中国ドラマ「逃れられない運命-在劫難逃-」についてまとめました。
家族を失った刑事が何度も過去をやり直す、緊迫のサスペンスドラマ。ループから抜け出す方法や、彼を追い詰める人物の目的など、謎が謎を呼ぶ展開と実力派キャストが繰り広げる騙し合いに注目です。
韓国のアイドルグループ・EXO出身のルハンが狂気を孕んだ青年を演じ、アイドルの顔とは真逆の怪演を見せています。
Contents
作品概要
- 放送局:BS11(イレブン)
- 放送時間:2021年10月7日(木)から毎週月~金曜11:29~
- 製作国:中国(2020年)
- 原題:在劫难逃
- 脚本:ジェン・フーチュン/マー・スーユー/レン・コー
- 監督:ウー・バイ
あらすじ
有能な刑事である張海峰は、娘を事故で失ったことで妻と別れ、刑事の仕事も休職していた。ある日、彼は謎の青年が起こした殺人事件に巻き込まれ、かつての妻と仲間を失ってしまう。しかし、気を失った彼が目覚めると、妻を失う事件の数時間前に戻っていた。
U-NEXT公式サイトより
予告動画
登場人物/キャスト
警察
張海峰(チャン・ハイフォン)/ワン・チエンユ
観湖署の刑事。2年前に事故で娘を失い、妻とも別れ、生きる希望を失っている。現在は休職中で、ビーフン店を営みながら自堕落な生活を送っている。ある日捜査中の事件に巻き込まれ、元妻・喬昕を誘拐した趙彬彬にビルの屋上で銃殺される。目覚めると数時間前に戻っており、事件を阻止すべく趙彬彬を追う。
趙敏(チャオ・ミン)/チー・シー
観湖署の刑事。張海峰の部下で、休職中の海峰が復帰することを望んでいる。 ある日、自首してきた青年が海峰を指名したため、彼を説得して尋問に立ち合わせる。海峰と趙彬彬の繋がりに疑念を抱きつつも、海峰を捜査に参加させる。
賀勝傑(ホー・ションジエ)
2017年に観湖署に着任した刑事。システムの修復のため一日早く着任し、その後は趙敏と行動をともにするようになる。
事件関係者
趙彬彬(チャオ・ビンビン)/ルハン
観湖署に自首してきた連続殺人犯。当初は「付吉亮」と名乗り、犯人に自首するよう脅されたと語っていたが、すべて演技だったことが判明。逃走して海峰の元妻・喬昕を誘拐し、ビルの屋上で海峰を銃殺、エレベーターに仕掛けた時限爆弾で趙敏ら捜査官を皆殺しにする。
孫暁萌(スン・シャオモン)/喬欣(チャオ・シン)
趙彬彬が通っている〈欧墨フラワー店〉の店員。劉雨奇と付き合っている。
劉雨奇(リウ・ユーチー)/張皓然(チャン・ハオラン)
会社を経営する青年実業家。恋人・暁萌の店に通う趙彬彬を密かに調査する。
李瀾(リー・ラン)
駐車場で趙彬彬に殺害された女性。食品貿易会社の経営者。2005年から2011年まで〈十方化学〉を経営していたが、汚染問題で訴えられ転業した。
付吉亮(フー・ジーリャン)
趙彬彬に殺害された男性。緑藤大学の客員教授。自宅で遺体が発見される。かつて〈十方化学〉で会計士をしていた。
雷強(レイ・チャン)
〈十方化学〉の工場で働いていた男。工場の汚水による被害を訴え、デモを行う。
杜朝陽(ドゥー・チャオヤン)
〈十方化学〉の薬品を安値で売っていた〈長寧貿易〉の社長。〈シシュフォス画廊〉の持ち主でもある。画廊を劉雨奇に売った直後、何者かに襲われる。
そのほか
喬昕(チャオ・シン)
海峰の元妻。会計士。事故で死んだ娘・朶朶のことで海峰を許すことができず、別れを選んだ。現在は別の男性と婚約している。趙彬彬に拉致され、人質となってしまう。
