WOWOWドラマ「怪物」第6話~第10話(最終話)あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|“怪物”とは誰だったのか

WOWOWドラマ「怪物」あらすじキャスト

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WOWOW連続ドラマW「怪物」第6話~第10話(最終話)のあらすじ、登場人物をまとめました。

第6話から、物語はいよいよ核心へと踏み込んでいきます。連続殺人犯・柳辰夫が語り始める過去の真相や、未だ発見されていない遺体の行方、そして登場人物たちが抱えるそれぞれの罪と記憶が交錯し、物語は一層濃密さを増していきます。

“怪物”の正体に迫る心理戦が加速し、真実を追う者と隠そうとする者の駆け引きが静かな緊張感の中で展開されます。

▼第1話~第5話はこちら

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第1話~第5話の時系列まとめ

  • 25年前
    阿部香織の遺体発見現場で、富樫浩之のギターピックが見つかる。富樫の双子の妹・琴音が失踪し、指の一部だけが庭に残される。富樫が容疑者として逮捕される。
  • 10年前
    松田凛子の母が謎の失踪。事件は未解決のまま。
  • 数か月前
    八代真人が独断でおとり捜査を実施。ソフィアが協力するが、失踪し、後に白骨遺体で発見される。
  • 現在(第1話〜第5話)
    柳美緒が失踪。自宅に指先だけが残される。富樫がそれを発見し、柳辰夫を疑い始める。
    真人は富樫を連続殺人の容疑者と見なし、証拠をつかもうとする。
    美緒から届いた謎のメールをきっかけに、真人と凛子がそれぞれ真相に迫る。
    柳辰夫が“怪物”として動き出す。

登場人物(キャスト)一覧

※第5話までのネタバレを含みます

羽多野署

富樫浩之(安田顕)
生活安全課の警察官。周囲から「変わり者」と見なされている。25年前に双子の妹が失踪し、その容疑者として逮捕された過去を持つ。柳美緒の指を発見したことから美緒の父で幼なじみの柳辰夫が連続殺人犯だと確信するが、確実な証拠をつかむためあえて通報せず、泳がせる決断をする。そしてついに辰夫を逮捕するが…。

八代真人(水上恒司)
羽多野署に志願して異動してきたキャリア警察官。潔癖症で完璧主義、常に理想と規律を重んじる。連続殺人事件の捜査で富樫に疑念を抱き、数か月前に独断でおとり捜査を敢行。その過程で不法滞在の女性ソフィアを死なせてしまう。その責任は父親の権力によって揉み消された。

遠藤優(入江甚儀)
生活安全課。翔子の弟。富樫のことを慕っている。美緒が失踪する直前、帰宅途中の彼女が田所幹男と一緒にいるところを目撃していた。

粕谷(坪倉由幸)
生活安全課。富樫や真人の同僚。皮肉屋。

森平三郎(光石研)
生活安全課の課長。富樫の上司。25年前の事件を担当し、富樫を容疑者として逮捕した過去を持つ。その判断が正しかったのか今も自責の念を抱え続けており、富樫に対して複雑な感情を抱いている。

秋山(利重剛)
羽多野署の署長。25年前、森平とともに事件を担当した。諂上欺下な人物でもある。

田所幹男(藤森慎吾)
警務課の班長。富樫や翔子とは幼なじみで、長年の絆を持つ。母・加代は地元の有力者であり、何かと介入してくるため、その干渉を煩わしく感じている。富樫の無罪を信じ、25年前の事件では彼のアリバイを証言。しかし事件の直後から3年間、精神科病院に入院しており、その当時のことはよく覚えていない。

事件の犯人と被害者

柳辰夫(小手伸也)
羽多野町の片隅で酒店を営む、物腰柔らかな店主。富樫らとは幼少期からの付き合いがあり、富樫の両親に深い恩義を感じている。その思いから、紀子が暮らす老人ホームにも頻繁に足を運ぶ。娘・美緒を溺愛し、地域では温厚で信頼される人物として知られていた。しかし、その仮面の裏に連続殺人犯という恐ろしい顔を隠していたことが判明する。

柳美緒(久保史緒里)
柳辰夫の娘。大学生。叔父のような存在である富樫を慕い、信頼していた。一方で父・辰夫に対しては違和感を抱き、家に寄りつかない日々が続いていた。ある夜、自宅に切断された指先だけを残して失踪。その指先は富樫によって発見されたが、富樫はその場で通報せず、辰夫を揺さぶるためにそれを店先に並べて置いた。

