ネタバレ有「BEASTー私のなかの獣ー」全話あらすじ・登場人物(キャスト)一覧|嘘と真実が交錯する心理劇

Netflix「BEASTー私のなかの獣ー」ネタバレあらすじキャスト

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Netflixで配信中の海外ドラマ「BEAST -私のなかの獣-」(全8話)についてまとめました。

静かな町で暮らす作家アギーが、謎めいた隣人ナイルに心を揺さぶられていく姿を描いた心理サスペンス。IMDb評価は7.5。

穏やかな日常が少しずつ崩れていく緊張感や、アギーが真実を追い求める中で自分自身の弱さとも向き合っていく展開が見どころです。信頼と恐怖の境界が揺らぐ中で、予想外の展開や心理的な駆け引きが続き、最後まで「誰が獣なのか」を問いかけてきます。

作品概要

  • 製作国:アメリカ(2025年)
  • 配信開始日:2025年11月13日(Netflix)
  • 原題:The Beast in Me
  • 脚本:ダニエル・ペール
  • 監督:アントニオ・カンポス

あらすじ

人気作家アギー・ウィッグスは、幼い息子の死を機に心を閉ざし、執筆もままならぬまま空虚な日々を送っていた。そんな彼女の隣家に、不動産会社の御曹司ナイル・ジャーヴィスが越してくる。彼には、かつて妻の失踪事件で第一容疑者とされた過去があった。

やがて近隣で衝撃的な事件が起こり、アギーはナイルに疑念を抱く。恐れと興味のあいだで揺れるなか、彼女はナイルを新作の題材とすることを決意し、取材を開始する。ナイルの中に潜む“獣”を追いながら、アギーは自らの内なる闇とも対峙することとなる。

予告動画

登場人物(キャスト)一覧

主要人物

アギー・ウィッグス(クレア・デインズ)
作家。4年前に幼い息子を交通事故で失い、その喪失を抱えたまま静かな生活を送っている。原稿が書けなくなり、収入もない状態。2年前には妻シェリーとも離婚。隣家に越してきたナイルに恐れと興味を抱き、新作の題材にしようと思いつく。

ナイル・ジャーヴィス(マシュー・リス)
不動産会社の御曹司。かつて妻マディソンの失踪事件で殺人容疑をかけられるも、不起訴となった過去を持つ。世間の視線を避けるためマンハッタンを離れ、現在は2番目の妻ニーナとともにアギーの隣家へ移り住んでいる。人を挑発するような振る舞いを見せる一方で、時に魅力的で人を惹きつけるカリスマ性も備えている。

ジャーヴィス家

マディソン・イングラム・ジャーヴィス(レイラ・ジョージ)
ナイルの元妻。突然の失踪を遂げ、いまも遺体は発見されていない。精神的に不安定で自殺未遂の過去があり、遺書も残されていたことから、最終的には自殺と判断された。しかしその真相には依然として多くの疑念が残されている。

ニーナ・ジャーヴィス(ブリタニー・スノウ)
ナイルの現在の妻であり、ニューヨークを拠点に活動する美術商。以前はマディソンの助手を務めていた。アギーの家で偶然目にしたシェリーの絵に強く惹かれ、彼女の才能を広めたいと個展の企画を進める。

リック・ジャーヴィス(ティム・ギニー)
ナイルの叔父で、数々の前科を持つ人物。兄マーティンに強く忠誠を誓い、その指示のもとナイルのボディガードを務めている。粗野で危うい気質を抱えながらも家族への執着は強く、ナイルに近づくアギーを警戒し、密かにその行動を探る。

マーティン・ジャーヴィス(ジョナサン・バンクス)
ナイルの父であり、冷徹な不動産王。権力と財産を守るだけでなく、自らの血筋を後世に残すことに強い執着を抱いており、その欲望は家族関係にも影響を及ぼしている。

