北欧ドラマ「THE LAWYER ~復讐の天秤~」(全10話)についてまとめました。
スウェーデンの都市マルメとデンマークの首都コペンハーゲンを舞台に、復讐の鬼と化していく兄妹を描いたサスペンスドラマ。2020年にはシーズン2も製作されています。IMDbの評価は7.0。
復讐モノなのでけっこうハラハラさせられるシーンが多いです。タイトルが「THE LAWYER(弁護士)」なだけあって裁判のシーンも多く、検事との駆け引きなどリーガルドラマとしても楽しめます。
Contents
作品概要
- 放送局:WOWOWプライム
- 放送時間:2022年2月20日(日)・27日(日)13:00~ ※各5話ずつ放送
- 製作国:スウェーデン/デンマーク(2018年)
- 原題:Advokaten
あらすじ
養子である兄フランクと両親の実子である妹サラは幼いころ、車に仕掛けられた爆弾で両親が殺されるという悲劇を経験する。以後、兄妹は別々の家族のもとで育てられ、フランクは弁護士に、サラは警察官になった。
WOWOW公式サイトより
事件から20年後の現在、薬物依存症になって夫と離婚したサラは自分の両親を殺した犯人を独自に調べ続け、ある警察官がなぜか犯行現場にいたことに疑問を抱く。サラとフランクはその警察官ヤーヌと会うが、兄妹の両親が乗った車に爆弾を仕掛けたのがヤーヌの幼なじみである裏社会の大物ヴァルドマンだったと知ることに。直後、ヤーヌのもとを訪れたヴァルドマンの手下に襲撃され、サラは足に負傷してしまう。サラとフランクは両親を殺した犯人に裁きを受けさせられるのか……。
予告動画
登場人物(キャスト/吹き替え)
※一部ネタバレを含みます
主要人物
フランク・ノードリング(アレクサンダー・カリム/声:杉村憲司)
敏腕弁護士。幼い頃に養父母が乗った車が爆発するところを目の前で目撃。その影響で今も耳鳴りや悪夢に苦しめられている。信頼の置ける上司のもとで順調にキャリアを重ね、既婚者のパトリシアとも愛し合っていたが、すべてを捨てて妹サラとともに両親の復讐へと突き進んでいく。
サラ・カリル(マリン・ブスカ/声:田中杏沙)
警察官。フランクの血の繋がらない妹。両親が殺され祖母の家に引き取られたが、16歳の時に祖母が亡くなって酒とクスリに溺れるようになる。結婚後も薬物依存から抜け出せず、一人息子のリアムは離婚した元夫と暮らしている。事件の真相を探るため、最初に現場に駆けつけた警察官ヤーヌ・マルコンを見つけ出し、爆弾を仕掛けた犯人がトーマス・ヴァルドマンだと知る。
犯罪組織
トーマス・ヴァルドマン(トマス・ボー・ラーセン/声:磯部勉)
犯罪組織のボス。フランクとサラの両親が乗った車に爆弾を仕掛けた張本人。弁護士のスヴェン・エリクとは長い付き合いで、娘のテレーゼを彼の事務所で働かせている。がんを患っているが周囲には秘密にしている。
ボグダン・ニコリッチ(ヘニング・バリン・ヤコブセン)
建設会社の経営者。ヴァルドマンの右腕的存在で、麻薬取引に関わっている。感情に走りがちなマルコスを教育するよう命じられる。
マルコス(ヨハネス・ラッセン/声:森宮隆)
ヴァルドマンの手下。ヤーヌの裏切りを知って殺害し、その場から逃亡したフランクとサラを捜している。ヴァルドマンの娘テレーゼに恋している。
ブライアン(ペーダー・トーマス・ペダーセン)
ボグダンの建設会社の従業員。暴行容疑で逮捕されるも、フランクの手回しによって釈放される。だが警察に組織を売ったとボグダンに誤解され、会社をクビになる。報復のためボグダンを襲って携帯を奪う。
ダニエラ・アヤラ(モニカ・アルボルノス)
麻薬カルテルのボス。殺人罪で終身刑を受け、刑務所に入っている。息子のルーカスとファビアンを使ってフランクの存在を突き止め、自分の供給元を奪ったヴァルドマンに報復しようとする。
〈ヴィセン〉
スヴェン・エリク・ヴィセン(ニコライ・コペルニクス/声:江原正士)
