Netflix「ウェンズデー」シーズン2(第1話~第4話)あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|三世代の母娘がすれ違うとき

Netflix「ウェンズデー」シーズン2あらすじキャスト一覧

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Netflixで配信中のドラマ「ウェンズデー」シーズン2(パート1)についてまとめました。

『アダムス・ファミリー』の長女ウェンズデーを主人公にしたスピンオフ作品の第2シーズン。ネヴァーモア学園に戻ったウェンズデーが、またもや起きた不可解な事件の捜査に乗り出します。

母モーティシアとの関係や、学園での新たな出会い、そして自分自身との葛藤など、ウェンズデーが「娘」として、そして「個」としてどう向き合っていくのかがじっくり描かれていて、物語の奥行きがぐっと増した印象です。

今回は、シーズン2の前半にあたる第1話~第4話について書きました。母娘三世代の関係性や、新たな登場人物、後半の展望などを中心に、作品の魅力をひもといていきたいと思います。

▼シーズン1はこちら

Netflix「ウェンズデー」あらすじキャスト一覧 Netflix「ウェンズデー」シーズン1全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|誰もが“異なるもの”を持っている

作品概要

  • 配信:Netflix
  • 配信開始日:2025年8月6日
  • 製作国:アメリカ
  • 原題:Wednesday
  • 原作:チャールズ・アダムス『アダムス・ファミリー』
  • 脚本:アルフレッド・ガフ/マイルズ・ミラー
  • 監督:ティム・バートン
  • 製作総指揮:ティム・バートン

あらすじ

実りある夏休みが開けてネヴァーモア学園に戻ったウェンズデーは、不本意ながらも学園の人気者になってしまう。さらには危険なストーカーにまで狙われる羽目に。

Netflix公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)一覧

※シーズン1のネタバレを含みます

主要人物

ウェンズデー・アダムス(ジェナ・オルテガ)
アダムス家の長女。頭脳明晰で冷静沈着。相手が誰であろうと容赦なく毒舌を振るう。趣味は小説の執筆。人か物にふれると幻視能力が発動する。先祖グッディが残した本を教科書代わりに能力を磨くが、不安定で制御できていない。ネヴァーモア学園に戻り、新たな事件の捜査に乗り出す。

イーニッド・シンクレア(エマ・マイヤーズ)
ネヴァーモア学園の生徒で、ウェンズデーのルームメイト。カラフルなファッションを好む明るく社交的な性格。人狼族。シーズン1でゴルゴン族のエイジャックスと両思いになったが、“狼化”したことを機に心が離れてしまう。

パグズリー・アダムス(アイザック・オルドネス)
ウェンズデーの弟。今学期からネヴァーモア学園に入学した。伯父のフェスターと同じ電気を操る能力(エレクトロキネシス)に目覚め、“ドクロの木”の下に埋められていた機械仕掛けの心臓を持つ少年を生き返らせてしまう。

ハンド(ビクター・ドロバントゥ)
“手”だけの存在。残りの体がどこにあるかは永遠の謎。ウェンズデーの学園生活を見守るため、両親により派遣された。孤独な道を突き進むウェンズデーを心配し、時々おせっかいを焼く。イーニッドとは大の仲良し。

ネヴァーモア学園

バリー・ドート(スティーヴ・ブシェミ)
新任の校長。“のけ者”としての誇りを掲げ、学園を再構築しようとする。資金難を解決するため、裕福な母を持つモーティシアに資金調達の委員長を依頼。奨学生のビアンカを脅して渉外役を命じる。発火能力(パイロキネシス)を使う。

オルロフ教授(クリストファー・ロイド)
ネヴァーモア学園で最も長く勤務する教師。ガラス瓶の中に入っている首だけの存在。

イサドラ・カプリ(ビリー・パイパー)
新任の音楽教師。学園の卒業生で、10歳で初アルバム“狼の遠吠え”を出した。母校への恩返しとして教師に復帰。ウェンズデーのチェロを聴き、オーケストラに誘う。