ライラ・ジャーヴィス(ジュリー・アン・エメリー)
マーティンの2番目の妻であり、ナイルの継母。マーティンとの間に2人の息子をもうけ、家族の中で新たな立場を築いている。

アギーの関係者

シェリー・モリス(ナタリー・モラレス)
アギーの元妻であり、画家。4年前に息子クーパーを事故で失い、2年前にアギーと離婚している。アギーがテディに向ける激しい怒りには理解を示しながらも、その執拗で過剰な行動に心をすり減らし、距離を置こうとする。

クーパー・モリス・ウィッグス(レオナルド・ジェローム)
アギーとシェリーの息子。4年前、アギーが運転する車に同乗していた際に事故に遭い、幼くして命を落とした。

キャロル・マクギディッシュ(ディードル・オコンネル)
アギーの担当編集者であり、親しい友人でもある。彼女を気遣いながら、2年間にわたり原稿の完成を辛抱強く待ち続けている。アギーからナイルを題材にした新作の構想を打ち明けられ、彼女の挑戦を支えようとする。

テディ・フェニグ(ババ・ウェイラー)
アギーの息子クーパーが命を落とした交通事故の加害者。現場では飲酒運転の疑いが持たれたものの、最終的には事故として処理された。その後、アギーとの対立が深まり、彼女に対して接近禁止命令を申し立てるに至った。

ブライアン・アボット(デヴィッド・ライオンズ)
FBI捜査官。かつて主任捜査官としてナイルを追跡していた経歴を持つ。ある夜、突然アギーの家を訪ねて「ナイルは危険だ」と警告し、彼女を不安に陥れる。その後、職場には秘密のままアギーと手を組み、ナイルの調査を進める。

そのほか

エリカ・ブルトン(ヘティエンヌ・パーク)
FBI捜査官であり、ブライアンの上司。ブライアンとの不倫関係を続けた末に夫と離婚している。ナイルの叔父リックと密かに繋がっており、彼にブライアンの情報を流す。

フランク・ブルトン(アミール・アリソン)
エリカの元夫。建設業者。

オリヴィア・ベニテス(アリース・シャノン)
市議会議員。若くして頭角を現し、誠実さと強い信念を武器に市民からの支持を集めている。ナイルとマーティンが推し進める〈ジャーヴィス・ヤード〉計画に真っ向から反対し、環境問題や地域住民の生活を守る立場を貫いている。

ジェームズ・イングラム(ビル・アーウィン)
マディソンの父。

マライア・イングラム(ケイト・バートン)
マディソンの母。

クリストファー・イングラム(ウィル・ブリル)
マディソンの兄。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

孤独な作家アギー・ウィッグスは、幼い息子クーパーを交通事故で失った過去を抱え、愛犬スティーブと郊外で静かな生活を送っていた。
ある日、隣家に不動産会社の御曹司ナイル・ジャーヴィスが移り住む。彼はかつて妻マディソンの失踪事件で第一容疑者とされた人物であり、その噂は町に広まっていた。
アギーはナイルからの手紙や贈り物に不快感を覚え、やがて直接対面することになる。ナイルの傲慢で挑発的な態度に苛立ちながらも、彼の言葉はアギーの心を揺さぶる。
アギーは墓地で息子の事故の加害者テディ・フェニグと遭遇し、激しい怒りを爆発させるが、元妻シェリーに諫められる。アギーは彼に対して過去に何度も嫌がらせを行い、接近禁止命令を突きつけられていた。
そんな中、ナイルに食事へ誘われたアギーは断り切れずに応じる。会話の中でナイルはアギーの過去や息子の死にまで踏み込み、彼女の怒りを買う一方で、創作意欲を刺激する。二人のやり取りは互いの価値観を暴き合う危険なものとなり、ナイルの暴力的な一面も露わになる。
その夜、FBI捜査官ブライアン・アボットがアギーを訪ね、ナイルに近づかぬよう警告する。翌朝、シェリーからテディが自殺したとの知らせが届き、アギーは衝撃を受ける。彼女はナイルが事件に関与した可能性を疑い始める。

