ネタバレ有「ジャッカルの日」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧

英国ドラマ「ジャッカルの日」あらすじ・登場人物一覧

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英国ドラマ「ジャッカルの日」(全10話)についてまとめました。

欧州を舞台に、殺し屋ジャッカルと彼を追うMI6のスリリングな攻防を壮大なスケールで描くサスペンスドラマ。

シーズン2の製作も決定しています。IMDbの評価は8.2。

「ファンタスティック・ビースト」シリーズでも知られるエディ・レッドメインが、クールでストイックな殺し屋ジャッカル役で新境地を開いた話題作。

評判通りの面白さ! 映像もスタイリッシュで美しい! 映画版のオマージュシーンを見つけるのも楽しい!

ジャッカルの仕事ぶり、ビアンカの追跡、ヌリアの夫への疑惑、裏切り者捜し、いずれのストーリーもスリリングで飽きさせず、申し分のないクオリティです。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2025年2月22日(土)から毎週23:00~ほか
  • 製作国:英国(2024年)
  • 原題:The Day of the Jackal
  • 原作:フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』
  • 脚本&製作総指揮:ロナン・ベネット
  • 製作総指揮:ギャレス・ニーム/ナイジェル・マーチャントほか
  • 監督:ブライアン・カーク/アンソニー・フィリップソン/ポール・ウィルムスハースト/アヌ・メノン

あらすじ

超一流の殺し屋“ジャッカル”は、ミュンヘンで3815mもの遠距離にいるドイツの次期首相候補マンフレートを狙撃するという困難な暗殺を成功させる。そんなジャッカルに新たな依頼が届く。IT起業家UDCことウレ・ダグ・チャールズの暗殺だ。彼はあらゆる資金の流れを透明化する“リバー”というソフトウェアをリリースしようとし物議を呼んでいた。
一方、英国秘密情報部(MI6)の捜査官ビアンカは銃器に詳しく、ミュンヘンでの狙撃に使われた特注の高性能ライフルを手掛かりに犯人を追い始める。協力者から情報を得ようとするが、予想外の事態に陥り……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

原作について

このドラマの原作は、英国の作家フレデリック・フォーサイスの小説「ジャッカルの日」(1971年刊行)です。

著:フレデリック・フォーサイス, 翻訳:篠原 慎
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1950年代から1960年代にかけて実際に存在した、フランスの極右組織OASの暗殺計画をもとにしたフィクションです。

ストーリーは、OASがシャルル・ド・ゴール大統領を暗殺するために、冷酷な暗殺者「ジャッカル」を雇うところから始まります。ジャッカルは冷血でプロフェッショナルな暗殺者として描かれ、フランス政府の警察と情報機関が彼を追跡する緊張感あふれる展開が続きます。

著者のフォーサイスはジャーナリストとしての経歴を持ち、特に国際問題や政治についての豊富な知識を持っていました。

徹底的なリサーチを行うなかで、「OASがフランス当局に全く知られていないフリーランスの暗殺者を雇えば、ド・ゴールを暗殺できるのではないか」と考えたそうです。

1972年、アメリカ推理作家協会からエドガー賞を受賞。

1973年には、フレッド・ジンネマン監督、エドワード・フォックスとマイケル・ロンズデール主演で映画化もされています(本作には映画をオマージュしたシーンも)。

映画版の記事はこちら▼

映画「ジャッカルの日」あらすじ登場人物(キャスト)一覧 映画「ジャッカルの日」(1973)ネタバレあらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧|不可能に挑む暗殺計画の全貌

今回のドラマ版は舞台を現代に移し、原作小説を軸に時代背景や国際情勢などの設定がアップデートされた新しい作品となっています。

登場人物(キャスト/吹替)一覧

※第4話までのネタバレを含みます

主要人物

ジャッカル(エディ・レッドメイン/声:福田賢二)
クールでストイックな超一流の殺し屋。変装の達人でもある。ドイツの次期首相候補マンフレートを暗殺した直後、IT起業家UDCの暗殺を依頼される。愛する妻と子供の前では、多忙なビジネスマン「チャールズ・カルスロップ」を演じている。