朶朶(ドードー)
海峰の娘。父親が襲われる場面に遭遇して以来、言葉を発することができない。2年前、海峰と霧霊山に行って崖から転落し、命を落とした。
徐岳(シュー・ユエ)
喬昕の婚約者。飲食店を経営している。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
※BS11編集版(各話30分弱/全20回)のため、オリジナルの話数とは異なります
付吉亮(フー・ジーリャン)と名乗る青年が「昨夜、李瀾という女性を殺した」と観湖署に自首してくる。青年はなぜか休職中の刑事・張海峰(チャン・ハイフォン)を指名。彼にだけ真相を話すという。張海峰は2年前に事故で娘の朶朶(ドードー)を亡くし、妻の喬昕(チャオ・シン)とも別れ、休職してビーフン店で働いていた。
部下の趙敏(チャオ・ミン)は、自堕落な生活を送る海峰を説得して署に連れ出し、青年の尋問に立ち合わせる。すると青年は「犯人に自首するよう脅された」と泣きながら語り、犯人が「今晩10時半に萌渚路でまた人が死ぬ」「朶朶の死は偶然ではない」と話した、と打ち明ける。激昂した張海峰は青年に掴みかかる。
趙敏たちは位置情報から付吉亮の家を突き止め、そこで本物の付吉亮の遺体を発見する。その頃、取調室にいた青年は泡を吹いて失神。病院に運び込まれるが、看護師たちを殺して逃走する。海峰が駆けつけると、診察台の上には元妻・喬昕が拘束されている写真が残されていた。
青年は海峰の携帯に連絡し、趙彬彬(チャオ・ビンビン)と名乗る。彼の指示に従い、和平ビルの屋上に向かう海峰。趙彬彬はビルに爆弾を仕掛けたことを告げ、仲間か元妻の命かどちらかを選べと迫る。
喬昕を助けようとした海峰は、趙彬彬に撃たれて即死。その衝撃で趙彬彬も屋上から転落し、ロープで繋がれていた喬昕も道連れに。直後に時限爆弾が爆発し、エレベーターで屋上に向かっていた趙敏たち捜査官も死んでしまう。
張海峰が目を覚ますと、そこは彼が経営するビーフン店だった。数時間前に戻っていることを知った海峰は、殺人事件を阻止すべく現場へ向かうが、李瀾は既に殺されていた。海峰は現場近くで犯人を見つけて追跡するも、見失ってしまう。
李瀾殺害現場に駆けつけた趙敏らが遺体を発見した警備員から話を聞いていると、張海峰が現れる。「彼が犯人だ」と主張する警備員に対し、「犯人は趙彬彬」と説明する張海峰。
凶器の包丁からは張海峰の指紋しか検出されなかったが、防犯カメラの映像でアリバイが証明される。海峰は次の犯人の狙いが元妻・喬昕であることを伝え、彼女の保護を頼む。
翌日、趙彬彬は付吉亮の体に爆弾を巻き付けた動画を趙敏宛てに送りつけ、爆弾を解除してほしければ1時間以内に張海峰を和平ビルへ行かせろと命じる。動画の背後にマラソンの歓声を聞き取った海峰は、マラソンコースの下水道管だと推測。マラソン大会を中止し、観客を避難させる。
趙敏らは付吉亮がいるマンホールを発見するが、爆弾を解除できない。爆発まで残り5分、海峰は爆弾を川に投げ捨て、どうにか処理することに成功。趙敏らは趙彬彬を逮捕するため、彼の自宅へ向かう。
趙彬彬の家を突き止めた趙敏は張海峰とともに乗り込むものの、彼の姿はなかった。窓辺の鉢植えが気になった張海峰は〈欧墨フラワー店〉に聞き込みに行き、趙彬彬がいつも同じ花を買っているという情報を得る。