テディの自殺報道に動揺するアギー。ビーチで遺体が見つからず、母親が「息子は自殺するはずがない」と訴える姿を目にした彼女は、自らの怒りがテディを追い詰めたのではないかという罪悪感に苛まれる。
さらにナイル・ジャーヴィスが意味深にテディの死を語ったことで、アギーは彼の関与を疑い、FBI捜査官ブライアン・アボットに相談する。ブライアンは証拠がないと突き放すが、ナイルの危険性を暗に認める態度を示す。
アギーは伝記の執筆が進んでいないことを編集者キャロルに打ち明け、ナイルを題材にした新作を書きたいと訴える。そしてナイルの家を訪ね、「真実を語る場を与える」と告げて彼を説得する。ナイルは迷いながらもその提案を受け入れ、アギーの新作の題材となることを承諾する。
その後、アギーはナイルの妻ニーナの訪問を受け、共に散歩をする。ニーナはかつて失踪したナイルの妻マディソンの秘書を務めていたことを明かし、彼女が精神的な病を抱えていたこと、そしてナイルが彼女を深く愛していたことを語る。
一方で、ナイルの叔父でありボディガードでもあるリックは、アギーの動きを怪しみ、彼女の家に侵入する。書斎で「ブライアン・アボット」と記されたメモを発見したリックは、その後ブライアンの上司であるFBI捜査官エリカと接触する。

アギーはナイルから幼少期の体験や父マーティンとの確執、母の死や兄の薬物死、さらに父が再婚して双子をもうけた経緯を聞き取り、彼の野望と孤独を知る。ナイルは父の支配を嫌い、自らの事業を後世に残すことに執着していたが、出版計画をめぐって父と激しく対立する。
アギーはブライアン・アボットを訪ね、テディ・フェニグの捜査資料を見せられるが、遺書や証拠に不審を抱き、ナイルのスマートリングの位置情報を利用して真相を探ろうと提案する。
ナイルは叔父リックからアギーがブライアンと繋がっていることを知らされ、アギーを〈ジャーヴィス・ヤード〉の高層階へ呼び出し、ブライアンとの関係を問いただす。アギーは「本の取材のため」と偽り、ナイルに原稿を最初に読ませると約束して執筆の継続を認められる。
ナイルは弟たちの誕生日パーティーにアギーを招き、父マーティンや政界の人間たちの思惑が交錯する場へ彼女を導く。マーティンとナイルは〈ジャーヴィス・ヤード〉の建設に反対する市議会議員オリヴィア・ベニテスの支持拡大に懸念を抱き、対策を迫られていた。
ナイルの妻ニーナはアギーの元妻シェリーの絵に強い関心を示し、彼女の個展を企画する。それを知ったアギーは、出版と個展が利益相反に見えると指摘し、ナイルの意見を聞くようニーナに忠告する。
ブライアンは密かにナイルの家へ侵入し、パソコンからデータをダウンロードするが、帰宅したナイルに危うく見つかりそうになり、犬に襲われながらも逃げ延びる。