ビアンカ・プルマン(ラシャーナ・リンチ/声:石田嘉代)
英国秘密情報部(MI6)303課の捜査官。元警察官で、銃器に詳しい専門局員。ドイツ当局からの協力要請で、マンフレートを暗殺したスナイパーの特定に動き始める。自らが信じる善のためなら手段を問わない。

MI6

オシタ・ハルクロウ(チュクーディ・イウジ/声:花輪英司)
MI6の上級職員。ビアンカが所属する303課の上司。ビアンカのことを“面倒なやつ”と思っており、彼女の作戦に反対する。303課に裏切り者がいるのではと疑い始める。

イザベル・カービー(リア・ウィリアムズ/声:八十川真由野)
MI6の副長官。ビアンカとオシタの上司。ビアンカに期待しつつも、冷静な目で作戦の行方を見守っている。

ダミアン・リチャードソン(ベン・ホール)
303課の捜査官。ビアンカの同僚。ジャッカル特定に向けて、ビアンカの指示を受けて動く。

エドワード・カーヴァー(ジョンジョ・オ・ニール)
MI6内の調停役。303課の漏洩疑惑を調査する。

ヴィンセント・パイン(ニック・ブラッド)
MI6の警護班に所属。ビアンカの警察大学時代の同期。ビアンカの希望で今回の作戦に急遽参加することになり、ビアンカとバディを組んでジャッカルを追う。

ターゲット

ウレ・ダグ・チャールズ(ハリド・アブダラ/声:豊田茂)
通称UDC。ビジネス界の大物で、IT起業家であり投資家。クロアチアのヴァルマリン島で、パートナーのテディとともに暮らしている。あらゆる資金の流れを透明化するソフトウェア「リバー」をリリースしようとし、物議を呼んでいる。

マンフレート・フェスト(ブルクハルト・クラウスナー)
ドイツの次期首相候補。息子のエリアスがジャッカルに襲撃されて負傷し、見舞いのため病院を訪れたところを3815メートル離れた場所から狙撃され、命を落とした。

エリアス・フェスト(ルーカス・イングランダー)
マンフレートの息子。フェスト出版社の新社長。ジャッカルの襲撃を受け、右足を負傷する。実はマンフレート殺害の依頼主。成功報酬の支払いを拒否したため、ジャッカルに報復される。

ジャッカルの周辺人物

ヌリア(ウルスラ・コルベロ/声:行成とあ)
ジャッカルの妻。スペイン人。スペインの山の上にある豪邸で暮らしている。夫の“チャールズ”が殺し屋ジャッカルであることを知らない。仕事で多忙な夫を信じて帰りを待つ日々を送っていたが、あることがきっかけで浮気を疑い始める。

ノーマン・ストーク(リチャード・ドーマー/声:土田大)
銃の製造者。北アイルランド人。1980年代に英国王党派向けに機関銃の製造を始め、兄のラリーとともに大勢のカトリック教徒を殺害した。その技能を生かし、暗殺で使用される銃を作っている。2018年の暗殺事件以来、逃亡中。

ティモシー・ウィンスロップ(チャールズ・ダンス/声:仲野裕)
ジャッカルの新たな雇い主。アメリカの金融家。ソフトウェア「リバー」のリリースによって資金の流れが明らかになることを恐れ、UDC殺害をジャッカルに依頼する。

