ネタバレ感想「記憶にございません!」結末で明かされる総理の狙い

映画「記憶にございません!」あらすじネタバレと感想

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映画「記憶にございません!」のあらすじと感想(ネタバレ有)です。

小ネタ満載のシチュエーションコメディ。記憶を失ってきょどる中井貴一さんの一挙手一投足が最高でした。

佐藤浩市さん主演の「ザ・マジックアワー」を見た時から、「次は中井貴一さん主演で作ってほしいな~」と思っていたので、中井さんと佐藤さんの掛け合いのシーンは至福の時間でした。

作品概要

  • 製作国:日本
  • 上映時間:127分
  • 公開日:2019年9月13日
  • 脚本・監督:三谷幸喜
  • 音楽:荻野清子

登場人物(キャスト)

黒田啓介(中井貴一)
井坂(ディーン・フジオカ)
黒田聡子(石田ゆり子)
番場のぞみ(小池栄子)
鶴丸大悟(草刈正雄)
古郡祐(佐藤浩市)
寿賀さん(斉藤由貴)
スーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)
ジェット・和田(宮澤エマ)
山西あかね(吉田羊)
大関平太郎(田中圭)
南条実(寺島進)
黒田篤彦(濱田龍臣)
キャスター(有働由美子)
柳友一郎(山口崇)
小野田治(梶原善)
古賀(藤本隆宏)
野々宮万作(迫田孝也)
鱒淵影虎(ROLLY)
八代(後藤淳平)

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あらすじ

病院のベッドで目が覚める黒田啓介(中井貴一)。記憶を失っている彼は、わけがわからないまま病院を抜け出す。

の目をかすめて病院を抜け出し、パジャマのまま定食屋で食事をしていると、なぜか周りの人々が自分に注目している。

ふとテレビを見ると、そこには自分の姿が。演説中に投げつけられた石が頭に当たり、病院に運ばれる男…まさにそれが自分だった。

混乱する黒田は、警察官の大関平太郎(田中圭)に保護される。大関は相手が本物の首相とは思いもせず、冗談で「SPにしてほしい」と告げる。

そこへ本物のSPである古賀(藤本隆宏)や秘書官の井坂(ディーン・フジオカ)が現れる。

官邸に連れて行かれた黒田は、自分が「史上最悪のダメ総理」と言われている第127代内閣総理大臣であることを知らされる。

黒田は政治家になってからの記憶をすべて失っていた。医者は「記憶が戻るかどうかはわからない」と言う。

このことはトップシークレットとされ、秘書官の井坂と番場(小池栄子)、秘書官補の野々宮(迫田孝也)だけが知る秘密に。

自分の妻子さえもわからない黒田は、官邸料理人の寿賀(斉藤由貴)を妻と間違えて抱き締めたり、夫婦仲が冷え切っている妻の聡子(石田ゆり子)に優しく接したりして、周囲を混乱させてしまう。

実は妻の聡子は秘書官の井坂と不倫中だった。

記憶を失う前、黒田はフリーライターの古郡(佐藤浩市)に聡子と井坂の密会写真を見せられ、金を強請られていた。しかし記憶を失った今、黒田はその写真がどこにあるのかもわからない。

そして黒田自身も、野党第二党「困民党」の党首で、かつて黒田と同じ党の同期だった山西あかね(吉田羊)と不倫関係にあった。

スーパー銭湯付きの第2の国会議事堂を建設するという「K2プラン」は、黒田の幼なじみの小野田(梶原善)が社長を務める建設会社との黒い交際によって密かに進められていた。

「史上最悪のダメ総理」を演じることに疲れ、限界を感じた黒田は、辞任することを決意する。

しかし、黒田をそばで見ていた番場は「自分の言葉で話す総理を初めて見た」と言い、その言葉に励まされた黒田は小学校時代の恩師・柳友一郎(山口崇)を官邸に呼び、政治の仕組みを一から勉強することに。

自分のやり方でこの国を変えていこうとする黒田の姿を見て、井坂たち周囲の人間も変わり始める。

井坂は内閣官房長官の鶴丸大悟(草刈正雄)を失脚させない限り、この国は変わらないと言う。黒田はフリーライターの古郡に鶴丸のスキャンダルを探らせる。

家族と向き合うため、妻の聡子と息子の篤彦(濱田龍臣)をディナーに誘う黒田。だが聡子は黒田の様子がおかしいことに恐怖を感じ、篤彦は自分の名前さえ覚えていない父に呆れ返ってしまう。