ビアンカ・バークレー(ジョイ・サンデー)
学園の人気者でカリスマ的な存在。声によって人を操る能力を持つセイレーン族。カルト的な集団に属する母親との関係に悩んでいる。奨学生であることから校長に脅迫され、資金調達活動の渉外役を引き受けることに。

エイジャックス・ペトロポラス(ジョージ・ファーマー)
石化能力を持つゴルゴン族の男子生徒。普段はニット帽で蛇の髪の毛を隠している。恋人のイーニッドに避けられている理由がわからず、落ち込んでいる。

ユージーン・オッティンジャー(ムーサ・モスタファ)
学園の養蜂クラブの唯一の部員。虫を操る能力を持つ。シーズン1でウェンズデーと仲良くなり、一緒に事件を解決した。シーズン2ではパグズリーと同室になり、彼が起こす騒動に巻き込まれる。

アグネス・デミル(イーヴィー・テンプルトン)
ウェンズデーの熱狂的なファン。透明人間の能力を使い、ウェンズデーの気を引こうとする。

ブルーノ(Noah B. Taylor)
イーニッドと仲のいい男子生徒。人狼族。

スラープ(オーウェン・ペインター)
パグズリーが生き返らせたゾンビ。カリバン寮に伝わる「ドクロの木の話」に登場する、機械仕掛けの心臓を持つ少年。人間の脳を食べる。

アダムス家

モーティシア・アダムス(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
ウェンズデーの母。ウェンズデーと同じく幻視能力を持つ。母校であるネヴァーモア学園のために資金調達の委員長になり、ロットウッド・コテージに滞在する。反抗的な娘との距離感に悩んでいる。

ゴメズ・アダムス(ルイス・ガスマン)
ウェンズデーの父。弁護士。愛妻家で、家族愛も深い。“のけ者”であるにも関わらず、特別な能力を持たない。

ラーチ(ジョージ・バーシア)
アダムス家の執事。

フェスター・アダムス(フレッド・アーミセン)
ゴメズの兄で、ウェンズデーの伯父。アダムス家の中でも特に風変わりでユーモラスな存在。電気を操る能力(エレクトロキネシス)を持つ。ウェンズデーとは強い絆で結ばれており、頼れる助っ人でもある。

オフィーリア
モーティシアの姉で、ウェンズデーの伯母。ウェンズデーと同じネガティブな幻視能力の持ち主だったが、超能力を使いすぎて錯乱した。

へスター・フランプ(ジョアンナ・ラムレイ)
モーティシアの母。フランプ葬儀場を経営する冷徹な実業家。ネヴァーモア学園の卒業生でもある。モーティシアとは不仲で、彼女が反対するウェンズデーの捜査に手を貸す。

ウィローヒル

レイチェル・フェアバーン博士(タンディ・ニュートン)
精神科病院ウィローヒルの主任精神科医。タイラーの治療に行き詰まり、模索している。

ジュディ・スパネゲル(ヘザー・マタラッツォ)
フェアバーン博士のアシスタント。

タイラー・ガルピン(ハンター・ドゥーハン)
元保安官ガルピンの息子。シーズン1でウェンズデーと惹かれ合うも、実は連続殺人鬼と判明。“のけ者”だった母親から“ハイド”の血を受け継いでおり、復讐を企てるソーンヒルに“解放”されて怪物に変身していた。現在はウィローヒルに収監されている。

マリリン・ソーンヒル(クリスティーナ・リッチ)
元ネヴァーモア学園の教師。本名はローレル・ゲイツ。グッディに殺されたクラックストーンの子孫で、アダムス家と“のけ者”に強い復讐心を抱いている。タイラーの中の怪物を解き放った“主人”でもある。