ジーナ・ジャンソン(エレノア・マツウラ/声:ちふゆ)
ウィンスロップとジャッカルの連絡係。ジャッカルに直接会い、UDC殺害の依頼内容と報酬について交渉する。

マリサ(Puchi Lagarde)
ヌリアの母。スペイン人。謎の多い“チャールズ”に不信感を抱き、ヌリアに忠告する。

アルバロ(Jon Arias)
ヌリアの兄。スペイン人。怠け者で、大金持ちの“チャールズ”を「当たりクジ」と呼んで喜んでいたが、浮気疑惑が浮上し逆上する。

ラスムス(アンドレアス・ジェッセン)
劇場スタッフ。ジャッカルがホールの下見に行った際、落としたスマホを見つけてくれた。

ビアンカの周辺人物

ポールプルマン(Sule Rimi)
ビアンカの夫。大学講師。危険な仕事に就くビアンカを心配している。家族が巻き込まれることを恐れ、元妻アンジェラの家にジャスミンとともに身を隠すことを選択する。

ジャスミンプルマン(Florisa Kamara)
ビアンカとポールの娘。いつも仕事を優先し、家を留守にしがちな母に不満を抱いている。ある出来事を機に、ビアンカへの信頼が崩れてしまう。

アリソン・ストーク(ケイト・ディッキー)
ビアンカのアセット(協力者)。コードネームは“スパロウ”。北アイルランド在住。かつて逮捕された際、ビアンカと取引をして釈放された過去を持つ。ノーマンの居場所を夫ラリーから聞き出すよう、ビアンカに命じられる。

ラリー・ストーク(パトリック・オケイン)
アリソンの夫。麻薬組織の用心棒。かつて弟ノーマンとともに大勢のカトリック教徒を殺害し、服役。その後、和平協定の恩赦で釈放された。

エマ・ストーク(キャサリン・デヴリン)
アリソンとラリーの娘。ロンドンの学校に通いながら左翼運動に傾倒している。ビアンカの指示で逮捕され、警察の留置場で心臓発作を起こして亡くなる。

ジョージ・ハンズ(ジェイ・シンプソン)
元英国陸軍訓練生。狙撃手。ビアンカが“ジャッカル”の正体を探る中で浮上した人物。自身の犯行を否定したうえで、2013年に戦死した伝説の狙撃手“アレクサンダー・ダガン”について語る。

ジェレミー・ホワイトロック(アダム・ジェームズ)
外務大臣。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ドイツ、ミュンヘン。殺し屋“ジャッカル”は清掃員を殺して本人に変装し、フェスト出版社に潜入。会社を継いだばかりのエリアス・フェストを銃撃し、足を負傷させる。
その翌日、エリアスの父で次期首相候補のマンフレート・フェリスは、息子を見舞うため病院を訪問。ジャッカルは3815メートル離れた高層マンションの一室から、1発でマンフレートを狙撃する。
その後、ジャッカルのもとに報酬1000万ドルの新たな依頼が入る。依頼主の連絡係ジーナと会い、標的が「UDC」と呼ばれるIT起業家ウレ・ダグ・チャールズだと知らされる。
ジャッカルは10倍の1億ドルを要求し、その半額を着手金として振り込むよう提案する。
英国情報局秘密情報部(MI6)のビアンカは、ドイツ当局とのテレビ会議に強引に参加。犯人が使用したのは逃亡中のノーマン・ストークが製造した銃ではないかと推測し、作戦を任される。
ビアンカはベルファストに住む協力者アリソンに接触する。彼女の夫ラリーはノーマンの兄だった。ノーマンの所在を探るよう頼むビアンカだったが、アリソンは拒否する。
ビアンカはアリソンに協力させるため、ロンドンの学校に通う彼女の娘エマを警察に逮捕させる。しかしエマは留置場で心臓発作を起こし、亡くなってしまう。
ジャッカルはスペイン、カディスにある豪邸へ。そこでは彼の正体を知らない妻ヌリアが、幼い息子カリートとともに夫“チャールズ”の帰りを待っていた。
ジャッカルはマンフレート暗殺の成功報酬375万ユーロを依頼主に要求するが、返ってきたのは「fuck you」というメッセージだった。

