コールドケース3-真実の扉-第8話「汚名」あらすじ感想|立川さんの過去と取り返しのつかない罪

WOWOWドラマ「コールドケース3 ~真実の扉~」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「コールドケース3-真実の扉-」第8話のあらすじと感想です。

今シーズンのハイライトである立川さんの回です。
最高でした。涙なしでは見られないです。

立川さんの別れた妻の役が水野美紀さんとか、「えっ!?」って叫んじゃいましたよ。なんという贅沢。全編、見どころしかなかったですね。

元ネタは、アメリカ版「コールドケース」シーズン7第17話“Flashover”です。

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第8話「汚名」のあらすじ

ある夜、立川(滝藤賢一)が駐車場で軽い事故を起こし、百合(吉田羊)の留守電に「俺は人を殺しちまったかもしれない」というメッセージを残して姿を消してしまう。

ここ最近の立川の様子から何か問題を抱えていると察した百合は、本木(三浦友和)に内緒で解決すべく、高木(永山絢斗)や金子(光石研)と協力して立川の行方を追うことに。

やがて立川が5年前に担当した放火事件を調べ直していたことがわかるが、彼が逮捕して有罪判決を受けた灰原拓郎(竹原ピストル)は、先月刑務所で自殺を図り亡くなっていた。

事件を担当した消防士・井沢晃(梅垣義明)によると、灰原拓郎は妻と離婚して古い一軒家に一人で住み、失業中で酒浸りだった。幼い子供たちを家に呼んだ夜、彼は妻への腹いせに自ら家に火をつけて2人の息子を殺したという。

兄の無実を主張する拓郎の弟・灰原継春(玉置玲央)は、立川に資料を渡して再捜査を訴えたが相手にしてもらえなかった、と語る。兄の自殺は彼のせいだと、継春は立川を責めていた。

立川の失踪は刑事部長の耳にも入り、本木の知るところとなる。自分をかばおうとして報告しなかった百合を叱責する本木。

金子は立川の元妻・由紀(水野美紀)を訪ね、立川が由紀に会いに来ていたことを知る。再婚した由紀に子供が生まれていたことを知った立川は、ショックを受けていたという。

灰原拓郎の自白を証言したのは同房の囚人・小柳拓(森谷勇太)だった。百合と高木は小柳に面会し、小柳が担当の検事に恩を売るために嘘の証言をしていたことを知る。

立川は建築工学の専門家・東野にも話を聞いていた。現場写真を見た東野は、放火ではなく、短時間に一気に炎が広がる“フラッシュオーバー”の可能性が高いという。

拓郎の元妻・木村由香里(濱田めぐみ)は、家の電気設備がトラブルだらけだったと証言。大家の入江(田村泰二郎)が呼んだ業者は、焦げたコンセントのカバーを替えただけで修理をしなかったという。

消防署で立川が暴れているという連絡が入り、百合と高木が駆けつけるが、立川は既に立ち去った後だった。立川に掴みかかられた消防士の井沢は、間違いを認めようとせず、拓郎が放火殺人犯だという主張を変えなかった。

本木は刑事部長の井内(利重剛)に呼び出される。15年前、彼の息子を逮捕した本木に感謝を伝え、「もし立川警部補が見つかったら同じことをしてください」と告げる井内。

百合は雨の中に立ち尽くす立川を見つける。5年前の事件の時、不妊治療を続けるかどうかで由紀との関係が悪くなっていたことを語る立川。父親になりたいという願望が、子供を殺した拓郎への怒りに繋がったと語る。

自分が拓郎を殺したのだと告白する立川に、百合は「これから彼の汚名をそそごう」と告げる。立川は拓郎の実家を訪ね、両親と弟の継春に彼の無実を伝えて謝罪する。

立川は本木に警察手帳を返して捜査一課を出ていく。

第8話の登場人物(キャスト)

灰原拓郎(竹原ピストル)
立川が5年前に担当した放火殺人事件の犯人。幼い息子2人を殺した罪で逮捕された。無実を訴えるも有罪判決が下され、刑務所内で首を吊って自殺する。

真辺由紀(水野美紀)
立川の元妻。長く不妊治療を続けていたが子供に恵まれず、2年前に立川と別れた。その後、再婚相手との間に新たな命を授かった。

大江嗣久(宮沢和史)
検事。百合とはたまに飲みに行く仲。放火殺人事件に関する情報を百合に教える。

灰原継晴(玉置玲央)
拓郎の弟。兄の無実を訴え、立川に再捜査を願い出ていた。

木村由香里(濱田めぐみ)
拓郎の元妻。今も2人の息子を失った悲しみと、子供を奪った拓郎への恨みを抱えて苦しんでいる。

井沢晃(梅垣義明)
ベテランの消防士。5年前の事件を担当し、燃焼促進剤による放火と断定する。

小柳拓(森谷勇太)
窃盗犯。5年前、拓郎が自白するのを聞いたと証言した。暴走族の元メンバーで、仲間のことを何度も裏切る信用ならない男。

東野(橋本拓也)
建築工学の専門家。火災現場での“フラッシュオーバー”という現象について立川に説明する。

入江(田村泰二郎)
拓郎が住んでいた借家の大家。

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WOWOWドラマ「コールドケース3 ~真実の扉~」あらすじキャスト ネタバレ有「コールドケース3-真実の扉-」全話あらすじ・感想・キャスト・原作