オーガスタス・ストーンハースト(フィリップ・フィルマー)
元医師であり、かつてのネヴァーモア学園の科学教師。現在は精神を病み、患者として収容されている。

そのほか

グッディ・アダムス(ジェナ・オルテガ)
ウェンズデーの直系の先祖で、強い力を持つ魔女。1600年代にジェリコの町の開祖クラックストーンから迫害を受けるも生き残り、のちに彼を殺害した。彼女が残した「影の本」は、ウェンズデーが能力を磨く上での教科書となっている。

ドノバン・ガルピン(ジェイミー・マクシェーン)
元保安官。シーズン1で怪物による連続殺人事件を捜査していたが、その犯人は息子のタイラーだった。現在は保安官の職を辞任し、ひそかにあることを調査している。

カール・ブラッドベリー(ジェームズ・ペイトン)
探偵。ガルピンの元相棒。調査中にカラスの大群に襲われ死亡した。亡くなる直前、ガルピンの携帯に「証拠はブルペンに残した」というメッセージを入れる。

リッチー・サンティアゴ(Luyanda Unati Lewis-Nyawo)
新任の保安官。シーズン1では副保安官だった。

第1話~第4話のあらすじ(ネタバレ有)

ウェンズデーは夏休み中、「カンザスシティの頭剥ぎ男」と呼ばれる異常な連続殺人犯を捕らえ、警察に引き渡すという異例の活躍を見せる。彼女は先祖グッディが遺した“影の本”を教科書代わりに、超能力を磨いていた。
新学期が始まり、ウェンズデーはネヴァーモア学園に戻る。しかし、前年度に学園を救ったことにより“英雄”として扱われるようになってしまう。本人にとっては屈辱以外の何物でもなく、ウェンズデーは苛立ちを隠せない。
超能力は進化を遂げているものの、幻視のたびに目から黒い涙が流れるという異常現象が発生。母モーティシアは娘が何かを隠していることに気づき、かつて悲劇的な末路を辿った姉オフィーリアの姿をウェンズデーに重ねて見るようになる。
弟パグズリーもネヴァーモア学園に入学。エイジャックスが寮長を務めるカリバン寮でユージーンと同室になるが、周囲に馴染めず孤立してしまう。
新任の学園長バリー・ドートは、“のけ者”としての誇りを掲げ、学園の伝統を取り戻そうとしていた。彼は学園の資金難を解決するため、モーティシアとビアンカに協力を依頼し、アダムス家と学園の関係が再び深まっていく。
学園の近くで探偵カール・ブラッドベリーがカラスに襲われて死亡する。ブラッドベリーの友人だった元保安官ドノバン・ガルピンは、ウェンズデーに事件解決への協力を依頼するも断られる。
ウェンズデーの周囲には「見ているぞ」という不穏なメッセージを残すストーカーの存在が浮上。転校したゼイヴィアからは、「墓の上の隻眼のカラス」を描いた謎めいた絵が届き、彼女の不安を煽る。
創立記念の火葬式の日、パグズリーは“ドクロの木”の根元に埋められていた機械仕掛けの心臓を持つゾンビ「スラープ」を誤って蘇らせてしまう。ウェンズデーは親友イーニッドに触れた瞬間、彼女の墓の上にカラスが止まっている未来を幻視し、黒い涙を流しながら倒れる。