弁護士。フランクの才能を見込んで、自身が経営する事務所〈ヴィセン&パートナーズ〉に引き抜く。顧客のトーマス・ヴァルドマンとは長い付き合いで、多くの案件を引き受けている。
ヤコブ・オランダー(アンドレ・クリステンソン)
パラリーガル。フランクの言動に疑いを抱く。
テレーゼ(サラ・ホルト・ディトレブセン/声:折井あゆみ)
トーマスの娘。事務所でインターンとして働いている。3歳の時に家を出ていった母ブランカを捜してほしいとマルコスに頼む。
そのほか
ヤーヌ・マルコン(ビャールネ・ヘンリックセン)
サラとフランクの両親が殺されたとき、最初に現場に駆けつけた警察官。実はトーマスの幼なじみで、ギャンブルの借金から助けてもらった代わりに組織に協力していた。兄妹にヴァルドマンが犯人だと語った直後、マルコスに殺された。
パトリシア・スターフ(リーヴ・ミョーネス/声:今泉舞)
検事。フランクの恋人。既婚者だがフランクを本気で愛するようになり、復讐に協力する。
セイド(Shebly Niavarani)
サラの元夫。医師。息子リアムの親権を持っている。過去に薬物の前科がある。
マグダレーナ(エレン・ヒルシングソ)
次席検事。裁判で無罪を勝ち取ったフランクに取引を持ちかけ、それをネタにフランクから脅迫される。
イーベン(スサンネ・ストーム)
ヴァルドマンの恋人。新居でヴァルドマンやテレーゼと一緒に暮らす予定だったが、突然ヴァルドマンから一方的に別れを告げられる。
ブランカ・ヴァルドマン(Andrea Vagn Jensen)
ヴァルドマンの妻。テレーゼの実母。テレーゼが3歳のときに家を出て、以来、音信不通になっている。
マルティン・アンカー(ヘンリク・ベスタガード)
フランクの養父で、サラの実父。警察官。左翼のデモ参加者を射殺して殺人罪で起訴されるも無罪に。釈放後、車に仕掛けられた爆弾によって妻エヴァとともに殺害された。
各話あらすじ(ネタバレ有)
20年前、父マルティンと母エヴァの養子フランクと実子サラは、幼い頃に両親が乗った車が爆破される現場を目撃する。その後、兄妹は別々の家族のもとで育てられ、フランクは弁護士に、サラは警察官になる。
サラは事件の報告書が改ざんされ、爆発の現場に最初にかけつけた警官ヤーヌ・マルコンの名前が削除されていることを知る。サラとフランクはヤーヌを見つけて追及するが、何も聞き出すことができない。
後日、兄妹はヤーヌに呼び出され、事件の真相を知らされる。ヤーヌは裏社会の大物トーマス・ヴァルドマンと繋がっており、爆弾を仕掛けた犯人は彼だという。事件当日、何も知らされずに現場を訪れたヤーヌは、手遅れだと知ってフランクを呼び止め、車に乗せないようにしたのだった。
ヴァルドマンとの関係を切り、船で逃亡を図ろうとするヤーヌだったが、ヴァルドマンの手下マルコスに見つかってしまう。ヤーヌは兄妹を逃がしてマルコスに射殺され、サラは流れ弾を受けて足を負傷する。
翌朝、ヤーヌの死を報じるニュースは流れなかった。フランクはトーマス・ヴァルドマンについてネットで検索し、知り合いの弁護士スヴェン・エリクが彼と一緒に写っている写真を見つける。
フランクはスヴェンに会いに行き、彼の事務所で働くことに。スヴェンはその場にいたヴァルドマンをクライアントとして紹介する。
マルコスはヤーヌを射殺して密かに遺体を処理し、トーマス・ヴァルドマンに報告する。そしてボートにいた者を突き止めるため、マリーナの監視カメラを調べる。
フランクはスヴェン・エリクの法律事務所ヴィセンに転職するが、スヴェンから「一週間以内に結果を出せ」と命じられ戸惑う。スヴェンの留守中に彼の部屋に忍び込んだフランクは、顧客ファイルからヴァルドマンの書類を探し出して写真を撮る。
サラはヴァルドマンと関わりのある建設会社を突き止め、その従業員ブライアン・ポールセンが暴行容疑で逮捕されたことをフランクに伝える。ブライアンはスヴェンに弁護を依頼していたが、フランクは無断でブライアンと面会し、彼を説得して強引に担当弁護士となる。