ビアンカは作戦を続けるためにエマの死を隠し、「エマを釈放させたかったらノーマンの電話番号を突き止めて」とアリソンを脅す。
犯行時に使われたリュックのメーカーを突き止めたビアンカは、犯人がイギリス人で、元イギリス陸軍の兵士だと推測。同僚のダミアンに、該当する訓練生を調べるよう頼む。
アリソンは夫ラリーの携帯からノーマンの電話番号を盗み、ビアンカに伝える。電話番号の位置情報でノーマンがベラルーシのスマルホニにいると知ったビアンカは、現地の特殊部隊員3人とともに隠れ家に踏み込む。
だがノーマンの反撃を受け、特殊部隊員2人が死亡。ノーマンにも逃げられてしまう。ビアンカはノーマンがあらかじめ情報を得て急襲されるのを知っていたと確信する。
ジャッカルにUDC殺害を依頼したのは、金融家のウィンスロップをはじめとする富裕層の人々だった。
UDCがリリースしようとしているソフトウェア「リバー」は、あらゆる資金の流れを透明化するもので、彼らにとっては不都合な代物だった。
連絡係のジーナは、リバーがリリースされる28日までに仕事を終わらせてほしい、とジャッカルに頼む。
ヌリアは急に仕事が入った夫“チャールズ”を空港まで送っていくが、その後カディスの街でタクシーに乗っている彼を目撃し、浮気を疑い始める。
ジャッカルはマンフレート殺害を依頼した人物を特定するため、再びドイツへ。報酬の送金元を調べ、エリアス・フェストにたどり着く。

ノーマンを逃がしたことで、ビアンカの作戦は中止の危機に。だがビアンカが現地から持ち帰ったキャリーバッグが、組み立て直すと狙撃銃に変身することがわかり、作戦続行が決定する。
ビアンカは復元されたノーランの携帯の着信履歴から、スナイパーのコードネームが“ジャッカル”だと知る。
イザベルは極秘作戦の情報が敵に漏れていたことを問題視し、真相を突き止めるためカーヴァーにMI6内を調査させる。
ビアンカの上司オシタは、アメリカが303課を接触禁止にしたことから、303課内に裏切り者がいるのではないかと疑う。そしてビアンカに「情報共有は必要最小限にとどめろ」と命じる。
アリソンとラリーは警察からエマの死を知らされ、ロンドンへ向かう。ビアンカはアリソンへの同情を装い、「助けになる」と持ちかけるが、拒まれる。
ラリーは、アリソンがノーランの情報をビアンカに渡したことを知って激怒する。
ジャッカルはマンフレートの葬儀に目をつけ、当日エリアスを乗せる運転手を殺害して入れ替わる。そして車内でエリアスを撃ち殺す。
夫“チャールズ”の浮気を疑うヌリアは、母マリサと、兄アルバロとともに彼の部屋を調べる。クローゼットの床には隠し金庫があり、鏡は隠し扉になっていた。
扉を壊して隠し部屋に入ると、そこには変装の道具、大量の札束とパスポート、銃があった。
ジャッカルは秘密の部屋に仕掛けていた隠しカメラで、ヌリアたちが部屋に踏み込んだことを知る。

ジャッカルは報酬を踏み倒した依頼主エリアスを殺害し、パリへ向かう。しかしその道中、不注意から交通事故を起こしてしまい、相手のトラック運転手と駆けつけたフランスの警察官を殺すはめになる。
オシタとビアンカは、ジャッカルの次の標的が「ロダン」であることを知る。ビアンカは元陸軍訓練生のジョージ・ハンズに会い、2013年にアフガニスタンで戦死した狙撃手アレクサンダー・ダガンの情報を得る。
夫“チャールズ”の隠し部屋を見つけ、動揺するヌリア。ジャッカルはヌリアをパリに呼び出し、自分の仕事は「産業スパイ」だと説明する。そして今抱えている案件を最後に、仕事を辞めて家族とともに過ごすと約束する。
ラリーは自分を裏切った妻アリソンを殺し、ビアンカを罠にかけて呼び出す。ビアンカはラリーに襲われるも、駆けつけた警護班のヴィンセント・パインに助けられる。ヴィンセントはビアンカの警察大学時代の同期だった。ビアンカは上司のイザベルにヴィンセントを作戦に加えてほしいと頼む。
ジャッカルはUDCの暗殺現場を下見するためエストニアのタリンへ向かう。ホールの天井パネルにのぼり仕掛けをするが、危うく転落しそうになり、スマホを落としてしまう。ジャッカルはスマホを見つけてくれたスタッフ、ラスムスの電話番号を保存する。
ビアンカが帰宅すると、ラリーが娘のジャスミンを人質にとり、家に立てこもっていた。ビアンカは所持していた拳銃でラリーの足を撃ち、ジャスミンを助ける。ラリーは逮捕されるが、ジャスミンはラリーの娘の死にビアンカが関わっていると知り、ショックを受ける。
UDC暗殺をジャッカルに依頼したウィンスロップは、連絡係のジーナにジャッカルを監視するよう命じる。ジャッカルは無断で部屋に侵入していたジーナと対面する。