別れた妻・喬昕を趙彬彬から守ろうとする張海峰だったが、事情を知らない彼女は「もう家族じゃない。私を事件に巻き込まないで」と突っぱねる。しかし婚約者の家からの帰り道、喬昕は趙彬彬に捕まり拘束されてしまう。
趙敏は趙彬彬について調べるが、被害者2人との接点が見つからない。
趙彬彬はなぜ自分を狙うのか。それが事件解決の糸口だと考えた張海峰は、捜査記録を丹念に読み込む。翌日、張海峰が店で食事をしていると趙彬彬が堂々と現れる。趙彬彬は拉致した喬昕の写真を見せ、付吉亮を清河に連れてこいと命じる。
張海峰は指示に従うふりをして趙彬彬を出し抜く計画を立てる。彼の指示通り和平ビルの屋上へ辿り着いた張海峰は、命じられたとおり付吉亮を殺害すると見せかけ、屋上から突き落とす。だが落下地点には趙敏らがエアークッションを準備して待ち受けていた。
趙彬彬は2年前、張海峰の娘・朶朶に殺害現場を見られたことを明かす。朶朶は逃げようとして足をすべらせ、転落死したのだ。
趙彬彬が張海峰を撃とうとした瞬間、狙撃手が趙彬彬の手を狙い撃ち、趙敏らが喬昕を救出する。救急車に運び込まれた趙彬彬に呼ばれ、同乗する張海峰と趙敏。だが救急車が走り出すと、彼は「今回まだ僕はあなたを殺せるかな」と言い、その瞬間救急車が爆発する。
趙彬彬とともに救急車に乗り、爆発に巻き込まれた張海峰。目覚めるとさらに時間をさかのぼり、朶朶がまだ生きていた2年前の2017年5月6日に戻っていた。
帰宅した張海峰は思わず朶朶を抱きしめ、妻・喬昕にも優しい言葉をかける。与えられたチャンスを生かして二度と家族を傷つけないことを誓う張海峰。何としても趙彬彬の動機と自分の覚醒を解明しようと決心し、趙敏に命じて趙彬彬について調べさせる。
翌日、張海峰が眠っている間に喬昕は仕事へ行き、朶朶はお絵描き教室へ。不安に駆られる海峰は朶朶のもとへ行こうとするが、その日は326事件の表彰式だった。趙敏から連絡を受けた海峰は、表彰式に遅れて出席する。
張海峰は表彰式のスピーチで失った同僚とその家族について語り、生きていることが大切だと声を張り上げる。署に戻った張海峰は、朶朶がいるはずの中山広場で騒ぎが起きていることを知り、現場へ向かう。
広場に朶朶の姿はなく、喬昕に電話すると「会場が変更になって霧霊山に向かっている」という。胸騒ぎを抑えきれない張海峰は霧霊山へと車を走らせるが、途中で趙彬彬が通っていた花屋の女性を見かけ、運転を誤り運搬中の荷物に突っ込んでしまう。それは未来で喬昕の婚約者となる徐岳(シュー・ユエ)の店の食料品だった。
現場に駆けつけた張海峰は、転落した朶朶を趙彬彬が救ったと知って動揺する。その頃観湖署には賀勝傑(ホー・ションジエ)が着任し、システムを点検していた。
趙彬彬が山で朶朶を助けたと知り、戸惑う張海峰。二度と家族を失うまいと妻・喬昕のことも気遣うが、帰宅した張海峰に喬昕は離婚届を差し出す。
刑事の妻となり、朶朶ともども何度も危険な目に遭ってきた喬昕の気持ちを思いやり、今度こそ逃げないと誓う張海峰だったが、喬昕の反応は冷ややかだった。
女性にだけ甘いと悪評のある大学教授・付吉亮が用具室で遺体となって発見される。趙彬彬の仕業だと察した張海峰は、次に狙われる李瀾の居所を突き止めるよう部下に命じる。
その頃、趙彬彬が通う花屋の店員・孫暁萌(スン・シャオモン)の恋人・劉雨奇(リウ・ユーチー)は、密かに趙彬彬を調査していた。
