映画「ゴールデンカムイ」のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
野田サトル氏の人気漫画を豪華キャストで実写化。公開前からキャスティングなどで話題になり注目を集めていたので、わたしも楽しみにしていました。
製作を手掛けたのは、『キングダム』や『沈黙の艦隊』の実写化で成功を収めた映像制作プロダクション「CREDEUS」とWOWOW。
連続ドラマと同時進行の企画だったようで、映画は完全にプロローグという印象でしたが、面白かったです。
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WOWOW「ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-」時代背景・登場人物(キャスト)一覧・用語解説Contents
作品概要
- 製作国:日本(2024年)
- 上映時間:128分
- 公開日:2024年1月19日
- 原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』
- 脚本:黒岩勉
- 監督:久保茂昭
- 音楽:やまだ豊
- 主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」
予告動画
原作について
この映画の原作は、累計発行部数2900万部超の野田サトル氏の漫画『ゴールデンカムイ』です。
2014年から2022年まで、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載されました。単行本は全31巻。
明治時代の北海道を舞台に、アイヌの埋蔵金をめぐって苛烈な争奪戦を繰り広げる冒険活劇で、アイヌ文化や歴史を背景にした壮大なストーリーが特徴です。
2018年4月からは、テレビアニメの第1期~第4期までが放送され、最終章となる第5期の製作も決定。
2024年10月からは、本作の続編となる連続ドラマ「ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」の放送が決定しています。
登場人物(キャスト)一覧
主要人物
杉元佐一(山﨑賢人)
日露戦争で多大な戦功を上げ生還した元陸軍兵。驚異的な回復力と並外れた身体能力を持ち、その戦いぶりから「不死身の杉元」と呼ばれる。ある目的のために、アイヌの埋蔵金を探す。
アシㇼパ(山田杏奈)
アイヌの少女。北の大地を生き抜く知恵と、優れた狩猟技術を持つ。山中でヒグマに襲われていた杉元を救い、行動をともにすることに。アイヌの埋蔵金を強奪した男に父を殺されており、その真相を知りたいと思っている。
白石由竹(矢本悠馬)
“脱獄王”の異名を持つ男。お調子者だが脱獄に関しては天才的。金塊のありかを記した刺青を持つ網走監獄の脱獄囚の一人で、小樽で出会った杉元に捕らえられる。
第七師団
鶴見篤四郎(玉木宏)
陸軍最強と謳われる第七師団の中尉。北海道征服をもくろみ、その軍資金としてアイヌの埋蔵金を狙っている。
尾形百之助(眞栄田郷敦)
上等兵。凄腕のスナイパー。アイヌの金塊のありかを記した刺青を手に入れるべく、脱獄囚たちを追う。
谷垣源次郎(大谷亮平)
一等卒。東北マタギの生まれ。アイヌの金塊のありかを記した刺青を奪うべく、杉元とアシㇼパを追う。
月島基(工藤阿須加)
軍曹。鶴見中尉の側近。
二階堂浩平/洋平(栁俊太郎)
一等卒。双子の軍人。杉元に憎悪を抱く。
土方一派
土方歳三(舘ひろし)
箱館戦争で戦死したと思われていた元新選組副長。網走監獄の脱獄囚の一人。囚人たちの脱獄を指揮した人物で、自らの野望実現のためにアイヌの埋蔵金を手に入れようとする。
牛山辰馬(勝矢)
“不敗の牛山”と呼ばれる柔道の達人。網走監獄の脱獄囚の一人。金塊を手に入れるため、土方と手を組む。
永倉新八(木場勝己)
元新選組二番隊隊長。剣の達人。資金や武器を調達し、土方に手を貸す。
アイヌ
フチ(大方斐紗子)
アシㇼパの祖母。コタンで暮らしている。アシㇼパが連れてきた初めての客である杉元をもてなす。
大叔父(秋辺デボ)
アシㇼパの大叔父。強奪された金塊を「呪われたもの」と考え、金塊探しに反対する。