ジーナは任務完了までタリンに留まることを宣言し、ジャッカルはそれを受け入れざるを得なくなる。
UDC暗殺の準備を進めるジャッカルは、銃器職人のノーマンに連絡して新たな狙撃銃の製作を依頼する。だがMI6の襲撃で腕を負傷したノーマンは仕事が困難な状態にあり、ジャッカルは彼を手伝うため隠れ家があるブタペストへ向かう。
一方、ラリーを逮捕したビアンカとヴィンセントは、入院中のラリーを拷問し、ノーマンの隠れ家がブタペストにあることを聞き出す。
ビアンカは新聞記事を見て、ジャッカルの標的「ロダン」がUDCだと気づく。情報漏洩を恐れたビアンカはオシタだけに報告し、ヴィンセントとともにブタペストへ向かう。
ジャッカルはノーマンと合流し、廃工場で3Dプリンターを使って銃の製作に取り掛かる。銃はギプスブーツの中に仕込んで、セキュリティーの厳しい会場に持ち込む作戦だった。
ノーマンはベラルーシでMI6の襲撃を受けたことをジャッカルに話し、逃げられたのは事前に警告があったからだと明かす。
銃が完成し、ジャッカルは近くの森でスイカを標的にして試し打ちをする。隠れ家に戻ろうとしたとき、ビアンカとヴィンセントを乗せた車が廃工場の前に停まる。
ジャッカルはノーマンに連絡して危険を知らせるが間に合わず、ノーマンはビアンカたちの奇襲を受けて拘束されてしまう。彼の口から自分の情報が洩れることを恐れたジャッカルは、ノーマンを狙撃し殺害する。
ビアンカに追われたジャッカルは、森の中に逃げ込み、湖に飛び込む。あと一歩というところでジャッカルを逃してしまったビアンカは悔しがる。
ずぶ濡れになったジャッカルは近くの納屋に隠れるが、農夫に殴られ気絶してしまう。

農場に逃げ込んだジャッカルは、地元の農夫アティラに拘束される。アティラはジャッカルがライフルを隠し持っていることに気づき、元軍人の兄ガボルに連絡。ガボルは英語が話せる使用人ラツィカを連れて、アティラの農場へ向かう。
ジャッカルはアティラを殺し、訪ねてきたガボルも射殺する。そしてラツィカに車を運転させて、街へ戻る。ジャッカルはヌリアに電話して危機的な状況だと打ち明ける。ヌリアは夫を助けるために、彼に頼まれた物を持ってブタペストへ向かう。
用済みになったラティカを射殺しようとするジャッカルだったが、彼に妻子がいることや、過去に戦場でまのあたりにした殺戮現場を思い出し、ラティカに口止めをして解放する。
ビアンカとヴィンセントは、アティラの農場で複数の指紋を採取する。イザベルとオシタは“アヌビス作戦”のために2人をロンドンへ呼び戻そうとするが、UDCがタリンで公式発表を行うという情報を入手し、急遽ビアンカをタリンへ向かわせる。
ヌリアと落ち合ったジャッカルは、彼女が持ってきた変装道具を使って車いすの老人になりすまし、ブタペスト空港の税関を突破する。タリン行きの飛行機では、偶然にもビアンカが変装したジャッカルの前の席に座る。
タリンに着いたジャッカルは建築技師になりすまし、以前知り合った劇場スタッフのラスムスを誘い出して誘惑する。ラスムスはジャッカルを自宅に招き、一夜をともにする。