ナイルの家に忍び込んだ際に犬に噛まれ負傷したブライアンは、暗号化されたデータを解読するためにハッカーのシモーンに助けを求め、見返りとして彼女の要求に従うことを約束する。
一方アギーはナイルから電話を受け、シェリーの個展が中止されたことを知らされる。元妻シェリーは激しく反発し、アギーが自分の成功を妨げていると非難する。
アギーは弁護士エリスの仲介で、マディソンの両親ジェームズとマライアに面会する機会を与えられる。2人は娘が精神疾患や過去の自殺未遂に苦しんでいたことを語り、ナイルがむしろ彼女を救った存在であったと強調する。
さらに、ナイルが見つけたというマディソンの遺書は彼女の筆跡であることが証明されており、偽造の可能性も消える。アギーは、ナイルを疑ったことは間違いだったのではないか、と考え始める。
その頃ナイルと父マーティンは、市議会議員オリヴィア・ベニテスの影響力を阻止するためにモンゴメリー・グループと手を組み、彼女を取り込もうと画策していた。ナイルは廃ビルでベニテスと交渉し、土地の寄付を持ちかけるが拒絶され、父から「アメが効かぬならムチを使え」と指示される。
シモーンはナイルのパソコンデータの中から暗号化されたリンクを見つけ出し、監禁されているテディ・フェニグのライブ映像にたどりつく。それを見たブライアンはアギーを危険から遠ざけるため、「収穫なし」と嘘を伝える。その後ナイルを尾行したブライアンは、廃ビルで彼に銃を突きつけるが逆に組み伏せられ、激しく殴打され殺害される。
深夜、最悪の一日を過ごしたナイルは酒を求めてアギーの家を訪ね、彼女は戸惑いながらも彼を迎え入れる。

ナイルとアギーは酒に酔った勢いで本音を語り合い、互いの心の奥をさらけ出す。アギーがクーパーの部屋で弱さを見せたことで、2人の距離はさらに近づく。
ナイルの妻ニーナは夫の不在に不信を募らせ、早朝に帰宅したナイルと激しい口論を繰り広げる。ナイルはその後ひとりで外出し、ブライアンの遺体をトランクに隠したまま廃車場で車ごと処分するという冷酷な行動に出る。
一方、マーティンとリックはオリヴィアの政治集会を混乱させるために裏で計画を進め、リックは仲間を集めて暴動を仕掛ける。その結果、集会は制御不能の混乱に陥り、オリヴィアは責任を問われ窮地に追い込まれる。
アギーは元妻シェリーに謝罪を試みるが拒絶され、孤独と後悔に苛まれる。その後、マディソンの兄クリストファーと会ったアギーは、〈ジャーヴィス・ヤード〉建設に絡む秘密を知らされる。マディソンの両親と親族は、所有権5%と引き換えに建設ローンの半分を肩代わりしており、そのためナイルの無実を信じざるを得なかったという。
さらにアギーはクリストファーからマディソンの遺品を託され、野鳥観察ノートの破れたページが遺書とされるメモと繋がっていることに気づく。アギーはブライアンに連絡を取ろうとするが、すでに彼はナイルに殺害されており、携帯はナイルの手中にあった。
何も知らないアギーは「彼がマディソンを殺した。証拠もある」とメッセージを送るが、それを見たナイルはブライアンになりすまして「会うまで動くな。誰にも言うな」と返信し、携帯を海に投げ捨てる。

ブライアンの家を訪ねたアギーは、不安に駆られて室内へ侵入し、引き出しに隠されていたUSBメモリーを発見する。そこへ現れたエリカに事情を説明し、共にUSBの中身を確認すると、テディが監禁されているライブ映像が映し出される。
エリカは令状を取る決意を固めるが、同時に自らの過去の選択がブライアンの死を招いたと悟り、元夫フランクに電話して子どもたちを守るよう懇願する。
一方、ニーナは病院で妊娠を告げられ、長年不妊とされていた自分に訪れた奇跡に戸惑いながらもナイルに報告する。子どもを望まなかったナイルは、表面上の喜びを示す。
オリヴィアは暴動の責任を問われる中で記者会見を強行し、ジャーヴィス親子の関与を糾弾するが、マーティンから寝返りの提案を受け、ついに取引に応じる決断を下す。
アギーが帰宅するとナイルが待ち構えており、森へと誘われる。ナイルは本の結末についてアギーを問い詰め、自分が犯人かどうかを暗に迫る。アギーは編集者キャロルからの電話をつなげたままその場を逃れ、家に逃げ帰る。
しかし書斎の原稿にはナイルによる修正が加えられており、彼が侵入したことが明らかになる。そしてナイルからの電話で2階へ誘導されたアギーは、部屋の中に横たわるテディの遺体を目の当たりにする。