張海峰は、趙彬彬が研修医として勤務している病院を訪ね、彼の前夜の行動に探りを入れる。すると趙彬彬は映画館にいたと告げ、証拠のチケットを見せる。
映画館の監視カメラには、一人で訪れている趙彬彬のほか、花屋の孫暁萌とその恋人・劉雨奇も映っていた。張海峰は現場近くの監視カメラに彼らしき人物の後ろ姿が映っているのを見て、彼が映画の上映中に裏口から抜け出して犯行に及んだと推測し、殺人容疑で署に連行する。だがドライブレコーダーの映像を確認すると、映っていた男は別人だった。
その頃、十方化学の工場長である李瀾は、労働者たちから工場の汚水問題を訴えられ、賠償金を払うよう迫られていた。
容疑者でもない趙彬彬を調べさせ、李瀾を監視させる張海峰に不信感を募らせる趙敏。事情聴取を受けた趙彬彬は釈放されるが、帰り際に「考えてもわからないことは、そのままのほうがいい」と海峰に告げる。
趙敏は李瀾がかつて十方化学の工場長だったことを知り、工場の汚水問題でデモを起こした雷強(レイ・チャン)に会う。付吉亮の写真を見せられた雷は、彼が十方化学の会計士だったことを告げる。
その頃、趙彬彬が担当する患者・小亮(シャオリャン)は、発達支援センターで朶朶と知り合い、仲良くなる。
劉雨奇に呼び出された孫暁萌は、2人の写真が飾られた部屋でプロポーズされる。感動した孫暁萌は涙ぐみながら承諾し、2人は唇を重ねる。その後、劉雨奇からその事実を知らされた趙彬彬は、「多くのことを知るほど危険を招く場合もある」と忠告する。
張海峰と趙敏は、李瀾の車のナンバープレートと付吉亮の教材に同じ折り鶴の印があったことから、犯人が故意に残したメッセージと推測。手がかりを得るため、閉鎖された十方化学の工場へと向かう。
工場閉鎖後は管理されず、土地は荒れ、住人たちもほとんどが村を離れてしまっていた。現在も工場の近くに住む女性に話を聞くが、村に趙という名字の人はいないと言う。
その頃、劉雨奇は〈シシュフォス画廊〉を訪ねていた。画廊の持ち主である杜朝陽(ドゥー・チャオヤン)は、ある絵画の隅に折り鶴の印がつけられていることに気づく。
〈シシュフォス画廊〉を訪れた劉雨奇は、かつて孫暁萌が見つめていた絵の前で、2人の出会いのきっかけとなったことを思い出す。
一方、汚染問題で閉鎖された〈十方化学〉を調べていた張海峰と趙敏は、〈十方化学〉の薬品を安値で売っていた〈長寧貿易〉の社長・杜朝陽が次の犠牲者だと推測し、彼の画廊へと急ぐ。だが杜朝陽はすでに襲われ、現場にいた劉雨奇が逮捕される。
劉雨奇は忘れ物を取りに画廊に戻り、倒れている杜朝陽を発見したと説明。犯人は見ておらず趙彬彬のことも知らないと主張するが、張海峰は彼がウソをついていることを見抜く。
現場には、真ん中に花の飾りがついた折り鶴の燃えかすが残されていた。張海峰は趙彬彬、孫暁萌、劉雨奇の3人が事件に関わっており、その中の誰かが〈十方化学〉と関係があると考えるが…。
劉雨奇は画廊で趙彬彬と遭遇していたが、警察と孫暁萌に「犯人を見てない」と嘘をつく。だが孫暁萌は事前に「劉雨奇に見られた」という電話を受けており、犯人が誰なのかを知っていた。暁萌は幼い頃に施設で過ごした日々を思い出す。
翌朝、趙敏と賀勝傑は劉雨奇の会社を、張海峰は孫暁萌の花屋を訪ね、それぞれ話を聞き出す。劉雨奇は付吉亮が殺された夜、暁萌と映画を見たと証言する。海峰は同じ高校だった趙彬彬を知っているかと暁萌に尋ねるが、彼女は知らないと答える。