意識を取り戻したウェンズデーに、母モーティシアは「霊的な疲労」だと告げる。黒い涙は才能を酷使した結果であり、彼女がオフィーリア伯母に似てきていることを懸念する。
イーニッドの死を予知したウェンズデーは、情報を求めて元保安官ガルピンの家を訪れる。しかし、彼はすでにカラスの餌食となり、無残な遺体となっていた。ウェンズデーはガルピンの遺体を使って幻視を試みるが、なぜか能力が発動しない。
学園では伝統行事“イタズラの日”が始まり、校内は無法地帯と化す。イーニッドは何者かが部屋に置いたガルピンの目玉をウェンズデーの悪ふざけだと思い込み、死んだふりをしてウェンズデーを驚かせる。
ウェンズデーは、ガルピンの息子で連続殺人犯のタイラーが裏で糸を引いているのではないかと疑い、彼が収監されているウィローヒルへ向かう。だがタイラーは父の死に動揺した様子を見せ、真意は掴めない。
一方、モーティシアは資金調達の委員長に任命され、学園近くのロットウッド・コテージに滞在することに。娘を心配した彼女はウェンズデーの留守中に部屋へ入り、ハンドを叱りつけてグッディの本を盗み出す。
その頃、イーニッドとブルーノが何者かに拉致され、イアーゴの塔に拘束される。帰宅したウェンズデーは、ストーカーが残したヒントを頼りに謎を解き、2人を救出。そこに現れたのは、ウェンズデーの熱狂的なファンであり、透明人間能力を持つアグネス・デミルだった。彼女はウェンズデーの気を引くためにストーカー行為を働いたことを告白するが、ガルピン殺害については否定する。
一方、学園長バリー・ドートは、モーティシアの母・へスター・フランプから多額の寄付金を得ようと画策。彼に脅迫されたビアンカは、セイレーンの能力を使ってモーティシアを操り、へスターを行事に招待するよう仕向ける。
パグズリーは養蜂小屋に隠していたゾンビに「スラープ(丸飲み)」と名付け、ユージーンと秘密を共有する。しかしスラープは逃げ出し、森の中で人間を襲ってしまう。

ウェンズデーは母モーティシアから、予知能力の鍵となるグッディの本を取り返そうとするが失敗に終わる。モーティシアは、娘がまだ能力を制御できていないと判断し、本を返さないことを決意する。
一方、ビアンカの母・ガブリエルが属していたカルト集団「モーニング・カフェ」にFBIの強制捜査が入り、義父ギデオンは指名手配される。ビアンカは母をホテルにかくまい、「私が守る」と約束する。
ウェンズデーは、アグネスが手に入れた元保安官ガルピンの携帯を調べる中で、彼が“ブルペン”と呼ぶ狩猟小屋に情報を隠していたことを突き止める。その場所へ向かうため、学園の野外活動に参加することを決める。
キャンプには引率者としてゴメズとモーティシアも同行。パグズリーはゾンビのスラープを棺に入れてこっそり持ち込み、テントに隠す。
しかし、キャンプ地では予約が重なり、フェニックス少年団との場所争いが勃発。ウェンズデーたちはゲームで少年団に勝利し、彼らを追い出すことに成功する。
その夜、ウェンズデーはキャンプ地を抜け出し、“ブルペン”へ向かう。小屋の中には、ガルピンが集めたウィローヒルで死亡した“のけ者”たちに関する記事が大量に保管され、「LOIS(ロイス)」という文字が残されていた。ウェンズデーは記事に触れて幻視を試みるが、能力は依然として発動しない。
グッディの本が必要だと確信したウェンズデーは、母モーティシアに「闇の決闘」を申し込む。勝てば本を返してもらい、負ければ本は燃やされるという条件のもと、覚悟を決めて対決に臨む。しかし、結果はモーティシアの勝利に終わり、本は彼女の手に残る。
その頃、パグズリーとユージーンはテントにスラープを隠しながらキャンプファイアーに参加していたが、スラープは少年団の団長を襲って逃走。その後ウェンズデーによって捕獲され、警察の手続きを経てウィローヒルに送られる。
ウィローヒルには、かつての教師マリリン・ソーンヒルが移送されてくる。