一週間で彼を釈放させるようスヴェンに命じられたフランクは、前の裁判で取引を持ちかけてきた次席検事のマグダレーナを利用し、ブライアンの捜査を打ち切るよう圧力をかける。
告訴を取り下げられたブライアンは釈放されるが、スヴェンは上手くいきすぎだと怪しみ、ブライアンが警察と取引をした可能性もある、とヴァルドマンに忠告する。
防犯カメラでサラの姿と車を確認したマルコスは、サラの自宅を訪ねてヤーヌのボートにいたことを問い詰めるが、彼女が警察官だと知って立ち去る。
ブライアンの家に怪我をしたブライアンが駆け込んでくる。警察に協力して組織を売ったとボグダンに疑われ、暴行されたという。ボグダンと話して疑いを晴らしてほしいと頼まれるが、フランクは警察に行くよう諭して帰らせる。
サラはボグダンを尾行し、工業地帯の倉庫でマルコスと会っているところを目撃する。彼らがヘロインの取引について相談している間に、サラはボグダンの車にGPSを取り付ける。
フランクは保険金詐欺で起訴されているマルティン・コドレスに目をつけ、担当弁護士のステファンを説得して担当を代わってもらうことに。
どうしてもマルティンを釈放させたいヴァルドマンとボグダンは、フランクに圧力をかけて無罪を勝ち取るよう命じる。マルティンの兄イヴァンは、3年前の容疑を持ち出した担当検事のパトリシアを逆恨みし、復讐すべきだとボグダンに訴える。
ブライアンは麻薬の取引現場に乗り込み、ボグダンの携帯と金を奪って逃走する。彼から「逃げるのを手伝って欲しい」と頼まれたフランクは、ブライアンをホテルにかくまう。ヴァルドマンはブライアンの首に賞金をかけ、彼と協力者を必ず見つけ出せとボグダンに命じる。
フランクとサラはマルティンを無罪にするため、目撃者のオーレ・イェルムを買収して証言を変えさせようとする。
フランクはマルティン・コドレスの保険金裁判を担当するために裁判所に出向くが、ブライアンから今すぐホテルに来てほしいという電話が入り、書類を取りに戻るとスヴェンに嘘をついてホテルへ向かう。
ブライアンはボグダンの携帯を持っており、彼がラトビアで断熱材の代わりにヘロインを入れて出荷している証拠画像が携帯に入っていると話す。フランクは携帯を警察に渡して証人保護プログラムを受けるよう助言するが、ブライアンは拒否する。
裁判では、マルティンが建設会社の機械を密かに撤去させたのち、盗難届を出して保険金を不正に受け取ったとして、検察側の証人オーレ・イェルムが出廷する。
オーレは機械を撤去する現場でマルティンを見たと供述していたが、法廷ではその供述を覆し、別人だったと証言する。そして昨年の銃撃事件との関連を匂わせる。検事のパトリシアは、誰かに証言を変えるよう言われたのではと問い詰めるが、オーレは否定する。
フランクは休廷中にボグダンがブライアンの居所を突き止めたことを知り、サラに連絡してホテルへ向かわせる。サラはブライアンをホテルから連れ出すが、移動中に逃げられてしまう。
フランクはヴァルドマンと対立するダニエラ・アヤラの麻薬カルテルが銃撃事件に絡んでいることを知り、機械の盗難も同じ犯行グループによるものだとしてマルティンの無罪を勝ち取る。
フランクへの想いを断ち切れないパトリシアは、フランクを尾行してサラの隠れ家を突き止める。フランクは妹サラの存在や、幼い頃に両親を殺害されたこと、ヴァルドマンに復讐しようとしていることを彼女に打ち明ける。
逃亡中のブライアンから「助けてくれ」と連絡が入り、パトリシアは兄妹を助けるため協力を買って出る。彼女はひとりでブライアンに会いに行き、ボグダンの携帯を受け取るが、その場に現れたマルコスに射殺されてしまう。
パトリシアは頭を撃たれ、病院に運び込まれる。警察手帳を見せて病院に侵入したサラはパトリシアの所持品を確認し、ボグダンのケータイがマルコスに持ち去られたことを知る。