ソフィア(高橋ユウ)
風俗店で働いていた不法滞在の女性。数か月前、八代真人が独断で進めたおとり捜査により、犯人と接触したとみられる。
その直後に姿を消し、後に葦原で白骨遺体として発見された。真人が彼女に渡した“飛ばし携帯”は、富樫が柳辰夫の自宅で見つけたのち芦曳山に埋め、警察によって発見された。

富樫琴音(糸瀬七葉)
富樫の双子の妹。25年前、自宅の庭に指の第1関節より上だけを残して忽然と姿を消す。事件は今なお未解決のままで、犯人は捕まらず、遺体も発見されていない。富樫家の地下防音室は、彼女のピアノ練習のために造られた。

阿部香織(岡本玲)
25年前に殺害され、遺体で発見された女性。富樫が通う喫茶店の店長だった。葦原で発見された遺体は両手両足を縛られ、指先が第一関節から切断されていた。葦原の遺体発見現場で富樫のギターピックが見つかっている。

そのほか

遠藤翔子(真飛聖)
県警本部・捜査第一課に所属する刑事。富樫や田所とは幼少期からの付き合いがあり、事件の渦中にいる彼らを誰よりも近くで見てきた。捜査本部の一員として、羽多野町で起きた猟奇的殺人事件の真相を追う。25年前の事件において、幼なじみの幹男がなぜ富樫のアリバイをすぐに証言しなかったのか、その点に強い疑念を抱いている。

八代正義(渡部篤郎)
警察庁次長であり、八代真人の父。次期警察庁長官の座を狙う野心家で、キャリアのためならいかなる犠牲も厭わない冷徹な策略家。息子・真人が犯した罪を、自身の出世の妨げと見なし、巧妙に隠蔽しようと動く。

五十嵐(早乙女太一)
検事。12年前、八代家に家庭教師として雇われた。現在は正義の意向に従い、都合よく使われる立場に甘んじている。その一方で、たびたび頼ってくる真人に対しては、過去の情が抜けきらず、つい協力してしまう。

松田凛子(剛力彩芽)
羽多野署御用達の焼肉店「炎炎亭」を切り盛りする女性。10年前、母が謎の失踪を遂げて以来、今もその行方を追い続けている。柳辰夫が事件の犯人であることに気づき、富樫に捜査への協力を申し出た。彼女の起こした行動が柳逮捕のきっかけになった。

田所加代(高畑淳子)
県議会議員として羽多野町の再開発を推し進める、次期県知事候補の有力者。一人息子・幹男を溺愛し、その将来に並々ならぬ期待を寄せている。25年前の事件の容疑者・富樫が幹男に接近することを強く警戒し、あからさまな敵意を示す。表向きは理知的な政治家だが、その背後では警察庁次長・八代正義とも密接な関係を築いており、権力の網を巧みに操る野心家でもある。

中橋陽平(橋本じゅん)
「中橋建設」社長。加代と手を組み、羽多野町の再開発事業を牽引する実業家。元妻・翔子に今も未練がある。猟奇的殺人事件によって町のイメージが損なわれることを憂慮し、警察庁次長・八代正義に事件の早期解決を強く求める。

第6話~最終話のあらすじ(ネタバレ有)

凛子から連絡を受けた富樫は、幹男に彼女の保護を頼み、真人とともに柳辰夫の店へ向かう。そこで、床下から美緒の遺体を取り出そうとしていた柳を現行犯逮捕する。
検視の結果、美緒の死因は多臓器不全。埋められた時点ではまだ生きていたことが判明し、富樫はその事実に慟哭する。
真人は、柳の犯行を知りながら黙っていた富樫の行動を「法に触れる」と断罪。富樫は「覚悟はできてる」と応じ、逮捕は被害者全員が見つかってからにしてほしいと頼む。
25年前、柳は自分を馬鹿にした阿部香織を路上で殺害。その現場を琴音に目撃されていた。ソフィアを殺したのも柳だったが、取り調べでは完全黙秘を貫く。
富樫と真人は、柳の妻で美緒の母・相馬晴美が事件に深く関わっていると考え、彼女が勤めていたキャバクラを訪ねる。そこで、美緒が殺される前日、柳が晴美を捜して店に現れていたことが判明する。しかし晴美は、昨年交通事故で亡くなっていた。
20年前に自分を捨てた晴美に復讐しようと、彼女を捜し続けていた柳。ようやく見つけた晴美がすでに亡くなっていたことで、その怒りは娘・美緒へと向かう。美緒の父親が自分ではなく別の男だったことも、柳の狂気を加速させた。
富樫と真人は、柳の自白を引き出すため「相馬晴美は生きている」と嘘をつく。すると柳は「琴音は俺じゃない。俺は琴音をお前に返した」と富樫に告げ、晴美を連れてくれば琴音に会わせてやると言い出す。
柳の供述により、山中から7人の遺体が発見される。その中には、凛子の母・良江も含まれていた。しかし、琴音の遺体は見つからなかった。
柳は留置場で自殺を図り、命を絶つ。壁には血で書かれた「琴音は俺じゃない」の文字が残されていた。