オソマ(永尾柚乃)
アシㇼパのいとこ。アイヌの風習で、病魔除けの幼名として「オソマ(うんこ)」と呼ばれていたが、体が弱かったため本名も「オソマ」と名付けられた。和人の言葉が話せる。
アチャ(井浦新)
アシㇼパの父。埋蔵金を強奪した男に殺された。
そのほか
寅次(泉澤祐希)
杉元の幼なじみ。日露戦争で杉元をかばって戦死した。
梅子(高畑充希)
杉元の幼なじみ。寅次の妻。
後藤竹千代(マキタスポーツ)
杉元にアイヌの埋蔵金の話をする男。ヒグマに襲われて命を落とす。網走監獄の脱獄囚の一人で、杉元が手に入れた最初の刺青人皮となる。
あらすじ
1904年(明治37年)。日露戦争で最も過酷な戦場となった二〇三高地。杉元佐一(山﨑賢人)は鬼神のごとき戦いぶりで生き抜き、「不死身の杉元」と呼ばれるようになる。
2年後。除隊した杉元は、北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。そこで偶然出会った後藤竹千代(マキタスポーツ)から、アイヌの埋蔵金の話を聞く。
和人に抵抗するための軍資金として、一部のアイヌたちが金塊を貯めていたが、ひとりの男がアイヌを皆殺しにして200貫(現代の価値でおよそ80億円)の金塊を奪った。
男は金塊をどこかに隠した後、網走監獄に投獄された。そして外にいる仲間に金塊のありかを知らせるため、同じ房の死刑囚たちの体に暗号の刺青を彫った。
噂を聞いた屯田兵が金塊を横取りしようと死刑囚を強引に連れ出したが、死刑囚たちは兵隊を皆殺しにし、全員逃亡したという。
後藤はその後、ヒグマに襲われて命を落とす。彼の体に刺青があるのを見た杉元は、彼こそ脱獄囚の一人だと気づく。
杉元もまたヒグマに襲われそうになるが、アイヌの少女・アシㇼパ(山田杏奈)に救われる。杉元はアシㇼパに金塊の話を打ち明け、協力してヒグマを倒す。
アシㇼパの父親は、5年前に金塊を奪った男に殺されていた。父の死の真相を知りたいアシㇼパは、「人殺しはしない」という条件で、金塊探しに協力することを決める。
杉元とアシㇼパは小樽の町で聞き込みを行い、脱獄囚の白石由竹(矢本悠馬)と笠原勘次郎(島津健太郎)に出会う。
2人によると、金塊を奪った男は「のっぺらぼう」と呼ばれていた。彼は皮を剥ぐことを前提に刺青を彫っており、そのことに気づいた脱獄囚たちは殺し合いになり、逃走してバラバラになったという。
そこへ第七師団の上等兵・尾形百之助(眞栄田郷敦)が現れ、笠原が射殺される。杉元と戦った尾形は崖下に転落して瀕死の状態となる。
白石は見逃すことを条件に杉元を助け、刺青を彫った脱獄囚が24人いることや、脱獄を指揮した人物が元新選組副長・土方歳三(舘ひろし)であることを教える。
その頃、土方は脱獄囚のひとり牛山辰馬(勝矢)を見つけ出し、囚人たちの刺青を集めて金塊を手に入れるため、手を組まないかと持ちかけていた。
一命を取り留めた尾形は、上官である鶴見中尉(玉木宏)に「ふじみ」とだけ伝える。鶴見の命を受けて、谷垣源次郎(大谷亮平)と3人の兵たちが杉元とアシㇼパを追う。
元東北マタギの谷垣は、山中に逃げたアシㇼパを見つけ出すが、アシㇼパが育てたエゾオオカミのレタㇻに襲われて負傷する。
杉元も3人の兵に追われるが、ヒグマの穴に自ら飛び込み、難を逃れる。合流した杉元とアシㇼパは、杉元が保護した子熊を預けるため、アシㇼパのコタンを訪れる。
コタンにはアシㇼパがフチと呼ぶ祖母(大方斐紗子)や、いとこのオソマ(永尾柚乃)、大叔父(秋辺デボ)らがいて、杉元を「アシㇼパの友人」として歓迎する。
アシㇼパが愛されていることを知った杉元は、アシㇼパに黙ってコタンを去る。
土方歳三は小樽の銀行を襲撃し、金庫に保管されていた愛刀・和泉守兼定を奪取する。鶴見中尉はそれを目撃し、土方が生きていることを知る。
小樽の町で刺青に関する聞き込みを行っていた杉元は、第七師団の二階堂浩平・洋平(栁俊太郎)に見つかり、第七師団の拠点に連行される。
鶴見中尉は杉元を第七師団に引き入れようとする。鶴見もまたアイヌの金塊を探しており、その目的は北海道制圧だった。
杉元と同じく日露戦争で地獄を見た鶴見は、戦争で家族を失った者たちに安定した仕事を与え、ゆくゆくは軍事政権を作ろうともくろんでいた。
