1975年の映画「新幹線大爆破」のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
東海道新幹線に爆弾を仕掛けた犯罪グループと、乗客や鉄道会社、警察との攻防をスリリングに描いた名作サスペンス映画。
高倉健が爆弾を仕掛けた犯人役を、千葉真一が新幹線の運転手役を、宇津井健が運転指令長役を演じるほか、北大路欣也や田中邦衛、多岐川裕美らがワンシーンだけ登場するなど、キャスト陣は豪華そのもの。
時速80kmを下回ると爆発するという仕掛けが今見ても斬新。当時の社会問題を背景に、犯人たちの悲哀が濃厚に描かれている点も興味深かったです。
Contents
作品概要
- 製作国:日本(1975年)
- 公開日:1975年7月5日
- 原案:加藤阿礼
- 脚本:小野竜之助/佐藤純弥
- 監督:佐藤純弥
- 音楽:青山八郎
あらすじ
乗客を乗せ、定刻通り東京駅を発ったひかり109号。だが列車が相模原に到達した時、国鉄本社公安本部に1本の電話がかかってくる。男によると、109号には爆弾が仕掛けられ、80km以下になると爆発するという。さらに犯人は500万ドルという膨大な金を要求し…。
U-NEXT公式サイトより
登場人物(キャスト)一覧
犯人グループ
沖田哲男(高倉健)
東京発博多行きひかり109号に爆弾を仕掛けた犯人グループの首謀者。元沖田精器製作所社長。経営に失敗して工場は閉鎖、妻とも離婚し、人生の望みを失っている。
古賀勝(山本圭)
沖田の仲間。北海道出身。元全共闘書記局次長。公務執行妨害で逮捕歴がある。現在は活動をやめ、鬱屈した日々を送っている。沖田や浩と出会い、意気投合した。
大城浩(織田あきら)
沖田の工場の元社員。沖縄出身。集団就職で東京に来たが会社がつぶれ、仕事がなく生活に困窮していたとき沖田に拾われた。沖田に恩を感じ、工場がつぶれた後も沖田のために工事現場で金を稼いでいた。
ひかり109号
青木(千葉真一)
東京発博多行きひかり109号の運転士。乗客1500人の命を背負い、重圧に負けそうになりながらも必死に危機を回避しようとする。
菊池(竜雷太)
鉄道公安官。異常に気付いて騒ぎ出す乗客たちを見て、やむをえず車内アナウンスで爆弾事件のことを知らせ、協力をあおぐ。
田代(福田豊土)
車掌長。パニックと化す車内で、必死に乗客たちをなだめようとする。
藤尾信次(郷鍈治)
護送中の指名手配犯。2人の刑事とともに109号に乗り込む。沖田たちにダイナマイトを売った人物で、彼らの計画を知って強引に仲間に加わっていた。
松原(近藤宏)
藤尾を護送する刑事。同僚の堤とともに109号に乗り、藤尾を博多まで護送する任務に就く。
東郷あきら(岩城滉一)
ロック歌手。京都での公演のため、109号に乗車する。
平尾和子(田坂都)
妊婦。名古屋の実家に戻る予定だったが、車内でパニック状態となり産気づいてしまう。
秋山(藤田弓子)
女医。109号に乗り合わせ、和子の出産を手伝う。
国鉄職員
倉持(宇津井健)
総合指令所に勤務する運転指令長。真面目で誠実な人物。乗客の命を最優先に考えている。運転士の青木と直接やりとりし、危機の回避に全力を尽くす。
宮下義典(渡辺文雄)
国鉄公安本部長。犯人グループからの連絡を受け、警察の合同捜査本部とともに対策を練る。
三宅(原田清人)
新幹線技師長。109号の乗務員に爆弾の解除方法を指示する。
国鉄総裁(志村喬)
犯人グループから要求された現金500万ドルを用意するため、政府に協力を求める。
国鉄新幹線総局長(永井智雄)
記者会見を開き、爆弾事件を公表する。
警察
須永(丹波哲郎)
警察庁刑事部長。国鉄からの連絡を受け、事件解決に向けて合同対策本部を立ち上げる。
花村(鈴木瑞穂)
警察庁捜査一課長。合同対策本部の指揮官。わずかな糸口を頼りに犯人の正体を探り、徐々に犯人グループを追い詰めていく。
広田(久富惟晴)
警視庁特捜係長。花村の指揮のもと、爆弾事件の犯人特定のため奔走する。
そのほか
富田靖子(宇津宮雅代)
沖田の元妻。離婚後は息子の賢一とともに実家で暮らしている。テレビのニュースで沖田が事件に関わっていることを知り、ショックを受ける。
内閣官房長官(山内明)
犯人グループが要求した現金500万ドルを用意する。列車が爆破した際の被害を最小限に抑えるため、山口県の田園地帯で停止させて爆破するよう、国鉄総裁に命令する。