2019年12月。ブライアン率いるFBIが飛行機を強制捜査し、座席に隠された札束を発見する。ブライアンはマディソンの画廊で開かれていたパーティーに乗り込み、ナイルの事業仲間であるペドロ・ドミンゲスを逮捕する。
父マーティンに問い詰められたナイルは、〈ジャーヴィス・ヤード〉の建設ローンの一部をペドロに肩代わりさせ、その資金が麻薬カルテル由来であることを打ち明ける。マーティンは事態の収拾を図るため、リックにFBI内部の買収を命じる。
ナイルは顧問弁護士ニック・ライダーを説得して出頭させ、罪をすべて彼に押し付ける。ブライアンが確信するナイルの関与は証拠不足で立証できず、財務データからも繋がりは見つからなかった。
一方その頃、エリカは夫フランクが欠陥コンクリートを非正規ルートで購入したことによりビル倒壊の責任を問われ、裁判資金を必要としていた。そこへリックが接触し、彼女を買収する。
ナイルは情報漏洩を疑い、身内の裏切り者を探し始め、助手のニーナを疑う。だが、実際にブライアンへ情報を流していたのは妻のマディソンだった。ブライアンと密会したマディソンは、ナイルの周囲で起きた不可解な死を告白し、夫に殺される恐怖を訴える。しかしブライアンは「もう打つ手がない」と伝え、彼女を失望させる。
その直後、マディソンはニーナが別の画廊へ転職することを知り、裏切られたと感じて激しく罵倒する。職場に戻ったニーナはナイルと会い、自分への疑いを否定すると同時に、マディソンがブライアンと密会していた事実を報告する。
妻の裏切りに激しく動揺したナイルは画廊でマディソンと対峙し、口論の末に彼女を殴り殺してしまう。ナイルは父マーティンに助けを求め、リックとともに遺体を処理し、偽造した遺書を残して事件を隠蔽する。

ナイルの策略によってテディ殺害の容疑を着せられたアギーは、追われる身となり森へ逃げ込む。助けを求めてエリカに連絡するが、彼女はリックに脅されており、家族を守るためアギーを見捨てる決断を下す。
その頃、リックの報告を受けたマーティンは脳卒中を起こし、病院へ搬送される。ナイルは父の代わりに記者会見へ登壇することを決意するが、リックから「すべておまえのせいだ」と非難される。
追い詰められたアギーはニーナの画廊を訪ね、彼女にテディ殺害とマディソンの死の真相を語り、無実を訴える。そして自ら警察に通報し、その場で逮捕される。
帰宅したニーナはナイルを問い詰め、ついに彼からマディソンとテディ殺害の自白を引き出す。「俺は生まれてからずっと戦ってきた。もう隠れたくない」と泣きながら語るナイルに、ニーナは寄り添う仕草を見せる。
ナイルは父の代わりに記者会見へ臨み、オリヴィアと共に都市計画を発表するが、直後FBIに逮捕される。ニーナが録音していた自白の音声を証拠として提出したのだった。それによりアギーの冤罪は晴れ、釈放される。
ナイルは無実を主張するが、リックが減刑と引き換えにナイルの有罪の決め手となる証拠を提出。最終的に仮釈放なしの三度の終身刑を言い渡される。絶望感に襲われたリックは昏睡状態の兄マーティンを殺害し、逮捕される。
その後、アギーは刑務所でナイルと面会し、家を売ったことを明かす。アギーは本を書き上げるためにナイルから「最後の言葉」を聞き出そうとするが、後日、彼はリックの仲間に襲われ命を落とす。アギーは「THE BEAST IN ME(私のなかの獣)」というタイトルで本を出版し、成功を収める。
一方、ナイルの子を産んだニーナは、赤ん坊に父の狂気が受け継がれているのではないかという不安を抱きながら育てていく。