ジャッカルはジーナを呼び出し、MI6のビアンカとヴィンセントを排除してほしいと頼む。
ジーナはロシア人の殺し屋を雇って2人を襲撃させるが、失敗する。
イギリス大使館でオシタと合流したビアンカは、自身の記憶をもとにジャッカルの似顔絵を作成する。まもなく「似顔絵にそっくりなイギリス人を民泊で見た」という警官が現れるが、ビアンカたちが民泊に突入すると、すでに無人だった。
ヌリアの兄アルバロは、ヌリアを説得してジャッカルが隠し部屋に保管していた現金の一部と銃を盗み出す。ジャッカルはその一部始終を隠しカメラで見る。
今夜から会場が封鎖されると知ったジャッカルは、ラスムスを利用して会場へ行き、隠れ場所を確保する。その夜、ジャッカルはコンサートの客になりすまし、ギプスブーツに仕込んだライフルを会場に持ち込む。そしてそのまま隠れ場所に身を潜め、決行日を待つ。
“リバー”の公式発表当日。厳戒態勢の中、UDCが会場に到着する。ビアンカたちはUDCの警護主任キースとともに警備にあたる。
ジャッカルはステージの上からUDCを狙撃するが、彼よりも一瞬早く、別の暗殺者が現れUDCに発砲する。そのせいでジャッカルの銃弾はUDCに命中せず、計画は失敗に終わる。
会場はパニック状態となり、UDCは警備員たちに保護されてステージを降りる。ジャッカルは観客に紛れて外に出るが、ラスムスに見つかってしまう。ジャッカルはラスムスを殺害し、その場から立ち去る。

2013年。ジャッカルは英国陸軍に所属する狙撃手アレクサンダー・ダガンとして、アフガニスタンのヘルマンドにいた。彼は観測手のゲイリーと組んでタリバン幹部の捕縛や殺害を任務とする特殊部隊で活躍していた。
ダガンとゲイリーは休暇で訪れたキプロス島でジェンクという男に出会い、ある人物を始末してほしいと持ち掛けられる。破格の報酬に目がくらんだ2人は依頼を引き受け、大金を手に入れる。
現在。UDCを殺そうとしたのは警護担当のクリスだった。ジャッカルにUDCの暗殺を依頼したウィンスロップは、絶好の機会を逸したことに苛立つが、ジーナは「まだ挽回できる」と期待をつなぐ。
テレビのニュース番組でジャッカルの似顔絵を見たヌリアと兄アルバロは、チャールズに似ていることに気づく。ヌリアは夫に電話し、彼の正体がジャッカルだと知る。
MI6はジャッカルの指紋とDNAを手に入れるが、見つけ出すことができない。ビアンカは戦死した狙撃手「アレクサンダー・ダガン」がジャッカルの正体ではないかと推測し、外務大臣のホワイトロックに掛け合って最高機密扱いになっている彼の記録を取り寄せる。
ジャスミンに責められたビアンカは、服役中のラリーと面会し、エマとアリソンを巻き込んでしまったことを謝罪する。だがラリーはビアンカを許さず、目の前で自殺する。
2013年。ジャッカル(=アレクサンダー・ダガン)はタリバンの現場指揮官を生け捕りにするため、彼が出席する親類の結婚式へ向かう。だが軍曹が暴走し、その場にいた全員を皆殺しにしたうえ、虐殺行為を隠ぺいするために空爆を行う。
後日、ジャッカルはIED(即席爆弾)を仕掛けて部隊を全滅させる。そしてゲイリーとともに逃亡する。
アレクサンダー・ダガンの記録を読んだビアンカは、彼の部隊がIEDで全滅し、ダガン自身も戦死したという事実に疑問を抱く。
オシタはスパイ疑惑をかけられ、拘留される。