フェアバーン博士はタイラーの治療に行き詰まり、ソーンヒルに協力を求める。ソーンヒルはタイラーとの面会を条件にこれを承諾。隔離房で再会した2人だったが、タイラーは怒りに満ちた怪物“ハイド”へと変貌し、ソーンヒルを壁に叩きつける。
一方ウェンズデーは、ガルピン保安官が集めた情報を手がかりに、ウィローヒルで死亡した“のけ者”の患者たちを調査。その中の一人、パトリシア・レッドカーの骨壺を発見するが、中身は動物の骨だった。誰かが患者の死を偽装していると推測したウェンズデーは、祖母へスター・スランプの力を借りて捜査を進め、死亡診断書を発行した医師オーガスタス・ストーンハーストにたどり着く。
ストーンハーストはかつてネヴァーモア学園の科学教師だったが、後にウィローヒルの医師となり、現在は精神を病んで患者として収容されていた。
モーティシアはウェンズデーの捜査に反対し、へスターと対立。モーティシアの姉・オフィーリアは超能力の使いすぎで錯乱し、へスターによってウィローヒルに入れられたまま行方不明となっていた。へスターは「ウェンズデーにグッディの本を返せば学園に寄付する」と提案するが、モーティシアはその場で本を燃やしてしまう。
ウェンズデーは事件の鍵を握るストーンハーストと“ロイス”を探るため、伯父フェスターをウィローヒルに送り込む。フェスターはストーンハーストに接触するが、ソーンヒルの密告によりフェアバーン博士に正体を知られ、ゾンビのスランプと同じ隔離房に入れられてしまう。
その頃、ビアンカの母ガブリエルが警察に発見され、ビアンカはエイジャックスと共に学園を抜け出して警察へ向かう。セイレーンの能力を使って保安官たちを操り、母を学園内にかくまうことに成功する。
ウェンズデーはウィローヒルに潜入し、フェスターを救出。2人は保守室の隠し扉から地下研究室を発見し、“ロイス”が「Long-TEAM Outcast Integration Study(長期のけ者統合研究)」の略称であることを突き止める。
地下の独房には、死亡記事に載っていた患者たちが実験材料として監禁されていた。そこへ隻眼のカラスを操る黒いマントの人物が現れる。正体はフェアバーン博士のアシスタント、ジュディ・スパネゲル。彼女はストーンハーストの娘であり、父の研究を継ぐウィローヒルの真の責任者だった。ジュディは自らを実験体とし、鳥を操る“エイヴィアン”の能力を得ていた。
その直後、ゾンビのスランプが脱走し、病院内は大混乱に。フェアバーン博士とストーンハーストは逃走を試みるが、スランプに襲われる。ソーンヒルは混乱に乗じてタイラーを独房から解放するが、怪物と化したタイラーに襲われ命を落とす。
ウェンズデーとフェスターは監禁されていた患者たちを解放。ウェンズデーはその中の一人の女性と共に脱出を試みるが、途中でタイラーと遭遇。ウェンズデーはタイラーによって窓から投げ落とされ、地面に倒れる。駆け付けた警察の攻撃をかわし、タイラーはウィローヒルから逃走する。

感想(ネタバレ有)

三世代の母娘がすれ違うとき

シーズン2(パート1)は、前作よりもさらに深く、ウェンズデーの心の奥に迫る作品になっていました。

ティム・バートン監督が「家族の物語を中心に据えたい」と語っていたとおり、ウェンズデー、母モーティシア、祖母へスターの母娘三世代の関係性を軸にして物語が進んでいきます。

不安定な幻視能力、目に見えない敵の存在、母モーティシアとの確執、そして親友イーニッドの死という不吉な未来予知。次から次へと、ウェンズデーを苛立たせる出来事が起こります。

イーニッドを救いたい一心で、ウェンズデーは危険な捜査に乗り出します(イーニッド本人は何も知らず、“ウェンズデーが冷たい”と言って拗ねているところが可愛い)。

一方、ネヴァーモア学園では新しい教師や生徒が加わり、“のけ者”たちの世界がさらに広がっていきます。中でも、ウェンズデーの狂信的なファンであり、透明化の能力を持つアグネス・デミルが良いスパイスになっていて、物語に不穏さとユーモアを添えてくれました。