管轄外で白骨化した男の死体が発見される。遺体が埋められていた場所のそばには、趙彬彬が住むアパートがあった。
趙彬彬が住むアパートの住民から話を聞く張海峰。3人家族だったが母親は早くに亡くなり、父親の趙磊(チャオ・レイ)は7~8年前に突然いなくなったという。アパートのすぐそばで発見された白骨遺体が趙磊ではないかと疑う張海峰に、趙彬彬は父親の歯の治療記録を渡す。
その頃、喬昕と朶朶は展覧会場で張海峰を待っていた。朶朶は小亮からもらった薬を「パパと一緒にいられる魔法のキャンディー」だと思い込み、一気飲みする。張海峰が会場に到着すると既に展覧会は終了しており、喬昕は倒れた朶朶を病院に運び込んでいた。喬昕は病院に駆けつけた張海峰に事情を説明し、離婚の決意を告げる。
趙敏は映画館を訪れ、趙彬彬が劉雨奇のすぐ後ろの席に座っていたことを確認。2人が共謀して犯行を行ったのではないかと疑う。
趙彬彬と孫暁萌が同じ施設で育ったことを知った劉雨奇は、趙彬彬を呼び出して挑発する。趙彬彬は暁萌が普通の生活を送ることだけが望みだと言い、「本気で愛してるなら余計なことはするな」と忠告する。
歯の治療記録から、埋められていた遺体は趙彬彬の父親・趙磊と判明する。趙彬彬が18年前に施設から引き取られた養子であることを知った張海峰は、彼がいた児童養護施設を訪ねるが、有力な情報は得られない。
張海峰が訪ねる前に施設を訪れていた劉雨奇は、代表者に大金を払い、趙彬彬と孫暁萌が施設内で友達だったことを口止めしていた。
張海峰は趙彬彬に会い、父親との関係がよくなかったことを指摘。「君が殺したんだろう?」と問い詰めるが、趙彬彬は否定する。「もし僕が犯人なら次は何をしますか?」と聞かれた張海峰は、「もし俺が君の立場なら、張海峰を殺す」と答える。
入院していた朶朶が退院することになり、雨が降る中、趙海峰は病院へ迎えに行く。海峰は喬昕と朶朶を車の中で待たせ、病室に忘れたという朶朶の絵を取りに戻るが、何者かが故意に起こした事故により、2人は亡くなってしまう。
その頃、趙彬彬は脳腫瘍を患う小亮の手術に臨んでいたが、手術はうまくいかず、小亮は命を落とす。
喬昕と朶朶の葬儀を終えた張海峰は、孫暁萌に会いに行き「趙彬彬が俺の家族を殺した」と告げる。彼はあなたの店の常連で、しかも目的は花ではなくあなただ、と指摘する張海峰に対し、暁萌は「意味がわからない」と素知らぬふりをする。
張海峰は「今夜、実家で待っていると伝えてくれ」と暁萌に告げて立ち去る。
張海峰が趙彬彬の家で待っていると、劉雨奇が現れる。趙彬彬について追及された劉雨奇は、一晩待てば趙彬彬の動機がわかると告げる。
趙敏は趙彬彬と劉雨奇の周辺の人物を洗い出し、2005年に孫暁萌の父・孫晨(スン・チェン)が事故死している記録を見つける。孫晨は十方化学の品質検査員だったが、事故死する1年前に会社の金を盗んだとして逮捕されていた。
当時、孫晨は娘の治療のために工場長の李瀾から金を借りたと主張しており、貸していな孫晨の死後、暁萌は施設に預けられ、そこで趙彬彬と出会ったのではないかと推測する趙敏。その事実を隠そうとした劉雨奇が情報を握っていると確信する。
張海峰が〈五指山時計店〉に入ると、劉が「ずっと待ってたよ」と言う。
孫暁萌の父・孫晨は、工場長の李瀾から金を借りる代わりに、汚染の原因になると知りつつ品質検査報告書にサインしていた。だがその直後、彼は会社の金を盗んだとして逮捕されてしまう。