感想(ネタバレ有)

獣の正体に揺さぶられる

心理的な緊張と謎解きの面白さが重なり合い、最後まで目を離せない展開。すごく面白かったです。

登場人物たちの複雑な心理が絡み合う人間関係の描き方や、終盤の第7話で過去の真相が明らかになり、一気に伏線が回収される構成も見事でした。

タイトルにある“BEAST(獣)”は、最初は怪しい隣人ナイルを指していると思っていました。しかし物語が進むにつれて、主人公アギー自身も不安定で危うい存在に見えてきます。

孤立感を深め、暴走していくアギーにナイルが寄り添い、二人の距離が近づいていく過程はとても不気味。どちらが獣なのかわからなくなる瞬間があり、アギーと同じように「わたしが間違っていたのかも……」という気持ちになりました。

真実とどう向き合うか

アギーの息子クーパーの死についても、同じことが言えます。わたしはずっと、事故の原因はテディの飲酒運転だと信じ込んでいました。アギーがそう言い続けていたからです。ところが最終話で、アギー自身の過失の可能性が示されます。

運転中に電話取材を受け、ストレスを抱えたまま車を走らせていたこと、そしてクーパーが車内で暴れていたことが事故につながったのかもしれない。テディの「蛇行運転してた」という証言も、もしかすると嘘ではなかったのかもしれない……。

アギーが「私はこの先も生きていけるように理想的な話を言い聞かせてきた」とニーナに語る場面は、衝撃的であると同時に、自分自身にも突き刺さるものでした。人は真実をねじ曲げてでも、自分を守るための物語を選んでしまう。その弱さを自覚できているだろうか、と。

過去の真相と正義の不在

第7話では、マディソン失踪の真相がついに明らかになります。彼女がFBI捜査官ブライアンに情報を渡していたという事実は、大きな驚きでした。

マディソンはナイルを逮捕させたい一心で動いていましたが、FBIは決定的な証拠をつかめず、結局ナイルは捕まらないまま。彼女は恐怖に怯え、そして裏切りがナイルに知られてしまったことで命を奪われます。

しかも、その裏切りをナイルに告げたのが、マディソンに傷つけられていたニーナだったという事実は、さらに重くのしかかります。

ブライアンはきっと、マディソンを殺したのはナイルだと確信したでしょう。その後、彼が離婚や依存症に苦しむようになったことを思えば、どれほど深い失意の日々を送ったのかは容易に想像できます。だからこそ、アギーに警告せずにはいられなかった。

マディソンの勇気も、ブライアンの苦悩も、結局は報われないまま残される。やりきれなさを感じると同時に、その徹底した描写に胸を打たれます。

嘘と真実の狭間で選ぶもの

物語の終盤、ナイルの策略によって罪を着せられ、指名手配されてしまったアギーは、誰にも頼ることができない状況に追い込まれます。元妻シェリーには信じてもらえず、FBI捜査官のエリカにも見捨てられ、絶望の中で最後に助けを求めたのは、なんとナイルの妻ニーナでした。

アギーは、ニーナが夫の罪をうすうす感じながらも、自分にとって都合のいい嘘を信じようとしていることを見抜いていました。これは作家としての鋭い観察眼があったからこそだと思います。

そして、その洞察が正しかったことはラストで証明されます。ニーナはナイルに寄り添うふりをして油断させ、彼の自供を録音した音声をFBIに渡すことで、ナイルを逮捕に導きます。

ナイルとニーナの対峙は、このドラマの核心を突きつける場面でした。ナイルの言葉によって、ニーナの中にも“BEAST”が潜んでいることが明らかになり、人間の心の奥に隠された暴力性や欲望が、ある瞬間に姿を現す恐ろしさを示します。

物語が次々と予想を裏切る展開を見せ、心理的な緊張が最後まで続くドラマでした。そこにキャストの迫真の演技が重なり、強い余韻を残す作品になっていたと思います。

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