怒りに駆られたフランクは、サラの拳銃を盗んでヴァルドマンの家へ向かう。だが彼はまだ帰っておらず、家の中に招き入れてくれたテレーゼを撃とうとするも実行できなかった。
パトリシアを撃ったマルコスはヴァルドマンの怒りを買い、切り捨てられる。サラはテレーゼを尾行してマルコスが隠れている廃ビルを突き止め、マルコスを逮捕する。
フランクは終身刑で服役中のダニエラ・アヤラに呼び出され、彼女と面会する。アヤラは自分の供給元を奪ったヴァルドマンに伝言があると言い、リトアニアから手を引かなければ報復すると告げる。
フランクはアヤラが有罪判決を受けた殺人事件の資料を調べ、不審な点があることに気付く。彼女は交際相手のエリアス・ドーガンを5階の窓から突き落として殺害したとされており、決め手になったのはエリアスの肩甲骨にあった痣だった。
押されてできたものだというのが法医病理学者の見解だったが、フランクは救急隊員が運んだときにできたあざと似ていることから、無罪の可能性を疑う。フランクは元同僚の弁護士フレドリカに話し、アヤラの弁護を担当するよう説得する。
サラはアヤラが釈放されれば抗争が起き、罪のない人が巻き添えになる、とフランクを止めようとする。フランクは協力すれば親権争いを手伝うと持ちかけ、事件現場のアパートの隣人から話を聞き出すようサラに命じる。
サラはコペンハーゲン警察のエッベの仲介で元警察官のトルベンに会い、父マルティンに汚職の噂があったことを知る。殺されたヤーヌの荷物の中には、父がヴァルドマンの妻ブランカと2人で写っている写真があった。トルベンによると、彼女は爆発事件と同じ頃に姿を消したという。
ダニエラ・アヤラの控訴審が行われ、フランクは元同僚のフレドリカをサポートするため裁判中にイヤホンで指示を出す。アパートの隣人やデンマークの法医病理学者の証言によって無罪判決が濃厚となり、アヤラは判決前に釈放される。
フランクはサラの元夫セイドに薬物の前科があることを調べ上げ、親権をサラに譲るよう脅迫する。フランクのやり方に怒りを覚えたセイドは、ボストンでの研究職を放棄し、スウェーデンに残って単独親権を申し立てると言い放つ。
フランクを怪しむパラリーガルのヤコブは、フランクのパソコンを探って彼がアヤラの控訴審に関わっていたことを知る。ヤコブはすぐさまスヴェンに報告するが、詮索を嫌うスヴェンはヤコブを解雇する。
スヴェンに目的を問われたフランクは、パトリシアとの関係を明かし、ヴァルドマンに報復したいと話す。
ヴァルドマンはマルコスの逮捕で及び腰になるスヴェンの代わりに、フランクをコペンハーゲンに連れて行き、物件の調査を手伝わせる。そこへアヤラの手下が現れヴァルドマンを襲撃するが、防弾チョッキを着用していたため難を逃れる。
フランクはヴァルドマンから「助けてくれたお礼」として金を渡され、受け取ってしまう。
自棄になったフランクはサラの家で酔い潰れ、そのままパトリシアの病室を訪れる。パトリシアの夫ヨーナスはフランクを追い払おうとし、2人が言い争っているとパトリシアが目を覚ます。
サラはボグダンの麻薬ビジネス摘発のため、サーゲ工業地帯の倉庫に突入する。だが証拠となる薬は見つからず、サラは上司の信頼を失ってしまう。ボグダンは車にGPSを仕掛けられていることに気付き、サラを嵌めたのだ。
スヴェンはヴァルドマンに弱みを握られ、5年前から彼に利用されていることをフランクに打ち明ける。結託した2人はヴァルドマンの資産を管理するため、スペインに拠点を置く持ち株会社をスヴェンの名義で作ることを提案する。
ヴァルドマンは再検査でがんの腫瘍が縮小したことを知り、テレーゼを海外旅行に誘う。父の病気を知ったテレーゼは承諾し、スヴェンに長期休暇を申し出る。
焦ったフランクはサラと協力し、ヴァルドマン親子を足止めするためテレーゼのバッグにヘロインを仕込む。駆けつけた警官にバッグを調べられたテレーゼは、警察に連行される。