留置場で柳が自殺し、事件は幕引きかに見えた。だが、柳の胃の中から相馬晴美の死体検案書が見つかり、誰かが彼に検案書と釣り糸を渡した可能性が浮上。他殺への疑いが一気に強まる。
凛子の証言で、防犯カメラ映像が消えていた時間帯に署長の秋山が留置場に出入りしていたことが判明。真人は、秋山が柳を自殺へ追い込んだのではないかと疑い始める。
一方の秋山は八代正義のもとを訪ね、自らの昇進を要求して脅しをかける。柳が自殺した当日、正義は秋山に防犯カメラを止めるよう指示していた。しらを切る正義に対し、秋山は削除した防犯カメラ映像を自ら保管していると明かす。
真人はキャリアを犠牲にしてでも真実を追うと決め、監察官にソフィアをおとり捜査に利用した事実を告白する。富樫は、柳の「琴音は俺じゃない。俺が琴音をお前に返したんだ」という言葉を受けて自宅の庭を掘り返し、妹・琴音の遺体を探し続ける。
かつて富樫と幹男のたまり場だった「アジト」を掘り起こすと、次々に白骨遺体が見つかる。しかし、その中に琴音はいない。土地の所有者・中橋は、再び再開発計画の妨げとなった事態に憤りを隠さず、田所加代に「25年前と同じように何とかしてみせる」と言い切る。
そんな中、母・紀子の「地下室の工事を手伝ってくれた」という何気ない一言が、富樫を自宅の地下室へ導く。壁を壊すと、25年間探し続けた琴音の白骨遺体が現れる。指には、富樫が贈った指輪。毎日見ていた壁の向こうに妹がいた事実に、富樫は自責の念に打ちひしがれる。
検視の結果、琴音の死因は絞殺ではなく、高所からの転落か交通事故による多発骨折と判明。さらに、秋山を尾行していた真人が彼の遺体を発見する。秋山が所持していたボイスレコーダーには、誰かを待っていた形跡が残されていた。
同じ頃、森平から琴音の死因を聞いた幹男は、25年前の記憶の一部を取り戻し始めていた。

秋山の死因は、後頭部への強打による脳挫傷だった。翔子は秋山の通話記録を調べ、加代の携帯に頻繁に連絡していた事実を突き止める。
捜査を進めると、加代の会社から秋山の妻・松子の口座に定期的に金が振り込まれていることが判明。幹男に追及された加代は、秋山から25年間にわたり脅迫を受けていたことを明かす。
25年前の事件当夜、幹男は琴音と“アジト”で会っていたが、口論の末に琴音は一人で帰宅した。その様子は防犯カメラに記録されていたが、秋山によってもみ消された。その見返りとして、秋山は加代から金を受け取っていたのだ。
加代は、映像の隠蔽は息子への疑いを避けるためだったと主張するが、実際にはさらに重大な事実を隠していた。幹男は琴音を車で轢いてしまい、加代と中橋はその事実を隠蔽していたのだ。
加代は、中橋が柳辰夫を自殺に追い込んだことや、秋山を杖で殴って殺害したことを知らず、彼の脚の不自由が偽装であることにも気づいていなかった。
富樫と翔子は、中橋が25年前から田所家の土地を不自然な安値で購入していたことを突き止め、さらに彼が警察庁次長・八代正義に頻繁に電話していた事実も明らかにする。
一方、富樫は妹・琴音の死因が車による多発骨折であることを知らされる。琴音は立ち止まった状態で乗用車と接触したと推定され、事故の状況がより具体的に浮かび上がる。
真人は病院を脱走した幹男を保護し、富樫の家へ連れて行く。富樫は幹男を地下室に連れて行き、真実を語るよう激しく問い詰めるが、幹男は「覚えていない」と繰り返す。
やがて幹男は記憶を取り戻し、道に倒れていた琴音を車で轢いて殺してしまったことを告白する。富樫は幹男を家に帰し、彼をおとりにして捜査を進めようとするが、真人は加代と幹男が親子であることから、富樫を裏切る可能性を指摘する。
その直後、富樫と真人の携帯に内示が届き、八代正義が警察庁長官に任命されたことが知らされる。
25年前の夜。琴音は連続殺人犯・柳から逃げる中、通りすがりの車に助けを求めようとしたが、はねられてしまう。その車を運転していたのは、八代正義だった。