母を拒み、娘に拒まれる

シーズン1でも描かれていた、ウェンズデーと母モーティシアの対立構造。シーズン2ではその関係がさらに複雑になり、深刻さを増しています。

モーティシアは、ウェンズデーが姉のオフィーリアと同じ道を辿らないようにと、彼女の能力の源である「グッディの本」を没収し、力の使い方に厳しい制限をかけます。

それは母としての愛情からくる行動なのですが、ウェンズデーにとっては“監視”や“支配”のように映ってしまう。自分の意志を尊重してほしいのに、叶わない。その不満が、ウェンズデーの反抗心を強めていきます。

モーティシアはいつも優雅で完璧。けれどその美しさは、どこか“感情の抑圧”を感じさせます。彼女の冷静さの奥には、言葉にできない後悔や怒りが潜んでいるようにも見える。

そしてここに、強烈な存在感を放つモーティシアの母(ウェンズデーの祖母)へスター・フランプが加わることで、母娘の関係はさらに複雑さを増していきます。

へスターは毒舌で冷徹。どこか“感情を拒絶する”ような雰囲気をまとった人物です。モーティシアはそんな母との関係に深い傷を抱えていて、「同じことは繰り返したくない」と願っている。けれど結果的に、ウェンズデーに同じ痛みを与えてしまっています。

ウェンズデーがモーティシアを拒絶し、自分を受け入れてくれる祖母へスターに心を開くことで、三人の関係はさらに悪化していきます。

三世代の女性たちが、それぞれに母を拒み、娘に拒まれる――その連鎖が、物語の中で繰り返されているのです。

“のけ者”の力をめぐる陰謀

シーズン1で亡くなったウィームス校長の後任として、新たにバリー・ドートがネヴァーモア学園の校長に就任します。

ウィームスが人間との共存を重視していたのに対し、ドートはその方針を真っ向から批判。“のけ者”たちの存在を全面的に支持する立場を取り、学園の空気は一変します。

しかしその一方で、ドートはビアンカを脅迫し、彼女の能力を寄付金集めに利用するなど、倫理的に問題のある行動も見せています。彼の真意は不明で、ウィローヒルとのつながりや、人食いゾンビ・スラープとの接点も推測され、今後の展開に不穏な影を落としています。

第4話では、カラスを操る黒幕の正体がジュディ・スパネゲルであることが判明。彼女はウィローヒルで「LOIS(長期のけ者統合研究)」という秘密プロジェクトを行っていたストーンハースト医師の娘であり、自らもエイヴィアンの能力を手に入れています。

“のけ者”の能力を抽出し、人間に与えるというその研究は、倫理的にも危険な領域に踏み込んでいて、ジュディの目的はまだ明かされていません。彼女が死んだ描写はないため、後半で再登場すると思われます。

また、地下研究室に囚われていた女性がウェンズデーの伯母オフィーリアである可能性も浮上。もしそうなら、彼女がウェンズデーの新たな導き手となる展開も考えられます。

そして、ウィローヒルから脱走したタイラーとスラープ。生き延びた彼らが、今後どのように物語に絡んでくるのか――その動向にも注目です。

家族の呪縛はどう解かれる?

ウェンズデーは、母モーティシアを拒み続けています。母のようになりたくない。母のように生きたくない。でも、母の中にある痛みや後悔を、どこかで理解したい。そんな複雑な感情が、彼女の中でぶつかり合っているように感じました。

モーティシアもまた、支配的な母へスターを拒んでいます。かつて姉オフィーリアを守れなかった後悔が、ウェンズデーへの過保護につながっている。でもその愛情が、ウェンズデーには“束縛”として届いてしまう。

母娘の関係は、どちらかが正しいというものではなく、どちらも不器用に愛そうとしているだけなのかもしれません。

そして2025年9月3日に配信予定のパート2(第5話~第8話)では、オフィーリアが登場する可能性もあり、ウェンズデーが“家族の呪縛”をどう乗り越えるかというテーマが、さらに濃密に描かれていきそうです。

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