その頃、車内でヘロインを吸っていたサラも警官に見つかり、捕まってしまう。
サラは上司から停職を命じられ、今後、麻薬捜査の現場に戻ることはできないと告げられる。
フランクはスヴェンからテレーゼが麻薬所持だけではなく、銃の不法所持の罪でも逮捕されたと聞いて驚く。銃の入手経路を聞くが、テレーゼは答えない。ヴァルドマンは必ず突き止めてテレーゼを釈放させろ、とフランクとスヴェンに命じる。
フランクはテレーゼの交友関係を尋ねるため、拘置所にいるマルコスと面会する。マルコスは彼女が双極性障害を患っていることを明かす。テレーゼを心配するマルコスは、わざと漂白剤を飲んで病院に運び込まれ、見張りの看守を殺して脱走する。
フランクはテレーゼが銃を入手した相手シモン・ニールセンを探し出し、テレーゼの父親がヴァルドマンだと告げて、彼女の代わりに罪を被るようシモンを脅す。
サラはフランクに協力させて、ボグダンが出入りしているスポーツバーに潜入。店の奥で油缶の痕跡を見つけ、上司に報告するも信用してもらえない。そこで敵対勢力であるアヤラに情報を流し、スポーツバーを襲撃させることに。襲撃によって現場に駆けつけた警察が麻薬の残留物を見つけ、ボグダンは逮捕される。
スヴェンはフランクがサラの車に乗るところを目撃し、車のナンバーからサラの情報を手に入れる。そして拘留中のボグダンにサラの写真を見せ、何者か尋ねる。
サラはSNSでヴァルドマンの妻ブランカを探し出し、テレーゼの友人だと偽って彼女を呼び出す。フランク2人で彼女に会ったサラは、両親の死について問い詰める。すると、ブランカは兄妹の父マルティン・アンカーがヴァルドマンの手下で、ヤーヌと一緒に情報を流していたと明かす。そして両親を殺したのはヤーヌだと言い、トーマスの関与を否定する。
病院から脱走したマルコスはヴァルドマンの家を訪ね、テレーゼを助けたいと訴える。ヴァルドマンはテレーゼを嵌めた犯人を必ず見つけ出せと命じ、マルコスに金と銃を渡す。テレーゼがいたクラブで聞き込みをしたマルコスは、その夜スウェーデン人の女性警官がいたという情報を得て、サラを疑う。
裁判所ではテレーゼの審理が始まる。テレーゼを心配する実母ブランカは法廷に足を運び、母娘は20年ぶりに再会する。ヴァルドマンはテレーゼを動揺させないようブランカに釘を刺す。
検察のマグダレーナはテレーゼが双極性障害であることに言及し、精神科医を鑑定証人として法廷に呼ぶ。フランクは車にあった銃がテレーゼのものではなく、シモンが置き忘れたものだと本人に証言させるが、精神的に追い詰められたテレーゼは検察側の厳しい追及に動揺し、矛盾した証言をしてしまう。テレーゼは懲役1年の有罪判決を受ける。
ブランカはテレーゼと面会し、20年前にヴァルドマンの暴力に耐えかねて家を出たことを打ち明ける。父親の本性を聞かされ絶望したテレーゼは、独房で首を吊って自殺する。
テレーゼの死を知ったフランクは罪悪感に打ちのめされ、復讐をやめるとサラに告げる。上司のスヴェンにも会社を辞める意向を伝える。
ヴァルドマンはテレーゼの遺書を読み、ブランカが原因だと知って彼女を殺そうとする。抵抗して逃げ出したブランカはサラに助けを求め、フランクの家に匿われる。
ブランカは20年前の真相をあらためて兄妹に話し、両親を殺したのはヴァルドマンだと告げる。彼の暴力に苦しめられていたブランカは、カウンセラーだった兄妹の母エヴァと出会い、彼女の助けを得てヴァルドマンのもとから逃げようとしていた。
警察に協力すればヴァルドマンを刑務所に入れられる、というエヴァの助言を受け、ブランカはテレーゼとやり直すため協力を決意。あの日、エヴァと彼女の夫マルティンに会う約束をしていたという。
ヴァルドマンはそれを阻止するために爆弾を仕掛け、夫妻を殺害。その後、「テレーゼに会ったら同じ目に遭わせる」とブランカにメッセージを送っていた。
