したと言い、もう一人の署名人は庭師のアルフレッドだったと話す。そしてその翌朝、メイドのグラディスがサヴィッジの遺体を見つけたという。
フランキーは、なぜメイドがいるのにわざわざ屋外にいる庭師を呼んで署名させたのだろう、と不思議がる。それこそが、アランの残した「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」という言葉そのものだった。メイドの名前はグラディス・エヴァンズ。現在は結婚してロバーツとなり、マーチボルトの牧師館で家政婦をしているグラディス・ロバーツだった。
ボビイとフランキーはマーチボルトに戻り、モイラと遭遇する。モイラはロジャーとニコルソンから逃げてきたと語るが、フランキーは彼女の不審な行動に気づく。モイラはボビイとフランキーのお茶に毒を盛り、殺そうとしたのだ。モイラの正体はローズ・テンプルトンだった。ボビイは急いで牧師館へ向かい、ロジャーに襲われていたロバーツ夫人を助ける。
ローズとロジャーは逮捕される。ローズは船でサヴィッジと出会い、彼をたぶらかして遺産を手に入れようとした。ロジャーがサヴィッジになりすまし、書き換えた遺言書に署名したという。その際、メイドのグラディス・エヴァンズを外したのは、彼女が本物のサヴィッジの顔を知っていたからだ。その翌日、ローズはサヴィッジを自殺させ、遺産を独り占めした。
アランはサヴィッジのたった一人の友人で、彼の死に疑問を持った。ローズは山高帽の男とケイマン夫妻を仲間に引き入れ、山高帽の男にアランとトーマス医師を殺させた。ヘンリイを殺したのはロジャーで、ニコルソン博士は事件には関わっていなかったという。
ボビイとフランキーは教会で結婚式を挙げ、大勢の人々から祝福を受ける。

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