鶴見の誘いを拒んだ杉元は監禁され、二階堂兄弟に殺されそうになる。アシㇼパは白石を見つけ出して協力を求め、杉元を救出しようとする。
二階堂洋平を殺した杉元は、自らも重傷を負ったふりをして脱出。追ってきた二階堂浩平の襲撃をかわし、馬橇に引きずられるも、アシㇼパに助けられて逃走に成功する。
杉元一味の戦いぶりを目の当たりにした鶴見は、彼らに刺青人皮を集めさせることを思いつく。
アシㇼパに金塊を探す目的を問われた杉元は、幼なじみの寅次(泉澤祐希)と梅子(高畑充希)の話をする。
村にいた頃、杉元の家族はみな結核にかかって亡くなり、村の人々から「病が伝染る」と避けられていた。天涯孤独となった杉元は家を焼き払い、思いを寄せてくれていた梅子にも別れを告げて村を去った。
一年たって発症しなければ梅子を迎えにくるつもりだったが、杉元が村を訪れると梅子は寅次の妻になっていた。
日露戦争の戦場で、寅次は杉元を助けて戦死する。
死の間際、寅次は「戦争が終わったら北海道で砂金を採って、梅子を腕のいい医者に診せてやりたい。梅子を頼む」と言い残して息を引き取ったのだった。
戦争が終わり帰国した杉元は、梅子のもとを訪ねる。彼女の目はほとんど見えなくなり、再会した杉元のこともわからなくなっていた。
杉元は「寅次の約束を果たしたい。そのために金が必要なんだ」と言う。
アシㇼパは「天から役目なしに降ろされた物はひとつもない」という父親が好きだったアイヌの言葉を口にする。
そして「生きている限り役目がある」と杉元の思いを受け止め、父の死の真相を突き止めるためにも2人で金塊を見つけようと告げる。
土方は元新選組隊士の永倉新八(木場勝己)と会い、当座の資金と外国製の銃を受け取る。
「金塊200貫で夢を見すぎだ」と言う牛山に、正確な金塊の量は2万貫(およそ8000億円)だと明かす土方。
杉元とアシㇼパ、白石の3人は、クチャと呼ばれる狩猟小屋で桜鍋を堪能する。「第七師団も土方も出し抜いて、俺たち3人で金塊山分けしようぜ!」と意気込む白石。
桜鍋を食べたことがないアシㇼパは、味噌が入っていると知って不機嫌になる。
味噌をオソマ(うんこ)だと思い込み嫌がっていたアシㇼパだったが、一口食べてすっかり味噌のとりこになってしまう。
感想
楽しかったー!!
物語の幕開けという感じなので、この映画だけで評価するのは難しいのですが、とてもよく出来ていてどのシーンも見ごたえがあり、面白かったです。
「キングダム」と「沈黙の艦隊」を制作したスタッフが手掛けているという時点で、もう期待感しかなかったんですけどね。
明治末期の北海道の大自然や、アイヌの人々の暮らしと文化、日露戦争など、再現が難しいと思われるシーンばかりでしたが、かなり作り込まれていて、違和感なく物語の世界に没入できました。
連続ドラマに繋げる「プロローグ」としての役目は、十分に果たしていると思います。これを見て心から「続きが見たい!」と思いましたもん。
ちなみにわたしは原作は読んでいなくて、アニメだけ見ました。
配役がみごとで、誰かが登場するたびにワクワクしました。みんなハマってたけど、わたしは矢本悠馬さん演じる白石がいちばん面白かった。
鉄格子からぬるっと入ってくるところとか、すんごい「白石~!」って感じでした。
マキタスポーツさんや山内圭哉さんや堀部圭亮さんといった印象強めの俳優さんたちが、一瞬で消えて(殺されて)しまうのはびっくりでしたね。
年齢的にどうなのと思ってた山田杏奈さんのアシㇼパも良かった!
彼女の持つ透明感が、神秘的な北の大地によく似合ってて、背景に溶け込んでいるようでした。アイヌの装いも似合ってた。
ギャグが苦手なわたしはあんまりコメディに走ってほしくないなーと思ってて(ギャグが好きな人スミマセン)、その点、映画は控えめだったので見やすかったのですが、ドラマ版はどうなんだろ?
ドラマ版でいちばん楽しみにしているのが、谷垣&二瓶VSレタㇻの戦い。二瓶鉄造は藤本隆宏さんが演じます。
食べ物のシーンもひそかに楽しみ。山崎賢人さんが「食レポ頑張りました」と言ってたので期待。
とにかくドラマ楽しみです!
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