フランクはヴァルドマンの訪問を受け、人気のない場所へ連れ出される。マルコスからサラの資料を受け取り、20年前に死んだ警官の娘だと知ったヴァルドマンは、「お前はいったい何者だ」とフランクを問い詰める。
ヴァルドマンは麻薬の取引相手レダスから支払いを催促され、サンクトペテルブルクに呼び出される。ヴァルドマンから同行するよう命じられたフランクは、スヴェンと相談して税関書類にわざと不備を作り、ヴァルドマンを税関で逮捕させる計画を立てる。
だが翌朝になると、レダスの意向で打ち合わせの場所が変わり、ヴァルドマンはカフェの男子トイレの天井に金を入れてくるようフランクに命じる。やむなく指示に従ったフランクは、密かにサラに連絡して打ち合わせ場所がレストランに変わったことを伝える。
その頃、ヴァルドマンからサラを殺すよう命じられたマルコスは、サラの息子リアムに接触して情報を手に入れ、彼女の別宅を突き止めていた。サラが別宅でリアムと2人きりの時間を過ごしていると、マルコスが侵入しサラを殺そうとする。不意をついて反撃し、逃げ出すサラ。マルコスは家に残っていたリアムにフランクの正体を聞き出し、ヴァルドマンに知らせる。別宅に戻ったサラはマルコスと格闘して殴り倒し、コペンハーゲン警察のエッベに連絡してフランク救出に向かわせる。
フランクがサラの兄だと知ったヴァルドマンは、テレーゼを巻き込んだフランクを責める。そして兄妹の両親を殺した理由を思い出せない、と話す。そこへ取引相手のレダスが現れ、フランクはひそかに会話を録音する。
レダスとの会談を終えると、ヴァルドマンはフランクを銃で脅して車に乗せようとする。銃を奪おうとして揉み合いになり、肩を撃たれるフランク。そこへサラとエッベたち警官が駆けつけ、ヴァルドマンを逮捕する。
サラは別宅を売り、リハビリ施設に行くことを決める。フランクとパトリシアは検事のマグダレーナと面会し、ヴァルドマンを徹底的に罰するため、レダスとの会話を録音した音声データを提出する。
テレーゼの葬儀が行われた日、ヴァルドマンはブランカに撃たれる。フランクはアヤラ殺害の共犯容疑で逮捕される。
感想(ネタバレ有)
これは…シーズン2へ続く、ということなんでしょうねぇ。
復讐モノなのに全然スッキリしなかった…。さすが北欧ドラマです。
最終話は完全に一件落着の空気だったのに、ラスト5分でどんでん返し。第9話あたりからちょっと「ん?」と思うところはあったのですが、最後の最後にやってくれました。
まずブランカに撃たれたヴァルドマンは、たぶん死んでないと思う。用心深くて用意周到な人だから、また防弾チョッキとかで免れたのでは?と思ってます。
そもそも、第9話のラストでフランクに「お前はいったい何者なんだ」とまで言っておいて、その後なんにもなかったようにフランクを信用するなんて、ありえないですよね。たぶん怪しんでいたし、何か策を講じていたはず。
それが、フランクがアヤラ殺害の共犯容疑で逮捕された件に繋がるんじゃないかと。
レダスとの会談のとき、ヴァルドマンは「アヤラの件は解決しました。今は何の問題もありません」と言っていました。この時点で、彼はアヤラが死んだことを知ってたってことですよね。
既にフランクを怪しんでいた彼は、万一のときにそなえてフランクがアヤラ殺しの罪をかぶるように仕組んでいたのかも。もしかしたら、アヤラは死ぬ前にフランクのことを話したのかもしれない。
あと、兄妹の両親が殺された爆破事件の犯人についても、ちょっと怪しい気がします。
ヴァルドマンが「どうしてお前の両親を殺したのか思い出せないんだ」と言ったのが気になります。ブランカの話したことが本当だとしたら、覚えてないわけないと思うし…。まだ何か裏がありそう。
このモヤモヤがシーズン2で晴れるといいけど。
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