そんな中、アメリカ初の日系女性大統領、スーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)が来日。黒田は英語が堪能な聡子と、「Me Too」の一言で何とかやりすごす。

アメリカに媚を売りたい鶴丸は、黒田の強気な態度に非難を浴びせるが、スーザンは黒田の姿勢に共感を示す。

鶴丸は古郡に都合の悪い写真を撮られ、あっさり官房長官を辞任。後任には聡子の兄・鱒淵影虎(ROLLY)が抜擢される。「K2プラン」も白紙になる。

そんな中、聡子と井坂の密会写真が週刊誌に掲載されてしまう。

井坂は辞表を提出するが、黒田は「私にも責任がある」と引き留める。井坂が聡子に近づいたのは、黒田への嫌がらせのためだった。井坂に捨てられた聡子は、家を出て行く。

タクシーの中で、国会中継を見る聡子。そこには、カメラに向かって聡子への愛を叫ぶ黒田の姿が。聡子は国会議事堂へ向かい、国会を終えて出てきた黒田と抱き合う。

聡子との関係を取り戻した黒田は、あらためて国民の前に立ち、生まれ変わったことを報告する。

鶴丸に依頼されたスナイパーがパチンコで黒田を狙うが失敗。SPに就任したばかりの大関が犯人を追う。

番場は黒田の小学校時代の作文を見つける。それを読んだ黒田は、途中から記憶が戻っていたことを打ち明け、番場に「これは国家機密だ」と告げる。

ある日、黒田が官邸のデスクで仕事をしていると、息子の篤彦がやって来る。真面目な顔で「僕もいつか総理大臣になりたい」と言う篤彦。

黒田は驚きながらも、照れくさそうに笑って頷く。

感想

最高のキャスティング

三谷さんの映画は「清洲会議」以降見てなかったのですが、中井貴一さんが主演ということで久しぶりに劇場へ行って見ました。

最高のキャスティングでしたね~。

中井貴一さんはもちろんですが、秘書官役のディーン・フジオカさんがハマりすぎ。

あと鱒淵役のROLLYさんが地味ながら光ってました(言われなかったら絶対に誰だかわからない)。

右往左往する登場人物たちを見て笑い、ちょっとほっこりする、三谷さんらしい王道の作品だったかな。

ほんの少しのきっかけで、人は変わることができる。個人が変われば、まわりの人たちも変わる。そして、国をも変える…かもしれない。

そんなメッセージが込められた作品でした。

変わるきっかけ

小学生の時、「将来の夢は総理大臣になること」と作文に書いていた黒田。

けれどまわりからは「おとなしいから無理だ」と言われ、「本当は明るい性格なのに」と、素の自分を出せないことに悩んでいました。

突然変わったらみんながびっくりするからと、変わるきっかけを探っていた彼は、ある日サッカーボールが頭に当たったのを「きっかけ」にして、そこから明るい性格に変身。

総理大臣になれたのは、そのおかげだと黒田は言います。

このエピソードは面白かったです。人は何かきっかけがないと、変われないものなのかもしれない。

逆に言うと、きっかけさえあれば変われる。だったら、何でもいいから「きっかけ」にしちゃえばいい。そういうことかも。

黒田の記憶が戻ったのはいつ?

終盤、黒田は「実は途中から記憶が戻っていた」ことを番場に打ち明けています。

いったい、どの時点から記憶が戻っていたのでしょう?

はっきりとはわかりませんが「あれかも?」と思ったシーンがあります。黒田が台所で斉藤由貴さん演じる料理人の寿賀さんに、フライパンで殴られるシーンです。

その時に記憶が戻ったのかもしれません。確かめるためにもう一度見たいです。

ほっこりするけど…

もっとドタバタした笑いになるかと思ったのですが、始まってからしばらくたっても静かで、最後まであまりはしゃぎすぎずに終わったという感じでした。

後半にあらゆる伏線が回収されていって、ワーッと笑いの渦に巻き込まれていくような(わたしの好きな)あのキレと勢いはなかったです。

わたしは三谷さんの作品は映画よりも舞台を見た回数のほうが多くて、やっぱり舞台のほうが面白いと思ってしまうなぁ。

映画なら「ラヂオの時間」と「THE有頂天ホテル」が好きで、この2作をどうしても超えられないんですよね、わたしの中では。

今回の作品も、面白くないわけではないんだけど。何度も「ここ、笑うとこだよね」って思いながら、二マリとはできても、爆笑するところまではいきませんでした。

わたしが老いたせいかもしれません。

映画もいいけど、三谷さんのドラマも好きです。また作ってくれないかな~と思ったりしてます。

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