第8話で使用された曲

  • 森山直太朗「生きる(って言い切る)」

第8話の感想(ネタバレ有)

立川さんの過去と取り返しのつかない罪

いつものコールドケースとは少し違う雰囲気のストーリーに引き込まれました。

これまでずっと弱者を救う立場だった彼らですが、今回はその救うべき人間を冤罪で死に追いやってしまうという、残酷な結果を突きつけられます。

いくつかの事実誤認は、立川さんの責任とは言えない。個人的感情でバイアスがかかってしまうことも、たぶん誰にでもある。でも冤罪は絶対にあってはならないことで、無実の人を死に追いやった罪はとてつもなく重い。

立川さんがかつて不妊治療で苦しんでいたことは、シーズン2の第8話で明らかになっています。子供ができず妻とは別居状態が続いていましたが、2年前に離婚してたんですね。

別れた妻・由紀はその後再婚して、再婚相手との間に子供が生まれていました。おめでとうと言えない立川さんの気持ち。想像すると胸が痛い。

いつもマイペースで強気な立川さんが「子供が欲しかった。父親になりたかった」と百合の前で本音を漏らすシーンは、グッときてしまいました。

チームの絆と感謝する井内さん

5人の絆を感じさせる話でもありました。これ以上代理に迷惑はかけられないと、3人だけで捜査を進める百合。結局バレちゃうんですけども、「俺をかばおうなんて二度と思うなよ」という代理のセリフも胸熱でした。

毎回腹立たしい刑事部長の井内さんも、今回はおいしい役どころでしたね。何かと対立する井内さんと代理との間には、過去の因縁があったことが明らかに。

井内さんの息子は問題児だったらしく、何度も罪を犯すも“忖度”で逮捕を免れていましたが、代理が逮捕。その後、息子は更生して結婚し、孫もできたと。

あの時の逮捕がきっかけで息子は心を入れ替えることができた、と代理に感謝の言葉を伝えました。そう思えるようになったのは最近みたいですが。

灰原が冤罪だったことを確信した立川さんは、遺族似謝罪し、代理に警察手帳を返却していました。辞めることはないと思うけど、どうするのかな。たぶんアメリカ版とは違う扱いになりそう。

アメリカ版との違い

ここからは、元ネタとなったアメリカ版「コールドケース」シーズン7第17話“Flashover”との違いについて説明します。

過去の事件の年代設定は日本版が2015年だったのに対し、アメリカ版では2006年でした。放送されたのは2010年3月。ストーリーはほぼそのままです。

立川大輔/ニック・ヴェラ

冒頭、立川さんが事故を起こす場面。日本版では駐車場の車止めに乗り上げる程度でしたが、原作では酒気帯び運転で対向車と接触しかけ、避けようとして標識に衝突するという本格的な事故でした。

なので、「人を殺したかも」というニックの留守電を聞いた時、リリーは事故のことを言っているのだと思い込んでいました。

そこで、ニックの酒気帯び運転を隠蔽するために、警官をその場から追い返して秘密裏に処理しようとします。「これ以上ボスに迷惑をかけられない」という理由で内緒にするところは日本版と同じです。

立川さんが別れた妻に会いに行くと、子供が生まれていたというシーンも原作どおり。ただし原作では子供は2人で、幼稚園児と3歳でした。

ラストシーンで警察手帳を返すのは、原作と同じです。原作ではその後のエピソードで、精神科の治療を受けています。

灰原拓郎/ジョー・ドン・ビリングズリー

立川さんが逮捕した放火殺人犯・灰原拓郎は刑務所内で首を吊って自殺しましたが、原作のアメリカ版では自殺ではなく、ほかの囚人たちに殺されています。

当初は「子供を殺した」という理由で制裁を受けたのでは、と考えられていましたが、最終的には刑務所内での小競り合いだったことがわかります。

どちらも死んだことに変わりはないのですが、日本版の「自殺」のほうが立川さんにとっては辛いでしょうね…。

灰原が子供たちのために石油ストーブをつけたり、2人を抱き締めて更生する決意を固めるシーンは、原作にはありません。

消防士/火災調査官

立川さんと一緒に現場を検分した消防士は、アメリカ版では「火災調査官」でした。それ以外の設定はほぼ同じ。

最後まで「放火による殺人」を主張し、間違いを認めずに立川さん(原作ではニック)とつかみ合いになったところも同じです。

フラッシュオーバーについて説明した大学の先生は原作にも登場しますが、火災調査官について「ほとんどは高卒で40時間の研修1回で資格を得ている。直感や経験は科学の代わりにはならない」と語り、放火という判断を否定しました。

井内利夫/パット

今回の井内刑事部長の役割は、原作ではパットでした。役職のdeputy commissionerって、日本語だと副総監になるのかな。英語が不得意でわかりません。スミマセン。

井内さんが告白した息子の話も原作どおりですが、日本版にはなかった一言が「部下が見つかったら精神科を受診させろ。それでダメなら辞めさせろ」でした。

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