2000年10月14日。田所加代、中橋陽平、八代正義の3人は、再開発計画の成功を祝う席で酒を酌み交わす。その帰り道、正義は道に飛び出してきた琴音を車ではねてしまい、中橋に連絡して後始末を頼む。
2025年現在。富樫と真人は「倒れてた琴音を車でひいて殺した」という幹男の供述に疑問を抱く。検視結果では琴音は立っていた状態で車にひかれたとされており、幹男がひいた時点ではすでに倒れていた可能性が浮上する。
富樫は、幹男の証言から加代が事故後すぐに中橋に連絡し、後始末を依頼していたことを知る。翔子の調査により、中橋と八代正義が現在も頻繁に連絡を取り合っていることが判明し、富樫は正義が事件に関与している可能性を示唆する。
一方、記憶を取り戻した幹男は、母・加代にそのことを打ち明ける。加代は幹男を守るために中橋に後始末を依頼し、幹男を精神科に入院させた過去を語る。幹男は中橋が事故の処理をしていないこと、琴音の遺体が柳によって富樫の家の地下室に埋められたことから、母が中橋と正義に利用されていたのではないかと疑う。
加代と幹男は中橋を呼び出し、正義との関係や柳の死への関与を問いただすが、逆に中橋に脅される。幹男のスマホを通じて会話を盗聴していた富樫は、翔子を呼んで中橋を任意同行させる。事情聴取の中で、中橋は25年前の事件への関与や、正義の妻の実家である一ノ橋建設との関係を否定する。聴取は圧力により中止となり、中橋は解放される。
加代は県知事選への出馬を決意し、今後は幹男を守るためではなく、自分のために生きると宣言。幹男は再び入院させられる。
真人は父・正義に直接会い、中橋との関係や過去の事件への関与を問い詰める。正義は否定するが、真人は父のさらなる野望に気づき、「父さんは野望の怪物だ」と告げる。
真人はひそかに正義の車に盗聴器を仕掛け、中橋との密会の会話を記録する。その中で、正義が中橋に命じて柳を自殺に導いたことや、秋山署長の殺害に関与していたことが明らかになる。25年前、正義が琴音をひき、柳がそれを目撃していたことも判明し、真人は衝撃を受ける。

父・八代正義と中橋陽平の密談を盗聴した真人は、父の冷酷な本性に打ちのめされる。録音データを富樫に聞かせた真人は、「僕が怪物になって、父を抱きかかえて地獄に落ちます」と決意を語り、父との対決に臨む。
正義に録音データを突きつけた真人は、事件の隠蔽に加担する代わりに、中橋らとの裏の関係を断つよう要求する。富樫は森平課長と翔子にだけ真実を打ち明け、真人と共に戦うことを決意。森平の根回しにより、富樫と真人は正式に捜査本部に加わることとなる。
入院していた幹男は真人に連れ出され、羽多野署への出頭を促される。幹男は25年前の罪を償う覚悟を固め、供述を開始。その証言により、母・加代と中橋も取り調べを受けることになる。
加代の取り調べでは、幹男が琴音をひいた現場にギターピックを落とし、それを柳が拾って阿部香織を遺棄した葦原に故意に残したことが判明する。柳は加代を脅迫し、再開発予定地の空き地への出入り権を要求。加代は柳が連続殺人犯であることに気づくが、幹男の罪を隠すために柳の要求を受け入れ、彼が殺害した女性たちを空き地に遺棄することを黙認してしまったのだった。
加代の証言を受け、中橋には秋山署長殺害容疑で逮捕状が請求される。中橋の逮捕を知った正義は検事・五十嵐に連絡するが、拒絶される。
真人は否認を続ける中橋に録音を聞かせ、「父は息子すら裏切る人間だ」と告げる。正義の「全員消すしかないか」という独り言を聞いた中橋は、自分もいずれ消されると恐れ、すべてを話す決意を固める。
テレビのニュース番組で音声データが公開され、絶望した正義は自殺を図るが、真人に阻止される。真人は「父さんと一緒に地獄に落ちることが僕の望み」と語り、富樫が正義を殺人容疑で逮捕する。
真人は富樫に謝罪し、警官を辞めると告げるが、富樫は「死ぬまで刑事として生きろ」と諭す。そして、美緒の指を遺棄して捜査を妨害した自らの罪を償うため、真人に両手を差し出す。真人は涙ながらに富樫に手錠をかけ、証拠隠滅罪で逮捕する。
1年後、富樫は海辺の静かな町で制服警官として勤務していた。そこへ真人が訪れ、「皆さんが待っています」と告げる。

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