クロアチアに戻ったジャッカルは、UDCの家があるヴァルマリン島の警備体制を視察する。
ビアンカはアレクサンダー・ダガンこそジャッカルの正体だと信じ、ダガンと親しかったゲイリー・コブに注目する。だが上司のイザベルは捜査の打ち切りを宣告し、スパイ疑惑をかけられたオシタも沈黙してしまう。
スペインに戻ったジャッカルは、妻ヌリアに殺し屋であることを告白する。そして最後の仕事をやり遂げたら終わりにする、と誓う。
ヌリアの兄アルバロは、ジャッカルの金を当てにしてカディスで最も危険な人物ジミー・テヘロと手を組み、金儲けをたくらむ。
ヌリアに泣きつかれたジャッカルは、1キロ離れた海上の船からテヘロを狙撃し、殺害する。ビアンカはネットニュースを見て、ジャッカルの犯行だと気づく。
リバーのリリース当日。ジャッカルは地元の漁師の船に乗り込んで海に出ると、漁師を殺害し、UDCがいるヴァルマリン島を監視する。島の3キロ圏内は、警護チームによって厳重な警戒態勢が敷かれていた。
UDCは朝のルーティンをこなすため、大勢の護衛たちに守られながら、海で泳ぎ始める。ジャッカルは船の上からUDCを狙撃し、射殺する。

UDCの暗殺により、ダグハウスの取締役会は「リバー」の無期限延期を決定。勝利を確信したウィンスロップは、ジャッカルを抹殺しようとする。
ビアンカはスペインで起きたジミー・テヘロ狙撃事件がジャッカルの仕業だと考え、イザベルに捜査続行を願い出るが、却下されたうえに休職を命じられる。ビアンカはその場で辞職を決断し、家族との時間を取り戻そうとする。
イザベルはホワイトロック外務大臣の指示で動いており、2人はウィンスロップと繋がっていた。ホワイトロックは、ビアンカを始末する前に、彼女にジャッカルを殺害させるようイザベルに命じる。
イザベルから非公式の秘密作戦を持ち掛けられたビアンカは、いったんは断るものの、ポールに説得されてヴィンセントとともにスペインへ向かう。
ジャッカルはクロアチアからモンテネグロへ向かうが、交通事故を起こして負傷し、車も失ってしまう。森の中で出会った老夫婦を脅し、彼らにキャンピングカーを運転させて検問を突破しようとするが、不意を突かれて襲われ、やむなく夫婦を殺してしまう。最終的に、ジャッカルはツアーバスに乗り込んで国境を突破する。
ジーナはホテルで待機するようレオノラから指示を受けるが、危険を察して身を隠す。ホテルに現れたのは、ウィンスロップが送り込んだ暗殺者だった。
ビアンカとヴィンセントはテヘロが殺害されたスペインのカディスを訪れ、現地の警察からアルバロの情報を得る。アルバロの妹の夫リチャード・カルスロップこそジャッカルだと確信した2人は、カルスロップの家を監視する。
ヌリアは夫からの電話で自分にも危険が迫っていることを悟り、息子のカリートを連れて家を出る。帰宅したジャッカルはヌリアとカリートがいないことに気づき動揺する。さらに、ジーナから「追手がスペインに向かってる」と知らされる。
ビアンカは命令を無視し、ジャッカルを殺害せず生け捕りにして、背後にいる黒幕を突き止めようとする。ビアンカとヴィンセントが家に侵入すると、酔ったアルバロが訪ねてくる。ヴィンセントがアルバロを射殺したためジャッカルに気づかれ、2人はジャッカルに射殺される。
ヌリアを追って空港へ向かうジャッカルだったが、ウィンスロップの手下に待ち伏せされ、交通事故に遭う。
イザベルはMI6の次期長官に任命される。ビアンカの死を悲しむオシタに、「彼女が命令に背いて暴走した結果」だと主張するイザベル。だがオシタのもとには、ビアンカが亡くなる前に送った「イザベルからジャッカル殺害の命令」というメッセージが届いていた。オシタはそのメッセージを削除する。
生き延びたジャッカルとジーナは、ブタペストで再会する。ジーナはウィンスロップが雇い主であり、報酬を踏み倒した相手だと明かす。ジャッカルは復讐を誓いながらも、その前に人捜しをする、と告げて立ち去る。