新たな遺体が発見される。趙敏は孫暁萌を署に呼び出し、父親が死んだ日について聞き出そうとする。暁萌ほとんど覚えていないと言い、覚えているのは誕生日を父と祝った後、工場に出向いた父が二度と戻らなかった事実だけだと語る。
警察の記録では孫晨の死亡日は2005年6月5日だったが、なぜか暁萌の話では2004年ということになっていた。
父親が死んだ後は施設へ行ったが、趙彬彬のことは知らないと言い張る暁萌。趙敏は「なぜ劉雨奇を殺したの?」と聞く。港で発見された遺体は劉雨奇だった。
一方、張海峰の前に現れた劉雨奇は、「外界に私はもういない。死んでいる」と告げる。劉は暁萌を家に呼び、2人で街を離れようと持ちかけたが、暁萌は応じなかった。そんな彼女に「趙彬彬は連続殺人犯だ」と告げる劉雨奇。暁萌は劉雨奇にナイフを向ける。
孫暁萌に刺された劉雨奇は、「過去を忘れ、これ以上苦しまないでくれ」と言い残して死ぬ。暁萌に呼び出された趙彬彬は車に彼の遺体を積み、海に捨てる。
孫暁萌を追及し、張海峰を狙う理由を聞き出そうとする趙敏。一方、異空間にさまよい込んだ張海峰は、死んだはずの劉雨奇から真実を聞かされる。
殺された李瀾、付吉亮、杜朝陽の3人は、孫暁萌の父・孫晨と関わりがあった。彼らは孫晨を騙して窃盗罪で逮捕させ、汚染問題の罪を押しつけようとしていた。ところが計画を知った〈弧光科学〉から脅迫を受け、孫晨の無実を証明せざるをえなくなる。
釈放された孫晨は、病気の娘・暁萌を救う薬と引き換えに〈弧光科学〉の研究に協力する。彼らは人体に有害な薬を研究しており、孫晨の分子式を入手しようと企んでいた。
1年後、何の成果もないことに業を煮やした〈弧光科学〉は、かつて孫晨が谷(グー)教授との脳研究の実験で使用した薬を教えるよう迫る。「人のためにならない」という教授の意向で実験を中止したことを知る孫晨は知らないふりをするが、従わなければ暁萌に与えている薬の輸入を止めると脅される。
暁萌のための薬を完成させた孫晨は、密かに逃亡を計画。施設にいる暁萌に「6月5日午後4時に線路で待っていて」という手紙を送る。当日、爆発を起こして研究所を脱走した孫晨は、〈弧光科学〉の追跡から逃れようと車を暴走させる。
偶然その様子を目撃した張海峰は孫晨の車を追うが、線路に近づいたとき〈弧光科学〉の黒いセダンが孫晨の車にぶつかる。踏切の前にいた幼い暁萌は、目の前で電車が父の乗った車に衝突するのを見てしまう。さらに孫晨を助けようと現場に駆けつけた張海峰を見て、彼のせいだと誤解する。
孫暁萌は自分の復讐に巻き込んでしまった趙彬彬を守ろうと自白するが、趙彬彬は海に身を投げて自殺する。
劉雨奇は癒えない傷を治療するために“記憶を修復する方法”を開発したと告白する。そして張海峰こそ最初の被験者だと明かす。痛みの記憶を抱える張海峰に再選択の機会を提供し、失敗すれば新たな情報を与え、記憶の中で運命から逃れる方法を探させていたのだ。
張海峰は「過去に戻るほど真の世界で目覚める保証がなくなる」という忠告を聞いたうえで、事件の原点となる2004年の世界へ向かう。
張海峰は幼い趙彬彬を施設から引き取ると、入院中の孫暁萌を見舞い、赤いアジサイを贈って「花言葉“永遠の希望”を忘れずに覚えておいてくれ」と伝える。病院で出会った喬昕から「何かあったら連絡して」と渡された名刺を受け取り、2人はすれ違う。