感想(ネタバレ有)

面白かったーー! エディ・レッドメイン最高だった!!

終わりが近づくにつれ、結末を早く知りたいという気持ちと、「もうすぐ終わってしまう」という残念な気持ちがまざりあい、複雑な気持ちになりました。

終わり方もよかった。シーズン2の製作が決定してるから、ジャッカルが死なないことは予想がついたけれど、まさかこんな結末になるとは。この先の展開、まったく読めない。楽しみでしかない。

映画版も見ておいてよかったと思いました。赤いかざぐるま、黒塗りの車の列、ロレーヌ十字。チャールズ・カルスロップ、ダガン、マリンソン。全体を通してあふれる深いリスペクト。

ジャッカルの洗練されたファッションは、エドワード・フォックスの気高さを彷彿とさせます。おそらくいちばん有名なスイカの試し打ちのシーンは、オマージュというより「完コピ」だった。感動するくらい素晴らしかった。

※ここから先はドラマと映画のネタバレを含みますのでご注意ください

映画版のターゲット(実在のフランス大統領)に比べ、本作のターゲット(架空のIT起業家)がやや見劣りする印象もあって、当初は不安を感じていました。映画版のような盛り上がりは期待できないのでは? という懸念です。

ところが回が進むにつれ、実は「雇い主」こそが真のターゲットであることがわかってくる。

壊滅状態の地下組織が大統領暗殺を企てる映画版に対し、ドラマ版では超富裕層(既得権益層)の人々がIT起業家を狙う。殺す側と殺される側の社会的ポジションが、映画版とは逆転しているんですね。

この世界の頂点に君臨するウィンスロップらは政治家を操り、殺し屋を雇い、自分たちが不利益を被るソフト「リバー」を葬るためにUDCを抹殺する。

UDCを狙う殺し屋ジャッカルも、それを阻止すべく奔走するMI6のビアンカも、結局は同じ人間によって操られていたことが、最終話で判明する。

「冷酷非情な仕事人間」と「家族を愛する夫(妻)」という二面性を持つ点でも類似している2人が、鏡を隔てて向かい合ったとき、彼らも支配者の“道具”にすぎないことを見せつけられて苦しくなった。

映画はジャッカルが死んで終わった。ドラマではビアンカが死んでジャッカルが生き延びた。シーズン2では別の誰かがジャッカルを追うことになるのだろうけど、ラストシーンで示唆されたとおり、ジャッカルが「雇い主」に復讐する展開を望んでしまう。

ジャッカルに関してはまだまだ謎が多く、わからないことだらけ。どんな家庭で育ったのか。「いい人だった」両親は今どこにいるのか。なぜ軍人になったのか。

ヘルマンドでの虐殺の後、ゲイリーとはどうなったのか(たしか第8話で、ビアンカが見ていたテレビ番組にゲイリーとジェス夫妻が出てきましたよね。これってただの偶然ではないよね?)。変装術はどこで習得したのか。なぜ殺し屋になったのか。

原作小説でも、映画版でも、ジャッカルの正体は明かされません。わたしは原作未読で映画版しか見ていないけど、ジャッカルが誰なのかわからないまま葬られるラストシーンは衝撃的だった。

ドラマ版のジャッカルは冷酷非情なだけではなく、ときに涙も見せるし苦悩もする。殺人にためらいもする。そういう人間らしい一面を持った“新しいジャッカル”に、この先も期待したい。

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